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【2024年3月25日】天秤座満月のホロスコープリーディング

「毎月の新月・満月のホロスコープリーディング」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今年2024年3月から毎月の新月・満月、また、四至のホロスコープリーディングをお届けいたします。

占星術に対するイメージは人それぞれかと思いますし、占星術の活用の仕方も人それぞれです。

また、占星術を単なる占いや心の支えとして占星術を活用するか、学問や哲学、自己理解、真理探究、自己実現として活用するかでも違いが出るかと思います。

本講座内では、どちらの立場を肯定しながらも、宇宙・天体が見せてくれる自然の摂理を現実や人生をより健全に捉えられるように、月の巡り・サイクルの解説をさせていただきます。

今回は、2024年03月25日16:00に迎える天秤座満月のホロスコープリーディングをお届けします。

本講座では、ホールサイン・ハウスシステムのホロスコープと、プラシーダスシステムのホロスコープの2つの見方で満月図を解釈していきます。

どちらか一方を参考にされてもいいですし、どちらも参考にして、ご自分の中でピンと来るメッセージを掴んでいただければ幸いです。

それでは、満月図のリーディングの前に、占星術と月について、少しだけ語らせていただきたいことがあります。

大宇宙と月と私たちの意識&心の関係性

本講座では、自然の摂理としての大宇宙と、私たちの心の世界としての小宇宙を、マクロコスモスとミクロコスモスという対称性・相似形という関係性である、と定義します。

これは「上なるもの如く、下もまた然り:As above, So below」という有名な言葉と通じるものがあります。

大宇宙の始まりは、混沌から始まり、様々なプロセスを経て、非物質的・流動的な状態が、物質的・固定的な状態へ変異し、重力や引力という作用・働きによって、その状態が維持される物語へと発展し、今があり、今後も世界は創造活動を続けていくでしょう。

私たちの人生の始まりも、先祖や親から肉体という器を与えられ、生老病死や四苦八苦、喜怒哀楽などの様々な心の体験をしながら、物を得ては手放すことを繰り返します。

占星術では、すべての人は月の世界から人生を始め、幼少期の体験や価値観、信念(思い込みのパターン)が人生に大きな影響を与える、としています。

私たちが住む地球は、天の川銀河の端の方に位置する太陽系に属していますが、宇宙には数百の銀河があると言われ、日々の生活に没頭している私たちとしては、太陽の働きで地球環境が変わってしまいますので、太陽系外の影響など未知数です。

そのため、地球創生と月との安定的な関係性が築かれ、人類史が始まった頃から、地球上の営みは、地球の衛星となった月により、時間や自然のサイクルは基より、人生のサイクルや心の起伏などに大きな役割を持つこととなりました。

そして、占星術における月は、常に、私たちの心の状態と関連しているだけでなく、現実が展開する地球に起こる事象に対する反応として働きます。

そのため、月のサイクルを知り、刻一刻と変わる現実の様相に翻弄され、自我(エゴ)と感情の衝動に振り回されることなく、出来る限り健やかで、喜ばしい現実を創造することが望ましいといえます。

月のサイクル①:新月~新月

月は、地球上の生命体の環境に関わり、私たち人間の日々の暮らしに影響を与えています。

現代では、主に太陽暦を使用していますが、日本では、明治6年(1873年)以前は太陰太陰暦(旧暦)を使用していました。

太陰太陽暦は、閏月を考慮に入れるため、複雑な時間・暦の計り方になりますが、閏月を考慮に入れずに、単純に月の満ち欠けで計る暦を純粋太陰暦と呼ばれるようです。

太陰太陽暦は、月の満ち欠けをベースとして暦を使い、自然の摂理と同調する時間の感覚や概念をもたらすものでした。

月の満ち欠けは、新月~新月のサイクルを約29日で1つの循環とします。

そのため、1度の新月が起こる月もあれば、月に2度の新月が起こる月もあります。

月の満ち欠けは「月齢」と呼ばれ、月の満ち欠けの日数を表します。

また、月が太陽光を反射して、光って見える形状を「月相」と呼びます。

占星術における土の満ち欠けは、後者の月相を使います。

西洋占星術は、ジオセントリック占星術のホロスコープは、天動説の概念で表されますが、これは私たちの自我意識と心の世界観と太陽し、ホロスコープの中央には地球が表されています(地球は天体としての役割はありません)。

対して、ヘリオ・セントリック占星術のホロスコープは、地動説の概念で表され、月は採用されず、代わりに地球が天体として採用され、私たちの自我意識や心ではなく、魂や高次的な意識と大宇宙の関係性を表したものです。

どちらのホロスコープを活用するかは場面に依りますが、私たちが日常的に活用し、体感を得られるのは、ジオ・セントリック占星術です。

なぜなら、私たちは主観的な生き物であり、情動的に動き、月の影響(重力・引力)に生かされているとともに、縛られているからです。

月相は、以下の8種類があります。

  1. 新月(New Moon)
  2. 三日月(Crescent Moon)
  3. 上弦の月(First Quarter)
  4. 十三夜月(Gibbous Moon)
  5. 満月(Full Moon)
  6. 種蒔き月(Desseminating Moon)
  7. 下弦の月(Thrid Quarter)
  8. 鎮静の月(Balsamic Moon)

月相は、地球上の生命活動に影響を与える自然界のリズムといえます。

新月に蒔かれた種子は、満月で収穫され、徐々に衰退し、次の生命サイクルへの準備へと入り、新たな新月へと向かう、という風に、月は植物の誕生から次の種子への生命の連鎖性で表されます。

このことから、私たちが月の満ち欠けを日常的に意識し、取り入れることは、自然界のリズムと同調し、物質性と精神性の調和を保つための友好的な手段といえます。

月のサイクル②:日食(日蝕)と月食(月蝕)

