「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!
いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
今回の記事では、07月21日の山羊座満月のホロスコープ・リーディングの解説をさせていただきます。
今回の満月は、先月06月22日の山羊座満月に引き続き、2回目の山羊座満月です。
太陽と月のそれぞれのリズムによって、毎月の月相とサインの組み合わせは若干のズレが生じます。
先月の山羊座満月の際、前日に太陽が蟹座にサイン移動しましたが、
今回は、山羊座満月の翌日に太陽が獅子座にサイン移動します。
前回の記事で、蟹座新月と合わせて、太陽の獅子座イングレスについて解説させていただきました。
その中で、太陽の意図について、以下のような表現をしました。
”蟹座新月のホロスコープ・リーディングで、
太陽の獅子座イングレスのホロスコープについて触れた理由は、
私たちの内面には、必ず「自分だけの喜び」を想起させる種や素材、原石がある、
ということをお伝えするためです。”
また、太陽の獅子座イングレスのホロスコープにおける、太陽の意図を、以下のように表現しました。
”雑念や不安を燃やし尽くすほどの意志が未来と理想を実現させる”
太陽は「目的意識」や「生命力」、「主体性」を象徴する天体で、
獅子座イングレスのホロスコープでは、太陽は9ハウスに位置しています。
9ハウスとは、社会へ行動範囲を広げ、広い視野と規模で世界を見渡し、
自分の人生体験を追究することを体験させる場所です。
9ハウスは太陽がジョイの状態になる場所です。
当たり前のことではありますが、
私たちは自分自身への欲求を満たそうと純粋なエネルギーの循環を起こす時にこそ、
自分自身を喜ばせることができます。
では、自分自身を喜ばせることができるエネルギーは、
何によって生まれるのかと言いますと、火星の働きです。
今回の山羊座満月が起こる前に、火星は牡牛座から双子座にサイン移動をします。
前回の蟹座新月の解説記事と同様に、
火星の双子座イングレスのホロスコープの解説をシェアさせていただき、
今回の山羊座満月で示されるメッセージを紐解いていきたいと思います。
本講座では、よく、「人生は火星期以降から始まる」というような表現をしています。
サターン・リターン(土星回帰)を経て、未熟な太陽を自覚しながらも、
自分の内面と向き合う中で、外圧に屈することなく、
自らの力を試し、現実創造をしていこうとする時期が火星期です。
火星が不活性の場合、自己不信や自己否定、人間不信やエネルギーの停滞などが起こります。
年齢に関わらず、私たちは常に、
自分自身の中にあるエネルギーを源泉として現実創造を行っていますので、
今回の記事を通して、いかに自分を楽しませるかで人生の充実度が変わってくる、
ということが伝われば幸いです。
それでは、火星の双子座イングレスのホロスコープの解説をしてから、
山羊座満月のホロスコープ・リーディングをお届けしていきます。
今回も是非、最後までお付き合いくださいね!
太陽の獅子座イングレスのホロスコープの解説は、
以下の記事で執筆していますので、是非、読んでくださいね!
2024年07月21日:火星の双子座イングレス
ここでは、山羊座で満月が起こる同日に、
火星が牡牛座から双子座にサイン移動します。
せっかくですから、火星の双子座イングレスのホロスコープから、
火星の意図を受け取りたいと思います。
火星は、牡牛座でデトリメント(弱体)の品格/品位の状態にありましたが、
山羊座満月を迎える前に、火星が柔軟宮・風サインである双子座にサイン移動することで、活動力が戻ります。
天体は天空を運行し、その時々に運行するサインによって働きの状態が変わります。
双子座は、柔軟宮・風エレメント・男性サインですので、
外交的・流動的な性質を持ち、火の象徴である火星にとっては、追い風になります。
前のサインである牡牛座は、不動(固定)宮・土エレメント・女性サインであるため、
火星は充電期間を過ごす、というように捉えることもできますし、
動きたい時に動けないことに対するフラストレーションをいかに扱うかによって、
トラブルの火種になるか、それともモチベーションになるか、という捉え方もできます。
それでは、火星が双子座にサイン移動した際に、蟹座へ移るまでの間、
火星はどのような意図を持っているのかを見ていきましょう!
以下の記事は、火星を徹底解説した記事です。復習や参考にご活用ください!
火星の双子座イングレス
火星の双子座イングレスの意図
上記のホロスコープでは、火星は11ハウス@双子座0度に位置しています。
07月15日前後には、社会的な問題が起きやすい配置、
マレフィック天体(凶星)同士である火星と天王星のコンジャンクションがありました。
それから約1週間経って、火星は天王星を追い越し、離れ、双子座に移ることになり、
火星と天王星のコンジャンクションによって生まれた「瞬発力」や「衝撃的な気づき」を基に、
09月05日に蟹座に移る前、精力的にエネルギーを使っていくことになります。
実際に体感として「動こう!」という意識になるのは、
太陽が獅子座に移動し、火星とセクスタイル(60度)のアスペクトを形成する時です。
なぜなら、火星が運行し始めた双子座のルーラーは、獅子座を運行中の水星で、
太陽と獅子座で合流することで、太陽と意思疎通が上手くいくようになるからです。
蟹座の季節は、どちらかというと、月・蟹座が優位となり、
内省的・内向的な物事に頓着する時期であったため、
月の意図を受け取った後に、本来の自分の意志を現実に反映させていく流れがあります。
そうなりますと、「動けるようになった火星」は、水星を介して、
「太陽に現実創造をさせ、現実的な変化を起こすこと」を重要視していると言えます。
ASCは獅子座、MCは牡牛座で、不動(固定)宮のサインの意識で現実創造をすることになります。
獅子座のASCは、自己信頼と自己肯定によって、
自らの意志で現実創造をすることに自信と安心感を持つことを動機とします。
牡牛座のMCは、特に10ハウスに位置していることから、
社会的・現実的な形に落とし込み、自分が納得することとともに、
他者や社会に認められる(評価される)ことがゴールであることを示しています。
火星が位置する11ハウスは、選択的に自分に負荷や制限をかけることで、
デメリットをメリットに転換することを体験をさせる場所です。
火星にとっては、ルールを守りながら、自らの欲求を満たすことをすることが、
我欲を押し通すよりも現実創造が早いだけでなく、周囲から応援される場所です。
また、双子座・水星は、短期的・瞬発的な機動力を発揮したり、急速な展開を起こすことを得意としています。
衝動性や競争性を象徴する火星が、追い風を受けることで、
「通過点」として体験すべき事柄に早く辿りつくことが可能になりますので、
山羊座満月とタイミングが合うことで、
「自分にとっての必要な選択と行動を取ること」がしやすくなるでしょう。
ただ、太陽は12ハウス、月は6ハウスに位置し、アヴァージョンのハウスに位置しているため、
すぐに結果が出なかったり、手応えを感じられない、ということを念頭に置く必要があります。
当たり前のことですが、種を撒いた次の日に芽が出ることは決してありません。
火星のサインである牡羊座は9ハウスと重なり、ドラゴンヘッドが位置しているように、
結果は後からついてくるものであり、称賛や承認を先に求めるべきではなく、
着実な進歩と充実感、臨場感を大切にして、目の前に訪れる現実を体験する在り方が重要です。
火星の双子座イングレスのホロスコープでは、
個人天体である月・水星・金星を除いた7天体は地平線より上に位置し、
山羊座満月のホロスコープでは、真逆の構図になります。
これは、2つのホロスコープには12時間の差があるからなのですが、
山羊座満月のホロスコープでは、火星は5ハウスに位置します。
そのため、「自分の創造性の開花と活性のためにエネルギーを使うのか」が重要であることを示しています。
火星の双子座イングレスのホロスコープに触れたところで、
山羊座満月のホロスコープ・リーディングに進んでいきましょう!
