「毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディング」にようこそ!
いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
今回の毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングは、04月24日に起こる蠍座満月です!
新年度が始まり、のどかな春を感じる昨今、いかがお過ごしでしょうか?
今年は辰年ということもあり、元旦の地震に始まり、
自然との繋がりに恵みと畏敬の念を強く感じる年ではないかと思います。
牡牛座に天王星、魚座に海王星と土星が滞在(運行)している現在、
土地や水に関わる変化が起こることが予想されています。
また、牡牛座は物質性を象徴するサインですので、牡牛座のシーズンは、
土地や所有物とともに、私たちは自分の身体を労り、喜ばせる意識が大切になります。
蠍座満月を迎える前に、太陽は牡羊座から牡牛座に移り、
木星と天王星が牡牛座の21度でコンジャンクションし、
蠍座満月の翌日には、水星は逆行から順行に戻ります。
春分と牡羊座新月を経て、2024年の春分図から生まれたエネルギーが徐々に高まり続けています。
太陽光の熱が地面に吸収され、空中にその熱が放出されるまでに時間がかかるように、
牡羊座のエネルギーによって世界は温められ、私たちの意識も膨張すると考えますと、
実際に意志が行動に移した後に待っているのは、
「具体化」や「実現化」、そして「持続化」です。
04月19日深夜に太陽が牡牛座にイングレスし、
その後徐々に木星と天王星に接近していきますので、
リアルタイムで牡牛座のエネルギーを活用することは重要といえます。
今回のホロスコープ・リーディングの記事は、
①太陽の牡牛座イングレス、②木星と天王星のコンジャンクション、
そして、③蠍座満月のメッセージの3つのテーマをお送りしていきます!
牡牛座に天王星がイングレスしてから約5~6年が経ち、
コロナ禍や戦争、天災・自然災害などにより、
牡牛座が象徴する金銭や土地に強い影響がもたらされ続けています。
今回起こる蠍座での満月は、
対極軸を結ぶ牡牛座に太陽が位置し、太陽の光(意図)を月は蠍座で受け取ります。
そのため、太陽の牡牛座にイングレスし、
木星と天王星が約13年ぶりにピッタリの度数でコンジャンクションすることをセットで考えることが重要です。
また、牡牛座のエネルギーと意識の変革の次は、
双子座のエネルギーと意識の変革に移行していきますので、
今一度、牡牛座のエネルギーと意識を掴んだ上で、
今回の蠍座満がどのようなメッセージを持っているのか、
今後どのような意識を持つべきなのかを知ることが必要不可欠と言えます。
今年の04月から、講座の執筆のテーマを増やして、
より一層占星術を楽しんでいただけるように講座の執筆をさせていただいています。
本講座は、占星術に精通されている方から、始めたばかりの方、
占星術に限らず、真理探究に興味がある方などに向けて、包括的な内容になるように設計しています。
そのため、本当に細かいところまで解説したり、表現を変えてお伝えするようにしているため、
ボリュームが多くなりますが、タイムリーな新月・満月のホロスコープ・リーディングと、
講座形式の記事を一緒に読んでいただき、占星術の学びと楽しさを受け取っていただければ幸いです。
それでは、太陽と木星&天王星にフィーチャーされた牡牛座にスポットライトを当てながら、
今回の毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングをお送りしていきます。
今回も是非、最後までお付き合いくださいね!
満月とは?牡牛座とは?
3つのテーマに移る前に、満月と牡牛座について解説させていただきます。
満月について
満月は、地球を挟んで、太陽と月が一直線に並ぶ時に起こります。
ホロスコープの中心は地球であり、ホロスコープの持ち主(主観)と考えると分かりやすいですね。
ちなみに、ドラゴンヘッドかドラゴンテイル付近で満月が起こりますと、月食となります。
今月04月09日に起こった牡羊座新月は、
ドラゴンヘッド付近で起こったため、皆既日食でしたね。
月は日々満ち欠けをし続けるため、月の形は常に変わり続けます。
月の満ち欠けは、地球と月の物理的な距離と、太陽との角度によって表されるのですが、
単なる物理現象ではなく、自然のバイオリズムや私たちの心身の状態に影響を与えます。
太陽は約1ヶ月でサインを移動し、月は約29.3日周期でサインを一巡します。
月の満ち欠け(月相)は、
「感情」や「心情」が移り変わることを象徴するとともに、時間の経過を象徴し、
今という瞬間や今日という日が2度と訪れない、時間と人生の不可逆性を表している天体でもあります。
さて、月の満ち欠けは、8つのフェーズに大別されます。
- 新月
- 三日月
- 上弦の月
- 十三夜月
- 満月
- 種蒔き月
- 下弦の月
- 鎮静月
月の満ち欠けの中で、満月はピークにあることが分かりますね。
ピークとは、「最高到達点」という意味ですが、
それとともに、「限界点」という意味を持ちます。
新月から始まったサイクルがピークに達することで、折り返しが始まるのは、
ホロスコープで言えば、10ハウスから11ハウスに太陽が下っていく流れと同じです。
また、月は心や感情、情緒の他、個人の無意識と集団的無意識に携わる天体であるため、
月の満ち欠けは、個人と集団を包括する働きに影響を与えます。
満月は、最高到達、つまり、「完成」や「達成」を意味し、次第に陰り始めることで、
新たなサイクルへの準備を始める地点・状態を表します。
約2週間毎に新月と満月が交互に起こり、新月と満月は対極のサインで起こりますので、
自然の摂理の精妙さに驚かされますね。
4月の天体の運行と日食&月食についても記事も是非、ご参考にしてください。
牡牛座について
天文学が物理現象に特化した学問である一方、
占星術は観念的・精神的な側面にも焦点を当てますので、
天文学と占星術は似て非なるものです。
そのため、天文学が「惑星」や「星座」と表現するのに対し、
占星術では「天体」や「サイン」という表現をします。
(*区別しない人も当然いますので、絶対的なルールというわけではありませんが、
学術的には明確な区別がされる、という意味です。*)
例えば、宇宙は常に動いて(膨張して)いますし、
