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健康に悪い脂質は何か

健康に悪い脂質は何か

脂質は、糖質やたんぱく質と並んで三大栄養素の一つで、エネルギー源になるだけでなく、ホルモン、細胞膜、核膜など、体の材料となります。脂質のうち飽和脂肪酸は有害なので、不飽和脂肪酸に変えた方がよいというのが、長年信じられてきた常識です。しかし、本当に飽和脂肪酸は有害で、不飽和脂肪酸は有益なのでしょうか。この記事では、最新のエビデンスに基づいて、脂質の各種類が健康に与える影響を再評価したいと思います。

1. 脂質の効果をめぐる学説史

まずは、脂質の種類とその健康効果をめぐる学説史という脂質に関する基礎知識の確認から始めましょう。知っている人は、最初の二つの節を飛ばして、第三節から読んでください。

1.1. 脂質にどのような種類があるか

食品に含まれる脂質の9割程度は、トリグリセリド(トリアシルグリセロール)という中性脂肪です。以下の図は、トリグリセリドの一例で、グリセリン(グリセロール)が3分子の脂肪酸とエステル結合していることが示されています。

トリグリセリドの一例[1]

この例では、上から順にパルミチン酸、オレイン酸、α-リノレン酸という脂肪酸がグリセリンと結合しています。パルミチン酸は、16の炭素が単結合する飽和脂肪酸、オレイン酸は、一つの二重結合を有する一価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸は、複数の二重結合を有する多価不飽和脂肪酸です。オレイン酸は、二重結合が末端から数えて9番目にあることから、ω-9脂肪酸に分類されます。オメガ(ω)は、ギリシャ文字のアルファベットで最後に位置する文字です。α-リノレン酸の場合、最後から数えて3番目に最初の二重結合があるので、ω-3脂肪酸ということになります。

脂質が健康に及ぼす影響という観点から重要なのは、飽和脂肪酸の場合、炭素数で、不飽和脂肪酸の場合、二重結合の位置と数なので、その基準で脂肪酸を分類しましょう。

  • 飽和脂肪酸:二重結合がない脂肪酸
    • 長鎖飽和脂肪酸:パルミチン酸やステアリン酸など炭素数13以上の飽和脂肪酸
    • 中鎖飽和脂肪酸:カプリル酸やカプリン酸など炭素数7~12の飽和脂肪酸
    • 短鎖飽和脂肪酸:酪酸、プロピオン酸、酢酸など炭素数6以下の飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸:二重結合がある脂肪酸
    • ω-9脂肪酸:オレイン酸やエルカ酸などの一価不飽和脂肪酸[2]
    • ω-6脂肪酸:リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸
    • ω-3脂肪酸:α-リノレン酸、EPA、DHAなどの多価不飽和脂肪酸

長鎖飽和脂肪酸は、陸棲動物の肉に多く含まれています。但し、乳には、長鎖飽和脂肪酸に加え、中鎖飽和脂肪酸や短鎖飽和脂肪酸も少なからず含まれています。ココナッツやアブラヤシなどの熱帯植物の油脂には、中鎖飽和脂肪酸が多く含まれています。短鎖飽和脂肪酸は、直接食品から摂取しなくても、ヒトの大腸において、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を発酵させることでも得られます。

不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂に多く含まれています。ω-9脂肪酸のオレイン酸はオリーブ・オイルなどに、エルカ酸は昔の菜種油などに多く含まれます。ω-6脂肪酸は、大豆油、コーン油、ゴマ油など幅広い種類の植物油に含まれています。ω-3脂肪酸のα-リノレン酸は、亜麻仁(アマニ)油や荏胡麻(エゴマ)油に多く含まれています。EPAやDHAが魚に多いことは周知のとおりです。ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸は体内で合成きない必須脂肪酸で、欠乏すると皮膚炎などを発症します。ω-9脂肪酸は、飽和脂肪酸から合成できるため、必須脂肪酸ではありません。

栄養学的に重要なもう一つの脂肪酸の分類は、シス型とトランス型という異性体の区別です。以下の図は、シス型不飽和脂肪酸のオレイン酸とトランス型不飽和脂肪酸のエライジン酸との違いを構造式とモデルで示しています。

