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08月20日水瓶座満月のホロスコープ・リーディング:【月は無意識の扉を開き、ブラックホールへのアクセスを可能にする?!】

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今回の記事では、08月20日水瓶座満月のホロスコープ・リーディングの解説をお届けします。

突然ですが、毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングは、今回で一旦終了とさせていただきます。

楽しみに読んでくださっている読者様は、お手間をおかけしますが、
来月からの新月・満月のホロスコープ・リーディングは、
ホームボタンから、アメブロ記事へ飛んでいただき、記事を読んでいただけますと幸いです。

今回の水瓶座満月は、
「お盆」や「ブラックホール(いて座Aスター)」、「祈り」、「重力」、「祈り」、「先祖」などがキーワードを持つ特別な満月である、ということを冒頭でお伝えさせていただきます。

占星術では、冬至点や春分点が重要である、としたり、
個々の誕生日(ソーラー・リターン)が起点であったりと、
様々な「始まり」や「起点」があります。

今回の水瓶座満月は、「始まり」というよりも、
「普遍的、且つ、霊的(非物質的)なタイミング」として、
太陽と月、そして、地球の三位一体の関係性と、
ブラックホール(いて座Aスター)との兼ね合いから、
人類が持つ「想い」と惑星が持つ「引力」を語るべきである、という観点で解説を進めていきます。

今回の満月の解説記事は、現在、Youtubeで人気の、
哲理作家・ミュージシャン・レイビレッジのオーナーとして活躍されている
「さとうみつろう」氏の月や太陰太陽暦(和暦)と、
セーラームーンの世界観と物語が執筆の発想の材料・動機となっています。

セーラームーンは、占星術の要素がふんだんに盛り込まれている物語であることは広く知られていますが、
別記事にて、番外編のアニメの世界観と占星術について取り扱う予定ですので、楽しみにしていてください。

さて、真夏の暑さを日々体感されているかとは思いますが、
お盆シーズンはどのように過ごされたでしょうか?

「水瓶座の時代」や「風の時代」というキーワードやフレーズが飛び交う中、
「共同体意識」として、まず、「家庭」を思い浮かぶはずです。

水瓶座は、11番目のサインで、物質次元における最後の領域の意識とエネルギーを持っています。

今回解説します水瓶座満月の記事を読んでいただくことで、
「始まり」と「終わり」、つまり、「生と死」と紐づいていて、
私たちは無自覚に有限の世界に生きていることに、
一時的に想いを馳せ、自分の意志や理想、夢などを明確にさせるタイミングとして絶好のチャンスになる、
という気持ちになっていただければ幸いです。

それでは、今回も最後までお付き合いくださいね!

08月の天体の運行

前回の獅子座新月の記事でもお伝えしましたが、08月の天体の運行は、以下の通りです。

  • 08月04日:獅子座新月
  • 08月05日:金星の乙女座イングレス
  • 08月05日:水星の逆行開始@乙女座
  • 08月15日:火星と双子座のコンジャンクション@双子座
  • 08月15日:逆行中の水星が乙女座イングレス
  • 08月20日:水瓶座満月
  • 08月22日:太陽の乙女座イングレス
  • 08月29日:金星の天秤座イングレス
  • 08月29日:逆行中の水星の順行開始@獅子座

今月末に水星が順行に転じることで、
逆行している天体は、冥王星・海王星・土星の3天体となります。

ちなみに水星は、11月26日から12月16日に今年最後の(3回目の)の逆行をします。

今年の金星は逆行はせず、来年2025年03月02日から04月13日に逆行します。

火星は、水星の逆行の終盤の、12月07日から来年2025年02月24日に逆行をします。

木星は、10月09日~来年2025年02月04日の間逆行をし、06月10日に双子座から蟹座へサイン移動をします。

現在逆行中の土星は、06月18日から11月15日まで逆行します。

現在順行している天王星は、09月02日から来年2025年01月31日まで逆行をします。

現在逆行中の海王星は、07月02日から12月08日まで逆行をします。

そして、現在逆行中の冥王星は、05月03日から10月12日まで逆行し、
11月20日から冥王星の水瓶座時代が始まります。

このように天体の動きを見てみますと、
08月は文字通り「大きな変化の前の夏休み(休暇)」のように感じられます。

もっとも、土星が逆行中であるため、
魚座の意識・エネルギーの調整が進んでいるわけですから、
現実面では、必ず振り返りや練り直し、土台作りに関しての課題に取り組む必要があります。

奇しくも、09月02日の天王星の逆行は、冥王星の山羊座入りと重なっていますので、
09月に入ってからは、「最終調整のためのちゃぶ台返し」のような、大きな変化が訪れる可能性があります。

08月の過ごし方は、楽しむことや休むこと、そして、09月からの生活の準備をしながら、
次の時代をどのように過ごしたいか?、ということを考えつつ、
お盆を経て、「今生きていることの奇跡と価値」について想いを馳せてはいかがでしょうか?

お盆と月、祈りと先祖

日本の伝統的な暦である太陰太陽暦では、
毎月01日が新月となり、14日か15日は必ず満月となる日々の過ごし方と感覚を養わせる暦です。

明治時代より、日本の暦は太陽暦を扱うようになり、
「自然の摂理」と「人々の時間感覚」にはズレが生じるようになりました。

お盆やお彼岸は、「先祖霊」を迎える、といった風習や文化、概念・観念によって、
死者と生者、死と生と向き合うことで、
生命活動が古代から今の私たちにまで
連綿と繋がっていることを実感するための有意義な行事であり、「心の勤め」と言えます。

日本だけでなく、世界中で08月の満月は「死者との交信」が可能になるとされ、
特別な満月のための儀式や行事、風習があります。

満月は、太陽と月が地球を挟む配置であり、月が太陽光を完全に吸収することができる配置です。

太陽が「生命力」を象徴し、生命エネルギーを与える存在として君臨する一方で、
月は「心」や「移ろうもの」を象徴するだけでなく、「死」を象徴します。

地球が生と死の主体性と受容性のエネルギーに挟まれる時、
私たちの中にある混沌のエネルギーのベクトルが強まります。

「死」とは、「形を失うこと」であり、「変化を停止させること」です。

太陽と月が拮抗状態(オポジション)にあることで、
変化と停止のエネルギーの対極的な振動・エネルギーが明確になり、
私たちは生きていることと、死んでいることの双方に対しての「想い」が膨らみます。

お盆にお墓参りをされる方は、
お墓や骨に先祖の魂が染みつき、まるでその土地に住んでいる、というよりは、
「懐かしい場所」や「目印」として、時空を超えて、想い(心)を重ねるために、
お墓参りをする感覚を持つ方が少なくないのではないかと思います。

葬儀式やお墓は、死者のため、というよりは、
生者のためのものである、という考え方がありますが、
お墓や骨壺よりも、私たちが先祖から受け継いでいるもので、ずっと大切なものがあります。