地球の地軸の傾き(歳差運動)も僅かに動き続けていますので、
天文学と古代の占星術が言及するサインと、現在の星座の位置はズレているため、
占星術の概念は、現実と観念の間を行ったり来たりしている、と言えます。
牡牛座は、12サインの中の2番目のサインです。
12サインは、人間の身体部位と対応しているとされ、
牡牛座は「口」や「喉」に対応しています。
口や喉は、呼吸や食事、発声に関わる部位ですが、
牡牛座は、人間の発育段階や生活サイクルにおいて、「衣・食・住」と「物質性」を象徴します。
牡牛座を擬人化する際、「美食家」や「コレクター」と形容されるのは、
食料や物質的価値に頓着・愛着・執着を持つからに他なりません。
なぜ、食料や物質にそこまで興味を示すのかと言いますと、
「安らぎ」と「満足感」を求めるからです。
牡牛座は「金銭」や「所有物」なども象徴しますが、
お金や物自体ではなく、それらを活用・保持することで、満ち足りた気持ちになります。
つまるところ、私たちは、物や金銭を経て得られる「体験」や「感情」を求めているのです。
言葉で見聞きすれば当たり前だと思いますが、
実際に私たちが本能的な欲求や内的衝動に駆られる時、
視野が狭くなり、渇望感によって行動力が増していることに無自覚でいます。
また、牡牛座は「頑固さ」や「マイペースさ」を象徴するサインでもあります。
これらの象徴は、「自分自身の欲求に正直である」という性質から生まれます。
牡牛座は、女性星座【二区分】、不動(固定)宮【三区分】、
土のエレメント【四区分】の3つの性質によって構成されています。
女性星座は、受容性や内向性を表し、不動(固定)宮は、維持や継続、存続に力を注ぎ、
土のエレメントは、物質性や身体性、実態性に意識を当てます。
牡牛座というサインは、現実主義や物質主義、資本主義の権化、というわけではありませんが、
地に足の着いた生き方や、衣食住や嗜好品などを通じて、
物質的な豊かさを味わうことを重視する意識とエネルギーを象徴します。
ですから、太陽が牡牛座を運行する季節や、月が牡牛座に巡る時、
新月や満月が牡牛座で起こる時、はたまた、ネイタルチャートで牡牛座に天体がある場合は、
物質的な豊かさを味わいながら、満足感や安らぎを感じる衝動が強まることを示します。
重要なことは、私たちが物質的な豊かさを求めるのは、
「自分自身を安心させたい」という欲求や、
「安らぎが至福である」という心境が内面に備わっているからで、
物の量や質は、必ずしも絶対的な物差しではない、ということです。
現在は、天王星が牡牛座を約7年かけて運行している途中ですが、
物質性に紐づいた私たちの概念と、現実の物質の形態に変革が起こり続けています。
牡牛座に太陽が位置し、対向の蠍座に月が位置し、太陽を挟む時、
物質的な欲求と精神的な欲求がフォーカスされ、
太陽が位置する牡牛座のエネルギーと意識を月が受け取ることで、蠍座のエネルギーと意識が深化します。
月が蠍座に位置し、太陽が牡牛座に位置する場合は、精神的な欲求が優位になります。
それは、月が太陽の光を受け取るからです。
蠍座@5ハウスに位置することで起こる、今回の蠍座満月は、
「自分を喜ばせる体験すること」がメインテーマとなります。
月は運行スピードが速いため、
ホロスコープ上で孤立しやすく(シングルトン)、他の天体からの影響を多方面から受けとります。
月は「受容性」の象徴であるとともに、「心」と「無意識」の働きを意味しますので、
自然のバイオリズムと同調して、人生をより善く生きていこうとするならば、
月が巡るサインのエネルギーと意識を取り入れることが重要です。
月は本当に複雑な天体で、簡潔に説明することは不可能なのですが、
ホロスコープ・リーディングにおいては、
「太陽の意志(光)を受け取り、地球に伝えること」を第一の役割と考えます。
そして、月が位置するハウスとサインは、
その時・その場面における、テーマや欲求、重要となる感覚にまつわる象徴や出来事を示します。
月については、色んな角度から解説・考察していきますので、今後ともお楽しみください
それでは、蠍座満月のホロスコープ・リーディングの前に、
太陽の牡牛座イングレスと、牡牛座での木星と天王星のコンジャンクションについて解説させていただきますね。
牡牛座の解説記事も是非、参考にしてください。
太陽の牡牛座イングレス:2024.04.19.23:00pm
それでは次に、太陽が牡牛座0度に入った際のホロスコープを見ていきます。
ホロスコープの見方は多様ですが、
太陽系の中心点である太陽がサインやハウスを移動する時は、重要なメッセージがあると考えられます。
本講座では、毎月の天体の運行や新月・満月のホロスコープ・リーディングの際に、
太陽のサインの移動(イングレス)のホロスコープを扱うことで、
太陽が運行するサインの初動の意図や流れを拾います。
大まかな流れは、春分図に表されますが、その流れを細分化することで、
1ヶ月の流れを見ていく際に、太陽がサインを移った時のホロスコープは参考になります。
上記の画像は、太陽が牡牛座0度に入った時のホロスコープです。
Astrodienstにて、ホールサイン・ハウスシステムで、
04月19日23:00pmの時刻・東京で、太陽の牡牛座イングレスのホロスコープを出しています。
*時刻は、サイトによって異なる場合があります。*
今回は、すべての要素をピックアップするのではなく
、太陽の意図や天体・感受点の位置関係、重要なアスペクトのみを参考材料とします。
ASCで見る現実を見る眼差し
ASCは始まり、MCをゴールとしますと、ホロスコープの全体像が分かります。
1ハウスは射手座に位置し、ASCは1ハウスの29度に位置しているため、
2ハウス@山羊座への意識や象徴も意識の範囲内にある、と考えます。
射手座ASCは、「涙の度数」と呼ばれる29度に位置し、意識が大きく変わることを象徴しています。
射手座と山羊座は、男性星座と女性星座ということで、反発し合う関係にあります。
また、射手座のルーラーは木星、山羊座のルーラーは土星で、
これら2つの天体のハウスとサインの位置も重要となります。
射手座ASCは、
木星が位置する6ハウス@牡牛座から木星の意図を受け取って、世界(現実)を眺めます。
6ハウスは、アヴァージョンの場所であり、集団性や就労、健康を象徴します。
牡牛座は、物質性や身体性、金銭や稼ぐ能力、身体性や物質性、所有、安定と安心を象徴します。