オレイン酸(シス型不飽和脂肪酸)とエライジン酸(トランス型不飽和脂肪酸)の違い

シス型では、炭素骨格あるいは水素原子が二重結合の同じ側についているのに対して、トランス型では、それらが二重結合の反対側についています。トランス型不飽和脂肪酸、略してトランス脂肪酸は、反芻動物の胃の中で自然に生成する場合もありますが、それは微量で、大量に存在するのは、水素添加により工業的に生産されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの食品です。

脂質には、単純な中性脂肪以外にも、脂肪酸が、糖、リン酸、タンパク質と結合してできた糖脂質、リン脂質、リポタンパク質といったより複合的な化合物もあります。中性脂肪がエネルギー源として使用されるのに対して、これらは、細胞の構成要素になります。このうち、循環器疾患で重要なのはリポタンパク質です。リポタンパク質は、以下の図で示したように、中性脂肪やコレステロール・エステルなどの疎水性の脂質を両親媒性の表面で覆ったミセルで、脂質を血液中で運搬しています。

リポタンパク質の構造[3]

悪玉コレステロールと呼ばれているLDLコレステロールのLDLは、低密度リポタンパク質(Low-Density Lipoprotein)、善玉コレステロールと呼ばれているHDLコレステロールのHDLは、高密度リポタンパク質(High-Density Lipoprotein)の略です。コレステロールは、卵類や内臓類(レバーやモツ)などの食品に含まれますが、飽和脂肪酸を材料に体内でも合成されます。そこで、コレステロールを減らすために、飽和脂肪酸の摂取を減らすべきだという主張が登場します。

1.2. 循環器疾患の原因をめぐる論争

多くの人は、脂質、特に飽和脂肪酸の摂取が循環器疾患を惹き起こすと信じています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(2020年版)も「飽和脂肪酸は、高 LDL コレステロール血症の主な危険因子の一つであり、循環器疾患(冠動脈疾患を含む)の危険因子でもあることから、生活習慣病の発症予防の観点から 3 歳以上で目標量(上限のみ)を設定し[4]」ました。目標量の上限は設定しても、下限は設定しないということは、できるだけ減らしなさいと勧告しているということです。

飽和脂肪酸有害説を最初に提案したのは、米国の生理学者、アンセル・ベンジャミン・キース(Ancel Benjamin Keys;1904年1月26日 – 2004年11月20日)です。キースは、七ヶ国(米国,日本,フィンランド,ユーゴスラビア,ギリシャ,イタリア,オランダ)共同研究(1956年開始)やミネソタ冠状動脈実験(1968年開始)の結果から、心臓病の原因を飽和脂肪酸の摂取に求めました[5]。しかし、キースとは異なる見解を示した学者もいました。英国の生理学者、ジョン・ユドキン(John Yudkin;1910年8月8日 – 1995年7月12日)は、1972年に『純粋で、白く、致命的[6]』という本を出版し、心臓病を含めた多くの疾患の原因を砂糖の摂取に求め、キースと論争になりました。

ユドキン(左)とユドキン(右)Source: © University of Minnesota. ”
Ancel Keys.” (Left) + Joanna Spence. “Portrait of John Yudkin.” Licensed under CC-BY (Right).

キースとユドキンの論争は、キースの勝利で終わりました。医学界はキース説を支持し、日本を含めた世界の国々は、キースの勧告を受け入れたのです。アメリカ心臓協会は、今でも、キース説を採用し、心血管疾患予防のために飽和脂肪酸の摂取を制限し、植物の不飽和脂肪酸で置換することを推奨しています[7]。しかし、近年、キース説と矛盾する調査結果が出てきたことから、飽和脂肪酸よりむしろ糖質の過剰摂取が循環器疾患を惹き起こしていると主張するユドキン説が再評価されつつあります。次の節では、そうした調査結果をいくつか紹介しましょう。

1.3. 疑問視される飽和脂肪酸有害説

キースがよりどころとした研究は、飽和脂肪酸の摂取量が比較的多い先進国を対象としていました。それなら、飽和脂肪酸よりも炭水化物の摂取量が相対的に多い発展途上国では、どうなのでしょうか。高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)に加え、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ占領地、ポーランド、南アフリカ、トルコ)と低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ)を調査した研究の結果が2017年に発表されました[8]。13万人以上を中央値7.4年間追跡したこの前向きコホート研究の結果は、キース説を否定するものでした。