月と地球は、互いを引っ張り合うことで、太陽系の中で他の天体との位置関係を確保しています。

太陽系システムの中心を担う太陽から発せられる光は、月によって受け止められることで、私たちは地球上から時間の感覚や自然界の変化のプロセスを認識しています。

地球が太陽の周りを公転し、自転すると同時に、月は地球の周りを公転し、自転します。

月の軌道(白道)と太陽の軌道(黄道)は交わるポイントが2つあり、ホロスコープ上では、そのポイントを昇交点(ドラゴンヘッド)と降交点(ドラゴンテイル)と呼びます。

昇交点は、南半球から北半球に向かっていく意味し、その地点から月が昇っていくため、人生の方向性としてのドラゴンヘッドが対応します。

また、降交点は、北半球から南半球に向かっていく地点を意味し、この地点から月が下っていくため、過去や障害、執着としてのドラゴンテイルが対応します。

この2つの交点は、対極に位置し、対極軸で結ばれるため、ノード軸と呼ばれます。

そして、ノード軸付近(約18.50度以内)で新月が起こる場合は日食(日蝕)となり、ノード軸付近(約12.25度以内)で満月が起こる場合は月食(月蝕)になります。

ノード軸は2つありますので、日食(日蝕)と月食(月蝕)は、どちらの交点で起こるかで、その影響の意味合いが変わります。

新月と満月は毎年巡ってきますが、日食(日蝕)と月食(月蝕)は、黄道と白道が交差する地点に月が巡ってくるサイクルに影響され、半年毎に起こります。

日食(日蝕)と月食(月蝕)については、別記事で詳しく解説させていただきますが、日食(日蝕)の影響力は約3年半月食(月蝕)の影響力は半年程度と考えられ、前者の方が影響力が強く、長いと見なされるのが一般的です。

日食(日蝕)は、新月ですから、地球から見て、月が太陽を覆い隠してしまう現象で、私たちの目には、月が太陽を食べてしまうように見えることから、太陽の生まれ変わりを象徴すると考えられます。

対して、月食(月蝕)は、満月ですから、地球を挟んで、太陽と月が直線に並び、地球の陰が月にかかることによって月が欠けて見え、太陽光を反射しないことから、心の内に漂っている影や悪感情、否定的な想いなどが表面化し、新たな始まりの便として、心の浄化や調整を象徴すると考えられます。

ちなみに、日食(日蝕)は、大きく分けて3種類あります。

  1. 部分日食(日蝕):太陽の一部が、月によって覆い隠される状態
  2. 皆既日食(日蝕):太陽の全体が、月によって覆い隠される状態
  3. 金環日食(日蝕):月が太陽を完全に覆い隠すことができず、太陽が月よりも大きく見えることで、月の周りから太陽の光が輪郭状に見える状態

部分日食(日蝕)は広い範囲で起こりますが、皆既日食(日蝕)は狭い範囲でしか起こりません。

起こらない、とは、観測できるかどうか、ということで、日食(日蝕)と月食(月蝕)の影響力の違いは、観測できるかどうかによっても変わります。

寒暖差のように、日食(日蝕)と月食(月蝕)の影響力が及ぶ地域が限定される、ということでもあります。

また、月食(月蝕)は、大きく分けて2種類あります。

  1. 半影月食(月蝕) / 部分月食(月蝕):地球の影が、月の一部、または、月の全体に入る状態
  2. 本影月食(月蝕):地球の影が、月の一部、または、月の全体に入る状態

半影月食(月蝕)は影が薄く、肉眼で月が欠けているかどうかは見分けがつきません。

本影月食(月蝕) は、月が欠けている様子がハッキリと見えます。

月の一部だけが本影に入り込む現象を「部分月食(月蝕) 」、月の全体が本影に入り込む現象を「皆既月食(月蝕) と呼びます。

本影とは、月食(月蝕)の場合、月から見て、地球が太陽を遮り、地球の影が月にかかることを意味します。

月が表すもの:ナチュラル・ルーラー

占星術には、「ナチュラル・ルーラー」という概念が存在します。

仰々しい呼び名のように思われますが、簡単に言えば、個々の天体がそれぞれの物体や現象、要素に関わり、影響力を持つ対象を意味します。

月がナチュラル・ルーラーとして象徴するものは、以下の通りです。

  • 水、液体
  • 柔らかいもの、小さいもの
  • 形の無いもの
  • 白色
  • 女性、女性性、母性
  • 丸いもの、球体
  • 中毒性・狂気性
  • 喪失、失くしたもの、見つからないもの
  • 国民
  • 物乞いの人
  • 赤ん坊
  • 移ろうもの、移ろいやすいもの
  • 流動性、変化
  • ろうそく、電球、暗闇を照らすためのもの

月は、夜の天体であり、女性天体で、エレメントを構成する要素として、「冷(Cold)と湿(Moist)」を天体の性質として持ちます。

冷たさと湿気は、下へと落ちるエネルギーの流れを表します。

これは深層心理や無意識に、記憶や感情が蓄積される作用を意味します。

月が対応する、身体部位は、以下の通りです。

  • 末梢神経

一般的に、水星がコミュニケーションを司ると認識されていますが、実際のところ、月と水星の連携によって、言葉と思考と、感情と情緒を他者との交流が成立しています。

月は、内面から湧き上がってくる感情と、外部からの影響を受け止める役割を果たらし、水星は、脳内の思考の働きと、外部からの情報を活用する役割を果たし、これら2つの天体の連携によって、内外への受信と発信が成立するからです。

月を見ることで世界が観測される

新月~新月のサイクルは、太陽を光源とした時の、地球の営みにおける時間の変化と自然界のリズムを表したものですが、この摂理をホロスコープに落とし込みますと、心(月)は、自然界のリズムや現実の流れを観測する器といえます。

確かに、太陽は主体性や生命力、目的意識などを表し、大変重要なのですが、それらは「未だ実現していないもの」を表し、太陽に向かって時間を体験する実態は、月(心)が担っています。

この変化のプロセスを見る目がアセンダント(ASC)です。

ホロスコープには数え切れないほどの種類がありますが、どのような場合であっても、月は優先的に見るべき天体・立場です。

月を見ることで、世界を観測する際の指針となり、見方を変えれば、どのような影響を受けることになるのか、という状況を意味する、といえます。

新月や満月のホロスコープにおいて、月は常に「受容体」であり、太陽の影響を受け止める立場にあります。

それは、私たちの心に巡ってくる現実の影響であり、その影響に対する反応を如実に表すものが月である、ということです。

長くなりましたが、ホロスコープを見る際や、新月のサイクルを見る際、そして、自然界のリズムと同調する際に、月が大変重要である理由を解説させていただきました。

天秤座満月のリーディング

それでは、ホールサイン・ハウスとプラシーダス方式で読む天秤座満月のリーディングに移りたいと思います。

本講座では、ホールサインハウスで客観的なリーディングが、プラシーダス方式で観念的・主観的なリーディングができる、という風にお伝えしています。

ホールサインハウスが使用される古典占星術では、ハウスによる客観性と現実性を重要視し、プラシーダス方式が採用される現代占星術では、より主観的・観念的なリーディングが強調されているように思われます。

