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喉にいい食べ物・飲み物【風邪・咳・喉痛に】

喉にいい食べ物・飲み物【風邪・咳・喉痛に】管理栄養士監修

「喉が痛い」「なんかイガイガする」「声が出しづらい」。
多くの人が喉のトラブルを経験したことがあるのではないでしょうか?

喉のトラブルは風邪やウイルス感染、アレルギー、神経系の疾患、乾燥、喉の酷使など、さまざまな原因で起こります。喉の痛みや違和感を緩和させるためには、水分補給や加湿、喉を休めることも大切ですが、食べ物や飲み物の選び方も重要です。

こちらの記事では、喉のトラブルの予防・改善に役立つ、「喉にいい栄養素」を豊富に含む食べ物や飲み物をご紹介します。

監修者
藤本 麻代
藤本 麻代
管理栄養士・栄養士歴17年

病院勤務5年、保育園勤務12年。現在は病院で勤務しています。SNSやネットなどで食の情報がたくさんありますが、正しい食の知識を発信し、みなさんの健康に少しでも役に立てるようようにしていきたいです。

監修者の詳細

喉に良い栄養素とは?

喉に良い栄養素とは?

喉は呼吸をしたり、食べ物・飲み物を飲み込んだり、声を出したりすること以外に、細菌やウイルスの侵入を防止するという重要な役割を持っています。

喉は粘膜で覆われており、細菌やウイルスから体を守る「バリア機能」があります。しかし、喉が乾燥したり、炎症が起こったりすることにより、バリア機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。

そこで取り入れたいのが、粘膜を強化したり、免疫力を高めたりする栄養素です。具体的には、このような栄養素があります1

  • ビタミンA:皮膚や粘膜の健康維持や、免疫力を高めるために必要な栄養素で、牛乳や卵黄、レバー、にんじん、かぼちゃなどに含まれています。
  • ビタミンC:炎症を抑えたり、免疫力を高めたりする働きを持つ栄養素で、レモンやオレンジなどの柑橘類やじゃがいも、さつまいもなどの野菜に多く含まれています。
  • ビタミンE:強い抗酸化作用があり、細胞膜を健全に保つのに役立つ栄養素で、ナッツ類やたらこ、モロヘイヤ、植物油などに含まれています。
  • 亜鉛:粘膜を守るビタミンAを体内にとどめる効果があり、免疫細胞を活性化させる働きを持つ栄養素で、牡蠣(かき)や豚レバー、牛赤身肉、ナッツなどに含まれています。
  • 鉄:赤血球を作る栄養素で、全身に酸素を運び、貧血を予防するとともに免疫力を高める効果があります。レバーや牛もも肉、ほうれん草、小松菜などに含まれています。
  • セレン:抗酸化作用で組織細胞の酸化を防いだり、抗菌作用や抗ウイルス作用で免疫力を高めたりする効果を持つ栄養素です。たらこやいわし、マグロ、ねぎなどに含まれています。
  • タンパク質:免疫力を担う抗体(免疫グロブリン)を構成するのに必要な栄養素です。病原菌を排除する「免疫細胞」を活性化させるのに必要不可欠です。豚肉や鶏ささみ、豆腐や牛肉、卵などに含まれています。

これらの栄養素は全身の健康にも必要なものですが、特に喉のトラブルがあるときには積極的に摂取するのが良いでしょう。

喉に良い食べ物 7選

具体的に、どのような食べ物や飲み物が喉に良いのでしょうか?

こちらでは、上記の栄養素を豊富に含む食べ物・飲み物や、殺菌作用や消炎作用があるといわれているものの一例をご紹介します。

1. ヨーグルト

ヨーグルト

ヨーグルトはビタミンAや亜鉛、タンパク質だけでなく、ミネラルやカルシウムなど、たくさんの栄養素を含んでいます。

また、ヨーグルトは牛乳などに乳酸菌やビフィズス菌、酵母を加えて発酵させて作るため、乳酸菌による殺菌作用や免疫力の向上も期待できます。乳酸菌は、腸内で悪玉菌の繁殖を抑制することで腸内環境を整えます。便通の改善やコレステロールの低下のみならず、免疫力を高め、病気を予防する働きもあるのです2