五分位での摂取量最低位と比較した最高位の全原因死亡率ハザード比は、

  • 炭水化物で、1.28(95%信用区間:1.12~1.46, ptrend=0.0001)
  • 脂質全体で、0.77(95%信用区間:0.67~0.87, ptrend<0.0001)
  • 飽和脂肪酸で、0.86(95%信用区間:0.76~0.99, ptrend=0.0088)
  • 一価不飽和脂肪酸で、0.81(95%信用区間:0.71~0.92, ptrend<0.0001)
  • 多価不飽和脂肪酸で、0.80(95%信用区間:0.71~0.89, ptrend<0.0001)

となりました。炭水化物大量摂取のハザード比が有意に1を超えたのに対して、脂質大量摂取のハザード比は、その種類にかかわらず、有意に1を下回りました。所得の低い国々を含めた世界レベルの調査では、炭水化物の摂取量を減らし、飽和脂肪酸の摂取量を増やした方が死亡率は低下するということです。

原因別で注目すべきは、脳卒中のハザード比が、飽和脂肪酸摂取で、0.79(95%信用区間:0.64~0.98, ptrend =0.0498)となり、有意に1を下回ったことです。実は、日本人を対象にした大規模コホート研究、JPHC研究でも同じような結論が出ています[9]。五分位での飽和脂肪酸摂取量最低位と比較した最高位の多変量調整ハザード比は、

  • 脳卒中で、0.77(95%信用区間:0.65~0.93, ptrend=0.002)
  • 心臓突然死で、0.39(95%信用区間:0.15~0.99, ptrend=0.06)

というように、有意に1を下回りました。飽和脂肪酸を大量に摂取した方が、脳卒中や心臓突然死のリスクが低下するということです(ただし、心臓突然死の用量依存的なリスク低下は有意でありません)。飽和脂肪酸有害説を否定する研究結果は、これ以外にも多数発表されています。医学界主流派は、相変わらずキース説に固執していますが、キース説に異論を唱える研究者も増えています[10]

2. 飽和脂肪酸は健康に有害か

飽和脂肪酸は、肉、一部の植物油、乳製品等に含まれています。この章では、飽和脂肪酸が健康に有害かどうかを、これら代表的な食品ごとに考えたいと思います。

2.1. 赤身肉の飽和脂肪酸は有害か

米国以外の国では、キース説は裏付けられませんでした。では、キースの御膝下の米国ではどうでしょうか。50歳から71歳の52万1120人の米国人を16年間追跡し、2019年に発表された前向きコホート研究[11]によると、五分位での摂取量最低位と比較した最高位の全原因死亡率の多変量調整ハザード比は、

  • 飽和脂肪酸で、1.29(95%信用区間:1.25~1.33)
  • トランス脂肪酸で、1.03(95%信用区間:1.00~1.05)
  • 一価不飽和脂肪酸で、0.98(95%信用区間:0.94~1.02)
  • 動物性一価不飽和脂肪酸で、1.09 (95%信用区間:1.06~1.13)
  • 植物性一価不飽和脂肪酸で、0.94(95%信用区間:0.91~0.97)
  • 多価不飽和脂肪酸で、0.93(95%信用区間:0.91~0.95)
  • 海洋性多価不飽和脂肪酸(ω-3)で、0.92(95%信用区間:0.90~0.94)
  • α-リノレン酸で、1.06(95%信用区間:1.03~1.09)
  • リノール酸で、0.88(95%信用区間:0.86~0.91)
  • アラキドン酸で、1.10(95%信用区間:1.08~1.13)

となりました。調整に使用した変量の中には、全摂取エネルギーの量およびそこに占めるタンパク質と他の脂質の摂取エネルギー比率があります。つまりこのハザード比は、同じエネルギーの炭水化物をその脂質で置き換えた時の相対的な危険度を表しています。炭水化物を同じカロリーの飽和脂肪酸に置換すると、死亡率が有意に1を超えるのなら、米国ではキース説が成り立つように思えます。しかし、そこには交絡因子がないのかどうかを慎重に見極めなければなりません。