それは、私たちの身体そのものとです。

占星術では、ASCを「自我意識」や「外界から観測される姿」を表し、
月は「心」や「無意識」を表します。

では、身体は?と言いますと、12サインが身体部位に対応していますので、
サインルーラーである10天体が、私たちの身体のそれぞれを支配・加護していると言えます。

太陽系システムは、主要10天体だけで成り立っているわけではありませんので、
言ってみれば、私たちは「太陽系システムそのもの」。

これが、当講座で繰り返しお伝えしている
「小宇宙(ミクロコスモス)」としての私たちであり、
「大宇宙(マクロコスモス)」を構成する要素としての私たちです。

無限に膨張を続ける大宇宙は、私たちの存在が無くても、そのまま広がり続けるのかもしれません。

ただ、「意識を持つ存在」の歴史と営みによって、
宇宙全体に「無」から「有」が生み出されます。

本講座では、「死」は、単なる「無」ではなく、
「無と有」という対極性・二元性を包括する「全体性(受容性)」に還元され、
次の働きを生むための流れへと流用される、という表現・解釈を提供します。

本当のところ、死後の世界について知り得ることはありませんし、知る必要は無いのかもしれません。

ですが、ともに生の時空間を共有した人が、ある日目の前から居なくなって、
身体が朽ち果てて、声も聞こえなくなってしまう無常性に、私たちは底知れぬ恐怖と孤独を感じます。

月は、日々の感情だけでなく、深層心理に蓄積されているトラウマや心の闇を内包し、
そして、死への憧れと恐怖を孕む受容体として機能しています。

日々、毎年、様々な問題や困り事、悩み事に塗れている私たちですが、
「生きている=生かされている」というだけで、祝福された存在であり、
現状で体験し得るものを可能な範囲内で選択できる「選択の力(行動力)」が与えられている存在です。

四苦八苦・生老病死・栄枯盛衰と、「形あるものの定め」は、
短期的に見れば儚く、非力なものかもしれません。

ですが、長期的、且つ、包括的に見れば、誰の人生も選択も、
全体性の中では等しく価値のあるものです。

08月の満月は、生と死の意識が交わる特別な満月です。

「祈り」は「意宣り」と言います。

私たちの身体は両親をはじめ、先祖の結晶体であり、
私たちの固有の物質・所有のものではなく、あくまで「借り物の器」です。

ただ、心は別です。

私たちが心を死の世界へと向け、祈りを届ける時、
全体性と繋がり、大宇宙から何かしらの気づきや導きが与えられるかもしれません。

何も与えられなくても、「生かされている」という事実に対して、
「より善く生きる」という意志を宣言することは、
世界にとって喜ばれる在り方と行いではないかと思います。

では、なぜ、08月の水瓶座の満月がこれほど重要なのでしょうか?

太陽が月を照らすことで死への扉が開く

あらゆる物事は、何かしらの「条件」の時間や場所、タイミングで起こります。

私たちの出生がまさに、その条件であり、「座標」です。

太陽系には様々な惑星や小惑星がありますが、範囲を狭めますと、
地球とその衛星である月、そして、太陽によって、私たちの生命活動は成り立っています。

もちろん、水星と金星が太陽の周りに軌道を持っていることで、
地球と月の距離が特定の条件を満たされ、
火星以降の天体が、太陽系外部の銀河の「螺旋エネルギー(旋回活動)」と領域を分けているのことは明白な事実です。

月が地球の衛星でなかった頃、地球には生命体が存在しなかったのか、
それとも、月から水の元素が運ばれることによって、生命体の進化が促進されたのか、
はたまた、月によって、太陽系システムが形作られる前に、生命体の核が運ばれたのかは分かりません。

ただ、現状から分かることは、私たちは太陽と月に守られ、生かされている、ということです。

前置きが長くなりましたが、08月の満月は、太陽・月・地球の配置が、
天の川銀河の中枢・ブラックホール(特異点)とされる、「いて座Aスター」に
私たちの顕在意識と無意識が向く条件が揃う、とされています。

ここに、冒頭で触れたセーラームーンの世界観が関わってくるのですが、
大宇宙には数えきれない数の銀河があり、
その中枢はブラックホール(超大質量天体)であり、螺旋エネルギー(スパイラル)を生み出す核です。

今回の水瓶座満月は、地球と月の距離が近いこと、
太陽がいて座Aスターの方向を照らすこと、
そして、ブラックホールへの意識の回路が開くことの3つの条件が揃います。

月は「母性」や「心」、「無意識」の他、「死」の星です。

単なる「死」ではなく、
「生と死」を成り立たせるための「有限性の終わり」と表現した方が相応しいかもしれません。

また、水瓶座満月は、獅子座の領域を運行する太陽の光が、
水瓶座の領域を運行する月の影の濃さを明確にし、
更に、その向こうにあるブラックホールの闇を照らす、という表現をすることができます。

12月末の冬至は、地球にとっての太陽の再生(陽のエネルギーの生まれ変わり)を意味するのに対して、
06月末の夏至は、陰のエネルギーが強まり始める起点です。

陰のエネルギーが強まることは自然の摂理ですが、
その流れの中で、太陽・月・地球、
そして、天の川銀河といて座Aスターの配置・座標が、「死の領域の扉」が開き、
その後、秋が始まっていきます。

古来から人類は、自然の理に対して、恵と底知れぬ恐怖を抱き、「畏怖の念」を抱いてきました。

なんとか自然の掟や法則に脅かされないようにと、
供物を捧げたり、人柱や生贄を捧げてまでも、
目に見えぬ働きや神なるものの存在からの脅威を免れようとしてきたのです。

ただ、それらの行為や事実自体ではなく、
「生かされていること」や「生かされていることで全うできること」といった「意志」や「真心」が、重要ではないかと思われます。

「ありがとう」という言葉を無機質に何万回も唱えることで、
その言葉が持つ波動やエネルギーを掴むこともあるでしょう。

ですが、損得勘定や欠乏意識で放たれる言葉や行われる言動は、
はたして、長期的に見て、本質的に見て、本当に望ましいことなのでしょうか?