現代占星術は現在も発展途中であり、古典占星術がカバーできない部分を補足している側面がある一方で、古典占星術は原理主義的な側面があり、白黒ハッキリさせる点において、曖昧さを排除し、現実を肯定的に受け止める姿勢があるようです。

ハウスシステムは、占断者の好き嫌いだけでなく、経験則によって採用されるものですが、時に、異なるハウスシステムを活用して、多角的なリーディングを行うことが大切です。

私たちに脳や意識、心に「見たいものを見る」という性能(癖)がある以上、人によってホロスコープの解釈が異なることは自然ですが、基本や原理は変わらず、表現や捉え方が異なります。

本講座では、2つのハウスシステムでリーディングをすることで、現実性(物質性)と内面性(精神性)のどちらにも意識を向けて、統合的な視点を持って占星術と現実、そして自分自身と向き合うための参考材料にしていただけるように設計しています。

03月25日の天秤座満月は、ドラゴンテイル付近で起こるため、月食(月蝕)ですので、約半年ほどの影響力があるパワフルな満月です。

占星術には、未来予測のテクニックがありますが、未来は確定できるものではありません。

逆に、過去の出来事については振り返りが可能ですので、過去の記憶や感情と紐づく出来事を整理するとともに、現状把握をすることが重要です。

スケジュール帳や占星術用のノートに気づきやアイディアを書き込んで、後で見返せるようにすることをお勧めします。

天秤座満月@ホールサイン・ハウス

ホロスコープ解釈

月と太陽は、他者からの影響を受け止める上で、自分の状況を冷静に判断し(月)、他者との繋がりに対して率直な態度で向き合うこと(太陽)が強調されています。

<ホロスコープの特徴・要素>

ASC:乙女座 ⇒ チャートルーラー = 水星

MC:双子座 ⇒ ルーラー = 水星

*牡羊座の太陽:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が高い

*魚座の金星:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が高い

月:2ハウス@天秤座:ドラゴンテイルとコンジャンクション

太陽:8ハウス@牡羊座:ドラゴンヘッドとコンジャンクション

           :水星、カイロン/キロンとグランドコンジャンクション

火星・土星・金星・海王星:7ハウス@魚座でグランドコンジャンクション

木星・天王星:9ハウス@牡牛座でコンジャンクション

*コンジャンクションは、厳密にはアスペクトではありません*

【アスペクト】

①月と太陽がオポジション

2ハウスと8ハウスの対極性、天秤座と牡羊座のエネルギーの対極性が強調されています。

月が位置する2ハウスは、所有や収入、身体性、与えられた能力などを表し、ドラゴンテイルとコンジャンクションしていることで、過去から続いている現状維持のエネルギーに対して、客観性を持つことにより、心を平常に戻す必要があることを月は表しています。

対して、太陽が位置する8ハウスは、自分以外の密接な他者(パートナーや配偶者)の所有や経済力、その他、性的な関係性、神秘的・オカルティックな体験、精神的な葛藤や内的紛争、変容のプロセスを象徴します。

牡羊座の太陽は、芽吹き始めた意志を象徴し、これから他者との交わりによって生まれる新たな始まりを表し、月とオポジションのアスペクトを形成することで、自立心や主体性を持つキッカケが、他者からの影響によって生まれることを示します。

牡羊座の太陽は品格/品位が高く、火星のエネルギーを活用して主体性を発揮しようと働きます。

この働きが月に受け止められることで、8ハウスの変容の体験が進みますが、月が受け入れる際に葛藤や痛みが生じることになります。

対立の裏の側面は支え合いであり、オポジションは綱引きであり、正面衝突、面会のように、まっすぐに見つめ合うことです。

今回の満月図では、月と冥王星がシングルトンの状態(1つ天体がサイン・ハウスに位置する状態)で、月は他者からの影響を受け止める受容体の役割を表します。

あなたの心に映る他者の言動や振る舞いは、決してあなたを傷つけることを前提にしているわけではなく、あなたの意志を引き出す働きとして、あなたの心を刺激します。

10ハウス@双子座にMCが位置していることで、心から引き出される感情は、言葉という言葉や声、文面という形を持つことで、その目的が達成されることを示しています。



10ハウスは、「明らかになる場所」や「日の目を見る場所」であり、双子座は「繋がりを持つこと」を象徴します。

月と太陽の拮抗・統合は、ドラゴンテイルからドラゴンヘッドへと意識の変容を向かわせる流れと同調し、現状を認めることは、自分自身と他者の心を認めることで、新たに意志が誕生することを意味しています。

②太陽・カイロン/キロン・水星のグランドコンジャンクション

8ハウスは、パートナーシップや精神的な葛藤、変容において、牡羊座のエネルギーが強調されています。

水星とカイロンは、太陽が象徴する主体性に対して、知性とバランス(長期的な視野や健全な判断)を駆使することを促しています。

太陽は人生の方向性を表すドラゴンヘッドに近づこうとしていますが、

ドラゴンヘッドの先にはカイロン/キロンが位置しています。

これは、現状を肯定しながらも、今を絶対視せずに、広い視野と深い洞察が必要であることを示しています。

尚、牡羊座のルーラーは火星ですから、このエネルギーは7ハウスと8ハウスが連動していることを意味します。

③火星・土星・金星・海王星のグランドコンジャンクション

2023年03月から土星と海王星のコンジャンクションは続いています。

そこに、金星と火星が参加し、潜在的・無意識的な働きに対して、理解を示すとともに、現実的なバランス感覚と理想に対する想いの融合が更に活性化しているのが最近の天空の流れです。