山羊座満月のキーワードは「無意識の領域に心を開くこと」
今回の山羊座満月は、前回の蟹座新月と同様に12ハウスで起こります。
天体はホロスコープ上を反時計回り(左回り)に回りますが、
東の地平線から西の地平線へと天体や星々が移動する
時計回り(右回り)の流れの両方を捉えてみますと、面白い視点が得られます。
まず、ホロスコープ上の天体の巡り(左回り)は、概念的・観念的な動きであり、
私たちの内面の宇宙(小宇宙)の動きを表す、としましょう。
すると、月は東の地平線へと接触し、次第に地平線から見えなくなっていき、
逆に、太陽は西の地平線上から昇っていく構図になります。
これは、月が12ハウスを通り、1ハウスに至ることで、
「心」や「リズム」の「生まれ変わり(刷新)」を、
太陽が6ハウスを抜け、7ハウスに至ることで、
目的意識や生命エネルギーが大きな視野を手に入れ、ステージを変える、
という風に表現することができます。
次に、実際の天体や星々の巡り(右回り)は、
外面世界(現実)の動きであり、私たちの観測する要素、
または、私たちの集合的無意識と個人の無意識の共創的な投影という風に捉えることができます。
そうしますと、月は東の地平線から昇り、天頂を目指す流れにあり、
太陽は西の地平線の真下の位置から天底を目指す流れにあります。
運行スピードは、太陽よりも月の方が圧倒的に早いわけですが、
満月のタイミングのみを切り取ってみますと、
次のような象徴(メッセージ)が浮かび上がってきます。
月と太陽の現実的な配置と流れは、
私たちの内面と無意識の状態として、
生命意志(太陽)の高まりが、深層心理へと潜っていく過程にあり、
心(月)が光を強く受けることで、私たちに現実創造をする上で、
「心」や「無意識」の在り方や状態を深く体感することが重要であることを示しています。
つまり、山羊座満月のメッセージは、
「心の在り方」と「現実のステージ」の切り替わりを実感する中で、
無意識の働きに理解を示すために、心を開くことが重要である、ということです。
現代では、顕在意識よりも潜在意識や無意識、集合的無意識の働きが優位であることは、
一般的に広く知られるようになりました。
今回の山羊座の満月では、
月は山羊座でデトリメント(弱体)の品格/品位を持つと同時に、
アヴァージョンの12ハウスに位置しながらも、
12ハウス側でASCで最も近い位置にあるため、上昇星(ライジング・スター)と見なすことができます。
また、逆行中の冥王星も、1ハウス側でASCに最も近い位置にあり、
月と冥王星は領域を違えた状態で向かい合わせの状態にあります。
特に、冥王星は逆行中ですので、ホロスコープ上を後退(時計回り/右回り)しているわけですので、
月と目が合っている状態と言えます。
ASCは水瓶座、DSCは獅子座、ICは牡牛座、MCは蠍座に位置していますので、
不動(固定)宮のサインがアングルに重なっている配置で起こる満月は、
内面の意識に強く根差す価値観や観念に強い影響を与えます。
今回の満月図における天体と感受点の特徴は、以下の通りです。
- ASC:水瓶座07度
- 月:12ハウス(アヴァージョン)@山羊座 ⇒ デトリメント(弱体)、上昇星
- 太陽:6ハウス(アヴァージョン)
- 水星・金星:7ハウス@獅子座
- 火星:5ハウス@双子座
- 木星:5ハウス@双子座 ⇒ デトリメント(弱体)
- 土星R:2ハウス@魚座
- 天王星:4ハウス@牡牛座 ⇒ フォール(下降)
- 海王星R:2ハウス@魚座 ⇒ ドミサイル(定座)
- 冥王星R:1ハウス@水瓶座 ⇒ イグザルテーション(高揚)
- MC:10ハウス@蠍座26度
- ドラゴンヘッド:3ハウス@牡羊座09度
- ドラゴンテイル:9ハウス@天秤座09度
- パート・オブ・フォーチュン:7ハウス@獅子座07度
今回の満月図は、火星の双子座イングレスのホロスコープの真逆の配置で、
個人天体である月・水星・金星のみが南半球(地平線よりも上)に位置し、
その他の7天体は北半球(地平線よりも下)に位置しています。
月と太陽を底辺、天王星と海王星を上辺として、
複合アスペクトであるクレイドル(ゆりかご)を形成しています。
クレイドルは、2つの調停のアスペクトが組み合わさることで形成されるアスペクトで、
12ハウスの月と6ハウスの太陽がもたらす緊張状態を、
5ハウスの天王星と2ハウスの海王星が和らげる役割を担っています。
今回の満月図のチャートルーラーは、土星と天王星で、
クレイドルに関わっている天王星の影響力が強いのですが、
月に対しては、土星の意図が反映されるとともに、
土星は海王星とゆるいコンジャンクションの状態にあるため、どちらの天体の働きも重要です。
先ほどお伝えしたように、「心や無意識に理解を示すこと」が重要であるとともに、
心や無意識の声を聞くだけでなく、実際に現実的な選択をすることで、
心や無意識との疎通が完了するということを受け入れる必要があります。
では、どのような選択や行動を取ることが可能なのかを、今
回の山羊座満月のホロスコープ・リーディングを通して気づきを得ていきましょう。
あらゆる選択や行動の前に、「私たちを動かすものの働きや存在」を認識することが重要です。
今回の満月では、受容体である心は12ハウスに位置し、
太陽を含め、社会天体とトランスサタニアンが北半球に点在しています。
そのため、私たちは自我意識を内面に向けながら、
水面下で様々な働きが蠢いていることに対して、
静観しながら、緊張や不安を解き放ち、
次なる流れを受け入れるために、
心を開いた状態で居ることが求められると言えるでしょう。
それでは、山羊座満月ほホロスコープ・リーディングを進めていきましょう!