物事は必ず水面下で繋がっていて、私たちは自分自身だけは誤魔化すことができません。

先ほど、私たちの身体は「先祖の結晶体」である、と表現しましたが、
私たちの遺伝子や心、無意識の中に、先祖の意識が人知れず通っていたとしたら、
カルマや家系因縁といったものに悩まされることもあるかもしれません。

ですが、それもまた、欠乏意識や分離意識によって、
人類特有のエネルギー場で働く「囚われた概念・観念」に対して、
主導権や選択権を明け渡すか否か、という選択がある、という観方
ができます。

インターネットが普及し、様々な議論が交わされる中、
「地球は監獄・牢獄の星」であり、「人生は仮想世界」である、という観方がされるようにもなりました。

そうであったとしても、私たちは与えられた「時間」を生きるしかありません。

その時間に、死の世界・死の領域・死者の意識は、特定の条件下においてその扉を開きます。

獅子座の太陽は、「私を生きる」という意志であり、
水瓶座の月は、「個々のそれぞれの心を活かす」という願い
です。

太陽が月を照らし、ブラックホールへの道筋が輝く時、
私たちは人類全体で成り立たせている集合的無意識との繋がりが強まります。

断じて、信仰や宗教を布教するためではありませんが、
08月20日の水瓶座満月のタイミングで、
私たちは私たちの人生と生命が全うすることを宣言するとともに、
その宣言を可能にする世界への感謝、そして、世界が大調和のエネルギーで包まれることを祈り、
死者や自然の摂理に報いることを行動に移すことで、
無意識にアクセスしやすい心の在り方を整えてはいかがでしょうか?

水瓶座満月のキーワードは「世界から自分の存在価値を見せられる」

このキーワードは、「7ハウスの月(鏡)から見た自分自身(ASC)」というように、
自分自身を客観視することで生まれる表現です。

水瓶座は、理知的・理性的な側面と、奥深い潜象界への理解を持つサインで、
風サインが持つ自由への渇望と客観性を持ち、世の中を見渡し、
人それぞれの個性が活躍できる場が存在することを諦めない精神性を象徴します。

対して、獅子座は、「自己肯定」と「自己信頼」を象徴するサインで、
太陽をルーラーに持つ、理屈や根拠を必要としない、
「存在そのものの価値」を体現する精神性
を象徴します。

今回の満月図において、月は7ハウスに位置していますので、「鏡」という役割が相応しいと言えます。

「光」と「闇」に価値の差はなく、ただ役割が異なるだけです。

光だけの世界であるならば、明暗の区別がつかず、物質世界が生まれる余地はありませんし、
闇だけの世界であるならば、「変化」や「創造」という有限性によって物事が発展する可能性もありません。

今回の満月図では、2つのTスクエアがあり、10ハウスと11ハウスにエネルギーが高まっています

加えて、12ハウス@蟹座には、天体は在室していませんが、
だからこそ、ルーラーである月の意図が隠されています。

そして、今回の記事では、
「死者」や「特異点(ブラックホール)」に意識が繋がる、という観点を盛り込んでいますので、
満月と12ハウスは切っても切り離すことができません。

獅子座の太陽が指し示す「意志」が、水瓶座の月によって受け止められることで、
私たちは心に何を描き、大宇宙との繋がりの中でどのような感覚・体感を得るのかなどを考えながら、
今回のホロスコープ・リーディングを読んでいただけますと幸いです。

ホロスコープ・リーディングの記事に限らず、当講座の記事では例外なく、
「感覚」や「感性」を言語化しようとする時、筆者は水瓶座的な意識で執筆を行っています。

それは、「私(筆者)」という導管・器を通して流れてくる情報・エネルギーに対して、
心を開き、意識を向けることで、確実に「私ではない知性」が駆動するからです。

筆者の場合は、ネイタルの火星が水瓶座に位置していることもあり、この感覚には慣れ親しんでいますが、
新月や満月といった特定の天体配置(トランジットの天体配置)で感じられる感性を大切にして、
是非、どのような形であれ、記録をつけて、ご自身の言語化能力と表現力を磨くことをお勧めします。

アウトプットをしないインプット(学び)は、「知る」という知的好奇心を満たしはしますが、
「理解」という実践的な行動意欲までは満たしてくれません。

冥王星が水瓶座を運行し始める11月20日からは特に、
「個が何を考え、想い、表現するのか」という選択が現実創造の質を決める重要な要素となっていきます。

私たちは誰もが例外なく、世間や教育からの刷り込み・洗脳を受けています。

ですから、自らの意志を知るために、完璧主義や権威主義を脱ぎ捨てて、今できる行動・選択について考え、
「自分を体験する人生」を主体的に生きる喜びを感じていきましょう!

これは、獅子座の太陽と水瓶座の月のオポジション(180度)の関係性を言語化したものです。

私たちが自分自身に可能性を見出そうとする限り、
私たちの無意識からは必ずフィードバックが返ってきます。

ただ、タイムラグがあり、物事はすぐには進展はしませんので、
物質次元で生きているからには、「積極的に待つ」という姿勢で、
執着と嫌悪から自由になって日々を過ごすことが重要です。

前置きが長くなりましたが、水瓶座満月のホロスコープ・リーディングを進めていきましょう!

2024年08月20日:水瓶座満月

今回の満月は、7ハウス@水瓶座で起こります。

1ハウスは「此岸」、7ハウスは「彼岸」ですので、
この満月は、「自分と分かたれた他者の心に触れる」ということを強調していると言えます。

その心の触れ方とは、「ありのままにする」や「自由にさせる」という観方・察し方です。

もちろん、それは「お互い様」ですので、他者にとっての私たちもまた、尊重されるべき対象です。

ここで「尊重されるべき」と表現しないのは、
水瓶座が「選択の自由」を象徴するサインだからですが、
「〇〇べき」が「自由の制約・制限」に他ならないからです。

アンギュラー・ハウスである1ハウス – 7ハウスで起きる満月は、
「自意識」や「自我意識」というアイデンティティや自尊心に関わる強い衝動性と変化をもたらします。

今回の満月図における天体と感受点の特徴は、以下の通りです。

  • ASC:獅子座06度 ⇒ チャートルーラー – 太陽
  •  月 :7ハウス@水瓶座
  • 太 陽:1ハウス@獅子座27度:ドミサイル(最も強い品格/品位)
  • 水 星R:1ハウス@獅子座26度:太陽によりコンバストされる
  • 金 星:2ハウス@乙女座18度:フォール(働きが鈍る)
  • 火 星:11ハウス@双子座19度
  • 木 星:11ハウス@双子座17度:デトリメント(弱体)
  • 土 星R:8ハウス@魚 座17度
  • 天王星:10ハウス@牡牛座27度:フォール(働きが鈍る)
  • 海王星R:8ハウス@魚座29度:ドミサイル(最も強い品格/品位)
  • 冥王星R:7ハウス@水瓶座0度:イグザルテーション(高揚)
  • ドラゴンヘッド:9ハウス@牡羊座07度
  • ドラゴンテイル:3ハウス@天秤座07度
  • パート・オブ・フォーチュン:7ハウス@水瓶座06度
  • MC:9ハウス@牡羊座26度

*逆行中の天体には、Rをつけています。*

水瓶座満月

獅子座のASC:【望ましい自分=未来の熱を予感する】

今回の満月では、太陽が1ハウスに位置し、水星Rをコンバストしています。

水星は1ハウスでジョイの状態にありますが、
太陽にコンバストされることによって、「熱気に浮かされた状態」になり、
冷静な判断がつきにくい、と読むことができるほどに、獅子座のASCはバイタリティが高まっています。