射手座ASCの眼差し・意識は、拘束的な状態・状況において、
どのような変化・発展を望めるだろうか、という関心を持っています。
なぜなら、木星は天王星と21度でコンジャンクションし、
土星と月のオポジションを調停する場所に位置するからです。
月は10ハウス、土星は4ハウスに位置し、乙女座と魚座という対極軸を結んでいます。
簡単に言えば、月と土星は、社会活動や社会生活を整える意識(月)と、
家庭や自分の居場所を盤石にする意識(土星)で拮抗しています。
月は太陽が最も昇る位置にあり、土星は太陽が最も沈む場所に位置しています。
太陽が牡牛座にイングレスした時間帯は深夜ですので、無意識が優位になるのですが、
外面の世界に心を向け、無意識を広げながら、
社会で求められる自分になろうとする月(心)を、土星は制しています。
土星は「抑制」や「制約・制限」といった働きを持ち、
魚座で火星(&海王星)とコンジャンクションしていますので、
無意識や精神の領域に秩序をもたらすべく、2025年2026年まで魚座を運行します。
最近の天体の配置として、土星は火星とコンジャンクションする度数が近いため、
葛藤や対立、トラブルが起こりやすいことが特徴として挙げられます。
ASCに話を戻しますが、射手座ASCの意識は、
自分がどのように振る舞い、どこへ向かっていこうか、ということを見極めようとしています。
見極めようとするスタンスは、損得勘定もありますが、
より現実的に希望を望めるか、という期待と好奇心から生まれます。
そして、その期待や好奇心が向かう先は、MCのゴール地点・目標です。
MCで見るゴール・目標
MCは11ハウス@天秤座に位置し、ドラゴンテイルと4度離れてコンジャンクションをしています。
11ハウスは「友人」や「理想」を象徴するハウスです。
天秤座は「バランス」や「客観性」、「調和」を象徴するサインです。
天秤座のルーラーである金星は、5ハウス@牡羊座に位置し、
デトリメント(弱体)の品格 / 品位を持ちながらも、
5ハウスのハウスルーラーであり、5ハウスでジョイとなるため、
自分自身に喜びを体験させることが、MCのゴールや目標に反映されます。
面白いことに、金星と水星、加えてドラゴンヘッドとタイトにコンジャンクションし、
MCとドラゴンテイルとオポジションを形成しています。
対向のハウス・サイン同士でオポジションを形成する場合、矛盾ではなく、
「循環」のための対立と補完の関係を表します。
今回の場合、金星とMCのオポジションは、
「自分を喜ばせること」が「周囲(友人)を喜ばせること」に発展する可能性を示しています。
これは、後述します天王星のコンジャンクションと、蠍座満月における重要な要素です。
11ハウス@天秤座のMCが重要なのではなく、
牡羊座の金星の意識・エネルギーが、客観的な立場を優先させるのではなく、
自分自身に興味を持ち、自分の喜びを正直に体験することが重要となります。
ですから、太陽が牡牛座にイングレスした際に、太陽が向かう先・望む未来は、
「自分の喜びが他者や周囲(友人)に喜ばれること」という風に解釈することができます。
牡牛座の太陽は、物質性や身体性、物の価値によって感じられる安心感や充足感にスポットライトを当てますので、
「まずは自分を満たすこと」が重要だということが強調されているのです。
太陽の意図
太陽は6ハウス@牡牛座に位置し、木星と天王星とコンジャンクションしています。
太陽という生命力・意志が、
木星という大惑星とトランスサタニアンの天王星と同じサイン・ハウスに位置することで、
現実的に分かりやすい動きが出ることが暗示されます。
牡牛座は、不動(固定)宮のサインであるため、長期的に、ゆっくりと変化をしていく性質を持ちます。
その性質に対して、天王星が変革をもたらすのですが、木星がその働きを加速させます。
更に、太陽が変革に熱を注ぐことになりますので、
土地や金銭に関して価値観が変わる現象が起こることが想定されます。
こういった変化を、11ハウス@天秤座のMCをゴール・目標にした際、
牡牛座の太陽は「豊かさの分配」という意識を実現しようとします。
「土の時代」の余韻は、簡単に立ち消えることはありませんが、
時間をかけながら、確実に変化を起こしているのが現在の世界の在り様です。
太陽の意図は、「拘束的な状況」に風穴を空けるキッカケや転機が巡ってくるため、
足元や現状から目を背けることなく、
「今、この場所」から望ましい変化を起こすことを決意することを促していると言えます。
月の意識
月は10ハウス@乙女座に位置しています。
10ハウスのハウスルーラーは火星で、乙女座のルーラーは水星です。
ハウスルーラーである火星とは、
土星と共にオポジションのアスペクトを形成しているのが特徴です。
その特徴は、4ハウス – 10ハウスの対極性と、乙女座 – 魚座の対極性が土台となっています。
太陽が牡牛座にイングレスした際、月は天頂に位置し、世界を見渡しています。
月の意識は、射手座ASCの眼差しと天秤座MCのゴール・目標に対して、
実現すべき物事や状態に関心を向けています。
10ハウス@乙女座は、「社会的な立場や役割を全うする」という使命感を象徴します。
そのため、このホロスコープでは、月は「全体像を把握する」とともに、
「社会的な自分の立場」に対して、秩序や調和を実現しようとする意識を示しています。
月の、火星&土星とのオポジションは、内面や身内の状態が、
複数の要素や条件が絡み合うことで、時間をかけて整える必要があるものの、
社会的な役割や立場は、自分自身の気持ち次第で変化や調整が生じることを暗示しています。
土星が魚座を運行している間、期間としては、2026年02月14日までは、内面的な調整・浄化が続きます。
対して、月は約2日半でサインを移動しますので、
月は「タイミング」を重要視する、と考えますと、
太陽が牡牛座にイングレスした際、
月の意識は、「社会的なセルフイメージ」を望ましい方向にシフトさせ、
理想と現実や、主観と客観のギャップを埋めるために、
現状でできることに粛々と取り組むことが重要であると伝えています。
まとめ:現実を肯定する強さは、未来を実現する強さ
太陽の牡牛座イングレスのホロスコープをまとめますと、
現実や現状を認め、または、受け入れ、現状求められることや着手できる事柄に対して、
肯定的な態度で望むことが太陽の意図であると言えます。
この意図は、足元を固めるだけでなく、
見て見ぬふりをしてきた不安要素や、他者や周囲、社会との関わりの中で、