今回の満月図では、7ハウスと8ハウスでグランドコンジャンクションが形成され、火星のエネルギーは太陽を活性化させますので、7ハウスが象徴する「信用創造」としての他者交流は、深い関係性をもたらす転機を運ぶ、と読むことができます。

その際、現実と夢や理想の擦り合わせ、または、与えることと受け取ることの両方の体験を、利己主義で行うのではなく、相互的に恩恵が生まれるように、Give&Takeが成立させることが重要です。

受け取ることが苦手な場合は、受け取ることが挑戦となりますし、与えることが未知の体験ならば、勇気が必要となります。

どちらにせよ、現状とは、やってきたこと(体験してきたこと)とやってこなかったこと(体験していないこと)のバランスによって成り立っています。

ということは、現状維持と現実創造は、常にせめぎ合っていて、それは自己実現と他者貢献の度合いとリンクしている、ということでもあります。

7ハウス@魚座での天体集合は、他者に働きかけることに対する恐怖心や不安だけでなく、期待や喜びが体験できることの予感を表します。

直感は、錆びた感覚のままでは降りてきませんが、一歩踏み出せば、バタフライ効果のように、前と後の差という変化が確実に生まれます。

特に、イグザルテーションの金星は、喜びに対するアンテナを疑わず、受け取ることを迷わず、相手を信用することが豊かさと喜びをもたらすことを表しています。

また、7ハウスには、火星と土星の間にパート・オブ・フォーチュンが位置していますので、現実と理想・夢で語り合う中で、可能性や縁が巡ってくることを示していますので、感じたことを相手に届けることが大切です。

④土星・金星が木星・天王星とトライン(120度)

木星と天王星が位置する9ハウスは、高等教育や哲学、真理探究といった、個人の学びのピークを表す場所です。

また9ハウスと重なる牡牛座は、物質性や身体性、テリトリーや心地良さ、所有や物質的な豊かさを象徴するサインです。

木星は今年2024年05月26日から双子座に移ります。

その間、天王星に接近し、物質的な価値観の変革を更に加速させていきます。

今回の満月図では、木星と天王星のタッグに対して、金星と土星が友好的な繋がりを持っています。

これは、他者との関わりが、個人の学びをより高めることを示しています。

ですから、恋愛や結婚、仕事といった社交的・社会的な側面を持つ事柄に対して、心を開き、緊張感を和らげて、可能性を招き入れることが吉といえます。

⑤ 冥王星を頂点とした、月と太陽に対する調停のアスペクト

6ハウスに位置する冥王星は、健康や労働に対して、理性と情動のバランスを取ること、また、自己主張と周囲の価値観の擦り合わせをすることを促しています。

良い言い方をすれば、「必然的なことしか起こらない」となり、耳障りの悪い言い方をすれば、「喧嘩両成敗」というようなメッセージです。

なぜなら、どのような事柄も、関わっている限り、自分に落ち度が無い、ということはあり得ないからです。

自分に決定権や選択肢が与えられていない状況であったとしても、というところが苦々しいのですが、連帯責任や共同体の一員として、客観的な視座は、心を守ってくれます。

これはやせ我慢ではなく、忍耐の力です。

6ハウスは、社会的・状況的な拘束の状態を体験させる場所ですので、この場所から冥王星が月と太陽に対して調停の立場を担っていることの意味は、「今の現状を肯定せよ」という強い働きかけです。

台風の目に居合わせて平穏さを感じたり、影響力を発揮する立場と、台風の目の外側に居て振り回される立場では大きな違いが出ることは確かですが、それぞれに体験すべき事柄が振り分けられていることは変わりません。

そういった視点で周囲の中に自らの立場や役割を評価する時、被害者意識や依存的な態度は破滅的・攻撃的な衝動となって心を傷つけます。

今回は、冥王星が月と太陽の両方に対して調和的・友好的な繋がりを持っていますので、自分と他者に対して慈しみの心を持つことが大切であると伝えているのです。

⑥ドラゴンテイルを頂点とした、金星と木星とのヨッド(ヨード)

ドラゴンテイル側で起こる日食(日蝕)は、強烈なデトックスが働く満月です。

ホールサインハウスでもプラシーダス方式でも、ドラゴンテイルを頂点として、金星と木星とやヨッド(ヨード)が形成されています。

このアスペクトは、1つの天体・感受点が、2つの天体に対して、150度(インコンジャンクト/クインカンクス)のアスペクトを持ち、2つの天体が30度(セミセクスタイル)のアスペクトを持つことで形成される複合アスペクトです。

150度という角度は、二区分・三区分・四区分に一切の共通点を持たない関係性を表します。

また、伝統占星術では、30度と150度は、「日の当たらない場所(アヴァージョン)」を表し、ハウスでは、2・6・8・12ハウスが該当します。

そのため、月とともに2ハウス@天秤座に位置するドラゴンテイルは、過去の出来事に対する解釈を改めるエネルギーが、金星と木星によって強調されるのですが、それは納得がいかなかったり、余裕が無いがために、拾いきれなかった価値観や恩恵だったりします。

ですが、物事は常に変化・移行し続けますので、「起こったこと(完了したこと)はそれで善し!」としなければ、いつまでも心にわだかまりが残り続けます。

ヨッド(ヨード)は、「神の手/指」とも呼ばれ、避けがたい状況や宿命的な働きにより、努力や工夫を要求する働きとも考えられています。

あらゆる影響を受け止める心(月)は、常に循環していることで健全さを保つことができますので、今回の日食(日蝕)のタイミングで、感情のデトックスが強く進められています。

乙女座がASCに位置し、双子座にMCが位置し、水星の象意が強調されていますので、「言語化」という自己実現には必須の習慣や日課を始めることで、心の整理やデトックス、浄化が推奨されます。