太陽は獅子座でドミサイルとなり、「自尊心」や「自己肯定」の意識が高まります。

その結果、自分の主張やスタンス、在り方を貫こうとする意識が生まれます。

満月は、太陽と月が拮抗状態にあることで、主体性としては、自分自身を高めようとするしますが
、対岸(7ハウス)に月が位置していることで、
また、水瓶座の意識が、冥王星R、パート・オブ・フォーチュンによって、
客観的に自分自身を捉えようとする気持ちで葛藤・緊張が生まれます。

太陽は「未来性」を象徴しますので、
結果的に、満月からの流れは、「望ましい自分」に収束していきますが、
他者との関わりを抜きに、自らを高めることは不可能と言えるでしょう。

7ハウス@水瓶座の月:【変化・可能性に心を開く】

今回の満月では、月は7ハウス@水瓶座に位置しています。

太陽・月・天王星・海王星R、更にMCの度数を見ますと、
サインの26度か27度に位置していることが分かります。

サインの度数が終盤にいけばいくほどに、次のサインへの移行準備が進みます。

それは、そのサインらしさが失われ、発展のための余地が生まれる、ということです。

7ハウスの月は、水瓶座の意識・エネルギーを帯び、獅子座の太陽に照らされることで、
「他者から見える自分の姿」に関して非常に敏感になります。

その敏感さは、危機感や警戒心というよりも、
「内的葛藤」により、「今の自分を変えたい」という気持ちを強める燃料となるでしょう。

なぜなら、土星と天王星をルーラーに持つ水瓶座は、
「現実性」と「発展性」という相反する意識とエネルギーを持ち、
水瓶座に逆行中の冥王星が位置し、「変化・変容」の意識を刺激されるからです。

更に、後述しますが、天王星を頂点、太陽と月を底辺としたTスクエアが形成されています。

1ハウスの太陽は「主体性」、7ハウスの月は「客観性」という明確な違いを持ち、
頂点に「変化」を象徴する天王星が位置することで、対人関係のみならず、
「自分とは?」や「自分の在り方」を大きく変える流れが来ることを暗示しているのです。

対岸の月(心)が象徴するものとは、
「現在から見る過去の自分」であったり、「他者の中に見出す自分の姿」であったりしますが、
今回の満月図における月は、「無意識下で高まっている変化への欲求」を象徴します。

月のサインである蟹座は12ハウスと重なり、
その他の精神のハウスは、4ハウスが蠍座、8ハウスが魚座と重なっていますので、
深層心理や(個人の)無意識での変革・変容が進んでいるのです。

水瓶座の月は、獅子座の太陽によって照らされていますが、
逆に、獅子座の太陽の光は、水瓶座の月によって際立っています。

これは「光と闇は等価値・補完関係にある」ということであり、
私たちが物理次元(人生)で太陽という主体性・生命力・創造性を発揮するためには、
「闇」や「欠乏」、「渇望」が必要になります。

7ハウスの月は、私たちは他者に可能性を見出したり、
逆に、他者から可能性を教わる可能性を示しているとともに、
私たちが「今と違う可能性」に心を開くほどに、
「運」や「変化の兆し」、「導き」が与えられることを示している
のです。

太陽は獅子座の終盤の度数に位置し、2日後には乙女座にサイン移動をします。

乙女座は、「調整」や「浄化」、「管理」、「分析」などの性質を象徴とするサインです。

獅子座の季節の最後に、「変化をしたい」という気持ちが生まれ、
次の行動・選択のためには、必ず準備が必要になりますが、
満月図においては、まずは「動機」や「可能性」に対して心を開くことが重要である、ということを示しています。

1ハウス@獅子座の太陽:【今起きていることすべては肯定するためにある】

今回の満月では、太陽は1ハウスに位置し、自我意識に創造性が降り注ぐような配置をしています。

天体は、ホロスコープ上を反時計回り(左回り)に回りますが、
自然の摂理では、太陽は東から西へと移動します。

そう考えますと、今回の満月図で位置している太陽は、
「無意識領域を象徴する12ハウスから降りてきた生命意志」という風に表現することもできますし、
徐々に東の地平線から昇っていく流れであり、「夜明け」という風に解釈することもできます。

ホロスコープ上の流れとしては、
前者の12ハウスから1ハウスへ生命意志が巡ってきた、という解釈が相応しいのですが、
物質世界と非物質世界は鏡合わせであり、
物事は常に正反対の要素と組み合わさることで成り立っている、という意味では、
「太陽」が1ハウスに位置することの意義について考えることが大切です。

先ほどもお伝えしたように、太陽が1ハウスに位置し、
獅子座でドミサイルの品格/品位の状態にある時、
自我意識(自意識)は自信や自己肯定感が強まります。

良い悪いではなく、単にそのような状態になるのですが、
視野が狭くなり、偏りが生じるところに隙も生まれるものです。

今回の満月図では、太陽は月とオポジション(180度)、
天王星とスクエア(90度)のアスペクトを形成していますが、
9ハウス@牡羊座のMCとはトライン(120度)のアスペクトを形成しています。

ただ、8ハウス@魚座の海王星Rとは、
クインカンクス/インコンジャンクト(150度)のアスペクトを形成していますので、
牡羊座のMCが象徴する「我が道を行く」ためには
必ず「変容」という通過儀礼を受けることが必要となるでしょう。

なぜなら、太陽は、「未来」を象徴する水瓶座に位置する月を照らし、
「他者」の存在の重要性を自ら強調し、
自分本位だけでは、「最善のセルフイメージ(MC)」は獲得できないからです。

水瓶座の月を照らす獅子座の太陽は、
天の川銀河の中枢の力・渦である、いて座Aスターへの道筋を照らしています。

今回のホロスコープ・リーディングは特殊である理由は、
毎年獅子座の季節において、水瓶座の方向に月という無意識の扉を介して、
「死」の世界に光を向けるからです。

そういう意味を含めて、今回の満月図は、
「私」という此岸から、「今の私とは違う私」という彼岸に向けて、
生も死も内包するブラックホールに意識を受ける中で、
無意識から降ろされる気づきや導きに対して、創造性を発揮することが非常に重要
と言えるでしょう。

「無意識に創造性を発揮する」とは、
「積極的に無意識の働きを受容する意志を持つ」ということです。

太陽は主体性であるのに、なぜ受容的な意志を発する必要があるのか、と言いますと、
本講座で繰り返しお伝えしている、
「私たちが生かされている存在である」という生命存在の背景が理由です。

