マインドフルネスの資格について!仕事に活かせる?オンライン講座や独学におすすめの本も紹介

マインドフルネスの資格について!仕事に活かせる?オンライン講座や独学におすすめの本も紹介

読者の中には、マインドフルネスの瞑想法や考え方を身につけたいと考えている方々もいるだろうと思われます。その知識や実践は、ただ自分の心を整えるだけではなく、人間関係を和やかにしたり、仕事などにおける集中力を高めるための役に立ちます。とくに、ビジネスの領域では『ただ、今という瞬間に、目の前のことに集中する状態』をつくり出すために、大企業が、社員向けの瞑想会を企画することが増えています。

雑念やストレスが多い現代社会の中で、マインドフルネス瞑想は、雑念を手放して心身の健康を保つためのメソッドとして、活用されています。

したがって、企業向けのマインドフルネスを知りつくした人物として認められるためには、専門家として資格を取得する、という選択肢もあります。

本文では、マインドフルネスの資格や、学習のための参考となる書籍を紹介します。

kunitada
執筆者

マインドフルネス資格は仕事に活かせる?

近年、わが国でも、精神疾患の治療に携わる臨床医のあいだで、マインドフルネスの効果が注目されるようになっています。瞑想が治療に取り入れられることが多くなってきている、ということは、事実です。

だから、もちろん、臨床心理士や、心理療法士、そして、2019年に国家資格として設置された公認心理士などに加えて、マインドフルネスについての資格を取得することは、プラスとなります。

今のところ、マインドフルネスの資格は、民間の団体によるものだけです。国家資格は、ありません。

だから、マインドフルネススペシャリストなどといった資格だけでは使える範囲が限定されてしまいますけれども、ほかの心理学系の資格も取得していれば、その補助となります。

また、民間の資格でも、取得したあとに、自分でマインドフルネス・サロンを開業する、という方法もあります。

もともと、精神医療に携わる方々や、臨床医を目指している方々にとっては、資格と取得目的が一致していることとなります。認知行動療法とマインドフルネスを組み合わせる治療法は、わが国でも、実践されるようになっています。

しかし、心理療法に関係がある分野だけではなく、ビジネスでも、生産性をアップさせるための瞑想プログラムが必要とされています。先ほど述べたように、いくつかの大企業では、社員向けの瞑想会が開催されています。予備知識を学習して理解を深める、という点においては、マインドフルネスの資格を取得することは、学習者の強みとなります。

アメリカのアップルコンピューターやグーグルにおける瞑想プログラムはよく知られています。

しかし、それよりも前から、わが国には、数百年にわたって受け継がれてきた、禅の伝統がありました。わが国には、僧侶でありながら、心理学の専門家として、精神医療にもかかわっているような方々もいます。もともと、禅や仏教は、心を整えるという問題が、人生のあらゆることの原因となっている、という考え方があります。禅は、現代の心理学と同じ考え方をしているのです。

そのような僧職に携わっている人物が、欧米式の、心理学を中心としたマインドフルネスに関心を向けて、瞑想を、より科学的な観点から考えようとしています。マインドフルネスの講師には、普段はお寺の住職を務めておられるような僧侶もいます。

だから、マインドフルネスを学ぶことについて、わが国は、恵まれた環境にあるといえます。

また、マインドフルネスは『ただ、今という瞬間に、目の前のことに集中する状態』のことです。もしも、瞑想を生活に取り入れるならば、雑念が減り、自分や周囲のことに意識を向けやすくなります。その注意集中力は、日常生活のあらゆる場面における『気づき』をもって、自己の全体性を意識しながら生きることを促してくれます。

だから、マインドフルネスのスキルは、自分の生活に『気づき』をもたらすために使うことができます。たとえば、呼吸瞑想などといった、毎日、短時間で実践することができる瞑想法を習ったならば、ほかならぬ、それを習得した人自身が継続することが望ましいことです。もしも、瞑想や集中力を高める方法を習慣とすることができれば、いつでも目の前のことに意識を向けることができるような状態をつくりやすくなります。

また、仕事の合間の休憩時間に、5分間の呼吸瞑想をおこなって、気分を整える、という活用法もあります。

習得したことを、仕事のほかにも、さまざまな場面で使うことができるという点が、マインドフルネスにおける最大のメリットです。つまり、資格を取るための学習の内容そのものが、学習者の生き方にも、よい影響を与える、ということです。

マインドフルネスの資格取得に通信講座がおすすめ!

