YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。
今回からは、「守護霊 再⽣」と題したシリーズをお届けします。
みなさんは「守護霊」と聞いて、何を思い浮かべますか?
亡くなった家族の姿でしょうか? あるいは歴史上の⼈物の姿? もしかしたら、神話や⺠話に登場するような神様や英雄を思い浮かべた⼈もいるかもしれません。
私たちを優しく⾒守ってくれるような存在をイメージした⽅もいるでしょうし、ビジバシと厳しく指導する存在をイメージした⽅もいるでしょう。
「守護霊」=「私たちを⾒守り、導いてくれる霊的存在」という認識は、ある程度広く共有されていると思うのですが、それでも「守護霊」に対する印象は、⼈によってかなりバラバラです。
実は、スピリチュアルの世界においても、「守護霊」というのは、かなり曖昧な存在なのです。
「守護霊」をめぐる⾔説は、国内外においてこれまでたくさん発表されてきました。しかし、その定義や解釈には、地域や時代ごとにずいぶんと差があります。
この記事を執筆するために、「守護霊」についての記述がある様々な⽂献に⽬を通していったところ、その内容にあまりに統⼀性がなく、改めて驚かされました…。
この「守護霊 再⽣」シリーズでは、まず「守護霊」をめぐる⾔説をなるべくわかりやすく整理し、その上で、現代を⽣きる私たちが「守護霊」をどのように捉え、どのように向き合っていくべきかについて、考えていきます。
今回はまず、現在⽇本で普及している「守護霊」の定義をまとめるところから始めようと思います!
守護霊の4区分
⽇本において「守護霊」という⾔葉をここまで広めた功労者は、おそらくスピリチュアリストの江原啓之⽒ではないかと思います。
2000年代に⼈気を博した『オーラの泉』などの TV 番組で、江原⽒が「あなたの守護霊は…」と話している場⾯を⾒たことのある⽅は多いのではないでしょうか?
江原⽒は、⽇本⼼霊科学協会で学んだ経歴を持ち、また神職の資格も有するなど、⽇本におけるスピリチュアリズムや霊的世界観の伝統を引き継いでいる⼈物です。
その⼀⽅で、イギリスのスピリチュアリズムを現地で学んだ経験を、⾃⾝の考え⽅に取り込むなど、国際的な視点を持っていることも特徴。(イギリスは、スピリチュアリズムの本拠地とも呼べる⼟地です。)
江原⽒による「守護霊」の考え⽅は、⽇本とイギリスにおけるスピリチュアルの考え⽅がミックスされたところから⽣まれたものだと⾔えるわけです。
江原⽒は、その名も『守護霊』と題された 2017 年刊⾏の書籍のなかで、「守護霊」を、私たち⼀⼈⼀⼈に寄り添う「たましいの親」として捉え、以下の4種類に区分して定義しています。
ただし、この4区分が存在するからと⾔って、私たち1⼈に対し必ず4⼈の守護霊がついているというわけではなく、1⼈の守護霊が複数の役割を担う場合もあるとのこと。
では、それぞれの特徴を⾒ていきましょう。
① 主護霊
ガーディアン・スピリットとも呼ばれます。
私たちがこの世に⽣まれる前から、⼀⽣涯にわたって、さらには死後も⼀緒にいる存在だとされます。
守護霊が複数存在する時には、そのチームの中⼼となる、メインの守護霊です。
主と書くように、あなたの⼀番の元であり、⾃分⾃⾝ともいえるほど中⼼的な存在で、⼈格もよく似ています。あなたと⼀緒に、すべての経験と感動を得ながらも、客観的な視点からあなたの課題を⾒つめる存在です。
(江原啓之『守護霊』、講談社、2017 年、35 ⾴)
② 指導霊
ガイド・スピリットとも呼ばれます。
私たちの職業や技能を司るとされ、現世における私たちの役⽬や使命をサポートしてくれる存在です。たとえば、医者として働く⼈には、医者の指導霊がついている、といったように。
それゆえ、⼀⼈に対して複数の指導霊がつくこともあり、⼈⽣の途中で指導霊が変わることもあるそうです。
何かの役⽬や使命がプラスされれば、それだけサポートも必要ですから、増えることもあります。また役⽬うんぬんにかかわらず、それほどサポートが必要でなければ、主護霊が指導霊を兼ねている場合も。
(同上 37 ⾴)
③ ⽀配霊
コントロール・スピリットとも呼ばれます。
⾃然霊であることが多いですが、その限りではありません。
⾃然霊というのは、この世に姿を持ったことがない霊のことで、⽇本のスピリチュアリズムにおいては、そのエネルギーを、⿓神霊系・天狗霊系・稲荷霊系・弁天霊系の4種類に区分して考えることが多いです。
指導霊は、私たちが⽣まれてくる時に選んできた宿命を、10 年ほど先まで⾒通しながら、様々なご縁をつなぎ、導いてくれる存在です。
そして宿命を⾒通しながら、様々なコーディネートをする役⽬を担っているのが⽀配霊というわけです。特に縁結びなどは⽀配霊の影響が⼤きく、⼈や⼟地、進むべき環境、結婚や就職などの縁結びにも関わっています。
(同上 38 ⾴)
④ 補助霊
ヘルパー・スピリットとも⾔われます。
補助霊は、厳密に⾔えば「守護霊」ではなく、そのサポート役です。主に、霊界からのメッセンジャーのような役を担います。
私たちと現世での縁があった⼈(たとえば亡くなった祖⽗・祖⺟など)が補助霊になることが多いとされます。
ですから、霊視で「あなたの亡くなったおばあちゃんが、こう⾔っていますよ」などという場⾯がよくありますが、これは亡くなったおばあちゃんがメッセンジャーとして補助霊の役割を担っているということなのです。
(同上 39-40 ⾴)
「守護霊」≠「ご先祖様」?
