この先どうしたら良いのか迷い、悩み、一人では答えが見いだせず苦しい時、人は誰かに相談をしたくなります。
身近な人に気軽に相談する内容というよりは、もっと専門的な立場からしっかり相談に乗ってもらいたい内容もあるでしょう。
そのような込み入った悩みを相談をしたい時、心強い存在として思い浮かぶのが、カウンセラーや占い師です。
でも、いったいどんな種類の悩みならカウンセラーで、どんな種類の悩みなら占い師に相談するのがよいのでしょうか?
今回は、カウンセリングと占いの違いについてまとめてみたいと思います。
占いとカウンセリングの違いとは
占いとカウンセリングの最も大きな違い、それは
「他人軸」か「自分軸」か、の違いです。
占いは、占い師が様々な知識、経験、スキルを使って、私たちに物事の判断材料を与えてくれます。
「これが正解!」といった明確な答えを出してくれるのが、占い師の特徴です。
その通りにするかどうか、最後の選択は自分で行いますが、占い師の占い結果という「他人軸」によってもたらされた選択肢から選びます。
一方、カウンセリングは、カウンセラーが様々な知識とスキルで、私たちに「気づき」を与えてくれます。
明確な答えを一方的に出さないのがカウンセラーの特徴です。
あくまで相談者自身が「自分軸」で答えを探しますので、困難な時もありますが、カウンセラーが寄り添い、乗り越えるまで一緒にサポートしてくれます。
なお、占いとカウンセリングで共通する点もあります。
それは、自分の悩みや問題を話すという行為ですっきりできる、という点です。
自分のことを話す行為だけでなぜすっきりするのか?
それは、人に話す行為によって、2つの効果が期待できるからです。
1つは、整理される効果です。
ごちゃごちゃしていた悩みや問題が、話をしているうちに無意識に整理され、何が不安なのかが明確になり、落ち着いて考えられるようになります。
2つ目は、理解されたと感じる効果です。
話すことで、自分の悩みを理解してもらえた、分かってもらえた、という感覚が持てます。
結果、孤独や不安感が和らぎます。
そもそも占いとは?
占いとは、人の運勢、物事の吉凶、将来の成り行きを判断・予言することです。
古来から、世界各国で様々な方法を用いた占いが行われていました。
データ解析、統計学など、科学的な分析力を持たなかった古代の人々にとって、占いは重大な決断を下す時の拠り所になっていたと言えます。
具体的にどんな占いの種類があるのか、ここでは2つの分類法によって整理します。
①発祥地・地域による分類
西洋占い
ヨーロッパ諸国で発祥・発展した占いです。
西洋の思想・哲学は「火」「風」「土」「水」の四大元素を基にしているものが多くあるのが特徴です。
- 星占い
- 数秘術
- タロット占い
- ルーン占い
- ホラリー占星術
- マンデン占星術
など
東洋占い
主に中国などのアジア圏で発祥・発展した占いです。
日本で発展したものもあります。
- 四柱推命
- 紫微斗数
- インド占星術
- 六星占星術
- 易占い
- 手相
- 姓名判断
- 風水
- 九星気学
など
②手法による分類
どのように占うのか?という手法によって占いを分けると、主に4つに分類することができます。
- 命術(めいじゅつ)
生年月日からその人が元々生まれ持った運命を占う - 卜術(ぼくじゅつ)
カードやサイコロに現れる偶然の事象によって吉凶を占う - 開運術(かいうんじゅつ)
開運の方法を特定の手法を使い導き出す占い - 相術(そうじゅつ)
手相、姓名判断など形やシンボルを使って占う
そもそもカウンセリングとは?