ここで、同じ一価不飽和脂肪酸への置換効果でも、動物性食品なら有意に1を超えるのに対して、植物性食品なら有意に1を下回っていることに注目してください。牛脂と豚脂には、飽和脂肪酸が約40%含まれる他、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が約45%含まれます。オレイン酸は、植物油の主要成分です。同じオレイン酸の摂取でも、牛肉や豚肉からなら有害だけれども、植物油からなら有益ということは考えにくいので、死亡率の違いは、オレイン酸ではなくて、植物にはない牛肉や豚肉の赤身肉に求められるべきでしょう。

赤身肉の有害さを、2022年発表のメタアナリシス[12]で確認しましょう。赤身肉を鶏肉で置換した時の相対リスクは、

  • 冠動脈性心疾患発生率で、0.88(95%信用区間:0.82~0.96; I2 = 0%)
  • 全原因死亡率で、0.92(95%信用区間:0.90~0.95; I2 = 61.6%)

というように、有意に1を下回ります。鶏肉は、牛肉や豚肉と同程度の飽和脂肪酸を含みます(100gあたりの飽和脂肪酸は、牛肉で4.62g、豚肉で4.36g、鶏肉で4.37g)が、赤身肉のように死亡率を高めません。これはキース説では説明できないことです。

このメタアナリシスだけでは、鶏肉は赤身肉よりましなだけと思う人もいるでしょうが、実は、鶏肉をはじめとする白身肉は、健康に積極的に良いということがわかっています。2021年発表のメタアナリシス[13]によると、家禽類(鶏肉、七面鳥、アヒル、ガチョウ)とウサギの白身肉の消費量が最も多い場合を最も少ない場合と比較すると、全死因死亡率が、0.94(95%信用区間:0.90~0.97;p<0.001)で、有意に1を下回ることが判明しました。

では、なぜ赤身肉は、白身肉とは異なって健康に有害なのでしょうか。そのメカニズムは、最近になって明らかになってきました。2022年に発表された研究[14]によると、赤身肉に含まれるLカルニチンは、腸内細菌の代謝によって、ガンマブチロベタイン(γBB)となります。すると、腸内細菌のガンマブチロベタイン利用(gbu)遺伝子が発現し、それをトリメチルアミン(TMA)、さらにはトリメチルアミンN-オキシド(TMAO)に変換します。TMAOは、アテローム性動脈硬化症や血栓を促進するがゆえに、赤身肉の消費は心血管疾患リスクを高めるとのことです。

一般的に言って、肉は赤いほどLカルニチンを多く含みます。牛肉は、豚肉よりも赤いことからもわかるとおり、より多くのLカルニチンを含み、より心血管疾患リスクを高めます。米国は、一人当たり牛肉消費量が世界で最も多い国の一つである[15]ため、米国ではLカルニチンが交絡因子となった可能性があります。牛肉は高価なので、貧しい国ではそれ以外の食品からより多くの飽和脂肪酸を摂取していると考えれば、なぜ世界全体では、飽和脂肪酸の摂取が死亡率を高めないのかがわかります。

ここまでの議論を図にまとめましょう。

飽和脂肪酸摂取と死亡率増加の見せかけの因果関係

牛肉などの赤身肉の摂取を増やすと、一方で飽和脂肪酸の摂取量が増え、他方で死亡率が増加します。すると、飽和脂肪酸の摂取が原因となって死亡率が上昇したという因果関係が成り立つように見えます。このように相関する二つの変量に影響を与えて、見せかけの因果関係を作り出す第三の因子を交絡因子(confounder)と言います。しかし、飽和脂肪酸摂取増加と死亡率上昇との間に成り立つかに見える因果関係は、鶏肉のような白身肉とともに増加する飽和脂肪酸摂取量が死亡率を低下させるという反証例で否定されます。