以上が、江原⽒がまとめている「守護霊」の4区分です。
この4区分⾃体は、⽇本においてかなり⼀般に普及しているものです(たとえば、インターネットで「守護霊」と検索すると、この区分がすぐに出てきます)。
しかし、江原⽒の考えと、⽇本において(特にスピリチュアル業界、あるいはスピリチュアルに関⼼のある⼈々の間で)ポピュラーな「守護霊」の捉え⽅との間には、2つの⼤きな違いがあります。
1つ⽬は、私たちに寄り添う「主護霊」は、必ずしも私たちの家系につながる霊ではない、という考え⽅です。
江原⽒によれば、メインの「守護霊」としての「主護霊」は、家系に限定されることのない、もっとグローバルな視点で⾒なければならない存在です。(同上 35 ⾴参照)
そのサポート役としての「補助霊」が、私たちと⾎のつながった⼈物の霊であるとされるのとは対照的。
しかしながら、⽇本における「守護霊」は、⼀般的に、私たちと家系を同じくする⼈物の霊としてイメージされがちです。
実際、翔哉をはじめとする YOKU STUDIO のカウンセラーの経験則として、クライアントの「守護霊」と対峙した時には、何代前かのご先祖など、やはり⾎のつながっている⼈物の霊であることが多いようです。
2つ⽬は、「守護霊」は、私たちを外部的に「守ってくれる」ような存在ではない、という考え方です。
補助霊を除く「守護霊」たちは、私たちと「グループ・ソウル」(⾼次元の魂の故郷)を共有しており、「ハイアーセルフ」と同じような存在なのだと、江原⽒は語ります。(同上 52 ⾴参照)
前回までの記事でお伝えしてきたように、「ハイアーセルフ」というのは、まさに⾼次元の「私」⾃⾝です。
あくまで「私」の⼀部として、現世に⽣きる「私」を魂の世界から応援している存在=「守護霊」、というのが江原⽒の考え⽅なのです。
しかし⽇本においては、私たちを守り導き、時には道徳的に私たちを教育するような「守護霊」像が根強く存在していて、それは「ハイアーセルフ」のイメージとはかなり異なるものです。
そこにはやはり、「守護霊」は私たちの先祖である、という認識が影響しているように思います。
特に年配の⽅のなかには、⽗⺟や祖⽗⺟から、「ご先祖様が守ってくれている」という⾔葉を聞かされたり、時には「そんなことをしてはご先祖様に顔向けできない」と叱られて育った⽅も、少なくないのではないでしょうか?
ここで⾔う「ご先祖様」は、⽇本で⼀般的に普及している「守護霊」のイメージにかなり近いもの。
つまり、⽇本の⾵⼟に深く根付いてきた、家系の⼀員を守り、「家訓」のような規範性を担う「ご先祖様」への思いが、「守護霊」という存在と重なり合っているのだと考えられるわけです。
ではなぜ、⽇本において、この「守護霊」=「ご先祖様」という認識が定着したのでしょうか?
そこには、イギリスをはじめとするヨーロッパのスピリチュアリズムに精通し、その知⾒を⽇本に広めた、⼼霊研究家・浅野和三郎が深く関わっていると考えられます。
次回は、⽇本における「守護霊」認識の歴史的背景を、ヨーロッパにおける「守護霊」⾔説と、浅野によるその読みかえを参照しながら、紐解いていこうと思います。
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