2024年07月21日:山羊座満月
今回の満月は、6ハウス@蟹座の最終度数・29度の太陽と、
12ハウス@山羊座の最終度数・29度に位置する月によって起こります。
そのため、蟹座の意識・エネルギーが絞り出るような満月と言えます。
また、太陽と月、そして、地球の配置のタイミングとして、
蟹座の季節の満月は、個人の無意識と集団的無意識が繋がるタイミングでもあります。
山羊座満月図では、太陽と月がアヴァージョンのハウスで対立と補正の関係性を形成しています。
それはズバリ、心が無意識の領域にアクセスするできる条件・タイミングが与えられる、ということです。
サインの29度~30度(次のサインの0度)は、
意識・エネルギーが切り替わることを強く実感することが予想されますが、
太陽と月が関わることで、山羊座満月の影響は、
私たちの内面に大いなる気づきを与えてくれるでしょう。
山羊座満月の翌日07月22日には、太陽が獅子座にサイン移動しますが、
太陽が蟹座を通して、月の意図を受け取ると同時に、
その意図を太陽から再度吸収・反射する今回の満月が
どのようなメッセージを持っているのかを見ていきましょう!
山羊座満月
水瓶座のASC:【自分と世界を受容するための客観視】
今回の満月では、水瓶座の意識・エネルギーによって世界を見渡す視野が土台となります。
水瓶座の視野とは、「客観視」です。
水瓶座にASCがある場合、
思考と感情(マインド)との同化・一体化から一歩引いて、
自我意識(主観)を客観視しようとする意識になります。
水瓶座のルーラーである土星は2ハウス@魚座、
天王星は4ハウス@牡牛座に位置し、感情(水)と物質性(土)に対して、
ありのままに捉えようとする意識が培われます。
山羊座満月における私たちの意識状態は、
常識や社会通念から外れ、偏見や先入観を取り払い、
真に内面に向き合おうとするようになるのです。
こういった意識状態になる時は、
意外にも、状況的に急かされる、もしくは強制される状態の時ですので、
太陽と月のオポジション(180度)だからこそ、
私たちは反射神経的・習慣的な思考と感情の枠から外れることができます。
客観視とは、自分自身を蔑ろにし、自我意識(主観)を軽視することではありません。
むしろ、自分自身と世界の関係性をありのままに受け入れる視野・視座・意識状態です。
この客観的な視野によって、
私たちは自分自身に対して、一方的なジャッジを下さなくなり、
結果的に、心が無意識の領域に開かれることになります。
12ハウス@山羊座の満月(山羊座の月):【心を開くことは自我が無効化されること】
今回の満月では、月は最も暗く、深い場所である12ハウスに位置しています。
「夜明け」という言葉がありますが、
これは太陽が東の地平線から昇っていくことを表現しています。
逆に、月が東の地平線から昇っていくということは、夜が深まっていくことを意味します。
ですが、ホロスコープ上では、月は東の地平線を降りていきますので、
満月図としては、無意識の領域から心が解放されていく流れにあります。
また、山羊座29度に位置する月は、最も不明瞭な世界から抜け出ようとし、
「自分自身に還る心」を表しているのです。
本講座では、月は「心」や「個人の無意識の領域」を司る天体である、と定義しています。
集団的無意識は海王星の領域です。
ホロスコープに当てはめるなら、4ハウスが月、
12ハウスが海王星の領域であると言えます。
月が集団的無意識(海王星)の領域に位置する時、
なすすべなく、広い無意識の領域と繋がり、
良いも悪いもすべて含めて、受容的な精神状態に誘われます。
月は、山羊座でデトリメント(弱体)の状態になることを踏まえますと、
山羊座満月の月は、自我意識や低次的な無意識は無効化され、
全体意識や高次的な無意識(集団的無意識・超意識)に対して受容的にならざるを得なくなります。
天体の品格/品位は、天体の働きの強弱であって、優劣ではありません。
今回の山羊座満月では、
月は広く、深い無意識領域に心を開くことで、受け取ることになる気づきや導きがあることを示しています。
6ハウス@蟹座の太陽:【積極的に受容性を高めること】
今回の満月では、太陽はアヴァージョンの6ハウスに位置し、
月のサインである蟹座29度に位置しています。
6 – 12ハウスで起こる満月は、最も受容的、且つ、拘束的な影響を持ちます。
蟹座は、感情や情緒を象徴し、保護や養育、同調や心理的な結び付きを重視するサインです。
太陽が自分のサインである獅子座を運行する前に、
太陽は蟹座を運行する間に月の意図を受け取ります。
言い方を変えますと、内面(心)を光で照らし、感情や情緒を炙り出し、向き合うことで、
意志を明確にすることを、月に生命エネルギーを与える、ということです。
6ハウスは、労働や義務、献身、健康などを象徴する場所で、
現実的・社会的な縛りを受けながら、役割を全うする体験を与えます。
太陽は蟹座29度に位置し、7ハウス@獅子座へと移動しようとしていることから、
「必然としての現実を見ること」を促していると言えます。
なぜなら、6ハウスから7ハウスは、主体性を発揮する規模と範囲が変わり、
自我意識が活躍する(成長する)ステージが、内的世界から外的世界へと移行するからです。
山羊座満月は、蟹座の太陽が蟹座の月を照らす配置ですが、
表現を変えますと、
「水(蟹座)で土(山羊座)を潤す」や「光・熱(太陽)で陰・闇(月)を照らす」となります。
6ハウスは現実的な拘束、12ハウスは精神的な拘束を象徴し、
蟹座と山羊座の対極性は「内と外」の相反するベクトルを表します。
月・水星・金星以外の7天体が北半球に点在し、
太陽がアヴァージョンの6ハウスに位置していることから、
満月図では、内面に意識を向けることになる状況と流れから、
今後の自己理解と世界理解が進むことを示しています。
その上で、蟹座の太陽は、心の琴線に触れる物事に意識をフォーカスし続けること、
また、あらゆる場面で、自分の感情(心)を受け入れる(認める)ことを起点とすべきである、と伝えています。
蟹座は女性サイン・水エレメントの性質を、活動宮の性質によって優位とします。
これは、「積極的に受容性を高める」ということです。
つまるところ、私たちが人生で獲得する経験値を蓄積・補完する心に向き合い、
自分の内面で起こってくる思考と感情(マインド)を受け入れることは、
私たちが置かれている環境(現実)を肯定することと同じである、ということですね。
暗い場所から暗い場所へ太陽が月へと光を送っていて、ちゃんと闇は照らされるのか?
