「子供は親を選べない」「子どもは親を選んで生まれてくる」などの言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。最近では「親ガチャ」という言葉も世間を賑わせました。親からしたら「子ガチャ」に失敗しているという考え方もありますが、このような考え方は、いったいどこから生まれたのか?その真相を探っていきたいと思います。
子は親を選べるのか、また親は子を選べるのか?

子供が親を選ぶことについては、ネイティブアメリカン、アフリカ、インド、ギリシャ、チベットなど世界中の多くの文化がさまざまな説を持っています。
古代中国やインドの文化では、カルマや前世の経験に基づいて、魂が生まれたい家族を選ぶと信じられていました。
親が子供を選ぶことができるという点では、妊娠を祈願する親の多くは、子供が自分を選んでくれたと感じることが多いようです。これは、受胎の瞬間から子供との強い結びつきを感じ、子供が自分を親として選んでくれたのだと考えるからです。
この難しい問題について、はっきりとした答えは未だに分かりません。「親なんか選べるわけない、また親が子どもを選べるわけない」と一蹴すればそれまでですが、子が親を選んでいないという証拠も、子が親を選んだという証拠もありません。いずれ科学で証明される日が来るかもしれません。
前世や親を選んだ記憶を持って生まれた人がいる

忘れてはいけないのは、前世の記憶、また両親との思い出を持っていると主張する人が一定数いることです。
胎内記憶の具体例
胎内記憶研究で有名な池川明医師は、多くの子どもたちから「お母さんを選んで生まれてきた」という証言を集めています。ある4歳の男の子は「お空から見ていたとき、ママが笑顔で優しかったから選んだ」と語り、別の女の子は「ママが悲しんでいるのを見て、助けたいと思った」と証言しています。
これらの胎内記憶は、魂が意識的に親を選んでいることを示唆する重要な証拠と考えられています。
子どもの不思議な発言
幼い子どもが突然「あなたを母親に選んだの」と言い出すケースも少なくありません。あるケースでは、3歳の子どもが「ママが泣いているのを見て、あなたの子どもになることを決めたの」と話し、母親が不妊治療で悩んでいた時期を正確に言い当てたという報告もあります。
他にも、自分が生まれる前に親を選んだという体験を覚えている人もいます。また、夢やシンボル、ビジョン、シンクロニシティを通して、前世や親についての手がかりを見つける人もいるようです。
この事実は運命を我々がある程度コントロールする力を持っていることを示唆しています。私たちは、選ばれた環境の犠牲者ではなく、自分の人生と運命をコントロールすることができるという考え方なわけです。
親を選ぶことの影響は、兄弟姉妹との関係にも及びます。親を選ぶことは、兄弟姉妹を選ぶことでもあると考えられています。兄弟姉妹は精神的なつながりであり、互いの反映という可能性も大いにありえます。
親を選んで生まれてくるというスピリチュアルな言説の出自
魂の契約

親を選んで生まれてくるというスピリチュアリティの代表的なものに、魂の契約という考え方があります。
これは、私たちは両親を含め、人生で出会う人々との間に、果たすべき一定の契約を持っているという考え方です。
この契約は、過去世で形成されたものであり、現在の家族との関わり方を示すスピリチュアルなガイドと見なされると言われています。これは、過去世からのカルマのバランスを取るための方法とも言えます。
カルマ理論

カルマ理論とは、前世でのカルマによって、親が誰であるか、どのような環境に生まれてくるかが決まるという考え方です。
この説によれば、私たちの行動や思考は、すべて私たちの人生に影響を与えることになります。親は、私たちがカルマの教訓を学び、次のステージに進むために必要な経験を与えてくれるのです。
魂の成長とカルマの解消
スピリチュアルな観点では、魂は成長するために様々な経験を求めています。時に困難な環境や厳しい親のもとに生まれることを選ぶのは、特定のカルマを解消し、魂の成長を加速させるためだと考えられています。
例えば、前世で他者を支配していた魂が、今世では厳しい親のもとで生まれ、謙虚さを学ぶといったケースです。このような視点は、「なぜ私はこのような親のもとに生まれたのか」という問いに対する癒しをもたらすことがあります。
ソウルグループ

「ソウルグループ理論」は、「出生前契約理論」と密接な関係があります。
この説では、私たちの魂は集合体、つまり「魂のグループ」に由来し、人生の目的を共有し、共通の特質を持つことを意味します。
これらの特性は一般的に世代を超えて受け継がれ、私たちは自分と似たような人に引き寄せられるのです。
この理論では、親と子のつながりは、互いに学び、助け合い、共に成長する素晴らしい機会であると考えられています。
運命の役割