また、ヨーグルトはやわらかく喉ごしが良いため、喉の痛みで固形物を飲み込みづらいときにもおすすめです。砂糖は喉を刺激する可能性があるため、砂糖が添加されていないヨーグルトの方がより良いといえるでしょう。

そのまま食べるのはもちろん、はちみつや果物を加えて食べるとさらにおいしく、食べやすくなります。

2. にんじん

にんじん

にんじんには、β‐カロテンが含まれており、このβ‐カロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは粘膜の健康を保ったり、免疫力を向上させたりする効果があります。また抗酸化作用があり、細胞を守ってくれるため、喉のみならず健康には欠かせない栄養素といえます。

にんじんは生で食べると硬いため喉に負担がかかります。しかし、すりおろしたり煮たりすることで、やわらかくなり食べやすくなります。にんじんジュースやにんじんスープなどもおすすめです。

3. レモン

レモン

レモンはビタミンCを含んでおり、粘膜を健康に保つ作用や抗酸化作用があります。また、ポリフェノールにも抗酸化作用があるといわれています。さらに、レモンに含まれるクエン酸やリモネンという成分には殺菌作用や消炎作用があるといわれています。クエン酸はレモン果汁に、リモネンは皮部分に多く含まれています。

また、レモンの酸味は唾液の分泌を促し、喉を潤してくれます。とはいえ、レモンをそのまま食べると酸っぱく、食べづらいと感じる人も多いはず。お湯やはちみつと混ぜ、「はちみつレモン」として飲むとおいしく摂取できるでしょう。レモンティーやレモネードなどもおすすめです3

4. 大根

大根

大根は水分が多い野菜ですが、白い根や葉など部位ごとに異なる栄養素を持っています。大根の根にはビタミンCやイソチオシアナート、カリウム、消化酵素などが含まれています。ビタミンCは粘膜を正常に保ち、免疫力を高めてくれます。また、イソチオシアネートという辛み成分は抗炎症作用や殺菌効果があるといわれています。

一方、葉の部分にはビタミンAやビタミンK、根と同様にビタミンCが含まれています。ビタミンAにも粘膜の健康を維持し、免疫力を高める効果があります。

大根は生で食べると辛み成分の影響で刺激が強いため、すりおろしたり煮たりすると優しい味になり食べやすくなるでしょう。大根おろしや大根スープなどがおすすめです。また、大根とはちみつを混ぜ合わせ、出来上がった汁を飲むと喉の痛みを緩和させる効果があるといわれています。
さらに、葉にも栄養があるため、ゆでたり炒めたりして食べるのが良いでしょう。

5. しょうが

しょうが

しょうがはビタミンCやビタミンB1・B2、ビタミンE、葉酸など、さまざまな栄養素を含んでいます。葉酸には、タンパク質の合成を促進し、細胞の生産・再生をサポートする働きがあります。さらに、ビタミンの持つ殺菌作用や消炎作用も期待できるといえるでしょう。

また、辛み成分であるジンゲロールやショウガオールが血行を良くすることで、体を温める効果があります。

しょうがはそのままではかなり刺激が強く、食べづらい食材です。すりおろして少量を飲み物に混ぜるのがおすすめです。しょうが紅茶やしょうが湯などが良いでしょう。

6. 梨

梨

梨はビタミンB1・B6やナイアシンを含んでいます。これらの栄養素は、たんぱく質の代謝をサポートする働きも持っているため、喉に良いと考えられます。また、ビタミンCも含んでいるため、抗酸化作用も期待できます。

梨はスッキリとした味わいのため、そのまま食べてもおいしいですが、はちみつをかけたり、小さく刻んで食べやすいサイズにしたりすると、喉が痛いときでも摂取しやすくなるでしょう。

