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守護霊 再⽣ -中編- 第六回 | SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画

SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画 第6回 守護霊 再⽣ 中編

YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。

今回は、「守護霊 再⽣」シリーズの中編です。

前回は、スピリチュアリスト・江原啓之⽒の「守護霊」観を整理した上で、現在⽇本でポピュラーな「守護霊」の定義との差を明らかにしました。

⽇本において広く普及している「守護霊」=「ご先祖様」のイメージには、ヨーロッパのスピリチュアリズムを⽇本に輸⼊する際、⼼霊研究家の浅野和三郎が⾏った読み替えが、⼤きく影響を与えていると思われます。

そこで今回は、⽇本における「守護霊」のイメージの背景をたどるため、ヨーロッパにおける「守護霊」観、そして⽇本の伝統的な信仰と結びついた浅野和三郎の「守護霊」観について、考えていきます!

ヨーロッパ的「守護霊」≠先祖

ヨーロッパ、特にイギリスにおいては、19 世紀半ばから霊的な世界への関⼼が強まり、スピリチュアリズムが勃興しました。

霊からのメッセージを霊媒が伝える交霊会などが流⾏し、⼼霊現象や⽬に⾒えない魂の世界を探究しようとする運動が、積極的に展開されるように。

そのなかで、⾼級霊からのメッセージを伝える書(霊訓)や、研究書が多く書かれるようになったのです。

なかでも、ウィリアム・ステイントン・モーゼスの『霊訓』(1883)は、「世界三⼤霊訓」の⼀つにも数えられる書です。

モーゼスはイギリス国教会の牧師でしたが、「インペレーター」と⾔う霊から⾃動書記によってメッセージを受け取るようになり、この『霊訓』をはじめとする⽂献を著しました。

ウィリアム・ステイントン・モーゼス(1839-1892)

(ちなみに「世界三⼤霊訓」のうち、あと⼆つは、フランスの思想家アラン・カルデックによる『霊の書』(1857)、そして⽇本でもよく知られている『シルバーバーチの霊訓』(1938)とされます。)

『霊訓』のなかには、各個⼈の「背後霊」の決定⽅法について、以下のように記載されています。(ここで「背後霊」と訳されているものは、「守護霊」と同じ意味と捉えていいでしょう。)

――背後霊のことですが、どういう具合にして選ばれるのでしょうか。

背後霊は必ずしも指導する、、、、⽬的のみで付くのではない。そういう場合が⼀番多いのではあるが、時には背後霊⾃⾝にとっての必要性から付くこともある。が、その場合でも⼈間を教え導くという傾向は⾃然に出てくる。また時には特殊な使命を帯びた霊が付くこともある。(中略)中には霊的親和⼒によって結ばれる場合もある。地上的縁の名残りで結ばれることもある。何ら特殊な使命を帯びていない⼈間の背後霊は、魂が向上するに従い背後霊が⼊れ替わることがしばしばある。」

(W・S・モーゼス『霊訓 完訳 上』、近藤千雄訳、⼼の道場、1998 年、30-31 ⾴)

ここに⽰されているのは、個⼈と「守護霊」との結びつきが、様々な要因によって⽣じるということです。

「地上縁の名残り」、つまり現世的・物理的なつながりが、「守護霊」の決定要因となることもありますが、それだけではなく、個⼈の使命と「守護霊」の使命が共鳴した時に、両者の間に結びつきが⽣まれるとされています。

つまり、霊的な共鳴さえ起これば、どのような存在であっても、ある個⼈の「守護霊」になる可能性がある。⾎が繋がった先祖や親族ではなくても、個⼈の「守護霊」になり得るという考え⽅なのです。

アラン・カルデック『霊の書』も、「守護霊」の決定については、同じようなスタンスを⽰しています。

あなた(カルデック)の守護霊の場合は要請されて引き受けていますから、義務としてあなたを⾒守っています。が、⼀般的に⾔えば守護霊は⾃分で親和性の強い⼈間を選ぶことを許されております。楽しみとして進んで引き受ける場合もありますし、使命ないしや義務として引き受ける場合もあります。

(アラン・カルデック編『霊の書 スピリチュアリズムの真髄「思想編」』、近藤千雄訳、スピリチュアリズム普及会、1996 年、205 ⾴。)
アラン・カルデック(1804-1869)

そもそも、モーゼスにメッセージを伝えた霊=「インペレーター」や、カルデックを導いた霊=「聖ルイ」は、彼らと結びつきの強い霊ではありますが、彼らの先祖というわけではないはずです。

つまり、19 世紀後半にヨーロッパで隆盛したスピリチュアリズムにおいて、「守護霊」というのは、霊的な親和性を持って個⼈と結ばれた⾼級霊であり、地上的な縁は必ずしもその決定要因にはならないと考えられていたわけですね。

浅野和三郎の⽇本的「守護霊」

そして、いよいよ 20 世紀前半に、このような「守護霊」の考え⽅が、⽇本に輸⼊されることになります。

その際に⼤きな役割を果たしたのが、⼼霊研究家の浅野和三郎なのです。

浅野和三郎(1874-1937)出典 : 810.co.jp

浅野は、東京帝国⼤学(現在の東京⼤学)を卒業した英⽶⽂学研究者でもあり、多くの英⽶⽂学の翻訳も⼿掛けた⼈物です。

⼼霊研究に傾倒していった彼は、実際にヨーロッパを訪ねて、スピリチュアリズムに関する数多くの⽂献を持ち帰り、⽇本語へと翻訳しました。

1928 年には、ロンドンで開かれた ISF(国際スピリチュアリスト連盟)の第三回⼤会に参加し、英語で講演も⾏っています。

英語が堪能で、豊富な知識と国際感覚も有していた彼は、まさに⽇本におけるスピリチュアリズムの⽗のような存在なのです。

ただし浅野は、ヨーロッパ的スピリチュアリズムを、そっくりそのまま⽇本に輸⼊したわけではありません。

それを彼⾃⾝の思想に引きつけると共に、⽇本⼈に馴染みやすいような読み替えを加えて、⽇本に持ち込んだのです。

その筆頭が、「守護霊」だと⾔えます!