自分の内面で燻ぶり続けている不満や葛藤を素直に味わう苦痛を伴うことで、
全体の流れと合流することができることを示しています。
その全体の流れとは、逆境や困難の中にあっても、
何かしらの方法で自分自身を満たし、喜ばせることができ
、また、物質的な豊かさと安らぎを感じることができ、
「今を生きる」という意志が、自分だけでなく、
自分の大切な人を励ます、という未来志向の意識です。
事実は事実として変わりませんが、
解釈や見方を変えて、現状とどのように関わり、
自分自身との関係性をどのようにするかは、私たち次第です。
太陽の意図は、常に、「自分自身を肯定すること」を起点とし、また、ゴールとします。
9ハウス@獅子座には、パート・オブ・フォーチュンが位置していますので、
やはり、辛い状況や状態にあっても、
自分にとっての喜びを追求する手を止めないことが、現状打破と未来創造の鍵となるのです。
太陽の牡牛座イングレスのタイミングと、
木星と天王星のピッタリの度数でのコンジャンクションのタイミングは、5日ほどしか離れていません。
また、木星が天王星に接近し、追い抜くまでに、コンジャンクションの影響は高まっていますが、
同じ度数でコンジャンクションするピークと、
木星が天王星を追い抜いた後が、実際的な変化が顕在化していくタイミングです。
牡牛座21度での木星と天王星のコンジャンクション:2024.04.21.11:26pm
続いて、木星と天王星のコンジャンクションがピークとなるホロスコープを見ていきます。
下の画像は、木星と天王星の度数が牡牛座21度で重なる瞬間のホロスコープです。
*Astrodienstにて、ホールサイン・ハウスシステムで表示した場合*
獅子座ASC
木星と天王星が0度で重なる際、ASCは獅子座の意識で世界を眺めます。
1ハウス@獅子座には、太陽の意図が反映されます。
牡牛座の太陽は10ハウスに位置するため、木星と天王星とのコンジャンクションは、
自我意識を目覚めさせるようなサインを送ります。
獅子座ASCが太陽が受け取るサインは、
「現状を発展・変革することで見つかる安心感に向かって、堂々と現実に立ち向かうこと」です。
牡牛座は本来、変化を嫌い、現状維持を望みます。
望むというよりも、現状を成り立たせる過程で味わうことができる、
固定化・再現される型に安心感を得るため、変化にはあまり関心を示さない
、という積極的な内向性の在り方です。
ですが、太陽が木星と天王星に近づき、牡牛座の意識が広がり、
また、揺らいでいる現実に光を当てることで、確かな発展と手応えを感じるようになります。
その手応えを得るためには、現状を把握することと、
可能性に対して肯定的な態度を取る必要があります。
変化や未知に対して肯定的な態度を取ることは、
ある意味、従来の価値観を否定することでもあります。
そして、その価値観は、
月やドラゴンテイルが象徴するような「過去」によって生み出され、また、強化されるものです。
そのため、獅子座ASCと、乙女座の月は、
現状を明らかに見た時に、向かい風に向かって佇むのか、
流れに逆らって逆流・逆行することで苦痛を得る方向に進むのか、
という現実的な選択を考えた時に、
過去の経験を絶対視することは得策ではない、ということを太陽から知らされます。
このサインを受け取ることができるかどうかは、月にかかっています。
乙女座の月
先ほど、太陽の牡牛座イングレスの解説で、
「社会的な立場」や「社会的なセルフイメージ」に関する意識の調整という表現をしました。
今度は、月は2ハウスに位置し、
火星と土星とのオポジションから、海王星とのオポジションが強調されています。
全体像・象徴としては、
海王星を頂点とした、木星&天王星と冥王星と小三角(ミニトライン)を形成し、
月とオポジションを形成することで、複合アスペクトであるカイトが形成されるように見えます。
ですが、冥王星は水瓶座に位置しているため、
厳密にはミニトラインもカイトも形成されているとは言えません。
ハウスには5度前ルールはありますが、アスペクトが形成されるためには、
サイン・エレメントの関係性が重要となり、
この場合は正確なアスペクトとは言えず、「崩れたアスペクト」という補足的な見方をする必要があります。
とはいえ、象徴としては、8ハウスの海王星と2ハウスの月の拮抗状態に対して、
木星&天王政と冥王星は、6・7ハウスと9・10ハウスの経験や出来事によって、
視野を広げ、足元を照らし、変化・変容に対して心をオープンにするよう促しています。
ホールサイン・ハウスシステムでは、
冥王星は水瓶座の2度に位置し、前の6ハウスの意識の余韻を持っています。
冥王星と太陽は、角度的にはスクエア(90度)の関係性にありますが、正確なアスペクトではありません。
ただ、太陽は牡牛座の1度に位置し、9ハウスの意識・経験の余韻を保持しています。
9ハウスでは、ドラゴンヘッドを始め、水星と金星、そして、MCが位置しています。
ここに小惑星カイロン/キロンを加えますと、グランド・コンジャンクション+感受点となり、
牡羊座の意識・エネルギーは、9ハウスにて活性している、と見ることができます。
また、牡羊座のルーラーである火星は、月とオポジションを形成する海王星に接近しています。
火星が位置する8ハウスは、土星がハウスルーラーであり、
変化・変容、パートナーに対する不満や葛藤を解消しようと働くものの、
スピード感がなく、地団太を踏んでいる状況を示しています。
ですが、「思い通りにいかない」という認識や気持ちは、事実と反している場合が多いです。
火星は急加速・急発進をしたいのですが、土星がそれを阻みます。
加えて、海王星は無意識の領域に漂っている、
個人の夢や理想に思いを馳せるようにそそのかします。
月が太陽の意図を受け取るためには、自らの足元に根差し、
特定の他者と密接に関わる状況であっても、自分自身の望みや心を優先しなければいけません。
なぜなら、月は土星よりも運行スピードが早いため、
刻々と時間が過ぎていく中で、自分の気持ちを無視し続けたなら、
常に他者や周囲、環境の思惑に絡めとられてしまうからです。
涙の度数である29度に位置する月は、
牡羊座から牡牛座に移った太陽から光を受け取る上で、
自分の認識を超えて、蓋をしている事柄や本音に向き合い、
客観的に状況を把握する必要があることを示しています。
なぜ、自分はこのような現状に置かれ、自分はそれを実現しているのか?