そもそも、1ハウスは、
私たちが月の年齢領域に蓄えた「外的刺激」によって形成される自我意識を活用し、
セルフイメージを育て、試す場所です。

そのような「未熟なセルフイメージ」に光が当たる時、私たちは自分の本質について考えを巡らせます。

先ほどの、「死の世界」へと意識を向ける満月というタイミングは、
私たちが決して1人で生まれ、生きてはいないことを思い出すとともに、
我欲や情欲によって、人生や物事を思い通りに運ばせようとすることが、
どれほど無謀であるのかを痛感するキッカケを与えます。

「我思う、ゆえに我あり」とは、エゴやマインドではなく、
「意識」を主体とした際の個の存在に言及した言葉(表現)です。

1ハウスで輝く太陽は、
私たちが自分自身に対して抱いているもの以上の可能性や、現状に不要なものがある恐れ、
はたまた、世界に自分が生かされていることの奇跡的な価値に気づき、
これからは自分が自分自身を活かそうとする、「本質の自分への目覚め」を象徴しています。

人生から困難や苦難を排除しようとするのは不可能ですし、
そのような生き方をすればするほど、私たちは人生を閉ざし、体験できる可能性を潰してしまうだけです。

今回の満月図では、太陽と月が綱引きをしていますが、
それは、「現状の私」と「未来の私」という構図であり、
「私」と「あなた」という構図でもあり、
はたまた、「生きている私」と「変化・変容することで喪失する私」という対称的な立場を描いています。

私たちは生きているだけで価値がありますが、
その価値を自分自身で認めない限り、
また、自我意識が本質としての自分からの愛を受け入れない限り、
獅子座の太陽の爆発的な創造エネルギーは生まれません。

私たちは、自分の姿を他者が見るように見ることはできず、自分の背中を押すことはできません。

だからこそ、身近な人やご縁が巡ってきて出会う人と関わり、エネルギーを交わらせ、
出来る限りの変化の材料を集めることで、自分の可能性を現実に顕在させることが可能になります。

1ハウスの太陽は、「あらゆることを肯定する」ということの重要性を私たちに伝えています。

攻撃や非難、悲観をしたところで、物事自体の解釈が重くなるだけで、現実は変わりません。

であるならば、私たちが自我意識を活用してできることは、「可能性を探る」という選択と行動です。

そのために、同じ獅子座に位置する水星Rと連携して、太陽は月に向かって、
今、「自分を肯定する」、いや、「自分を肯定したい」という意志を当て、
いて座Aスターから導きを得るために、月という心・鏡に、等身大の自分自身を映すのでしょう。

獅子座と蟹座、太陽と月の共通点は、違う角度からの「大丈夫」や「安心」です。

太陽と月によって、地球に「変化」という生命活動の摂理が約束されている限り、物事は変化し続けます。

一時的な停滞や後退ではなく、完全なる停止は死を意味します。

それならば、私たちはいつ訪れるか分からない寿命の最期まで、
「自分を生きる」という天命を全うすること
また、「自分を愛することを追求すること」を使命として生きることが大切ではないでしょうか?

9ハウス@牡羊座のMC:【結果は明るく、道中は暗く、足元を照らす勇気】

ホールサイン・ハウスシステムでは、
MCは10ハウス・カスプではなく、9~11ハウスを移動する感受点です。

なぜなら、天頂という物理次元における座標と、MCは異なるからです。

今回の満月図のMCは、火のエレメントである牡羊座に位置し、
1ハウス@獅子座の太陽とトライン(120度)のアスペクトを形成しています。

太陽にとって、9ハウスはジョイのハウスです。

9ハウスを一言で表すなら、「自己探求」や「自己追究」となり、
9ハウスと牡羊座の組み合わせは、「自分の生命力を試す」となります。

太陽とMCが調和的な角度を取っているということは、
ゴール(未来)は明るく、現在地からの歩みは必ず望ましい結果に至る、ということを意味しています。

牡羊座のルーラーである火星は、11ハウスに位置しています。

現代占星術では、11ハウスと水瓶座は同じように語られますが、
ハウスは実体験や境遇を表し、サインは意識やエネルギー、概念や観念を表しますので、
これら2つ要素は、天と地のように、本質的に異なります。

11ハウスは、1ハウスから始まった物質世界での体験の最終ステージのような場所・状態・景色を表し、
それは「友人」や「理想」、「自由」などといった、
10ハウスまでの社会的な拘束から解放された体験です。

牡羊座のMCが自己探求・自己追究を促す理由は、
1ハウスの太陽と7ハウスの月の対立と補完によって生まれる創造エネルギーが、
世界を受け入れ、世界からの愛を受け入れるためには、
自分自身をよく理解し、受け入れるためことが必須だからです。

そして、そのためには「人生というシナリオに織り込まれた変容体験」を受け入れることによって、
私たちは世界からの愛に応えることができる
からです。

火星が双子座を運行する間、私たちの行動力は増しますが、
情報によって混乱し、主義主張で対立する火種が方々で生まれることを暗示します。

ただ、物事の起こり・興りは、必ず「意志」や「動機」が必要となります。

今回の満月図におけるMCが、1ハウスの太陽と調和的な角度を持っている上で、
私たちに問われていることは、
「未来の今」をどのように創っていくのかという主体性・意志を持つために
現状をどのように捉え、活用し、在り方を整えるのか、ということです。

調和のエネルギーは、混沌のエネルギーとともに働いています。

私たちがポジティヴな物事を期待すればするほどに、ネガティヴな物事もついてまわります。

ですが、私たちはネガティヴを受け入れず、押しやり、闇や影を否定します。

そういった私たちの思考と感情(マインド)の構造を理解し
なぜ、現状を受け入れられないのか、ということをまず明らかにせよ
と牡羊座のMCは伝えています

最初は小さな灯(意志)でいいから、
少しずつ人生と自分自身への理解を深め、自分を生きる決意を強くすることで、
結果的に、私たちの内なる太陽の輝きが増していくのですから。

10ハウス@牡牛座の天王星:【明らかな変化の予兆】

今回の満月では、Tスクエアが2つ形成されています。

1つは、天王星を頂点とした、太陽と月とのTスクエア、
もう1つは、火星と木星を頂点とした、金星と土星RとのTスクエアです。

10ハウスに位置する天王星は、「目に見える変化」を象徴し、
最も高い場所である10ハウスは、「社会的な影響」に変化が訪れることを暗示しています。

オポジションを形成する太陽と月に対して、天王星が横槍を入れるのがTスクエアですが、
この天王星の横槍は、「個人同士の交流」が狭い視野で進まないように、
広い視野を持ち、想定外の物事に翻弄される可能性について考えよ、という注意を表していると言えるでしょう。

なぜなら、月が位置する水瓶座には、
逆行中の冥王星が「信用関係」に強い働きかけをしていますし、
水瓶座のルーラーである土星は、「変容」や「強い葛藤」、「自我意識の喪失」を象徴する8ハウスで逆行中で、
自我意識の浅はかさや頑固さにメスを入れているからです。