7. はちみつ

はちみつ

はちみつは、ビタミンCや亜鉛などの喉に良い栄養素を含んでいます。それだけでなく、はちみつに含まれるオリゴ糖や酵素には殺菌作用や消炎作用があるといわれています。免疫力を高め感染症を予防するだけでなく、アレルギー症状を軽減する効果もあるといわれているため、季節性のアレルギーを持つ人にも多く用いられています。

特に、マヌカハニーは通常のはちみつより栄養価が高いと考えられています4

また、はちみつは粘りけが高いため、喉の粘膜を保護してくれます。さらに、喉に炎症や傷がある場合、その炎症や傷の治りを早めるような効果もあるといわれています。

はちみつは、スプーンでなめるのも良いですが、紅茶と混ぜて飲んだり、はちみつレモンやはちみつしょうが湯として摂取したりするのもおすすめです。

喉に悪い食べ物・飲み物【避けた方がいいもの】

喉に良い食べ物・飲み物を摂取することも重要ですが、逆に喉に悪い食べ物・飲み物を避けることも大切です。

喉に悪い食べ物・飲み物の特徴はこちらです。

  • 硬いもの・カリカリしたもの:飲み込む際に、喉の粘膜を傷つける危険性があります。例えば、ポテトチップスやクラッカーなどのお菓子です。
  • 辛い・酸っぱい・塩辛いもの:喉の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。例えば、唐辛子やブラックペッパーなどの香辛料やカレー、酢の物や漬物などです。
  • アルコール・カフェイン:喉の粘膜を乾燥させる可能性があります。特に、アルコールは血管を拡張させ、熱を逃がしやすくするため、体温調節にも影響します。日常的にお酒やコーヒーなどを飲む人も、喉が痛いときには控えた方が良いでしょう。
  • 冷たい食べ物・飲み物:喉の血流を悪化させ、免疫力を低下させる可能性があります。冷たいものは喉の粘膜を収縮させることから、その直後に温かいものを摂取すると温度差による刺激を与えることになります。例えば、アイスクリームやかき氷、よく冷やした飲み物などです。
  • 甘い食べ物:糖分は喉を刺激する可能性があります。クッキーやケーキなどのお菓子や、砂糖をたっぷり入れた甘い飲み物などは避けた方が良いでしょう。
  • ザラザラした食べ物:ザラザラとした食べ物も、飲み込む際に喉に負担がかかる可能性があります。クラッカーやトースト、生野菜などです。
  • 炭酸飲料:炭酸飲料も喉に刺激を与えるため、避けた方が良いでしょう。例えば、ソーダや炭酸水などです。治るまでは水や温かい飲み物、はちみつを取り入れた飲料などが良いでしょう。
  • 脂っこいもの:脂肪分の多い食べ物も、喉の治癒を妨げる可能性があるため避けた方が良いでしょう。例えば、揚げ物やポテトチップスなどです。
  • サイズが大きい固形物:大きめの固形物も喉が痛いときは食べるのが難しく、また痛みを伴うでしょう。小さくカットしたり、すりおろしたりして、やわらかく食べやすい形状にしましょう。野菜は栄養価が高いものも多いですが、硬いものも多いため、スープにしたり、細かく切って調理したりするのがおすすめです。

これらの食べ物や飲み物は喉に負担をかける可能性が高いので、喉のトラブルがあるときは控えるのが良いでしょう5

まとめ

こちらの記事では、喉に良い栄養素とその含有量が高い食べ物・飲み物、そして喉に悪い食べ物・飲み物をご紹介しました。参考になりましたでしょうか?

喉のトラブルはとてもつらく、不快なものです。
しかし、食事から必要な栄養素を摂取することで予防や改善ができます。喉に良い食べ物や飲み物を積極的に取り、喉の健康を維持しましょう。

食事に気をつけても治らない場合は、医療機関で相談することをおすすめします。

  1. HARVARD T.H.CHAN SCHOOL OF PUBLIC HEALTH「Nutrition and Immunity」
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「乳酸菌」
  3. UPMC HEALTH BEAT「Benefits of Lemon Juice and Water」
  4. Dr.Axe「Honey Benefits for Energy, Improving Health & Why It Should Be Raw」
  5. Healthcare「10 Foods To Eat With a Sore Throat」

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