一切合切、すべてが自分の責任である、という断罪的な状況把握ではなく、
事実として、自分の選択や意思決定には、必ず自分は関与している、
と認めることが、乙女座の月の「調整の意識」です。
そして、この調整の意識は、
魚座の海王星がもたらす幻想や理想を実現化・具体化させるための土台となり、
MCの「最善のセルフイメージ」に導かれる扉を開く鍵となります。
なぜなら、パート・オブ・フォーチュンは6ハウス@山羊座に位置し、
土星が現状や環境の中で、取り組むべき課題や役割を全うするように促しているからです。
牡羊座のMC
MCは、9~11ハウスの間を動きます。
天頂はあくまで、10ハウスのカスプである、というのがホールサイン・ハウスシステムの仕組みです。
太陽の牡牛座イングレスの解説で、
5ハウス@牡羊座に位置する金星は、「自分をまず喜ばせること」を重要視している、とお伝えしました。
すると今度は、牡羊座の金星は9ハウスに位置し、
自分の好奇心や探求心に忠実になることで得られる喜びを強調しています。
9ハウスは「神のハウス」とよばれる場所で、木星がハウスルーラーです。
木星は10ハウス@牡牛座に位置し、天王星とタイトなコンジャンクションをし、
太陽を合わせるとグランド・コンジャンクションを形成しています。
また、木星は、射手座と魚座のルーラーですから、5ハウスと8ハウスにその働きを反映します。
今回は、8ハウス@魚座にて、
火星・土星・海王星のグランド・コンジャンクションが形成され、
特に海王星と月はタイトなオポジションを形成していますので、
木星の意図は、天王星の変革の意識・エネルギーと融合しながら、
「創造性(5ハウス)」と「変容(8ハウス)」にまつわる現象と体験を味わうことを促している、と言えます。
牡羊座のMCは、8ハウス@魚座の火星からエネルギーを与えられていることに加え、
ドラゴンヘッドが位置していますので、
5ハウスの創造性より、8ハウスの変容への意識を受け入れることが重要であると判断することができます。
月のオーヴにより、火星ともオポジションが形成される、と見なすことができます。
木星と天王星のタイトなコンジャンクションのホロスコープにおいて、メインのメッセンジャーは太陽ですが、
その太陽の意図を受け取る月を活性させる役割は、火星が担っているといえるでしょう。
9ハウス@牡羊座に位置するMCは、「世界を解明したい」や「自分から世界に飛び込む」という勢いと情熱を象徴します。
あなたが自分自身に体験させてあげたい情熱は、どんなものでしょうか?
それは、牡牛座で変革が進んでいる中で、
自分の情熱や理想、夢が、周囲や集団意識の刷り込みではなかったのか?
という問いを自分に突きつけることによって、ようやく答えが出ます。
そういう意味では、月と海王星のオポジションは、
現実ではなく、虚構を見る傾向が強まります。
ですが、火星と土星が同じ8ハウス@魚座を運行し、
7ハウス@水瓶座には冥王星が運行していますので、
「幻想から目を覚まして現実を生きて、本願を実現させる意志」が徐々に強まっていくでしょう。
「植え付けられた夢」や「魅させられてきた幻想」は、一定期間の間、見る価値があるものです。
ですが、自分自身を知れば知るほどに、そういったまやかしの効力は薄まっていきます。
海王星は「酩酊状態」や「中毒性」を象徴しますので、
特定の他者や親密な関係にある他者との折り合いをつけようともがく体験によって、
「思い込み」を外そうとする意識が生まれることもあります。
獅子座のASCと牡羊座のMCは、
そういった「詰め込まれた意識」や「抱え込むように押し付けられたエネルギー」から離れ、
今一度、自分が自分のために体験できる喜びに向かって意識を向け、
その方向に進むために、足元・現状を整えることを促しているのです。
まとめ:変革・発展は、常に最善の方向に向かっている
本講座では、「肯定」や「受容」という表現を多用しています。
ですが、「肯定」や「受容」は、簡単な選択ではなく、
葛藤や苦痛を経て到達する通過点ですので、時間も重圧もかかります。
肯定は、積極的に認めることであり、受容は、受容的に認めることであるだけで、
意識としては、「包括的な意識」が、私たちに達成感と安らぎを与えることは同じです。
木星と天王星のコンジャンクションは、「好景気アスペクト」と呼ばれる場合もあり、
約13~14年のサイクルで、このコンジャンクションの影響は巡ってきます。
外惑星同士の会合(コンジャンクション)は、頻繁に起こるわけではありません。
天王星は牡牛座でフォール(下降)の品格 / 品位を持つと言われるため、
物質性に関する価値観の変化・変革は、私たちにプレッシャーを与えますので、
ネガティヴな側面が強調されることは否めません。
ですが、そのような状況や変遷は、「最善の流れ」の中の通過点です。
木星と天王星のコンジャンクションのピークは、木星が天王星を追い抜こうとする時がピークです。
木星は2024年05月26日に双子座に移動し、
天王星が双子座を本格的に運行するのは、2026年04月26日です。
そのため今回の木星と天王星の会合は、
土(牡牛座)の意識から風(双子座)の意識への移行のための下準備や助走期間の中で、
天王星の変革を受け取る転機となるでしょう。
ですから、常に、物事は変化し続けることを肯定し、受け入れていくことが大切です。
それは、私たちが常に変化し、生まれ変わっていることと同じであり、
世の中の流れに同調しながら、自分の本願を実現する意志を立てることによって、創造性を高めることを促します。
「願望」や「願い」の根本原理は、「喪失」や「恐怖」、「(思い込みによる)不足感」から生まれます。
月は、大衆意識や集団的無意識の影響を受け、
その流れに貢献し、合わせなければいけない、という強迫観念を抱きます。
ですが、本来の月は、「犠牲」ではなく、純粋な「祈り」と「包容」を象徴します。
いつの時代も、ある程度の予定調和は必要となり、
もしくは、強要される場合もありますが、現代では、その強制力が弱まっています。
そして、私たちが今の時代で体験・実現すべきことは、「利己的な自己肯定」ではなく、「包括的な自己肯定」です。
それは、水瓶座の意識でもあります。
「自分に体験させる喜びを分かち合う」という意識は、分離した個の意識同士を結び付け、喜びを倍加します。
ですから、是非、「現実は最善に向かっている」という目に見えない働きと流れを、あなたの中で採用し、
また、ご自身にその作用で体感し、そして、あなたを通じて、あなたが関わる人に、
発展と変革、変容と再生の影響を分かち合う気持ちで過ごしてください。
押し付けや強要、被害者意識や洗脳といった、パワーバランスによって囚われた意識は、
必要なくなっていく世の中になっていくのですから。
それでは最後に、蠍座満月のホロスコープ・リーディングをしていきます!