2.2. ココナッツ・オイルは有害か

飽和脂肪酸は、動物性食品だけでなく、植物性食品からも摂取できます。特にココナッツ・オイル(椰子油)は、ハリウッド・セレブがバターの代わりに愛用していたことから、2015年以降日本でもブームになりました。同じ飽和脂肪酸でも、バターに多いのがパルミチン酸などの長鎖脂肪酸であるのに対して、ココナッツ・オイルに多いのは、ラウリン酸などの中鎖脂肪酸です。中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸よりもエネルギー源として使用されやすく、脂肪として蓄積されにくいので、体形を気にするダイエット志向の人たちが飛びついたというわけです。

ココナッツ・オイルは常温で固体です。

キース説を墨守するアメリカ心臓協会は、ココナッツ・オイルのブームに警鐘を鳴らしています[16]。アメリカ心臓協会が発行している『サーキュレーション』に掲載された2020年の論文[17]は、ココナッツ・オイルの健康効果を否定しています。それによると、ココナッツ・オイルは、不飽和脂肪酸を主とする非熱帯性油脂と比較して、

  • 総コレステロールを 14.69 mg/dL(95%信用区間:4.84~24.53; I2 = 91%)
  • LDLコレステロールを 10.47 mg/dL(95%信用区間:3.01~17.94; I2 = 84%)
  • HDLコレステロールを 4.00 mg/dL(95%信用区間:2.26~5.73; I2 = 72%)

有意に上昇させたとのことです。他方で、体重、ウエスト周囲径、体脂肪率、C-反応性タンパク質(炎症マーカー)、空腹時血糖、中性脂肪に有意な変化をもたらしませんでした。研究者たちは、LDLコレステロールが8.6%増えたことを問題視していますが、HDLコレステロールも7.8%増えており、その結果、LDL/HDL比はほとんど変化していません。総コレステロールは、用量依存的に全原因死亡率あるいは心血管疾患死亡率と相関しないことが知られています[18]。冠動脈硬化性心疾患の独立した危険因子として使えるのは、LDL/HDL比です[19]。他の循環器疾患のリスク要因も変化していないのですから、ココナッツ・オイルを有害と判定するのは不当です。

現代のココナッツ・オイルのブームは、短期的なものですが、長期にわたってココナッツ・オイルを大量に摂取している人たちがいます。ニュージーランド領のプカプカとトケラウという赤道近くの環礁に住むポリネシア人たちです。彼らはココナッツを主食とし、プカプカ人とトケラウ人は、それぞれ1日のエネルギー摂取量の34%と63%をココナッツから得ています。アメリカ心臓協会は、飽和脂肪酸の摂取比率を10%以下にすることを推奨していますが、プカプカ人とトケラウ人は、その基準をはるかに超える飽和脂肪酸を摂取しています。それでいて、どちらの島民も極めて健康的で、循環器疾患と無縁です[20]

件の『サーキュレーション』掲載論文の著者たちは「これらの知見は、観察的かつ生態学的な研究であり、一般的に魚を多く含み加工食品が少ないこれらの人々の伝統的な食生活が交絡因子となっている可能性が高いため、注意深く扱われなければならない[21]」と言っています。たしかに二重盲検無作為化比較試験ではないのですから、交絡因子の影響を考慮しなければなりませんが、交絡因子を疑うなら、キース説に有利に思える結果に対しても、そうすべきでしょう。

2.3. 乳製品の飽和脂肪酸は有害か

牛乳や牛乳から作られた乳製品にも飽和脂肪酸が多く含まれています。以下の図は、全脂肪チーズ、全脂肪乳、赤身肉に含まれる飽和脂肪酸の炭素数ごとの割合を示しています。

全脂肪チーズ、全脂肪乳、赤身肉の飽和脂肪酸プロファイル。Source: Astrup, Arne, Faidon Magkos, Dennis M. Bier, J. Thomas Brenna, Oliveira Otto Marcia C. de, James O. Hill, Janet C. King, et al. “Saturated Fats and Health: A Reassessment and Proposal for Food-Based Recommendations.” Journal of the American College of Cardiology 76, no. 7 (August 18, 2020). p. 847. Figure 1.