最も、水瓶座のルーラーである天王星が10ハウスに位置し、
太陽(主観)と月(感情)に幅を利かせるために衝撃を与える配置にあるため、
私たちがこれまで「当たり前」としてきた、自分や他者に対するイメージや期待を振り払い、
「ありのままに観る」という訓練を促している
、と言えるのです。

08月の天体の動きでもお伝えしたように、天王星は、09月02日から逆行を始め、
同日に、冥王星Rは水瓶座から山羊座にサイン移動をします。

今回の満月図における天王星は、「これからの生き方」という命題の予兆として、
「目に見える形で気づきを与える役割」を担っている
と言えるでしょう。

その気づきがどの分野に関するものなのかを知るために、
是非、ネイタルチャートの牡牛座とハウスの状況を確認してください。

天王星と水瓶座は、「より善い未来」に意識を向けさせますので、
一時的な不調や停滞、変化で自暴自棄になるのではなく、
その後・先のシナリオに意識を向けて、現状を明らかに観ることを心掛けてください。

11ハウス@双子座の火星&木星:【未来へ辿り着こうとする意志】

08月15日にコンジャンクションを迎えた火星と木星ですが、
今回の満月図では、金星と土星とTスクエアを形成しています。

火星は木星を追い越し、コンジャンクションの影響力は徐々に弱まっていきますが、
満月時には、まだまだその影響力は保持したままです。

天王星と同様に、今回の水瓶座満月における火星と木星は、金星と土星RとTスクエアを形成しています。

11ハウスは「未来」を象徴する場所ですが、
日常生活に多くの悩み事や不満を抱える私たちにとっては、
「遠い未来」に感じられる世界・景色で、未だ実現していない未来の予測は簡単ではありません。

火星と木星のコンジャンクションは、火の勢いを風が加速させる配置・影響を持ちます。

火星は「変化」と「行動力」、「闘争心」などを象徴し、
木星は「拡大」と「発展」、「道徳心」などを象徴します。

11ハウスは、10ハウスまでの経験・知識を超え、
制約・制限や拘束から解き放たれるための努力を要求しますが、
表現を変えますと、「現状の否定」「現状の改善」となるでしょうか。

そのため、太陽と月によるオポジション、牡羊座のMC、
8ハウスの土星Rと海王星R、10ハウスの天王星、7ハウスの冥王星Rなどの配置からは、
ぬるま湯に浸かって、棚から牡丹餅が落ちて来ることを期待するのは悪手である、ということが暗示されています。

つまるところ、火星と木星が遠くで大きな火柱を立てているのを見て、
そこに向かっていくために、「現状で何ができるのか?」、
もしくは、「現状から見出すことができる可能性は何か?」ということを自問することが重要
です。

2ハウスの金星と、魚座の土星Rのオポジションは、
乙女座と魚座の対極性における「物質性」と「非物質性」の対立・補完を象徴しています。

分かりやすく言えば、日常生活や物質世界と、無意識の働きや死の領域という対極です。

金星と土星Rのオポジションは、日常生活で享受している恩恵にあぐらをかくことの危険性を暗示しています。

金星は「喜び」を象徴する天体ですが、度が過ぎれば「堕落」をもたらす側面を持ちます。

ただ、金星は乙女座を運行中であるため、フォール(下降)の品格/品位の状態となり、
節制や自制心が利き、土星の働きかけに寛容的になります。

そこで、11ハウス@双子座の火星と木星が、「制約」や「制限」に甘んじて、
自らの望みや可能性を模索しないのはいかがなものか?という指摘をします。

火星と金星は、男性性と女性性、外向性と内向性のように対称的なエネルギーのベクトルを持ち、
今回の場合は、金星よりも火星の方が強い状態にあるため、
金星は土星と金星の両方からプレッシャーを与えられている構図です。

更に、金星のサインである牡牛座には天王星が位置していますので、
「好きなように過ごしたい」という金星の欲求は完全に封じられています。

そこで、8ハウス@魚座の土星Rは、「現状を律すること」だけでなく、
無意識領域に隠れている真の望みを自らの意志で見出すことを促し、
そこに火星と木星が加勢することで、「現状に限界を設けることを超える」意識をもたらすのです。

天王星・太陽と月のTスクエアとともに、
火星と木星・金星・土星のTスクエアは、
未来志向のエネルギーであり、導きである、という観方をすると心が軽くなるとともに、
私たちは自分自身の可能性を見出したくなります
ね。

火星と木星のコンジャンクションは、約2年に1度訪れる配置です。

是非、ネイタルチャートの双子座と組み合わさるハウスを確認して、
どのような体験を通して、
今回の満月図の火星と木星がどのようなメッセージを送っているのか、ということを考えてみましょう。

火星は09月05日に蟹座へ移動し、木星は来年2025年06月10日に蟹座へ移動します。

木星は大量質量の天体であり、「遠心力」の働きを持ちますので、
双子座の「好奇心」に導かれるか、それとも翻弄されるかは、
私たちがいかに意志と動機を強く持つか、に懸かっています。

7ハウス@水瓶座の冥王星R:【今を生きる執着を燃料にするために死を受け入れる】

05月03日から逆行している冥王星は、09月02日から山羊座を運行した後、
10月12日まで逆行し、11月20日から水瓶座を運行し始めます。

冥王星が山羊座の最終度数を運行する間、
再びトランスサタニアンの3天体による小三角(ミニトライン)のアスペクトが復活します

ミニトラインは、2つの同じエレメントを底辺に、
親和性のあるエレメントによって形成される複合アスペクトです。

近年のトランスサタニアンによるミニトラインは、魚座の海王星を頂点とし、
牡牛座の天王星と山羊座の冥王星によって形成され、
水と土のエレメントによる調和のエネルギーを生むと考えられます。

ですが、トランスサタニアンの3天体は、火星と土星と同様に、
マレフィック天体(凶星)の側面を持つだけでなく、
予想外・想定外の変化や影響をもたらし、物事を覆し、後戻りをさせない働きを持ちますので、
「調和のエネルギー」がもたらす影響が、
私たちの都合を無視した、世界基準や宇宙の流れに沿ったものである
、という前提を忘れるべきではありません。

そのため、再び復活するトランスサタニアンによるミニトラインは、
冥王星の水瓶座時代が始まる前の、
最後の「ちゃぶ台返し」と「再生のための変化」をもたらすことが考えられます。

ミニトラインの頂点は魚座の海王星ですので、
非物質的な物事・対象・働きが、
山羊座と牡牛座が象徴する「現実性」や「物質性」に変化をもたらすことは容易に想定できます。