蠍座満月のホロスコープ・リーディング:2024.04.24.08:49am
太陽の牡牛座イングレスの時も、木星と天王星の21度でのコンジャンクションの時も、
そして、蠍座の満月のホロスコープも、月は孤立しています。
シングルトンの状態にある月は、多方面からの影響を一手に受け取る、という見方をすることができます。
では、蠍座に位置する満月の月を起点として、満月のホロスコープ・リーディングをしていきます。
満月からのメッセージ:真心という愛を自分自身に注ごう!
- 蟹座ASC
- 5ハウス@蠍座の月
- 11ハウス@牡牛座の太陽
- 2ハウス@獅子座
- 9ハウス@魚座のMC
上記に挙げた5つの項目は、今回の蠍座満月の重要なポイントです。
順に解説させていただきますね。
蟹座ASC:チャートルーラー=月
1ハウスに蟹座が重なることで、月がチャートルーラーです。
そのため、太陽から光(意図)を受け取る月は、
満月図において5ハウス・蠍座の意識・エネルギーを強調しています。
蟹座は「感情」を重視するサイン・働きであるため、満月図のASCは、
5ハウス@蠍座の意識・エネルギーを活用することを促しています。
どのように現実・世界・人生を眺めるかは、その時々の心境に依りますが、
蟹座が属する水のエレメントの特性は、「流動」や「変質」ですので、心境を変えることは困難なことではありません。
その心境をどのように変えることができるのか、といいますと、月が位置するハウスを確認します。
蠍座の月:自分を喜ばせる喜び
本講座では、人生の目的を定義する際、「自分を体験すること」という表現をしています。
それは、私たちの認識次第で、現実はいかようにも解釈することができるからです。
これは同時に、内面に根付いている信念や価値観を変えることで、
内面の投影である現実が変わる、ということでもあります。
蠍座の月は、蟹座以上に情に厚く、本質を見抜く集中力と、力強い忍耐力と再生力を持ちます。
感情や精神的な繋がりを重視する蟹座と蠍座の違いは、規模や深さかもしれません。
蟹座は、敵と味方を大別し、内輪に漂う帰属意識を重んじるのに対し、
蠍座は敵と味方を大別した上で、特定の対象に対して深い関わりを持とうとします。
一方で、味方の言動や振る舞いに対して、
蟹座は穏便に済ませたり、懐柔したりと、波風を立てないように振る舞いますが、
蠍座は、不義理や偽りを許しませんので、蠍座の愛に対する意識は排他的、且つ、独占的と言えます。
なぜこのようなことをお伝えしたのかといいますと、
今回の蠍座満月は、開けた環境や風通しの良い環境を表す11ハウスに位置する太陽が、
個人的な喜びを表す5ハウスの月に光を送ることで、
「愛を注ぐ対象」を明確にすることを促しているからです。
ホロスコープ・リーディングにおいて、
月は、私たちの行動原理の根本である心を表し、
ASCが世界を眺め、その印象や体感を解釈する受容体の役割を果たします。
そのため、蠍座の月が、牡牛座の太陽から受け取る意図は、5ハウスによって体験されます。
その体験こそ、満月のメッセージなのです。
では、5ハウスの月はどのようなメッセージを持つのかといいますと、「自愛」と「創造性の体感」です。
蠍座は、隠れたものや秘されたものを象意に持ちます。
それは心や精神、魂といった内的世界だけでなく、金銭や価値の高い物、人が表に出さない物事です。
深刻さの度合いはありますが、いずれにしても、
「誰にも知られてはいけない」や「内に秘めておくべき」という感覚が紐づく物事や対象を大切にするのが、蠍座の意識です。
5ハウスの蠍座は、創造性を発揮することによって、自分自身から愛を感じることを求めます。
それは同時に、自分自身に愛を与えることで、自分自身を愛していることを確かめることでもあります。
少し回りくどい言い方をしましたが、
先ほどお伝えした「自分を体験する」ために、私たちは人生を生きているのであれば、
私たちは常に、正体の分からない自分という存在の本質に対して、
恐怖心や不安を抱いたり、一方で、喜びや感動を抱きます。
自分以外のすべての人が、自分のことを批判しようと称賛しようと、
自分自身がどのように評価し、感じるかで、私たちの内的世界は様変わりします。
そのため、5ハウスの月は、自分が喜ぶ方法を探したり、実際に体験することで、
「自分から愛されている」ということを、「自分自身を愛すること」で、実感することを求めるのです。
蠍座が持つ内省的な意識は、
常に自分自身を掘り下げ、空虚や暗闇の果てに、愛があることを実感するために、
閉鎖的・排他的な環境や状況においても、忍耐力と生命力を発揮しようとします。
そのような苦しそうな生き方や在り方の果てにあるものは、「再生」です。
今回の満月図では、8ハウス@水瓶座に冥王星が位置しています。
冥王星は蠍座のルーラーであり、太陽系の外円の覇者ですので、蠍座の月に対して、再生力を供給します。
ですが、満月は太陽と月のオポジション(対極性)を結び、
葛藤や内的混乱が起こりやすい配置であるのに加え、冥王星を太陽と月に対してTスクエアを形成し、
内と外、主観と客観の対極性の仲裁に入ります。
仲裁というよりも、冥王星の立ち位置は「仕切り直し」を行う判定者です。
そして、冥王星を頂点としたTスクエアは、不動(固定)宮のサインで起こります。
言ってみれば、頑固者同士の争いや対立に対して、第3者の頑固な判定者が入り込む構図です。
Tスクエアは、オポジションの仲裁に入るものの、
対立と補完の関係性を邪魔するわけではなく、第三の視点をもたらします。
ですが、その視点は完全なものではなく、成長・発展のための通過点のものであり、不安定さがあります。
後述しますが、その不安定さを助ける視点は、8ハウス@水瓶座の対向の2ハウス@獅子座です。
牡牛座と蠍座の対極軸で起こる新月や満月は、
物質性と精神性の対立と補完にまつわる事象や内面の変化・変容と紐づいています。
月に光を与える太陽のエネルギー・意識は、「未だ実現していない未来」を表します。
月に自愛を促す太陽は、どのような状態にあるのかを見ていきましょう。
牡牛座の太陽
11ハウスに位置する太陽は、木星と天王星に接近していく流れにあります。
木星が双子座に移るのは05月26日、太陽が双子座に移るのは05月20日ですから、
太陽が天王星を追い抜き、木星と天王星の間に位置する時こそが、
木星と天王星のコンジャンクションのハイライトとなるでしょう。
牡牛座の太陽が位置する11ハウスは、「未来」を象徴する意識や環境を表します。