という疑問があるかもしれませんが、
物質的・科学的な観点からではなく、
エネルギーの法則・働きとして、物事は水面下・潜象下で着実に進み続けます。
私たちがこの「目に見えない働き(法則)」に理解を示そうとするか否か、
また、自分自身をその働きに委ねることができるか、ということが、
水瓶座のASCと12ハウス@山羊座の月、そして、10ハウス@蠍座のMCを起点とした、
今回の山羊座満月の強いメッセージです。
10ハウス@蠍座のMC:【理を理解し、受け入れることを諦めない】
太陽の意図が、「現状」と「内面」を受け入れる(認める)こと、
また、目に見えない働きや無意識領域を受け入れることにある、とお伝えしました。
これは、水瓶座のASCが目指す(観ようとする)意識であり、
月が無意識領域に心を開くことを促されていることと合致します。
これらを10ハウス@蠍座のMCは、「明らかな働き・法則と一体となること」が、
大いなる働きと流れへの理解の先にあるゴールであることを示しています。
蠍座は、現実性と非現実性のどちらにも強い関心を持ち、粘り強く関わろうとするサインです。
これを「執着」という言葉だけで片づけてしまうと、
ネガティヴな印象だけが残ってしまいますが、
執着や欲望は、成長・変容のための燃料として、短期的に必要不可欠ですので、
決して必要悪ではなく、純粋な資源である、ということを知る必要があります。
生命活動に執着があるからこそ、私たちは食事や睡眠を取りますが、
必要以上に食べたり寝たりしてしまうと、私たちは自然と不快感や苦痛を抱きます。
蠍座と冥王星は、「極端性」の性質を持ち、
よく、「0か100か」や「白か黒か」という極端な判断を下す、と語られます。
ですが、物事はグラデーション的に推移・変化していきますから、
蠍座の意識とエネルギーは、結論に至るまでには、
また、判断を下すまでには、当然、決定までの時間を持ち、熟考します。
もちろん、習慣的・偏見的なジャッジによって不利益を被ったり、
他者の心を害する場合もありますが、
意思決定には背景や行間、文脈があり、
表面ではうかがい知れない「心の都合」を内に秘めているものです。
今回の山羊座満月では、蠍座のMCは10ハウスに位置し、
太陽と月の対立と補完を見守る位置にあります。
アスペクトで言えば、蠍座のMCは、蟹座の太陽とはトライン(120度)、
山羊座の月とはセクスタイル(60度)の角度を持つことで、調停のアスペクトを形成しています。
更に言えば、蠍座26度のMCの対極には、牡牛座26度に天王星が位置していますので、
4ハウスと10ハウスの対極性を見出すことができます。
蠍座は場所に関係なく、物事を洞察する働きを与える意識・エネルギーを持ちます。
蠍座のルーラーである火星は5ハウス@双子座、
また、冥王星は1ハウス@水瓶座に位置し、風のサインの意識・エネルギーを浴びていますので、
物事をよく知ろうとし、理解をしようとする意識が、
物事を進展させ、自分と世界の繋がりを近く、そして、深くすることを伝えています。
結局のところ、私たちは向かってくる未来からの現実(時間)を受け入れ続けるしかありません。
否定や拒否をしたところで、私たちを取り巻く環境や状況は、
見て見ぬふりをすればするほどに、取り残されていきます。
そうであるならば、積極的に受容的な状態を受け入れ、
この世の理に沿う自分の在り方を築くことが自然であり、
また、私たちの心に安らぎをもたらしてくれるはずですので、
どんな状況にあっても、心を閉ざさないことが重要です。
蠍座と冥王星のキーワードには、「不屈の精神」や「不死」、「再生力」などがありますので、
どのような状況に突破口があり、忍耐すべき事柄を優先的に受け入れることが、
今回の山羊座満月から伝えられる、これからの流れを生き抜くための姿勢と言えるでしょう。
1ハウス@水瓶座の冥王星R(逆行):【不可逆的な自我意識と現実の変容を受け入れること】
今回の満月図では、冥王星は1ハウス・カスプ(東の地平線)の真下に位置しています。
現在逆行中の冥王星は、09月02日に山羊座まで戻り、
山羊座の意識とエネルギーに最後の揺さぶりをかける流れにあります。
運行スピードがゆっくりな天体ほど、逆行の期間が長く、
逆行から順行へ戻り、再度逆行し、順行へと転じるスパンが長いです。
2008年01月26日に冥王星が山羊座を運行し始めてから、約16年が経ち、
今年11月20日から完全に水瓶座を運行し始めます。
今回の山羊座満月のタイミングでは、東の地平線を隔てて、冥王星と月は向かい合っています。
これはまるで、山羊座と水瓶座の意識・エネルギーの反発・否定によって、
エネルギーが増幅されているかのようです。
「心」や「無意識」を象徴する月ですが、
冥王星の象徴は、「生命活動(生=死)の循環」であり、太陽の裏の顔でもあります。
月と冥王星がタイトにコンジャンクションしている場合、
月は冥王星からの強烈な外圧を受け、不調和や不安定さを引き起こします。
月は、あらゆる天体の影響を一身に受け止める受容体ですが、
太陽系の天体の中で、冥王星が最も影響力が強いため、
月と冥王星の配列・角度は無視することはできません。
今回の満月図では、月と冥王星は、ハウスとサインを隔てていますので、コンジャンクションにはなりません。
ただ、12ハウスで生まれた感情エネルギーは、1ハウスへと昇っていく流れにあり、
冥王星は逆行中ですので、月の昇華を見張っている(見守っている)状況ですので、
「新しい自分」や「意識が分かっていくこと」に対して、底知れぬ恐怖心が生まれるかもしれません。
満月は、心が膨張し、感情のエネルギーが飛散してしまうような状況や条件が揃いやすいタイミングです。
こういった状況では、日頃から溜めていたストレスはもちろんのこと、
長年心の奥底に押し込めてきた憎悪や嫌悪の他、
無価値観や無力感、自己不信や自己否定から生まれたエネルギーが解放(爆発)することもあります。