「カウンセリング」の元々の意味は、相談や助言といった言葉です。
人間の心理や心の発達理論に基づいて援助を行う行為がカウンセリングです。
相談者の成長を促進し、人間関係の改善や社会適応を向上させることが目的にあります。
カウンセリングにも、色々な手法、流派がありますが、ここでは分かりやすく、一般的なカウンセリングと、心理療法(セラピー)の2つに分けて説明します。
①一般的なカウンセリング
カウンセラーに自分の話を聴いてもらうことで、問題の自己探索をしたり、自己解決をしていきます。
対話すること自体に深い意味があります。
カウンセラーは深い共感で寄り添い、相談者が自ら気づき、変わっていくことをサポートします。
②心理療法(セラピー)
心理療法をカウンセリングと呼んでいる場合もありますが、厳密に考えると違いがあります。
心理療法は、「この病気の治療」「この症状の改善」といった目的を明確に持って行われるもので、様々なアプローチ方法が存在します。
- 行動療法
問題行動を変えるために、行動そのものにアプローチしていくことで、問題の解消を目指す - 認知行動療法
物事の捉え方、考え方を変えるために、認知にアプローチしていくことで、問題の解決を目指す - アートセラピー
絵を描いたり、物を作ったり、表現することで精神的健康をサポートする - 音楽療法
楽器を奏でる、音楽を聴くなど、音楽の持つ特性を活用して、精神的健康をサポートする - 瞑想セラピー
意識を「今、ここ」に集中させることで、精神的健康をサポートする。マインドフルネスなど。
占いとカウンセリングの3つの違い
①:背景にある理論の違い
占いの背景にあるのは「経験則」や「統計学」です。
一方、カウンセリングの背景にあるのは「心理学」です。
お互い、ルーツとなる学問や理論は明確に異なると言えます。
②:一人でもできるか否か
占いは、姓名判断や手相など、自分一人でも調べればできてしまうものが多くあります。
一方、カウンセリングは一人では不可能なものです。
そもそも、対話をすることに意味があるためです。
③:継続性の有無
占いは、一回だけでも自分の欲しい答えが得られるものです。
一方、カウンセリングは、一回だけで効果を得られるというものではありません。
継続してカウンセラーと対話を続けていくからこそ、様々な気づきが得られ、自己改革に繋がっていきます。
占いがおすすめな人
占いがおすすめな人は、
「問題が明確」で「早く答えが欲しい」人です。
問題が明確な人とは、例えば
「引っ越すべきが引っ越さないべきか、迷っている」
「あの彼氏と結婚するかしないか、悩んでいる」など、
はっきりとした課題がある人の事です。
この場合、占いはズバリ答えをくれたり、決断するための材料をくれるはずです。
早く答えが欲しい人とは、例えば
「金運を上げるために部屋を改装したい」
「今、新しいチャレンジをするタイミングかどうか知りたい」など、今すぐ答えを出して行動したい人です。
すぐに情報を与えてくれる占いはお勧めだと言えます。
カウンセリングがおすすめな人
カウンセリングがおすすめな人は、
「問題が複雑」で「じっくり自分で考えたい」人です。
問題が複雑とは、例えば
「漠然とした悩みがずっと続いていて困っている」
「家族の関係が悪くてどうしたらいいか分からない」など、
様々な要因が絡み合っていることです。
カウンセラーと一緒に、問題の原因を紐解いたり、この先どんなことができるのか整理したりすることができます。
じっくり自分で考えたい人とは、例えば
「ネガティブな自分の性格を変えるための方法を考えていきたい」
「どうしたらイライラせずに子育てができるようになるか、自分を見つめ直したい」など考えている人です。
心理学の専門家として、様々な角度の視点を持つカウンセラーは、自分を変えるための気づきを与えてくれます。
maricoさんに聞いてみた
占いとカウンセリングの違いについて、公認心理師/臨床心理士のmaricoさんに色々と質問をしてみました。
Q. 占いとカウンセリングを融合したようなサービスも見受けられます。例えば恋愛についてのカウンセリングなども受けることはできるのでしょうか?
恋愛について悩みがあれば、もちろんカウンセラーにも相談できます。
「この話は相談できない」といったことは、基本的にないのがカウンセリングです。
「恋愛がいつもうまくいかない」
「恋愛するのが怖い」
「パートナーとの関係をもっとよくしたい」など、