ここ2〜3年にかけて、新型コロナウイルスの蔓延にともなう外出自粛要請によって、瞑想会を含んだイベントは、中止となることがありました。

しかし、通信講座や、オンラインならば、そのような心配はありません。毎日の、自由に使うことができる時間を利用して、学習することができます。受講料は、研修などとくらべれば安いです。業者によりますけれども、だいたい3〜5万円となります。

このような講座では、インターネットをつうじて受講し、試験もオンラインでおこないます。万が一、インターネット回線繋がらない場合のために、郵便で受験するための回答用紙を用意してくれます。

教室に通う手間は不要ですから、気軽に学習することができます。

また、疑問点があった場合には、電子メールで講師に質問する、というシステムもあります。

通信の教材でマインドフルネスを学ぶ場合には、約3ヶ月で修了して、資格をもらうことができます。日本能力開発推進協会(JADP)が認定する『マインドフルネススペシャリスト』や、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)による『マインドフルネスセラピスト』『瞑想インストラクター』などが、これに該当します。

これらの講座だけでも、基本的な考え方を学ぶことができるだけではなく、マインドフルネスで推奨されているさまざまな瞑想法について、学習することができます。

さらに、講師を目指す場合には『マインドフルネス認定講師』という資格もあります。こちらの資格は、株式会社サンカラによる講座です。同社は、ほかの資格講座とくらべて、マインドフルネス関連に特化しています。基本的には研修制の講座ですが、オンラインで受講することもできます。通常の禅瞑想のほかにも、ヨガなどを導入するなど、臨床で使われるマインドフルネスストレス低減法(MBSR)のメソッドに近いのが、この講座の特徴です。

マインドフルネスを学ぶのにおすすめの本・書籍

独学でマインドフルネスを学ぶことができる書籍はあります。たとえ資格に直接つながるわけではなくても、基本的な考え方や、具体的な瞑想法を指南した本だけでも、さまざまなものが発行されています。

できれば、大学教授などといった、学術的な権威のある著者が書いたものを探すことが、無難です。なぜなら、大学で研究している方々が述べる理論には、科学的な根拠があるからです。『○大学心理学部教授 監修』などと表記されているような、学術的な裏付けのあるものが、おすすめです。そのような本は難しいと感じられるかもしれませんけれども、初心者にもわかりやすいように書かれているものは、あります。

なぜなら、瞑想の効果を治療に役立てるためには、臨床医は、一般の方々にも、わかるような表現によって説明する必要があるからです。したがって、専門家は、知識をもっていない読者にも、わかりやすい本を書くために努力しているのです。

マインドフルネスの研究者には、大学教授と臨床医を兼業している人物もいるため、そのような方々の著作から、専門的な見解を学ぶことができます。

また、一とおり、マインドフルネスを学んで、瞑想法などを習得したあとでも、心理学や瞑想の専門家が出版している本を読むこともよいです。理解が深まります。近年は、マインドフルネスについて、初心者にもわかりやすく書かれているものが増えています。

①有光興記・監修《図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本》(講談社、2017年)

初心者向けの本でありながらも、実際のマインドフルネスによる見解を網羅した一冊です。ほんわかとしたイラストもあいまって、文章の意味が頭に入りやすいです。

おそらく、この本ほど、専門的な知見をわかりやすく解説したものは、ほかにはないと思われます。著者は、関西学院大学の教授であるため、内容にも、学術的な根拠があります。この一冊だけでも、ただ基礎知識だけではなく、マインドフルな心の状態について、一とおり理解することができます。