水瓶座のASCの項で、「客観視は自我意識を軽視することではない」という表現をしましたが、
月が12ハウスに位置する時、「自分では制御できない働きかけ」を引き入れることになりますので、
余計に、客観視が必要になります。
山羊座は土サインで、物質的な器を表し、月は心という無形の器を表しますので、
心が破れてしまわないように、土星からの保護が必要不可欠になるわけですが、
月と冥王星が強いアスペクトを形成する時は、
冥王星からの影響を無防備に受け取ってしまうことになるのです。
今回の山羊座満月では、冥王星はASCの上に位置していることから、
「自分ではどうしようもない働き」、
または、「拒否することができない現実」が自我意識に投下されるような状況を暗示します。
これは、蠍座のMCと連動しますが、
「無意識の領域」と「自然の摂理」に則した変容を遂げることで、
「自分が自分だと決めつけていた(留めていた)自分からの変容」を
受け入れざるを得ない流れを予感している、ということです。
社会天体である木星と土星よりも、
トランスサタニアンの3天体の働きの方が予想外で、コントロール不可能ですので、
冥王星が1ハウスで、水瓶座の初期度数に位置し、逆行をしていることから、
顕在意識で固定・依存している「自我意識・セルフイメージ」からの脱却が、
冥王星からの要請(働きかけ)と言えるでしょう。
それもまた、「私たちと世界との関係性」において、自然・必然な流れの1つの通過点かもしれません。
ですので、過剰な恐怖心や不安で現実を観測するフィルター(概念・観念)を曇らせないことが重要ですし、
必要なことは必要な時に起こりますから、その時だけでなく、
変化・変容した後の自分の望ましい在り方と生き方にフォーカスを当てることが重要です。
2ハウス@魚座の土星と海王星と通じることなのですが、
「変容し切ること=受難・苦痛を味わい切ること」によって、
もっと素晴らしい現実(人生)を体験できる方法や道を考え、
現実に落とし込んでいくことが健全ですし、
何より、冥王星と土星、太陽と月の持つ重要な役割に応えることになります。
ですから、自分自身と現実を客観的に捉えながら、
あらゆる物事は移り変わるのは必然であり、
自我意識の一時的な喪失体験を遭遇したとしても、
本質的な、存在としての私たちの生命力は一度たりとも失われない、という真実に意識を向けてください。
2ハウス@魚座の土星R(逆行):【自分という存在と力から逃げない】
今回の山羊座満月では、土星は間接的に太陽と月に関わっています。
なぜなら、月が位置する山羊座のルーラーである土星が2ハウスに位置し、
月のサインである蟹座に太陽が位置しているからです。
更に言えば、太陽のサインである獅子座には、水星と金星、
そして、パート・オブ・フォーチュンが位置しています。
これらを総合しますと、12ハウス@山羊座の月が授かる気づきは、
2ハウス@魚座の土星によって、無意識の領域から物質世界(知覚・認識)に降ろし、
太陽がその気づきにフォーカスを当て、
水星と金星が外的世界に情報収集を行う、という風に解釈することができます。
そして、実際的な行動は、5ハウス@双子座の火星が変化を起こします。
土星の象徴は「制限」や「枠組」の他に、「重し」があります。
言うなれば、「重力」です。
月は「引力」を象徴し、内面から外面の世界へと変化をもたらしますが、
逆に、土星は外面から内面の世界へ刺激や重圧をかけることで、内面の成長と成熟を促します。
促すというよりも、強制的な圧力であるため、「重力」と表現しました。
2ハウスは金銭や収入、所有物の他、生来的に与えられた能力・才能を示し、
本質的には「自らの意志で動かせる力」に由来するものを指します。
また、魚座は境界を飛び越え、観念的・想像的な力を重視し、共感と融解の性質を持つサインです。
2ハウスに海王星が位置する場合、
物質的な形を溶かしてしまう現象が引き起こされると考えられます。
それは、土砂崩れや地盤沈下といった自然災害の他、
金融の乱れ、精神的な違和感や不調といったような現象や状態です。
ただ、2023年03月07日から土星が魚座を運行し始めたことで、コロナ禍が収束に向かい始めたように、
土星が海王星の「分解」的な働きを引き留める働きをしています。
今回の満月図では、太陽と月、天王星と海王星のクレイドルには、土星は参加していません。
そのため、複合アスペクトではなく、純粋に土星の位置と働きに注目しますと、
12ハウス@山羊座の月との間接的な関わりを読み解く必要があります。
月と土星はともに、「時間」を司ります。
約29年間のサイクルで、進行の月のサイクルと、
土星の公転周期のサイクルがほぼほぼ一致します。
また、月は毎年、ルナ・リターン(月回帰)を13回迎えますが、
土星は約29年でサターン・リターン(土星回帰)を迎えます。
月は逆行はしませんが、土星は毎年約半年の間逆行をします。
月は女性天体で、夜の星で、土星は男性天体で、昼の星です。
ですが、月と土星は、内面(心・深層心理)の闇・シャドウに関わります。
月は、「私(あなた)という存在・人生を体験するための素材」として、固有の闇をもたらし、
土星は、「人生を成就させるための忍耐・鍛錬」として、苦手意識や恐怖をもたらします。
そして、月は内面世界を司り、土星は外面世界を司ります。
そのため、月と土星は、陰陽の対称性・対極性とは異なりますが、
蟹座と山羊座のような対極性のように、「内と外の世界」を成り立たせるために働いている、と言えます。
今回の山羊座満月では、月が内面と向き合い、
心の奥底を抜け、無意識の領域へと意識を向ける働きを持ち、
土星は、現実と向き合い、
自分に与えられた道具(能力・才能)と環境に則した現実創造に取り組むことを促します。
現在土星は逆行中ですので、自分にはどのような能力と才能が与えられ、
どのような事柄をすることで自分を活かすことができるのか、