何でも大丈夫です。
自分の本心がどこにあるのか、この先どうしていきたいのか、カウンセラーと共にじっくり考えて、答えを自分で見つけていくことになります。
占いとカウンセリングを融合したサービスについては、あまり詳しくはありませんが、もし、恋愛に関して明確な答えを求めている、もしくは誰かに自分の決断を後押しして欲しい、といった気持ちが強いのであれば、カウンセリングもできる「占い師」に相談するのはありかもしれませんね。
明確な答えをズバリと言う方が多いのが占い師さんだと思いますので。
ただ、明確な答えにのめり込みすぎて、その人の意見を聞かないと何もできない、みたいな形はあまり健康的ではないと思いますので、気を付けて欲しいです。
あくまで占いだということを忘れずに、最後の決断は自分で慎重にできる方であれば問題ないと思います。
Q. 日本では占いがカウンセリングの役割を果たしているような感じがあります。maricoさんから見た占いのよいところってどのようなところでしょうか?
「気軽さ」「分かりやすさ」「ポジティブさ」が良いと思います。
気軽さで言えば、古くは街角占いですね。
人気の方には行列ができて、誰もが気軽に相談していました。
特別何かに悩んでいる、ということがない人でも、ちょっと話を聴いてみようかな~と思える気軽さは占いの良さだと思います。
更に、今は様々な占いサイトやアプリなど、オンラインの占いサービスも盛んですよね。
思い立った時に簡単に相談できる占いの気軽さは、利用者にとってはメリットですね。
また、明確に回答をくれる分かりやすさも、占いの良い点だと思います。ラッキーカラーはこれ!みたいに。
後、占いはネガティブなお告げがあっても、最終的にはポジティブなものを与えてくれる印象があります。
迷っている人を後押しするような、その人の決断を応援してくれるような、そんなポジティブさです。
ネガティブな話もしつつ、それは注意喚起であって、最後はラッキーアイテムで救ってくれるような。
そういった占いの前向きさは、自信を持たせてくれて、良い面だなと思います。
Q. 占いにできて、カウンセリングにできない相談はどのようなものがありますか?例えば金運を上げたいんですが…開運するにはどうしたら?という悩みはカウンセリングではできないですよね?
カウンセリングでは、金運を上げることはできませんね(笑)
上げられる!と宣言するカウンセラーがいたらお話しを聴いてみたいです。
もし、「金運を上げたいんです」と相談されたら、「なぜそう思われるのですか?」と問いかけるのがカウンセリングです。
金運を上げることがその方にとってどんな意味を持っているのか?
金運を上げるって、具体的にどんな姿を想像しているのか?
そういう部分にフォーカスを当てるのがカウンセリングですね。
占いであれば、今年、運気の良い方角はこっち!運気の悪い月は〇月!みたいな感じで、分かりやすく教えてくれますよね。
なので、金運上昇など、目的が明確な相談がある方は、占いの方が合っていると思います。
Q. その反対にカウンセリングにしかできないことはありますでしょうか?
精神的な問題を解決するためには、カウンセリングの方が良いと思います。
「眠れない」「食べられない」「人と交流できない」「働けない」など、精神的問題から生活に様々な支障が出ている状況では、現実検討力が低下していることがあります。
現実検討力とは、その名の通り、事実を元にして冷静に状況を考える力です。
そんな時に、占いで「〇〇を買うと良い」「離婚した方がよい」など、明確な指示をされてしまうと、自分で吟味できないまま大きな決断をし、後々後悔するようなことが起こる可能性があります。
ですから、メンタル的な問題が起きているのであれば、ますはカウンセリング、場合によっては医療の力も借りながら、ケアを最優先して欲しいです。
適切なケアを受け、自分で物事の判断が冷静にできる状態になれば、占いも楽しんで利用できるようになると思います。
まとめ
今回は、占いとカウンセリングの違いについてまとめました。
占いは、「目的が明確で、素早く答えを知りたい時」に利用して、カウンセリングは「複雑な問題を、自分でじっくり考えたい時」に利用するものである、ということが分かりました。
自分の悩みの内容や、求めていることに合わせて、占いもカウンセリングも上手に活用していきましょう!
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