赤身肉は、炭素数14以上の長鎖脂肪酸だけですが、牛乳とチーズは、炭素数8~10の中鎖脂肪酸、それ以下の短鎖脂肪酸をも含んでいることがわかります。つまり、組成からすると、乳製品の飽和脂肪酸は、肉とココナッツの中間といったところです。

もとより、乳製品の飽和脂肪酸の大半は長鎖脂肪酸です。キース説が正しいなら、乳製品の摂取は循環器疾患の死亡率を高めるはずです。しかし、「健康に良い飲み物は何か」ですでに確認したとおり、牛乳の摂取は、心血管疾患死亡率、虚血性心疾患死亡率、脳卒中死亡率を有意に低下させます。

2021年に、スウェーデンの成人4150人を中央値16.6年間追跡して、乳脂肪と心血管疾患発症リスクとの関係を調べたコホート研究[22]の結果が発表されたので、それを紹介しましょう。この研究は、乳脂肪摂取のバイオマーカーである血清ペンタデカン酸の全脂肪酸に占める割合と心血管疾患発症との関連性を調査し、以下のように、用量依存的にリスクが減少することを見出しました。

60歳代における血清ペンタデカン酸の全脂肪酸に占める割合(横軸)と心血管疾患発症のハザード比(縦軸)。基準値は10パーセンタイル(全脂肪酸の0.17%)で、上下の破線は95%信用区間の上限と下限。ヒストグラムはコホート内の血清ペンタデカン酸の分布。Source: Trieu, Kathy, Saiuj Bhat, Zhaoli Dai, Karin Leander, Bruna Gigante, Frank Qian, Andres V. Ardisson Korat, et al. “Biomarkers of Dairy Fat Intake, Incident Cardiovascular Disease, and All-Cause Mortality: A Cohort Study, Systematic Review, and Meta-Analysis.” PLOS Medicine 18, no. 9 (September 21, 2021). Figure 1. Licensed under CC-BY.

スウェーデン人は、他の国民よりも乳製品の摂取量が多いのですが、それでも、乳脂肪を採れば採るほど心血管疾患発症のリスクが低下するというのですから、やはりキース説は成り立たないと言わざるを得ません。

多くの人は、飽和脂肪酸は健康に悪いという前提のもと

  • 脂肪の多い牛肉や豚肉よりも赤身が多い肉を選ぶ
  • 鶏肉は脂肪が少ない部位でかつ皮無しを選ぶ
  • 牛乳やヨーグルトは全脂肪よりも低脂肪を選ぶ

ということをしていますが、こうした選好は健康目的なら、あまり意味はないでしょう。

もとより、飽和脂肪酸が有害ではないからといって、いくらでも摂取してよいということはありません。カロリー制限という観点からするなら、飽和脂肪酸の摂取量もエネルギー源として必要な範囲に留めるべきでしょう。しかし、それは飽和脂肪酸に限った話ではなくて、糖質についてもいえることです。

また、同じ飽和脂肪酸でも、長鎖脂肪酸よりも中鎖脂肪酸の方がエネルギー源として利用しやすく、脂肪として蓄積されにくいので、絶食模倣食としては、中鎖脂肪酸(特に、カプリル酸)の方がよいことは、「16時間断食の弊害の克服法」ですでに述べたとおりです。

3. 不飽和脂肪酸は健康に有益か

キースは飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置換することを推奨しました。では、不飽和脂肪酸はすべて健康に良いのでしょうか。トランス型不飽和脂肪酸が有害であること[23]はよく知られていますが、シス型不飽和脂肪酸だからといってすべての不飽和脂肪酸が有益とは限りません。この章では、ω-3脂肪酸、ω-6脂肪酸、ω-9脂肪酸という三種類の不飽和脂肪酸の健康効果を逐次検討することにしましょう。

3.1. ω-3脂肪酸は健康に有益か

EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含む青魚、α-リノレン酸を豊富に含む亜麻仁油や荏胡麻油は健康に良いと一般に思われています。しかし、すでに紹介した米国での前向きコホート研究[11] の結果をもう一度ご覧ください。五分位最低位と比較した最高位の全原因死亡率の多変量調整ハザード比が、海洋性多価不飽和脂肪酸(ω-3)では有意に1を下回ったのに対して、α-リノレン酸では有意に1を超えています。