浅野は、「守護霊」について以下のように語っています。

守護霊というのは、先天的にその⼈を守護する任務をもつ他界の居住者のことです。英語のguardian angel または guardian spirit というのがこれにあたります。この守護霊と本⼈との因縁関係については、別項で述べますが、とにかく私の実験した限りでは、各⼈の背後には必ずその⼈に個有の守護霊がいます。それは最近⼋⼗年間に、世界の東⻄各地で⾏われた⼼霊実験の結果も有⼒にこれを裏書きしています。次にいわゆる⽀配霊というのは、守護霊の統制の下に或る特殊の任務を分担している補助霊と思えばよいでしょう。

(浅野和三郎『神霊主義 ⼼霊科学からスピリチュアリズムへ』、桑原啓善監修、熊⾕えり⼦現代⽂、でくのぼう出版、2003 年)

ここまではほぼ、モーゼスやカルデックの「守護霊」観と⼀致。

しかし浅野は、それに付け加えるように、彼独⾃の⾒解を⽰しています。

私の調査の結果からいうと、各⾃の守護霊はふつう⼆、三百年前に帰幽した⼈の霊魂が最も多いようです。時には千年、⼆千年前のこともあるにはありますが、それはむしろ異例のことです。その⾁体の親と魂の親との関係については、今⽇まだ、はっきりとは⾔えませんが、⼤体広い意味においての⾎族関係をもつもの、と考えられるようです。

(同上 21 ⾴)

浅野は、各々の「魂の親」としての守護霊が、⼆、三百年前に亡くなった⾎族関係の⼈物であることが多いようだと、(明⾔を避けつつも)述べています。

「守護霊」を⾎族に、しかも全く記録に残っていないような⼤昔の先祖ではなくて、「ご先祖様」として親しまれるような、わりと近しい先祖に結びつけたのは、まさにヨーロッパ的「守護霊」観の、浅野によるオリジナル翻訳と⾔えます。

「ご先祖様」と結びついた⽇本的「守護霊」観のルーツは、この読み替えにあると考えられるのです。

「おじいちゃん(おばあちゃん)が⾒守ってくれている」という想像⼒

では、浅野はなぜそのような「守護霊」観の読み替えを⾏ったのでしょうか?

そこにはおそらく、浅野の根本思想であり、⽇本に深く根づいた「敬神崇祖」主義が関係しています。

「敬神崇祖」主義とは、⽂字通り、神を敬い祖先を崇めること。浅野はこの⽇本の伝統的な考え⽅を、スピリチュアリズムの観点から⾒て、とても優れたものだと考えました。

⽇本においては、「祖霊信仰」と呼ばれる、先祖を⼤切に崇める⽂化が定着しています。(このような信仰形態は、アジアやアフリカでは広く普及していますが、ヨーロッパにはあまり⾒られないものです。)

現代では、昔に⽐べてずいぶん私たちのライフスタイルが変化したとはいえ、特に地⽅においては、いまも事あるごとにお墓参りをする習慣が残っているのではないでしょうか?

また、ご先祖様が帰ってくると信じられているお盆の時期には、様々なもてなしをする⾵習などもあります。

つまり、⾃分に縁がある死者としての「ご先祖様」は、いつもすぐそばにいて、丁重に扱うべき存在なのだ、という想像⼒を、多くの⽇本⼈が共有していると考えられるのです。

浅野は、ヨーロッパにおける「守護霊」観が、⽇本⼈に馴染み深いものになるように、このような先祖観を上⼿く活⽤したのではないでしょうか?

まったく縁もゆかりもない死者ではなく、⾎のつながった⾝近な死者が、いつも私たちを⾒つめ、守り、導いてくれているという感覚。

具体的に⾔えば、「亡くなったおじいちゃん(あるいはおばあちゃん)が⾒守ってくれている」という感覚は、⽇本に⽣きる私たちにとってとても親しみやすいものであり、⼼に安らぎを与えてくれるものでもあるように思います。

「守護霊」を「ご先祖様」に結びつけた浅野の視点があったからこそ、⽇本において「守護霊」という概念が、ここまで普及したと考えられるのです。

次回は、このような⽇本の「守護霊」観を、よりいまの時代にふさわしく、⾃由度の⾼い形へと、アップデートさせることを⽬指します。乞うご期待!

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翔哉
執筆者

スピリチュアルカウンセラー。YOKU STUDIO 代表、ナチュラルプラネット(下北沢のカウンセリングサロン)オーナー。豊富なカウンセリング・指導経験を生かして、スピリチュアルを理論的・実践的に捉え直し、日常生活に根ざしたものにしていくために活動しています。

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