それでは次に、プラシーダス方式で見た際の満月図を見ていきます。

天秤座満月@プラシーダス

ホロスコープ解釈

月と太陽は、2ハウスと8ハウスで対極軸を形成していますが、5度前ルールが適用され、1ハウスと7ハウスが強く結び付いていることが示されています。

ホールサイン・ハウスの満月図とプラシーダス方式では、全体像としては変わりませんが、①火星のハウス、②冥王星のハウスの位置が異なります。

<ホロスコープの特徴・要素>

ASC:乙女座 ⇒ チャートルーラー = 水星

MC:双子座 ⇒ ルーラー = 水星

*牡羊座の太陽:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が高い

*魚座の金星:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が高い

*魚座の海王星:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が最も高い

*水瓶座の冥王星:イグザルテーション(高揚)=品格/品位が高い

*牡牛座の天王星:フォール(下降)= 品格/品位が低い

月:2ハウス@天秤座:ドラゴンテイルとコンジャンクション

太陽:8ハウス@牡羊座:ドラゴンヘッドとコンジャンクション

            水星、カイロン/キロンとグランドコンジャンクション

土星・金星・海王星:7ハウス@魚座でグランドコンジャンクション

木星・天王星:9ハウス@牡牛座でコンジャンクション

*コンジャンクションは、厳密にはアスペクトではありません*

【アスペクト】

ホールサイン・ハウスのホロスコープとアスペクトはほぼ変わりません。

ただ、サインのカスプが前のハウスに食い込んでいる点が異なります。

プラシーダス方式では、インターセプトとダブルハウスとなるサインとハウスの組み合わせがありますが、今回の満月図には見当たりません。

①月と太陽のオポジション

月と太陽は、5度前ルールがギリギリ適用される位置にありますので、月と太陽の緊張状態と相互関係は、自我意識と他者意識の擦り合わせの段階を含んでいる、と考えられます。

どういうことかといいますと、1ハウスと2ハウスは、自我意識や所有や金銭、能力、身体感覚が密接に関わっており、7ハウスと8ハウスは、他者の意識や所有、金銭、身体性が連動しています。

プラシーダス方式では、サインの度数(幅)は30度ですが、ハウスの幅は増減します。

1ハウスに重なる乙女座は12ハウスと1ハウスにまたがり、2ハウスに重なる天秤座は2ハウスと3ハウスにまたがっています。

ホロスコープは対称的な構造をしていますので、7ハウスに重なる魚座は、6ハウスから7ハウスにまたがり、8ハウスに重なる魚座は7ハウスから8ハウスをまたいでいます。

ということは、月は乙女座のエネルギーを保持したまま2ハウスの体験を象徴し、太陽は魚座のエネルギーを保持したまま8ハウスの体験を象徴する、ということです。

そのため、月と太陽のオポジションは、単なる所有や執着の対立や交流ではなく、自分自身の自我(エゴ)の働きを自覚した上で、他者と関わることが重要である、という意味になります。

②太陽・カイロン/キロン・水星のグランドコンジャンクション

ノード軸は、牡羊座(ドラゴンヘッド)と天秤座(ドラゴンテイル)のピークの度数である15度で対極軸が結ばれています。

ピークの前の度数に月と太陽が位置していることから、自我(エゴ)の自覚とともに、執着心や期待といった欲求が高まっていくことを暗示します。

また、ドラゴンヘッドのピークの度数の向こう側には、カイロン/キロンが位置し、自分と他者への配慮や繊細さを発揮することが求められる、という暗示も加わります。

1~6ハウスに対して、7~11ハウスは、社会や公、他者の評価に晒される体験・外圧をもたらしますので、2ハウスに位置する月は、そういった体験・影響・刺激を受け止めてから、自己主張をしなければいけない、という反応を取ります。

ですが、それは最初のうちだけで、徐々に他者との距離を縮めたり、社交辞令は止めて、本音で語ることができるようになりますので、いつまでも緊張を解かないわけにはいけません。

「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるように、言葉遣いや態度1つで、人からの印象は変わります。

「~のように見られたい」という気持ちや、「~のように接してもらいたい」という欲求を抑えることの重要性は、「これまでの生き方を絶対視しない」という軽やかさと風通しの良い未来志向のスタンスです。

カイロン/キロンは、バランスや分析、集中力、また、心にある説明しようがないけれど、解消されないトラウマや戸惑いを表します。

水星は、月と連動してコミュニケーションを成立させるために、知性と好奇心を働かせ、広い繋がりを持とうとしたり、選択肢を多くもたらそうと働きます。

水星は、今回の満月図のASC(乙女座)とMC(双子座)の両方に関わっていますから、誰に、どんな言葉を、どんなトーンや調子で伝えるか、ということを、他者の立場を思いやって発するか、ということが重要となります。

何より、自分が発した言葉は、真っ先に自分自身が聞いています。

「自分がしてもらいたいことを他者に施す」とは、自分本位・利己的なスタンスではなく、大調和のための心配りでもあります。

「宇宙は投げたボールをそのまま返す」と言われますし、「他人は自分と違う人生を生きる自分」とも言われます。

違いがあるからこそ、私たちは変化を体験すること(楽しむこと)ができます。

ですから、せっかく同じ時間と空間を共有するのでしたら、よく聞き、よく話す、という交流を楽しんでいきましょう。

この意識が、約半年の対人関係を良好にする秘訣です。

③土星・金星・海王星のグランドコンジャンクション

金星は魚座はイグザルテーション、海王星はドミサイルという品格/品位を持ち、7ハウスが象徴する他者との交流や繋がり、信用の構築においては、論理性よりも感性・感受性が優位になるようです。

といいますのも、最初はルールや決まり事に則って関わり合いを始めたものの、時間を経る毎に、心の距離は近づきます。

その関係性の些細な変化の中で、理屈や過去の成功談よりも、意識の中に入ってくるインスピレーションや閃きが、今までと違う対人関係を築く可能性を開きます。

つまるところ、人は感情・情動で動きます。

金星と海王星は、芸術や喜びに浸る感覚を象徴しますので、時に、自分の好きな話題や事柄について熱く語り、心から相手との時間を楽しむことで、距離感は縮まるということを体験するでしょう。

ただ、海王星はアルコールや麻痺、酩酊といった状態を、金星は食わず嫌いや快楽主義といった事柄を象徴しますので、出会う人との相性によっては、甘えが助長されたり、逆に、相手を依存させてしまう、といった暗示もありますので、羽目を外し過ぎないことが重要です。

この過剰な快楽的な言動に対しては、土星が戒める役割を担っていますが、あまり神経質になり過ぎると、反動が出る可能性がありますので、緊張とリラックスの塩梅には工夫が必要といえそうです。