また、親を選び、生まれてくることに運命が関係しているという考え方もあります。
魂はあらかじめ決められた運命を持ってこの地上に降りてきて、果たすべき特定の宿命を持っていると考えられているのです。
生まれてくる親は、その子の運命の手助けをすることもあれば、邪魔になることもある。だから、生まれてくる親は偶然に選ばれるものではないと言われている。
ディヴァイン・タイミング理論

神のタイミング説は、私たちがこの世に生を受けたのは、壮大な宇宙計画の一部であるという考え方に着目したものである。
この理論では、私たちの魂は、この世に生を受けるのに最も適した完璧な時期を選び、私たちの両親は、私たちの精神的成長に必要な教訓や経験に基づいて選ばれることを示唆しています。
この理論は、人生を相互に関連した網の目のように捉え、タイミングを精神の旅路における主要な要因として評価するものである。
アカシックレコードに記録されているという説

アカシックレコードは、すべての魂がすべての存在を通して歩んできたすべての知識が含まれているエネルギー的な保管場所です。
すべての魂は、受胎した瞬間にアカシックレコードに記録される。
つまり、魂が転生を決意した瞬間に、アカシックレコードに記録されるのである。
この記録には、その魂の人生の道筋や、転生先で受ける経験や教訓などの情報が含まれています。
このように、両親を選び、生まれてくることは、魂が意図的・意識的に行った行動という考え方もあります。
専門家が語る「親を選んで生まれてくる」スピリチュアル理論
江原啓之の「魂の学び」理論
スピリチュアリスト江原啓之氏は、TOKYO FMのラジオ番組「Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り」(2023年9月3日放送)で、「子どもは親を選んで生まれてくる」という考え方について詳しく語っています。
江原氏は「子どもは親を選んで生まれてきます。しかし、選ぶのは親だけではなく、生まれる国、地域、隣の人も全部選んでいるのです。そうなると、親だけの責任ではないのです」と説明しています。
特に児童虐待の事例に関して、「『子どもは親を選んで生まれてくる』という言葉には、物質的価値観、差別的な意味合いは含まれていません」と強調。江原氏は「子どもは実はみんなの子、地球の子」という考え方を示し、社会全体で子どもを見守り、育てる重要性を説いています。
江原氏はさらに「残念かもしれませんが、子どもが未熟な親を選んで生まれてくることはあります」としながらも、「幸せな人は意地悪をしない。誰が鬼の母になりたいでしょうか?」と述べ、虐待する親もまた苦しみを抱えていることを理解する視点を提供しています。
桜井識子の「環境選択」の考え方
神仏研究家・文筆家の桜井識子氏は、ブログ「親を選ぶとは?」(2016年)の中で、魂が目的に合わせて親と環境を選ぶという考え方について詳しく説明しています。
桜井氏によれば、「親を選んで生まれてくるというのは、必要な『環境』だったり、人生の計画をやり遂げるための『自分』を作る要素のため」と述べています。例えば「医者になって多くの命を救おうという計画で来た人は、医者にならなければなりません。そのためには頭が良く生まれるための遺伝子を持つ親が必要で、さらに医学部にいかせてもらえる経済的余裕(環境)も必要です」と説明しています。
ただし桜井氏は、多くの人が「親を選んで生まれてくる」という言葉を「親の『人格』もしくは『性格』を『自分が好きで選んだ』と勘違いする」と指摘。親との相性が悪い場合でも、その環境から学ぶべきものがあるために選択したという見方を示しています。
困難な家庭環境で生まれることの意味を考える
「毒親」と呼ばれる環境で育つことの意味
スピリチュアルな視点から、困難な家庭環境や「毒親」と呼ばれる状況で生まれてくることについて考えてみましょう。
「親ガチャ」という言葉が示すように、親を選べないという感覚を多くの人が持っています。しかし、桜井識子氏のブログでは「貧乏が好きでその環境を選んだのではなく、その環境から学ぶものを得るために貧乏を選んでいる」と述べています。
同様に、難しい親との関係性から得られる学びとして、次のような観点が考えられます:
- 自立心の育成: 依存できない環境で育つことで、強い自立心が育まれることがある
- 境界線の理解: 健全な人間関係の境界を学ぶきっかけになる
- 感情処理能力の向上: 困難な感情を扱う経験が、感情知性を高める
- 逆境からの回復力: 困難を乗り越える経験が、将来の人生における回復力を育てる
江原啓之氏はラジオ番組で「苦しいとき、抱え込むな」と助言し、「子どものためにも放る勇気を持ちなさい」と述べています。これは困難な状況にある親に対して、一人で抱え込まずに社会の支援を求めることの大切さを示唆しています。