ということを考えさせる出来事や場面に遭遇させると考えられます。
そして、蟹座の太陽の光を受けて、
山羊座の月が、無意識の領域の方向性・道筋が見つけやすくなるように、土星は間接的に手伝っています。
これは、最小のシステムを広げることで、
高次的な働きが太陽系システム外から降り注いでいる、という事実に気づくためです。
太陽という求心力によって太陽系システムが成り立っているわけですが、
大量質量の木星によって多くの彗星は軌道を逸らされ、
太陽系外へと出ていく、という話は聞いたことがあると思います。
木星は「拡大」の働きを象徴し、土星は「収縮」の働きを象徴しますので、
土星はトランスサタニアンからの強い衝撃を緩和させている、という風に解釈することもできます。
これは、私たちが肉体を持って物質世界を生きている上で、理に適った、有難い働きです。
今回の山羊座満月では、
土星は「自らの現実(環境)」をより善く生きるために、自分自身と向き合うことを促しています。
これは、「実のある人生」を送る上で、
自らの能力・才能・特質・気質を理解し、活用することを意味していますが、
土星は2ハウスに位置していますので、
「価値創造」をすることで受け取る、「収入」が分かりやすいと思います。
誰かに押し付けられた仕事や頼まれた仕事は、
能力や才能を引き出すためのトリガーとなり得ることはありますが、
その事実を知らず、ただ指示待ち状態・思考停止状態で、作業としての仕事をしているうちは、
固有の能力・才能は十分に発揮されないことが多いはずです。
仕事や収入に関わるハウスは、2・6・10ハウスですが、
2ハウスは「足元の現実=自分の能力・才能の把握」という土台であり、
自らの裁量で変化を起こすことができることを教える場所です。
太陽が位置する6ハウスは、環境・組織から求められる役割や立場を全うする仕事に対して、
義務と責任を果たさざるを得ない状況を象徴しますが、
これは断片的、且つ、隷属的な解釈に留まっています。
なぜなら、目の前に起こってくる現実は、受け入れることしかできないからです。
受け入れたように振る舞っていても、内面では拒絶し、
状況(事実)の真意を理解しようとしない場合、
悲観的な観念で現実創造をしてしまいます。
蠍座のMCが位置する10ハウスは、「頂上」や「日の当たる場所」という意味では、
最も輝かしい場所ですが、それと同時に、比較や評価の対象となり、
目立ち、注目される立場や役割を引き受けることにあります。
何が言いたいかと言いますと、
物事には表と裏、表の中と裏の中、表の裏と裏の表というように、
二極的に判断してしまうと、本質を見出すことができない、ということです。
こういった洞察力と忍耐力を、土星は身をもって養うことを促す天体です。
そのため、今回の山羊座満月での土星の働きは、
「自分の能力・才能から逃げない」や
「自分を活かすことができる選択をする」ということを促していると言えるでしょう。
もちろん、この土星の働きは、無意識へと心を開こうとする月と連動しています。
5ハウス@双子座の火星:【自分を喜ばせる者こそが創造者になる】
今回の満月の前に、火星は牡牛座から双子座に移動します。
牡牛座でデトリメント(弱体)の品格/品位にあった火星は、
追い風を受けることで、機動力や瞬発力が高まります。
人によっては、火星の牡牛座運行中に溜まったフラストレーションを、
真夏に解放すべく、様々な計画や約束、動機を見つけたかもしれません。
逆に、不活性になった状態(停滞)が続いたことが、
勘を取り戻すのに少し時間が必要となるかもしれません。
どちらの場合においても、
山羊座満月(07月21日)と翌日の太陽の獅子座イングレスから、
思うように動けるようになるのではないかと思われます。
今回の満月図では、火星は5ハウス@双子座0度に位置しています。
5ハウスは「自らに喜びを体験させること」という意味において、
創造性の点火や開花のために、楽しいことや快楽、興奮、感動のための活動を促す場所です。
そのため、自らの意志と行動によって現実に変化を与える力を持つ火星によって、
私たちは自分のために時間と労力を貪欲に使えるようになる、という風に解釈することができます。
蠍座のルーラーである火星と冥王星は、トライン(120度)のアスペクトを形成しています。
そのため、状況や環境に促されて新しい活動に着手する場合もあれば、
自らが望んで取り組んだ活動や出向いた環境で、
感動体験や意識の変容が起こる場合もあります。
ただ、火星の注目するならば、
目の前にチャンスが訪れた時に、自分で手を伸ばすという行動が必要不可欠である、
ということは無視することはできません。
火星の双子座イングレスのホロスコープで、
「自分の創造性の開花と活性のためにエネルギーを使うのか」が重要である、ということをお伝えしました。
私たちが誰でもない、自分自身の喜びの創出のための行動を選ぶことが、月を満たし、
太陽の輝きを引き出す自由(選択)の行使であることを忘れないでください。
「人生の主人公」という言葉はよく見聞きされますが、
本記事にマッチする表現をするならば、「創造者の自分を味わう」になるでしょうか。
世界の創造主は、誰か1一人ではなく、みんなが全体意識の一員であることの総称です。
ですから、全体意識の創造意志が叶うように、
私たちは自分自身の創造性を発揮することが、
各々の人生の実現と世界への貢献となることをいつの日も覚えておく必要があります。
太陽・月・天王星・海王星のクレイドル:【内部をよく見るために外圧を引き入れる】
今回の満月の前に、火星が牡牛座から双子座に移ったことで、
牡牛座に位置する天体は天王星のみとなりました。
牡牛座の季節に、天体が集合した時期を経て、様々なエネルギーが混ざり合ったわけですが、
天王星が双子座にサイン移動するまで、
天王星の意識・エネルギーが牡牛座を通して私たちに届けられることになります。