違う結果を出している研究もあります。2021年発表の100万人規模のメタアナリシス[24]によると、α-リノレン酸の高摂取の低摂取と比べた相対リスクは、

  • 全原因死亡率で、0.90(95%信用区間:0.83~0.97; I2 = 77.8%; 15研究)
  • 心血管死亡率で、0.92(95%信用区間:0.86~0.99; I2 = 48.2%; 16研究)
  • 冠動脈心疾患死亡率で、0.89(95%信用区間:0.81~0.97; I2 = 5.6%; 9研究)
  • がん死亡率で、1.06(95%信用区間:1.02~1.11; I2 = 3.8%; 10研究)

というように、全原因死亡率と循環器疾患死亡率で有意に1を下回りましたが、がん死亡率が有意に1を超えました。

結果が芳しくないのは、海外では、α-リノレン酸をキャノーラ油(エルカ酸を含まないように改良された菜種油)から摂取することが多いからかもしれません。キャノーラ油は、α-リノレン酸を11%[25]程度含んでいますが、大部分(60%程度)は、オリーブ・オイルと同じオレイン酸なので、炒め物や揚げ物などに使われます。ω-3脂肪酸は高温環境下で容易に酸化し、劣化します。過酸化脂質には毒性があります。それゆえ、過酸化脂質が死亡率を高めたり、がん化につながったりしたと考えられます。

日本では、健康を意識してα-リノレン酸を摂取しようとする人は、亜麻仁油や荏胡麻油を選ぶのが普通です。これらは過熱料理で使われることはありませんが、ω-3脂肪酸は、熱だけでなく、光や酸素でも酸化します。そこで最近では、光が当たらず、空気ともなるべく接触しないようにボトルの形状を工夫するメーカーも出てきています。

魚のEPAやDHAは、直接魚を食べて摂取するなら、植物油からα-リノレン酸を摂取する場合よりも酸化のリスクは低いのですが、魚油のサプリメントは要注意です。魚から油を抽出し、製品化する途中で酸化されやすいからです。2017年発表の調査結果[26]によると、市販されているω-3脂肪酸のサプリメントの大半は酸化されているとのことです。EPAやDHAが豊富に含まれているマグロのトロ、ブリ、サンマ、サーモンの刺身を新鮮なうちに食べるという方法が一番酸化のリスクが低いでしょう。

3.2. ω-6脂肪酸は健康に有益か

ここで再び米国での前向きコホート研究[11]の結果をご覧ください。五分位最低位と比較した最高位の全原因死亡率の多変量調整ハザード比が、リノール酸では有意に1を下回ったのに対して、アラキドン酸では有意に1を超えています。どちらもω-6脂肪酸ですが、結果が逆となりました。では、リノール酸なら安心して摂取できるかと言えば、そうでもありません。

以下の図にあるように、体内での代謝により、α-リノレン酸がEPAやDHAに変換されるように、リノール酸はγ-リノレン酸やアラキドン酸に変換されます。

α-リノレン酸とリノール酸の代謝経路[27]

リノール酸自体は、炎症を抑制するのですが、アラキドン酸は、エイコサノイドと総称される代謝物を作り出し、炎症を促進します。炎症は寄生者の駆除に役立つので、必ずしも悪いとは限らないのですが、前回の「免疫のジレンマ」でも述べたとおり、免疫は両刃の剣で、守るべき宿主まで傷つけてしまいます。現代のように衛生環境が改善する中、寿命が延びている時代には、寄生者に対する脅威に備えるよりも、抗炎症・抗老化を優先しなければなりません。

一般に、α-リノレン酸、DHA、EPAといったω-3脂肪酸は、自然免疫系と獲得免疫系両方の免疫細胞の活性化に対して抑制効果を発揮します[28]。ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸の比率は、1:2ぐらいが最適とされますが、そうしたバランスが必要なのは、免疫は、強すぎても、弱すぎても好ましくないという「免疫のジレンマ」があるからです。ω-3脂肪酸もω-6脂肪酸も体内では合成できない必須脂肪酸ですが、現代人の食生活では、ω-3脂肪酸よりもω-6脂肪酸の方が多くなりがちなので、意識的にω-3脂肪酸の摂取を増やし、ω-6脂肪酸の摂取を減らさなければならないのです。