火星は、土星・金星・海王星と同じ魚座に位置しますが、6ハウスに位置していますので、グランドコンジャンクションにはカウントしません。

ただ、火星が牡羊座を通して太陽にエネルギーを供給する際に、金星と海王星のエネルギーも混ざります。

もちろん、土星の抑制的なエネルギーも乗りますが、グランドコンジャンクションの中で金星のエネルギーがピークに近いため、奔放さが強調されることになります。

実は、海王星は月の遠地点(ペリジー)と同じ魚座の度数に位置し、他者に愛着や投影を見出す働きを秘めています。

この感覚が強くなるのは、金星が過剰に働く時です。

どういうことかと言いますと、他者の良い印象のみで人物像や人格を判断したり、楽しい感覚で冷静さを欠く状態であったり、久しぶりの交流で羽目を外したくなる衝動に駆られる時などです。

「人は思った通りに動いてはくれない」のは当たり前ですが、強い憧れや喜びによって、人は感覚が麻痺する可能性を持っています。

小さな火傷で済めばいいのですが、今回は月食(月蝕)を伴う満月で、半年ほどの影響力を持ちますので、他者に依存し、他者に過度の影響を受けるようなスタンスは控えた方がいいでしょう。

月がドラゴンテイル側に、過去の体験を繰り返すか否かが問われているからです。

他者に感化され、殻を破るキッカケが訪れる場合もありますが、そういった場合は、酔いつぶれるような状態ではなく、もっと直感が働き、変化を望む衝動に駆られる感覚が訪れます。

そんな素敵な感覚で誰かと繋がりを深めていけるように、身なりを整えたり、言動に配慮したりと、快く他者に受け入れてもらえることを楽しんでいきましょう。

④土星と木星のトライン・金星と天王星のトライン

土星と木星、金星と天王星はトライン(120度)のアスペクトを形成しています。

天体に優劣はありませんが、影響力の差や状況によっては、品格/品位の強弱は、裏目に出ることもありますが、逆に、好転的に働く場合もあります。

天王星が牡牛座を運行し始めてから、もうすぐ6年が経とうとしています。

天王星の品格/品位は、不動(固定)宮に関係し、獅子座ではデトリメント(障害・弱体)、牡牛座ではフォール(下降)の状態になります。

逆に、水瓶座ではオウンサインであるためドミサイルとなり、蠍座ではイグザルテーション(高揚)の状態となります。

牡牛座は身体感覚や現実への反応、物質的価値観、五感、心地良さや安らぎへの欲求などを象徴するサインですが、天王星は、新時代の意識を降ろすために、従来の自我意識から育ち、固定化・常識化した価値観を解体・刷新するよう働きます。

一般的な品格/品位の捉え方で言えば、牡牛座の天王星は鈍い働き、という風な印象を受けますが、今回のように9ハウスで7ハウスに位置する天体と調和的な角度を取っています。

冥王星が本格的に水瓶座を運行し始めるのは、今年2024年11月20日以降ですが、その前段階として、天王星は時代の水面を開拓すべく、私たちの日常生活に密接に関わる物質的な価値とその供給システムに手を加えてきました。

天王星にとって、物質的な価値観が不自由さをもたらしている、という象意に関して、不当性を感じている、それがフォールの品格/品位が意味することです。

天王星に木星が接近し、この流れはピークを迎え、木星は5月末に双子座へと移ります。

「物は使いよう」という言葉がありますし、食物はいくら良い肥料をあげても、土壌が良くなければ、すくすくとは育ちませんし、栄養価は低く、エネルギーの質の弱い状態で収穫されることになります。

金星と木星はともにベネフィック(吉星)、土星と天王星もともにマレフィック(凶星)で、どのような場面であっても、玉石混合、良い面と悪い面は表裏一体であることを暗示しています。

ただ、どのような経験にも価値があり、今収穫できなくても、時間が経てば収穫されますので、焦る必要はありません。

むしろ、焦って事を起こしても長続きはしませんので、その時にできる選択や判断をする自分自身や相手を信頼し、後は流れに委ねて、くよくよしないことが重要です。

9ハウスは個人の学びのピークの領域です。

7ハウスに土星、金星、海王星が位置し、あなたが出会う人々は、何かを教えてくれる人(土星)かもしれませんし、喜びを分かち合える人(金星)かもしれませんし、あなたに不思議な感覚やメッセージを与えてくれる人(海王星)かもしれません。

あなたがそういった出会いを次に繋げるために何をすべきでしょうか?

それは、あなた自身がその時(今)体験したいことに向かって少しずつ歩みを進めることです。

「現実は行動しなければ変わらない」という言葉は論理的には正解ですが、時に、身動きが取れない状況であったり、心身の状態が芳しくない時だってあります。

「変化を起こす行動をする」という選択も、「停滞の中で目立った動きをしない」という選択も、両方ともに価値があります。

重要なことは、主体的に選択をしているか、という意識があるかどうかです。

9ハウスの木星と天王星のコンジャンクションは、あなたの意識が拡大し、視野が広がることを暗示しています。

その暗示に対して、土星と金星は友好的な眼差しを送っています。

今できることは、今できることであり、今できなくても、準備や希望を持つことはできます。

あなたの意識を変えるキッカケは沢山あるでしょう。

ですが、あなたの五感や身体性を通して、電気が走るような、視界が開けるような感覚に感化されての変容は、加速的に進みます。

8ハウスの太陽は、一見深い付き合いができて喜ばしい、と思える印象を与えますが、実際のところ、表面化していない、日陰での体験の方が優位となります。

そういった状況では、深刻さではなく、真剣さが必要です。

深刻さは、自我(エゴ)がどんどん思い込みを強化するのに対し、真剣さは、人生の流れの先に意識を向けながら、目の前の物事に集中する姿勢です。

現代占星術では、8ハウスは蠍座と親和性がある場所であるとされ、伝統占星術では、8ハウスは土星が関わる、カルマや死の部屋と考えられます。

8ハウスの太陽が2ハウスの月へと光を放つ時、それは自我意識の喪失(死)と復活(再生)の暗示です。

ですから、「今に居る」や「今この瞬間に集中する」という意識を持つ際には、没入するだけでなく、必ず夜明けが訪れることを確信することで、変容の痛みや苦味を越す時が訪れることを自分自身に言い聞かせ、親密に関わる相手に対しても、一喜一憂しないように、励ましてあげることが重要です。