牡牛座は、金銭や物質のみならず、食物や能力の発揮を表し、
山羊座は、システムや資本主義、物質文明の構造を表します。

土は水によって育まれますが、流されてしまう危険性があります。

エレメント・サインの順番は、火・土・風・水となり、
水はその他の属性・エレメントを内包し、無に帰す力があります。

とはいえ、この世は物質世界ですので、水は土を肥やすために循環するようにはなっていますが、
地球の歴史を考えますと、大洪水や地震、火山噴火などの天災は、
生命体の営みの形や歴史に大きな変化をもたらします。

今年2024年のハイライトは、冥王星の水瓶座イングレスですが、
来年2025年は土星の牡羊座イングレス、
再来年2026年は天王星の双子座運行と、
海王星の牡羊座運行といったように、
大惑星・外惑星・トランスサタニアンがサインを変えるため、
激動の時代が訪れることは前々から言われています。

占星術には「未来予測」のテクニックがありますが、
私たちがどんなに予測を計ろうと、物事がひとたび起これば、
予測や予想、予言、予知などは私たちの身を守ってはくれないことが明確になります。

重要なことは、どのような状況を知ろうと、
どのような状況が訪れようと、その時々の「今」を生き抜くこと
です。

今回の満月図における冥王星は、
月を通して、「生」を生きるために「死」を意識することで、
誰もがかけがえのない生命(人生)を共同で生きていることを再認識し、
死の世界へと戻っていった魂や先祖への祈りをもって、
日常の至るところに宿っている「有難い恵み」に感謝することを伝えています。

DSC上に位置する冥王星は、これから天頂へと昇っていく位置にあり、
今後起きて来る変化・変容の時代は、宇宙意志に適う流れであり、
その流れに沿って、私たちは意識を変えていくことが重要であることを伝えている
のです。

不動(固定)宮のTスクエアと4ハウス@蠍座

スクエアやオポジションは、同じエレメントで形成されるアスペクトです。

Tスクエアやグランドクロスは、強烈なエネルギーを生じさせる天体の連携と言えます。

そこで、ホロスコープ・リーディングを深めるコツは、
「目に見えない繋がり」や「表示されていないメッセージ」を見出すこと
です。

その代表例として、「反転法」という考え方や、
天体が位置しているサインのルーラーが位置しているハウス、
天体の繋がりを紐解くディスポジションなどが挙げられます。

今回の満月図では、太陽と月のオポジションに対して、天王星がTスクエアを形成するとともに、
火星と木星を頂点に、金星と土星のTスクエアが形成されています。

天王星の変革に対して、蠍座の意識・エネルギーにフォーカスを当てると、
冷静に状況を見つめ、「私が心の底から体験したいと願っていることは何か?」を追求することで、
未来に対する可能性と希望が生まれます。

火星と木星が起こす急速な変化に対して、射手座の意識・エネルギーにフォーカスを当てれば、
ただ動き回るのではなく、明確な着地点や収穫を目指して、
「動きながら考える」という癖や習慣、マインドを持つことで、
いたずらに意識を未来や過去に遊離させずに済みます

新月と満月の配置で、太陽と月の捉え方が奥深いのは、
太陽が位置している反対の星座に「地球星座」を見出すことができたり、
月が位置している反対の星座に、「不変性」や「挑戦すべき刺激」を見出すことができるからです。

それらは、ドラゴンヘッドやMCが暗示するメッセージのように、
大概は「未体験」や「苦手意識」、「違和感」を生じさせる事柄であることが多い
でしょう。

なぜなら、「思った通りにいかない流れを受け入れる勇気こそ、が流れに乗る秘訣」であり、
心(月)が反射的に恐怖・拒否する物事に、変化や発展の可能性が宿っているからです。

今回の講座で強く強調したいことは、
私たちが私たち自身だと決めつけている(思い込んでいる)自分像・セルフイメージは、
一時的・刹那的であり、
且つ、周囲や外部から植え付けられた要素を種(動機)としている場合が常であるため、
自我意識(エゴ)は本性ではない、ということです。

それは言い換えると、
私たちが持つ執着やあらゆる悪感情、他者や世界に対する価値観や解釈は、
私たちは内面に、常に「いつでも変えてもいい」という自由を持っている
、ということです。

8ハウスの土星は、「自我意識の喪失」という意味での「変容の体験」を通過儀礼として差し向けます。

私たちが独りぼっちで人生を生きていたら、争いも分かち合いも体験することはできません。

今回の満月図のように、1ハウスの太陽と7ハウスの月が綱引きをしている構図は、
未来と過去の綱引きであり、
「私が私と思っている私」と「私が私ではない可能性の私」の綱引きであり、
牡牛座の天王星が、「思い込み」という枠を外すことの重要性を語っているのですから。

Tスクエアのように、片方のサインやハウス、半球にエネルギーが集中する時や、
影響力が強い天体の働きを深堀りをする際は、
是非、他方の場所(ハウスとサイン)に意識を向けてください。

ホロスコープは、閉ざされた円環の世界であり、
360度の全方位の可能性を内包している世界ですが、
中心の地球は私たちの自我意識であり、解釈はいくらでも変えることができます。

12ハウス@蟹座と水瓶座の月

最後に、月と蟹座について触れたいと思います。

一見、天体が在室していないハウスとサインは、何の影響力も無い、という印象を持ってしまいがちですが、
重要な天体・影響力が強い天体を掘り下げれば、
天体の無い場所に何らかのヒントや意図を見出すことができます。

今回の水瓶座満月の場合は、
太陽が自分のサインである獅子座に位置しているのに対して、
オポジションを形成する月は水瓶座に位置しています。

では、月のサインである蟹座はどうかといいますと、12ハウスで天体は不在です。

その他にも、天体が不在であるサインは、天秤座、蠍座、射手座、山羊座ですが、
必ずサインにはルーラーがありますので、何らかの天体の投影を見出すことができます。

今回の場合は、7ハウス@水瓶座の月の意図が、12ハウス@蟹座に投影・転写されている、と考えることができます。

1ハウスの太陽が自我意識を照らし、月とオポジションを形成することで、
「決めつけてきた(思い込んできた)セルフイメージ」を膨張させ、綻びを生じさせると考えてみましょう。

そこで、月は、この緊張や葛藤の中で生まれる心(感情)を、蟹座を通して、
外に逃がしたり、心の奥底に沈ませたりします。

蟹座は、無意識領域や魂・非物質世界を象徴する12ハウスと重なっていますので、
私たちの意識と物質世界は、次元が異なる場所にあり、繋がっていることを教えてくれます。

そうしますと、月が受け入れた太陽の光や、その他の天体からの働きかけ・エネルギーは、
私たちの無意識の領域に蓄積されていきます。

ホロスコープにおいて、心理や無意識を司るハウスは、4ハウス・8ハウス・12ハウスの3つです。

これらの3つのハウスは「終末のハウス」とも呼ばれています。

今回は、心や深層心理、無意識と親和性が高い、蟹座・蠍座・魚座と組み合わさっていますので、
月の蟹座を通して無意識のアクセスは無自覚に行われる、と考えることができます。