障がいを持って生まれることの視点
桜井識子氏はブログで「障がいを持った体で一生を頑張ってみよう!と決意して生まれてくる魂は、両親を慎重に選ぶ」と述べています。これは、障がいを持つ子どもが親を「人格」で選ぶことがあるという視点です。
多くのスピリチュアルな文献では、障がいを持って生まれることには様々な意味があるとされています:
- 特定の体験を得る: 障がいのある身体で生きることを通じて得られる独自の体験がある
- 周囲の成長を促す: 家族や周囲の人々が愛や忍耐、受容を学ぶ機会となる
- 社会の意識を変える: 社会の多様性への理解を深め、包摂的な環境づくりを促進する
桜井識子氏は「選んだ基準が何か、でその親密性が変わってくる」と述べ、親子関係の形はその魂が何を学びたいかによって異なることを示唆しています。
不妊と「親を選ぶ」スピリチュアリティ
タイミングと準備の視点
不妊に悩む方々にとって「親を選んで生まれてくる」というスピリチュアル的な考え方は、新たな視点を提供することがあります。
スピリチュアルな文献では、魂の転生のタイミングについて様々な解釈があります:
- 適切な時期の存在: 魂が転生するには準備が必要であり、それには時間がかかることがある
- 特定の条件の整備: 魂が学ぶべき経験のために、特定の条件が整うのを待っている可能性
- 親の成長のプロセス: 親となる人が特定の成長や学びを経験する時間が必要な場合がある
これらの視点は科学的に証明されているものではありませんが、不妊に悩む方々にとって、別の角度から状況を見ることで心の支えになることもあります。
江原啓之氏の「愛の反対は無関心」という言葉は、子どもたちを社会全体で見守り、支えることの大切さを教えています。不妊に悩む方々も含め、社会全体で子育てを支援する意識が重要かもしれません。
親子関係を癒すスピリチュアルな視点
親子関係の魂レベルでの癒し方
親との関係に悩みを抱える方に対して、スピリチュアルな視点は次のような癒しをもたらすことがあります。
- 選択の意味を理解する: 自分が意識的に親を選んだという視点は、被害者意識から脱却する助けとなる
- 高次の視点からの理解: 魂の成長という大きな視点から見ることで、困難な関係性にも意味を見出せる
- 魂の契約の完了: 学びを得たら、新たな関係性を構築する選択もできる
親子関係における癒しについては、自分が置かれた環境や親との関係性を、魂の選択という視点から理解することで、新たな受け止め方ができるようになるかもしれません。桜井識子氏が述べているように、親を選ぶことは「人生の計画をやり遂げるための要素」であり、その視点で捉え直すことで、困難な関係性にも意味を見出すことができるでしょう。
まとめ:親を選ぶスピリチュアルな意味を理解する
私たちと両親の関係は、非常に貴重でスピリチュアルなものです。これらの理論は、私たちがなぜこの家族を選んだのかについての洞察を与えてくれるでしょう。
江原啓之氏が述べているように、「子どもは親だけでなく、生まれる国、地域、隣の人も全部選んでいる」という視点は、子育てが社会全体の責任であるという認識につながります。困難な状況にある子どもたちのために、私たち一人ひとりが「みんなの子、地球の子」という意識を持って行動することが大切かもしれません。
胎内記憶の研究や子どもたちの不思議な証言は、私たちが親を選んで生まれてくる可能性を示唆しています。そして、もしそれが真実であれば、私たちの人生における責任と可能性の両方を新たな視点で見ることができるでしょう。
両親を選び、生まれてきたことのスピリチュアルな側面を考えることで、私たちの現在の環境と宇宙の計画をよりよく理解することができれば幸いです。魂の旅路において、すべての経験には意味があり、それを理解することで、より深い平安と成長が得られるのかもしれません。
コメント
私は50代後半ですが、今でも鮮明に覚えています。両親の経済状況から自分の未来まで、最初からわかってこの世界に飛び込んで来ました。
全て当たってます。運命は最初から決められていると思います。
小さな青いプールから様々な親を見て、どれがいいか選ばされました。
裕福な両親は仲間の子に取られました。
先にいい思いするか、後にいい思いするかを悩み、後者にした記憶がはっきりあります。
避けては通れない修行だと言われて来ました。誰も信じてくれないけれど、サイトを見て、そのままだと思い書かせて頂きました。
もしかすると選んで来たのは親だけじゃないのではないだろうか?
魂の約束?自分には、いらないことも、本当は必要な学びだったというように!
それがわかれば世の中の悪は悪ではないのかもしれない!