MCの未来性と違うところは、
MCが内的なセルフイメージであるのに対し、11ハウスは現実的な在り方を示します。
つまるところ、現実的・具体的(太陽・11ハウス)か、観念的・精神的(MC・9ハウス)か、という違いです。
蠍座の月と満月を成す牡牛座の月は、未来のあるべき姿を表します。
具体的に言いますと、色んな変化や困難がありながらも、
断捨離や挑戦をし、現状を変え、整えていく中で、享受している豊かさを味わう意志です。
確かに不平不満を言いたくなる現実や出来事、感情は絶えず生じてきます。
ですが、私たちが今生きているのは、過去に大変な状況であっても尚、
生き抜く力と私たちを活かしてくれる働きや導き、恩恵があるからです。
強引な前向き思考や能天気さではなく、健全に現実と向き合い、
未来に対して肯定的に生きようとする時、
ポジティヴさもネガティヴさも内包して、今を生きることができます。
牡牛座は、物質性や身体性を象徴します。
「物の量や質に比例して、幸せが高まる」というのは、一時的なものです。
よく、年収800万を超えると、幸福度はそれ以上高まることはない、と言いますし、
自分を満たすことができたなら、自分以外を豊かにしようとする、と言います。
これを全体の流れに当てはめますと、
紆余曲折ありながら、波あり谷ありの人生が自然であり、
どのような現状にもメリットや恩恵を見つけることが、
幸せの数を数える未来志向の意識であり、
その意識が、豊かな未来を迎える準備を整え、流れに乗る王道、且つ、茨の道です。
人生が常に単調で、刺激も変化も無ければ、それはそれで、私たちは文句を言うでしょう。
逆に、人生が幸せや幸運の連続であれば、それもそれで、私たちは無神経になり、不感症になるでしょう。
満月図における牡牛座の太陽は、
精神的な豊かさを自分に与えることで、物質的な豊かさが後からついてくることを伝えています。
だからこそ、月を満たし、月を活かし、月を守ることで、太陽の輝きが分かるのです。
そして、心に潤いをもたらそうとする時間が、自分にとっての最善のセルフイメージを育てていきます。
では、最善のセルフイメージを表すMCは、どのようなことを暗示するのかを見ていきます。
9ハウス@魚座のMC
本講座では、MCを「最善のセルフイメージ」と表現しています。
ドラゴンヘッドが10ハウス、MCが9ハウスに位置していることの違いは、「時間の差」にあります。
日々ホロスコープの構図は変わり続けるものの、天体・感受点のサインは急に変わることはありませが、ハウスは変わります。
日々、天体が位置するハウスを気にしなければいけない、ということではなく、
天体がハウス・サインを移動する時や月の満ち欠け・サイクルの時に、エネルギー・意識が切り替わり、
活用する環境や場面を見る際にハウスを見ることで、現状や方向性を把握することができます。
順序的には、牡羊座のドラゴンヘッドの流れの中に、通過点としてのMCがある、と考えますと、
魚座のMCは、蠍座の月が内面を活性化させることで、体感されてくる心の在り方を示します。
順繰りに巡ってくるMCの象徴を、意識的・無意識的に受け取り、
体験の中でそのメッセージを確認することで、積み重ねた経験が、
ドラゴンヘッドが示す方向性に乗るスピードを加速させます。
今回の満月図では、魚座には火星・土星・海王星が位置し、MCは土星と返しに挟まれています。
また、ドラゴンテイルとMCは150度(クインカンクス/インコンジャンクト)のアスペクトを形成していますので、
「普段馴染みの無い楽しみ」が、変容のキッカケを見せてくれます。
そして、蠍座満月の際、パート・オブ・フォーチュンは7ハウス@山羊座に位置しています。
あなたが楽しみや喜びを探求し、
自分自身と心地良い関係を築いている中で出会う人からの助言や意見、エネルギーは、
天秤座のドラゴンテイルの意識から、
牡羊座のドラゴンヘッドの意識へ向かわせる後押しになることを示しています。
今回の満月図は、月だけが北半球(地平線の下)に位置し、
その他のすべての天体は北半球に位置し、社会的な刺激や影響を増幅させています。
そのため、ずっと家に籠ったきり外に出ない、というような状態ではなく、
合間合間に、自分と向き合い、思考や感情、時間さえも忘れる時間を持つことで、
不要な不安や恐れ、変化に対する抵抗感が軽減されていきます。
私たちは無自覚に、「恐怖」や「期待」を抱き、現実に投影させようとしていますが、
現実はその通りになるのか?と言いますと、そうではない場合が多いものです。
MCが位置する9ハウスは、目標や理想ではなく、
「自分だけの夢」を象徴し、その夢を追いかける探求心を象徴しますので、
単に妄想するだけでは、魚座のMCの意識には辿り着きません。
繰り返しになりますが、MCの意識に至るためには、蠍座の月のエネルギーを活用する必要があります。
それは、太陽に照らされる5ハウス、すなわち、自分自身を喜ばせることで、
自分が自分であることに喜びを感じる瞬間を体験することです。
ちなみに、5ハウスのハウスルーラーは金星であり、太陽が位置する牡牛座のルーラーも金星です。
金星は、04月29日に牡羊座から牡牛座に移りますが、
それまでは、アイディアや衝動、好き嫌いをハッキリさせながら、
体験したいことに向かわせるエネルギーを持っています。
金星が牡牛座に移った際、1つのことに愛着を持つようになりますので、
それまでは刺激を楽しむ、自分を楽しませる出来事や場所に出向こうと外向的になるエネルギーを放っています。
金星が10ハウスに位置し、11ハウス@牡牛座の太陽にエネルギーを供給します。
そして、そのエネルギーは未来志向として、現状・過去を象徴する月に供給されることで、
満月のメッセージは、「今の自分で楽しむこと」が、「未来の楽しみを引き寄せる」ということになります。
2ハウス@獅子座
最後に、太陽が支配・守護する獅子座について解説させていただきます。
獅子座は2ハウスと重なり、天体・感受点は位置していません。
ですが、2ハウスは1ハウスの延長線上にあるハウスで、
アヴァージョンのハウスでありながら、それほど悲観視されない場所です。
1ハウスで生まれた自我意識が肉体を使い、世界を体験する際に、
両親や先祖から受け継いだ能力や才能を発揮することで、
物質的な豊かさを味わおうとするのが、2ハウスで生まれる意識です。
また、2ハウスは木星をハウスルーラーに持ちます。
食事ができること、家で過ごせること、服を着て生活できること、嗜好品や贅沢品を楽しむことなどが、
木星のもたらす恩恵によるものと考えた時、