②J.カバッドジン《マインドフルネスストレス低減法》(春木豊訳、北大路書房、2007年)

マインドフルネス文献の金字塔といえば、この、カバットジンの著作です。彼は、禅から学んだ瞑想法を、はじめて精神疾患の治療に取り入れた心理学者でした。

彼のクリニックで実践した『マインドフルネスストレス低減法(MBSR)』という瞑想プログラムによって、多くの患者の方々が救われました。

③大谷哲夫《道元「小参・法語・普勘坐禅儀」全訳注》(講談社、2006年)

道元は、曹洞宗の開祖ですけれども『うちは宗派が違う』ということを気にされる方々は、それぞれの宗派に伝わっている修養法を学ぶのがよいです。

本書は、中国から伝えられた禅をわが国で普及させた、道元による著作に、現代語の対訳を付け加えたものです。とくに《普勘坐禅儀》の意義は、坐禅のときの心構えとして『只管打坐(ただ座って坐禅を組む)』や『修証一致(坐禅を組んでいるありのままの姿がマインドフルな状態である)』を説いたということです。ほかの部分は哲学や思想的な話が多いため、実践にのために読む部分は《普勘坐禅儀》だけでもよいです。

宗教書に抵抗がない方々は、このような古典に触れて、東洋の精神を感じることも、楽しいものです。

④大谷彰《マインドフルネス入門講義》(金剛出版、2014年)

『入門講義』とはいっても、この題名は、セラピスト向けのマインドフルネス入門、という意味です。瞑想時の脳を機械でスキャンして得られたデータなどといった学術的な話や、臨床におけるマインドフルネスの実態など、豊富な情報が、一冊にまとまっています。

つまり、それほど多くの文献や経験にもとづいて書かれた本ということです。心理学や科学との結びつきがあるマインドフルネス研究は、日進月歩という勢いで、さまざまな観点からその効果が検証されています。大谷教授は、これまでの研究成果をもととして、心の集中状態と禅の関係を、多方面からの観測結果にもとづいて論じています。瞑想の効果には科学的な根拠がある、ということがわかる本です。

⑤バンテ・ヘーネポラ・グナラタナ《慈悲の瞑想――慈しみの心》(出村佳子・訳、春秋社、2018年)

自己と他者にやさしさを向ける、慈悲の瞑想は、応用的な瞑想法です。

しかし、グナラタナは『毎日を穏やかな心ですごしたいと思うなら、慈悲の瞑想は最も効果的な方法です』と述べています。本書は、坐禅のように、自己の心に気づくための瞑想を否定しているわけではありません。ただ、瞑想にかかわる心のあり方は、『自己への慈しみ』です。自己を慈しむことができれば、それを『他者への慈しみ』に発展させることができます。

さらに、それらの慈しみよりも根本にあるものは、生命そのものへの慈しみです。

まとめ

日常生活や仕事のために『心身をポジティブにしたい』という目的でマインドフルネスを学ぶならば、通信講座は、十分な助力となります。

臨床医として、精神医療のために瞑想を学ぶ場合には、大学の心理学部で、もっと深く追求することが望ましいです。今では、アカデミックな研究者のあいだでも、マインドフルネスについて、さまざまな議論が交わされています。おそらく、今後、わが国でも、心理学や神経科学にもとづいたマインドフルネス研究は、本格化していくでしょう。

精神疾患から回復した方々が、その体験を契機として、心理療法に興味をもって、学びはじめる、ということもあります。そのような過程によって、病んだ状態から臨床医となって、患者を助ける側となった方々もいます。

また、独学でマインドフルネスを学ぶ場合には、キャリアに直結するようなものとはなりません。

しかし、自分の心のあり方を変えるために、まずは、解説書や、オンラインの瞑想会から始めることも、よいと思います。簡単にできることのほうが、かえって、最初の導入には適しているのです。

禅では『入門するにあたって、門はない』といわれています。スキルアップという目的だけではなく、生き方として学ぶこともできる、ということが、マインドフルネスの奥深さです。

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