満月は、地球を挟んだ、太陽と月の綱引きであり、対立と補完の関係です。

闇から光が生まれ、光は闇を成り立たせるとともに、闇は光を成り立たせていますが、
私たちが物理次元で物事の移ろいや変化を観測・体験できるのは、
潜象界である非物質世界の働きがあってこそですので、
月の非物質的な働きは、今後の現実創造に大いに貢献できると言えるでしょう。

なぜ、このようなことをお伝えしたか、と言いますと、
今回の水瓶座満月が、いて座Aスターに私たちの意識を向けることで、
トランジットの天体からの働きかけを受け入れるとともに、
今の私たちを形作ることになった、
宇宙全体の働きと先祖の存在と意識で繋がることができる特別な状況をもたらす
、ということです。

そして、今回の月の配置は、冥王星の水瓶座時代の到来と、
来年からの土星の牡羊座の運行の前段階として、
私たちが目に見えない働きを許容することで、
大宇宙から応援されるチャンスを自分自身に与えることができる、
意識の転換に貢献する役割を象徴している
と言えるでしょう。

2024年・年間の新月・満月カレンダー

毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングと、
毎月の天体の運行の巡りでは、
年間の新月・満月のスケジュールと、主要な天体の動きをお伝えします。

以下の表は、今年2024年の新月・満月カレンダーです。

約2週間毎に新月・満月が巡ってきますが、
忙しさからすぐにタイミング・日付を忘れてしまいますので、ご活用ください。

2024年の太陽のサイン移動のスケジュール

水瓶座満月の2日後に、太陽は乙女座へとサイン移動します。

お盆が終わり、暦と私たちの時間の概念は秋へと向かっていくものの、
体感としては、心身ともに疲れが出てきて、
夏バテや身体機能の低下などが顕著に出てきやすくなりますので、
乙女座の季節では心身のケアが重要となるでしょう。

乙女座は08月下旬から09下旬の季節に対応し、
正反対のサインである魚座は、02月下旬から03月下旬に対応しています。

これら2つの季節は、「調整」や「浄化」がテーマとなります。

08月07日に「立秋」があり、暦という、目に見えないエネルギーの働きによれば、
既に秋の訪れが近づきつつあります。

当講座で何度もお伝えしているように、
太陽光が地上に降り注ぐタイミングと、地面に蓄えられた熱が放射されるタイミングにはタイムラグがあり、
この「差」が暦と体感としての季節のズレを生じます。

暦の流れと季節の流れの不一致は、実は自然であるものの、
暦を知りつつ、現行(トランジット)の天体の流れを読みながら、
日々の生活で、心身のケア・調整をしながら、
今にある物事を今取り組むことを積み重ねていくことが、誰にとっても真理と言えるでしょう。

今年の太陽のサイン移動のスケジュールをお伝えします。

  • 2024年07月22日:獅子座イングレス
  • 2024年08月22日:乙女座イングレス
  • 2024年09月22日:天秤座イングレス
  • 2024年10月23日:蠍 座イングレス
  • 2024年11月22日:射手座イングレス
  • 2024年12月21日:山羊座イングレス:冬至

水瓶座満月:

今回は、水瓶座満月のホロスコープ・リーディングをお届けしました。

お盆が終わり、秋の到来を感じ始めつつも、
厳しい残暑や災害に対する危機感、世界情勢や国内の不穏な雰囲気に流されそうになりますが、
私たちが今生かされているのは、生きることを許されていて、
未来からやってくる「今」を体験することを楽しみにしてもいい、という観方を選択するかどうかで、
私たちの日常は様変わりします。

今回の記事では、月が「死の世界」や「無意識の領域」への扉として機能し、
太陽系システムの最も近しい渦・核である、いて座Aスターの存在
をお伝えしました。

私たちが心を通して、自分の無意識に意識を向け、
集団的無意識を超えて、超意識へとアクセスを試みた上で、
「より善い人生を生きる意志」や「自分を愛する人生を生きる気持ち」をブラックホールに伝えるとともに、
大宇宙と自然、そして、私たちに生命を繋いでくれた先祖の存在に感謝と生きる意志を宣言することで、
私たちと世界との間に調和のエネルギーが生まる
、ということをお伝えできたなら幸いです。

物質世界では、意志や祈りを発してから、
どれくらいの時差・タイムラグで、創造エネルギーが作用し始めるのかは分かりません。

予測不可能な人生・現実を生きているからこそ、私たちは「自らの意志」で生きることを続けるべきです。

冒頭に水瓶座の意識について触れ、
「〇〇べき」という表現は極力使わないことを撤回することにはなりますが、
「意志」や「主体性」といった人生の根幹に関わる選択に関しては、
強く、意志の行使の重要性を訴えたいと思います。

今回の水瓶座満月は、冥王星の水瓶座満月が始まる前に、
私たちが大宇宙と特別な対話ができるタイミングです。

すぐに答えや気づきが与えられなくても、今心の中に生まれる想いを天に届けてみましょう。

あなたの心の奥底には、あなたの純粋な想いが宿っています。

その想いは、あなたに見つけてもらう時を楽しみに待っていますし、世界も期待しています。

「諦めたら試合終了」という有名なセリフがありますが、
表現を変えれば、
あなたがご自分に自由を体験させる約束を守ろうと生きる限り、希望という意志は輝き続ける、となるでしょうか。

ですから、私たちはその時々の「今」を深刻ではなく、真剣に生きて、未来を迎えてもいいのです。

時間は止まることを知らず、
また、宇宙も止まることを知らず、あらゆるものは振動し、変化し続けていきます。

どうせ震える生命なら、どうせ生まれる気持ちなら、望ましい未来と現実を描きましょう!

すべては、まず、自分自身のために。

「自分のため」が満たされたら、私たちはきっと、少しずつ真心を分かち合うことができますから。

当講座内に散りばめたメッセージや言葉、表現の中に、
あなたの心を解し、和ませ、励まし、労り、寄り添うものが1つでも多く見つかりますように。

残念ではありますが、
今回で毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングの連載は終了とさせていただくことになりました。

これまでの毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングの解説記事で、
1つでも占星術やホロスコープの読み方や取り組み方のヒントや気づきを得ていただけたなら幸いです。

近々、番外編として、セーラームーンとエヴァンゲリオンの2つの漫画・アニメ(・映画)と占星術を結び付け、
「月」についての解説・考察記事を公開予定ですので楽しみにしていてください。

また、当講座では、読み応え満点の記事が沢山公開しておりますので、
講座内の記事を読んでいただき、「深楽しいホロスコープ・リーディング」を楽しんでくださいね!

今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました!

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