私たちが常に生かされている存在であることに気づかされます。
2ハウスは収入や経済力なども表し、物質的・金銭的能力の土台や資質を計る場所でもあります。
獅子座は、太陽をルーラーに持ち、「自尊心」や「自己信頼」、
そして、「自己肯定」のエネルギーと意識を司るサインです。
そのため、2ハウスと獅子座が重なる時、「現状の自分を肯定する」という意識と、
「生かされている事実を喜ぶ」という心の在り方を抱くことを暗示します。
蠍座の月と牡牛座の太陽によって起こる満月は、物心の喜びと安らぎを求める意識と欲求が強まります。
冥王星を頂点とした、太陽と月と形成するTスクエアは、
冥王星を第3の視点とし、「享受している事実」を突きつけます。
その真意は、2ハウス側から見ると、
「自分だけでは成し遂げられないこと」が数えきれないほどある、という事実に気づく関係性(アスペクト)ですので、
やはり、過去を悔んだり、未来を憂いたりすることに時間を投じるのではなく、
「今ある豊かさ」を堪能することが重要です。
どんな現状であっても、世界がどのような流れにあっても、
私たちは自分が立っている場所で、自分を生きるのみです。
恐怖や妄想、はたまた、願望や幻想にエネルギーを消費することなく、
今を粛々と生きながら、且つ、今を熱狂的・集中的に楽しむことが、
太陽を輝かせ、足元を照らし、未来を迎える意識を築いていきます。
獅子座の成熟した在り方は、
「存在しているだけで至福」というような、堂々とした姿であり、
周囲に優しさと熱意を分配し、求心力を発揮する姿です。
私たちは誰もが、12サインの性質を持っています。
月のサイクルやリズムを知りながら、
自分という小宇宙に備わっている、数々の要素を発見しながら、
常に地に足をつけて、今の自分を肯定し続ける人が、幸福で豊かな人生を送る人ではないでしょうか?
まとめ:今の自分を愛することで、未来の自分が迎えに来る!
それでは、太陽の牡牛座イングレスと、木星と天王星のコンジャンクション、
そして、蠍座満月のホロスコープ・リーディングを総括して、今回の記事を締めたいと思います。
牡牛座のシーズンは、日々の暮らしにある幸せを見つけ、堪能することに意識が向きます。
太陽が牡牛座にイングレスし、
木星と天王星のコンジャンクション影響(意図の波及)を強調していく中で起こる蠍座満月は、
「自分だけの喜び」に触れることで、創造性が生まれることを指し示しています。
本講座では、私たちの人生や存在は、「世界から求められている・望まれている」と表現することが多いのですが、
それは、「どのように自分を捉えているか・扱っているか」という自己認識にフォーカスを当てるためです。
牡牛座の太陽は、享受している豊かさを謳歌し、
その豊かさを持続的に味わいたいという欲求を示します。
更に言えば、成熟した牡牛座は生理的欲求や本能的欲求、または、物質的欲求を
「自分自身が豊かさの循の中に意識を根差すことで、周囲に豊かさを伝えたい」
という意識に発展させます。
今回の蠍座の満月に至る流れと、満月以降の流れに限らず、
私たちは常に、自分自身を主体として、人生(現実)を捉えて生きることが望ましいです。
ですが、いつもどこでも、主体性や創造性を発揮できるとは限らないため、
月の満ち欠けや1年の流れ、個人の人生のバイオリズムの影響を受けながら、
自分と心地良い関係を築こうとするタイミングが訪れた時に、
変化と安定の二者択一ではなく、創造的な立ち位置に意識を向け、
その視点を持ち続けるキッカケを掴むことが重要です。
人生や時代の流れは、常に流動的で、変化が尽きません。
心が揺さぶられ動揺し、不安に駆られる時もありますし、自分自身を無下に扱いたくなる時もあります。
逆に、他者や周囲、世界、現実・人生そのものに嫌気が差す時もあります。
ですが、そのような状況は永遠には続きません。
牡牛座の太陽の意識を、蠍座の月で受け止めるということは、
現実を無理やり正当化し、自分自身を無下に扱うのではなく、
過去と現状を認め、有難く今与えられている恩恵を堪能することです。
今回の蠍座満月は、自分自身の喜びを享受し、悦に浸るに留まらず、
「満たされた自分」を味わうことで、世の中の流れや変化に対して、
悲観的になったり、被害者や搾取される都合のいい役割ではなく、
清濁併せ呑むことをしながらも、
常に自分の意志と意識を優先し、尊重する自分を愛することの大切さを伝えています。
何歳になっても、どんな場所にいても、どんな状況にあっても、
私たちが自分自身を尊重し、不要・不快な要素を取り除くことで、
本音や本願がどんなものであるかが分かって来るものです。
時間は過ぎたら戻って来ることはありません。
今感じられる感情は、今が旬です。
ですが、その感情が過去の感情の再現である場合は、私たちは意識を過去から今に戻す必要があります。
この内省の時間から生まれる気づきこそが、自愛です。
そして、自愛がどれほど自分を満たすのか、ということを体感する時、
蟹座ASCが求める「慈愛」の境地の片鱗が感じられることでしょう。
月が日々形を変えるように、私たちの心もコロコロと変わり、時代も変わり続けています。
変化し続けなければならない定め(運命)を認めることは、
現実を肯定し、自分自身を受容することに繋がります。
ですから、今回の蠍座満月を1つの通過点・キッカケとして、
自分自身を大切にすることの醍醐味を味わう機会と時間を持つことを大切にしてくださいね!
2024年・年間の新月・満月カレンダー
毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングと、毎月の天体の運行の巡りでは、
年間の新月・満月のスケジュールと、主要な天体の動きをお伝えしています。
以下の表は、今年2024年の新月・満月カレンダーです。
約2週間毎に新月・満月が巡ってきますが、
忙しさから、すぐにタイミング・日付を忘れてしまいますので、ご活用ください。
今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
今回の記事から、何か1つでも気づきやヒントを見つけていただけたら幸いです。
次回の毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングは、05月08日の牡牛座新月です。
それでは、また、2週間後にお会いしましょう!
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