今回の満月図では、下向きのクレイドル(ゆりかご)が形成されています。
クレイドルの形成は、太陽と月を底辺とするオポジション(180度)に対し、
セクスタイル(60度)を形成する天王星と海王星を上辺とし、
太陽と月に対して、天王星と海王星が調停のアスペクトを形成することで成立します。
クレイドルは、2つのエレメント(サイン)によって形成されるのですが、
今回の満月図のクレイドルは、土と水のエレメント(サイン)で形成されています。
月と天王星、太陽と海王星がトライン(120度)のアスペクトを形成していることから、
12ハウスと4ハウスの調和と、2ハウスと6ハウスの調和、
また、12ハウスと2ハウスの補助と、4ハウスと6ハウスの補助の関係性を見出すことができます。
12ハウスの月は、4ハウスの天王星に、
身の回りの環境やプライベート空間、家庭や家族との関係性に変化を引き起こすことを促し、
2ハウスの海王星に対して、自分自身の在り方や働き方を見つめ直すことを促します。
月からの働きかけは、精神的な動機が発端となり、
「突如として変化を望む形」で徐々に実現していくでしょう。
また、6ハウスの太陽は、2ハウスの海王星から夢や理想を持つことを促され、
4ハウスの天王星からは、自分の本来的な在り方のために状況に変化を起こすよう促されます。
天体はホロスコープ上を反時計回り(左回り)に回りますので、
後方の天体から前方の天体への働きかけが優位になります。
今回の満月図では、海王星が逆行をしていますので、
月と視線が合う状態ですので、内省的になりやすくなります。
自らの在り方や働き方、つまり、「自分を活かすこと」に対する内的な意識が、
蟹座29度に位置する太陽に照らされる、山羊座29度に位置する月の配置によって、
より強く意識させられるのです。
クレイドルは、オポジション(180度)を形成する2つの天体に対して、
2つの天体が仲介(調停)の働きかけをすることで、
緊張感や葛藤を和らげる働きを持つアスペクトですので、
今回は天王星と海王星に注目をします。
天王星は「変化」や「転機」、「現状突破」などを象徴し、
海王星は「理想」や「直観」、「融解」などをそれぞれ象徴します。
魚座の海王星は逆行中で、
集合的無意識から個人の無意識の領域への働きかけを進めているのですが、
魚座は海王星のサインですので、
この働きかけの影響は、広範囲、且つ、深部にまで浸透していくことを暗示しています(ドミサイル/定座)。
一方で、牡牛座を運行中の天王星は、フォール(下降)の品格/品位を持ち、
本来の働きが鈍り、「切れ味が悪い」ような働きを見せると考えられます。
牡牛座は、物質性や身体性を象徴するサインですので、
天王星が運行することで、矢を射るような直進的な変革ではなく、
砲丸投げのようなインパクトの強い、
だけれど、飛距離や範囲までは予想がつかない変化をもたらすと考えられます。
トランスサタニアンの3天体は、火星と土星と同様に、
マレフィック天体(凶星)と見なされるのですが、
歴史的・習慣的に固定されたシステムを変えるためには、
土星以降の天体の力が必要になります。
今回の山羊座満月のASCは水瓶座ですので、
特に天王星の意識・エネルギーに注目しますと、
月が位置する12ハウスとトラインの角度を持つ4ハウスに、
内面と向き合うことの意義や気づきがある、と解釈することができます。
4ハウスは、心地の良い環境や家庭だけでなく、
幼少期に育った家庭環境と、晩年の過ごし方を象徴する場所でもあります。
私たちは誰もが、親を始め、その家系の遺伝子(身体性)と精神性を受け継いでいます。
そういった「血筋」や「血統」を表す場所・環境・影響は、4ハウスに示されます。
また、4ハウスで示される事柄は、2ハウスで自覚・実践されますので、
今回のクレイドルのアスペクトは、単に家庭や家系が助けとなってくれるだけでなく、
逆に、呪縛的な影響や干渉から解放されることで、新たな自分への変容が進む、という風に考えられます。
何より、6ハウスと12ハウスで起こる満月は、拘束的・呪縛的な状況を指し示しますので、
心の底から「変わろうとする意志」(4ハウス)と、
「自分で自分を活かして理想に向かう意識」(2ハウス)によって、
内的世界の在り様が大きく変わることで、
徐々に外的世界に変化が起こっていく、という見方が重要です。
複数の天体によって形成される複合アスペクトは、天体の状態によって、牽引する天体が変わります。
今回の場合は、フォールの品格/品位を持つ天王星であっても、
ASCの視野(意識)と、月のサインとの親和性によって引き上げられる、という解釈です。
そのため、広大な無意識の領域に対して心を開く上で、
必ず、自分自身を生み、育てた環境や条件、家庭や家族、家系との関係性と向き合う必要があります。
そして、パート・オブ・フォーチュンは、7ハウス@獅子座07度に位置しています。
パート・オブ・フォーチュンは、
3ハウス@牡羊座09度に位置するドラゴンヘッドとトライン(120度)の関係にあります。
このドラゴンヘッドは、内面を整え、変容させて上で、
様々な情報や気づきを積極的に吸収していくことを促しています。
また、「幸運の在り処」を示すパート・オブ・フォーチュンは、
「他者」や「信用関係」を象徴する7ハウスに位置し、
太陽のサインである獅子座に位置していることから、
「自己肯定(自己受容)」と「自己信頼」についての刺激や影響を受けることによって、
意識が変わる体験を暗示しています。
面白いことに、水瓶座07度に位置するASCと、
パート・オブ・フォーチュンはオポジション(180度)の関係にありますので、
最も抵抗を感じ、だけれど、魅力や感化を感じずにはいられない他者の存在が、
4ハウスの天王星が示す「変化」の力を引き出す要因となることを暗示しています。
ASCとDSCの関係性は、「私」と「あなた」の関係性で表現されることがありますが、