⑤ 冥王星を頂点とした、月と太陽に対する調停のアスペクト

プラシーダス方式では、冥王星は5ハウスに位置し、火星は6ハウスに位置します。

これら2つの天体のハウスの位置が、ホールサイン・ハウスとの大きな違いです。

冥王星は5ハウスに位置し、月と太陽を調停する立場を取っています。

2ハウスは、欲求や欲望を働かせる物や対象を必要とし、8ハウスは、感情を交流する対象を必要とします。

そして、5ハウスは、主体的に自分自身に喜びを体験させるという意味で、創造性の部屋を象徴します。

太陽と冥王星は、中心点と外円の関係性にあり、冥王星は太陽という本質を統合する裏の顔(意識)といえます。

そのため、冥王星が5ハウスに位置していることの意味は、自分自身の本質と向き合うという前提で、創造性を発掘・開花・活性することが重要だ、ということです。

月に対してはトライン(120度)、太陽に対してはセクスタイル(60度)のアスペクトを形成する冥王星は、自我(エゴ)の声に耳を傾ける心(月)と、他者や周囲との関係性の中で生まれる変化を望む意志(太陽)にバランスをもたらすのは、常に、創造的な体験である、と伝えています。

5ハウスは趣味や娯楽、恋愛、子どもや出産、ギャンブルなどを象徴しますが、どの象徴にも共通することは、「自分」という主体的な意識であり、喜びを喜びと感じるあなたの本質的な意識です。

日食(日蝕)を調停する冥王星は、非常に強い影響力を持っています。

水瓶座でイグザルテーションの品格/品位となる冥王星は、これから先の約20年の間、創造性の発揮の重要性を訴え続けるでしょう。

時代が移り変わる中で、私たち自身の意識も進化・深化していきます。

その中で、私たちが内面で立てるべき旗は、創造性がもたらす責任と自由です。

創造活動には、時間と労力とともに、意志が必要となります。

「好きだからやる」や「損得勘定抜きでやりたい」という強烈な衝動を内面から炙り出すことで、過去との差を生み出すことで、私たちは未来を楽しみにすることができるのですから。

⑥ドラゴンテイルを頂点とした、金星と木星とのヨッド(ヨード)

日食(日蝕)の起爆剤ともいえるドラゴンテイルは、金星と木星に対して、150度(インコンジャンクト/クインカンクス)のアスペクトを形成しています。

本来なら、天体同士のアスペクトで採用すべきマイナー・アスペクトですが、今回は半年間ほどの影響力を持つ、ドラゴンテイル付近で起こる日食(日蝕)であるため取り上げます。

ドラゴンテイルを頂点とするヨッド(ヨード)は、喜びを象徴する金星と、豊かさや繁栄を象徴する木星との間でセクスタイル(60度)のアスペクトが形成されることで成立しています。

金星は魚座のエネルギーをまとい、木星は牡牛座のエネルギーで変化をもたらしますが、2ハウスのドラゴンテイルを頂点とするため、言い換えれば、ドラゴンテイルが位置する2ハウスが象徴する事柄を問題提起している、といえます。

2ハウスは、物質的な価値観を象徴し、所有に対して、他者比較や自己卑下といった意識を体験する場所でもあります。

7ハウスは他者との繋がり、9ハウスは自己探求を意味し、自分のコンフォートゾーンの外側の世界を意味し、1ハウスや2ハウスからすると、比較の対象であり、広い視野をもたらしてくれる領域でもあるのです。

ドラゴンテイルは過去や親しみのある環境、変化を拒む意識などを象徴し、月とコンジャンクションしていることで、変化よりも現状維持や安心・安定に注意を向けるよう働きます。

今回の満月は、8ハウスの太陽とのオポジションですから、現状維持や機会損失のスタンスには確実に水が差され、逆に「変わりたい」という心境が導き出されることを暗示しています。

ですから、急に大変化をして、心機一転、新たな土地と心持ちで人生をやり直す!という気概ではなく、現状の中で、不要な意識や所有物を、一度は巡ってきた恩恵として感謝し、手放すことで、新たなスペースを設けることで、身軽になることが重要です。

MCは双子座に位置していますから、強く掴んだ価値観やエネルギーのうち、不要どころか、足を引っ張ることを認めることから、創造性の発揮を訴える冥王星に答え、他者との密接な繋がりを実現しようとする太陽の意志に、月(心)が応えていくことになります。

月はひたすら外部からの影響を受け取り続けますが、必ずデトックスや調整、浄化が必要です。

天秤座の月は、客観性や大衆意識が強くなる配置ではありますが、だからこそ、人生の創造活動をより善い方向へと変えることができます。

変えることができる、可能性や選択肢、余地があるのであって、変えなければいけないという切迫感や恐怖心を動機とした、自責と自罰の自己改革ではありません。

今回の満月・日食(日蝕)のメッセージは、より善い現実(今)を味わう上で、常に心を清らかにすることの大切さを伝えています。

ですから、過去も現在も、起こるべきことがあなたの身(人生)に起こっています。

そうではない、と認めない限り、内的紛争は鎮まることはなく、他者に対する攻撃性や衝動性も止むことはないでしょう。

私たちの心は常に安らぎを求めていますが、それは変化をしない、ということではありません。

自分の選択と意識の質によって、変化の中で喜びを得て、変わることで安らぎを感じられる、という境地が待っています。

ですから、世間の常識や現実問題が迫って来るとしても、それさえも、必然的に起こり、あなた一人が苦しみを背負っているわけではないということ、逆に、そのような逆境や挑戦、勇気が必要となる体験があるからこそ、私たちの内面から本望や本願が産声を上げる、と現実を肯定することが大切です。

【満月図のメッセージ】

自分の心身の健康を優先して、健やかさを確保した上で、他者との関係性を深めることを念頭においてください。

人は、誰もが自分を優先することを蔑ろにすることで、過剰に攻撃したり、傷ついたりします。

特に、理想と現実の差や、自己評価と周囲からの評価のギャップに苦しむ時は、狭い視野と縮こまった心の投影の苦々しい面が強調される時です。

あなたの現状を最も把握できるのはあなた自身であり、周囲の人も同じですから、望む現実は、今この場所から創られていきますので、どうぞ、今与えられている恩恵に注意を払ってください。