ω-3脂肪酸には酸化のリスクがあることは、すでに述べたとおりです。たとえ摂取するまでは酸化を免れたとしても、体内で酸化したなら、意味がありません。カロリー制限あるいはカロリー制限模倣物質の摂取で、成長促進カスケードを抑制し、抗老化カスケードを促進すれば、免疫は抑制されるものの、体内での酸化は防げます。この点でも、カロリー制限とカロリー制限模倣物質の摂取は必要なのです。

3.3. ω-9脂肪酸は健康に有益か

ω-9脂肪酸で有名なのは、オリーブ・オイルの7割を占めるオレイン酸です。オレイン酸は二重結合が一つしかないので、酸化しにくいのが特徴です。亜麻仁油や荏胡麻油は過熱料理には使えませんが、オリーブ・オイルは使えます。地中海料理によく使われるオリーブ・オイルは、地中海食ブームに乗って、日本でも消費されるようになりました。

スペインで12万9272人年を追跡した2022発表の調査[29]によると、三分位での最低位摂取者と比較した最高位摂取者の全原因死亡率ハザード比は、

  • 一般的なオリーブ・オイルで、0.96(95%信用区間:0.75~1.23; Ptrend=0.891)
  • バージン・オリーブ・オイルで、0.66(95%信用区間:0.49~0.90; Ptrend=0.040)

でした。バージン・オリーブ・オイルのみが有意に全原因死亡率を低下させたということです。心血管死亡率もバージン・オリーブ・オイルのみが逆相関しました。

バージン・オリーブ・オイルとは、オリーブの実の一番搾りです。オリーブ・オイルは酸化しにくいとはいえ、不飽和脂肪酸ですから、時間とともに酸化され、劣化します。それゆえ、バージン・オリーブ・オイルでなければ、健康効果は期待できないということです。

脂質の酸化しやすさ、つまり、脂肪酸の不飽和度の高さを表す指標としてヨウ素価があります。ヨウ素価は、油脂100gに付加できるヨウ素のグラム数です。これまで登場した脂質のヨウ素価を低い順に書きましょう。

  • ココナッツ・オイル:12.6
  • オリーブ・オイル:84
  • キャノーラ油(菜種油):143.8
  • 亜麻仁油:190.3
  • 荏胡麻油:197.3

オリーブ・オイルは、他の不飽和脂肪酸よりは酸化されにくいものの、飽和脂肪酸のココナッツ・オイルにはかないません。オリーブ・オイルのオレイン酸は必須脂肪酸ではなく、体内でステアリン酸から作れます。炒め物をする時に、どうしてもオリーブ・オイルを使わなければならないという理由はなく、むしろココナッツ・オイルを使った方が酸化のリスクが低くなります。とはいえ、過熱料理は、たんに脂質の酸化だけでなく、タンパク質の糖化をも促すので、できるだけ弱火で料理した方が賢明です。

最後に結論をまとめましょう。健康に悪い脂質は、

  • トランス脂肪酸
  • 過酸化脂質
  • アラキドン酸

の三つです。トランス脂肪酸は、かつてはマーガリンなどに含まれていましたが、最近ではメーカー側の取り組みにより、トランス脂肪酸の含有率が低下しているので、今ではあまり心配する必要はありません。むしろ、多くの人にとって盲点となっているのは、健康に良いと信じて積極的に摂取している不飽和脂肪酸の酸化です。光、酸素、熱、水、金属(特に鉄)が油脂の酸化を促進するので、これらのリスク要因に気を付けなければいけません。アラキドン酸は、卵や豚肉に多く含まれていますが、それらを制限するだけでは不十分です。体内でリノール酸から作られるので、ω-6脂肪酸全般を制限する必要があります。

健康に良い脂質としては、

  • ω-3脂肪酸(鮮魚など)
  • 中鎖脂肪酸(ココナッツ・オイルなど)
  • オレイン酸(オリーブ・オイルなど)

の三つを挙げられます。長鎖脂肪酸は、キースが言うほど有害ではないにしても、積極的に摂取を推奨するほどでもなく、健康に対して中立とみなしてよいでしょう。

免責事項:このコンテンツは一般的な情報の提供を目的としています。一般に健康に良いとされる方法が個別にも最適とは限らないので、個別での実践に際しては、個別事情に詳しいかかりつけ医等に相談してください。

4. 動画による要約

5. 参照情報

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