更に掘り下げますと、
「私として見られている私」と「他者を通して見出す私」の関係性という風に見ることができます。
私たちは自分の主観と肉体から出ることができません。
そのため、私たちは「本質的な客観性」を獲得することはできません。
それが出来るとすれば、私たちが自我意識と肉体から解脱する時でしょう。
今回の満月図のパート・オブ・フォーチュンは、単なる「他者」ではなく、
「私を知るためのパーツを提供してくれる(教えてくれる)他者」を象徴しています。
それも、獅子座が持つ影響力(自信・自己信頼・自己肯定)を持った縁で繋がる他者です。
私たちは孤独に生きることはできますが、
他者との交流・関係性の中に、自分の知らない自分を見つけることができます。
また、自分が知っているからこそ、
封印している自分を紐解くキッカケを与えてくれる存在が、外部の人間であることもあり得ます。
私たちが謙虚さや誠実さ、そして、受容性を持つ時は、
他者や世界、自分の人生に対して心を開いている時です。
ずっと同じ姿勢のまま座り続けることは不健全であるように、
私たちは自分を変化・変容させることで、視野が広がります。
今回の山羊座満月では、
自分の内面との向き合い方が、強制的、且つ、運命的な働きかけにより、
心の奥底へと達し、
自分に与えられている能力や才能、
そして、本願(純粋な欲求・願い)に行き着くキッカケを与えることを伝えています。
日々、様々な出来事が未来から私たちに向かってきますが、過度に恐れる必要はありません。
必要なことは必要なタイミングで起こりますので、
私たちがすべきことは、その時々に意志を発し、出来る限りの行動(変化)を起こすことです。
それは、自分の心に対して素直で居続けることと、
心を通して、無意識の領域から気づきや導きを得る状態を整えておくことでもあります。
是非、星々の配置と日々の出来事がリンクするタイミングを教えてくれる占星術を人生に取り入れて、
内なるリズムと大いなるリズムを同期しながら、より善い人生と毎日を送ってくださいね!
2024年・年間の新月・満月カレンダー
毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングと、
毎月の天体の運行の巡りでは、年間の新月・満月のスケジュールと、
主要な天体の動きをお伝えしています。
以下の表は、今年2024年の新月・満月カレンダーです。
約2週間毎に新月・満月が巡ってきますが、
忙しさからすぐにタイミング・日付を忘れてしまいますので、ご活用ください。
2024年の太陽のサイン移動のスケジュール
山羊座満月の翌日の太陽の獅子座イングレスを含め、
今年の太陽のサイン移動のスケジュールをお伝えします。
- 2024年07月22日:獅子座イングレス
- 2024年08月22日:乙女座イングレス
- 2024年09月22日:天秤座イングレス
- 2024年10月23日:蠍 座イングレス
- 2024年11月22日:射手座イングレス
- 2024年12月21日:山羊座イングレス:冬至
山羊座満月:無意識と繋がる心の状態は「全託の境地」
今回の山羊座満月は、火星の双子座イングレスと同じ日に起こります。
時間差は約12時間で、
満月図と火星の双子座イングレスのホロスコープの天体の配置は上下逆になるため、
2つのホロスコープの対称的な2つのホロスコープを使って、
今回の山羊座満月のメッセージの解説をお届けしました。
私たちのあらゆる行動・選択は、主体的・能動的に行っているようで、
実は8~9割は、無意識によって行われていると言われています。
ただ、私たちはこの事実に対して無自覚で、
無意識がどのような仕組みや意図を持って、
私たちという器に働きを行っているかについて、私たちはいつも鈍感であったりします。
ただ、私たちが知り得ることは、広大な世界や宇宙に対して、限りなく小さく、少ないものです。
向上心や探求心が高いことで、行動量が増えたり、視野を広げることに繋がりますが、
その一方で、外面の世界で起こる出来事や、
外部から繰り出されて来る現象にばかり気を取られていると、
自分の内面との関係性がおざなりになってしまいます。
今回の満月図では、トランスサタニアンの3天体の働きかけが強く、
強制的に内面に意識が向けられる影響が見て取れましたね。
私たちが躍起になって物事を追いかけているほどに、
精神世界や神秘的な分野だけでなく、
仕事や恋愛、家庭の中など、至る場面で、
期待するほどの収穫や手応えが得られないことに対しての落胆や失望感は強まります。
12ハウスは、「鎮静」や「鎮魂」というように、
積極的に何かを始めたり、起こそうとする場所ではありません。
その時々に必要な流れを静観し、手元にやって来る素材を精査しながら、
足元の環境を整え、断捨離をして、心を落ち着かせながら、
積極的に受容性を高めることを体験するのが12ハウスだからです。
今回の山羊座満月は、現状の中で、
今の自分の中にある「見えていない部分」や「蓋をしてきた部分」に光を当てたり、
全く頓着の無かった物事に着手しているようで、
実は深い部分で繋がっていることを後々気づく、というような分かりにくく、
泥臭い、亀の歩みのような変化を数えていく(観測していく)視点が重要だと伝えています。
私たちは誰もが「今」を生きることしかできませんし、
それこそが、現実創造のために意識を向けるべき対象です。
あなたの意識が、過去や未来へと向かい、
頭脳と心、そして、身体がバラバラになって、自分を見失わないように、
今回の山羊座満月のメッセージを受け取って、
ご自身の内面とより善い関係性を紡いでいっていただければ幸いです。
今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
次回の「08月04日:獅子座新月のホロスコープ・リーディング」でお会いしましょう!
コメント