今実現していない事柄や手に入っていない物事は、創造のプロセスにあるだけで、不足や欠損ではありません。

何より、今の段階で与えられているものが、必要だからこそ与えられ、あなたを生かしていることに、喜びを感じてください。

過去の出来事や習慣化した思考は、あなたの人生を決定づけるまでの影響力はありません。

今あなたの心の中に漂っている感情を認めると同時に、これから芽吹こうとしている可能性や転機を受け入れることも許してください。

そして、あなたは一人で人生をこなす必要はありません。

助けが必要な時は、ちゃんと言葉にして、あなたの気持ちが表現される機会を作りましょう。

それが、ご自分との和解であっても、他者との相互理解であっても、同じことです。

言葉の力は偉大であり、その力を扱うことができるあなたは、ちゃんとあなたの人生の主人公になることができます。

勇気を出すことと、受け入れること、これら2つの力は挑戦と喜びの側面を持ちます。

あなたが喜びを見つける度に、世界に喜びが増え、地球全体のエネルギーが清らかになります。

春分から芽吹いた意志の力をこれから、あなたと他者との交流の喜びのために使っていってください。

物事のタイミングに沿って健やかなリズムを手に入れましょう!

今回は初めての満月図の解説・リーディングをお届けしましたが、予想以上に天体からのメッセージが多いので、いつもの記事のように長くなりました。

2024年03月25日の天秤座満月は、日食(日蝕)を伴った、未来志向と過去の価値観のせめぎ合い、そしてその中で、創造性を発掘・開花・活性が重要である、というメッセージが非常に強いものでした。

ノード軸は、約1年半でサインを移動します。

その流れは、天体とは異なり、ホロスコープを時計回り(右回り)に回り、次のサインへの移動(魚座 – 乙女座)は来年2025年01月25日です。

今回の月食(月蝕)を伴った満月は、1年のノード軸の移動の前の、調整と意識改革に関わっています。

ですから、今回の満月図で水星の象意が強調されているように、スケジュールや日記、感情ノート、感謝ノート、ジャーナリングを始め、後から見返すことができるように、また、悪感情(不要な感情)の蓄積を解消するノートワーク・シャドウワークを今から習慣化することをお勧めします。

不要な記憶やエネルギー、感情が取り払われてからこそ、心に宿っている本望や本願が顔を出して来るものです。

そして、現実に変化を生み出す力は、障害となるエネルギーが取り払われた状態で意図を発することから始まります。

あなたが心から体験したいと意図したことは、徐々に未来からあなたに向かって流れてきています。

その流れを堰き止めるのは、未知に対する恐怖心や、慣れ親しんだ価値観、採用・吸収し続けてきた外部からの刺激や価値観によって形成された、私たちの自我(エゴ)の声です。

エゴは決して悪者でも悪魔でもありませんが、変化を嫌いますし、食わず嫌いです。

この世に天使と悪魔が存在するのであれば、それは天使的なエゴと、悪魔的なエゴが私たちの内面に宿っていて、その応酬を観測者の意識である神聖が見守っているのかもしれません。

今年から連載させていただく、毎月の新月・満月のホロスコープリーディングは、満月から始まりました。

満月は、物事の完了や収穫・成果のタイミング、そして手放しと感謝のタイミングといわれます。

私たちは生まれてから現在までずっと、地球をはじめ、太陽や月だけでなく、太陽系に存在するあらゆる天体の繋がりによって、守られて生きています。

天体の運行や巡り、ホロスコープと親しむことは、自然の摂理と同調する1つの方法です。

古来から目に見える現象に意味や解釈、価値を付与してきた人類は、時代が変わっても、いくら科学技術が発展しても、心や肉体を手放すことは無く、物質文明が発展する一方で、逆に、自然の摂理の重要性を自覚する必要が出てきました。

月は、私たちにとって身近な宇宙の理を教えてくれ、地球の環境を整えてくれる大切な天体です。

太陽と月、地球の距離は、天文学的・奇跡的な配置であり、特に、日食(日蝕)が起こる現象は、確実に起こるように設計されたとしか思えないほどの神秘性を感じます。

神秘性は、オカルティズムや宗教、哲学だけでなく、私たちの日常に宿っています。

私たちが口にする食物も、大地によって育った、天体からの贈り物です。

幸せや喜びを感じることは決して難しいことではありませんし、仰々しく、華々しい豊かさや成功だけが、私たちを幸せにしてくれるわけではありません。

私たちに幸せや喜びを感じる才能・能力・素質があるからこそ、様々な体験や成長、違い(変化)に、嬉しさや安らぎを感じるのです。

私たちができることは、たった1度の奇跡を待ち望むことではなく、日々を丁寧に生きながらも、淡々と目の前のことに手を付け、自分との約束を果たし続けることを積み重ねることです。

それは大切な人との幸せへと発展するだけではなく、世界貢献、宇宙貢献に還元されていきます。

是非、月のサイクルを少しずつ意識して、あなたの心が清らかで、健やかにすることにまず興味を抱いてください。

そして、占星術に興味を持ち、あなたの人生に役立つ解釈を1つでも多く掴んでいただければ幸いです。

尚、今回お届けしたホロスコープの解釈は、私、一ノ瀬 ユイの見解や経験、知識、そして、感性がベースとなっていますので、決して正解である、とお伝えしているわけではありません。

1つの解釈は、1つの可能性である、という風に受け取っていただけますと幸いです。

これから毎月のホロスコープリーディングをお届け予定です。

次回の新月・満月のホロスコープリーディングは、04月09日の牡羊座新月です。

まだまだ語り足りないことが山ほどありますが、今回はこの辺で失礼します。

最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございます!

西洋占星術講座とともに、毎月の新月・満月のホロスコープリーディング、その他のコラムも執筆予定ですので、是非、お時間がある時に読んでいただけますと幸いです。

それでは、4月から始まる新年度を、軽やかな心持ちでお迎えください!

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