子育て中、「疲れた」「しんどい」「大変」「辛い」という気持ちで頭の中を埋め尽くされる瞬間、ありませんか?
今回は、育児で心身共に限界を感じた時に、どう乗り越えたらいいのか、何を頼ったらいいのかをまとめました。子どもの成長によって乗り越え方や頼る場所は微妙に異なってくるため、分かりやすく発達段階ごとに紹介していきます。
子育てで「もう限界だ」と思う瞬間とは
子育てで「もう限界」と思う時は、大体以下の3つの要素が大きく関わっています。この中の1つだけでも当然しんどいですが、3つ全てに当てはまるという人は、本当に要注意です。
◆睡眠不足
育児中、特に乳児や幼児が家にいると、どうしても睡眠不足になりがちです。幼い子どもは夜泣きをしたり、まとまって寝てくれなかったり、体調不良で夜通しぐずったり、そういうことが頻繁に起きます。
まとまって睡眠が取れない日々が続くと、心や体はどうなるのでしょうか。例えば、6時間睡眠を2週間続けただけで、酔っ払いと同程度の注意力、集中力に落ちるという驚くべき研究結果があります。2日間徹夜した状態とほぼ同じだという話です。また、満足した睡眠が取れてない人は、満足に寝れている人と比較すると、幸福度が低いという研究結果もあるそうです。
つまり、寝不足続きの中で育児に奮闘していると、自分でも気づかないうちに注意力が落ち、幸福度も下がり、それでも眠らせてもらえないという究極の状態に陥っている可能性があるのです。もう限界だという気持ちにならないほうが、逆に不健全かもしれません。
◆孤独
子育て中は、時々自分と子どもだけしか世界に存在しないような、そんな感覚に陥ることがあります。今でこそSNSがありますが、基本的には子連れでは遠出がしにくく、普通に仕事や遊びに出かけられていた頃と比べると、外に出てリアルでコミュニケーションを取る相手が極端に減ります。
また、ホルモンの変動の影響で孤独感などネガティブな気持ちが高まる場合もあります。特に女性は妊娠、出産というプロセスを経て、ホルモンバランスは大きく変化します。そこから孤独感を強く感じることが増え、自信の喪失、涙が出るなど、精神的に参ってしまうケースが非常に多いです。
◆終わりなき大量のタスク
育児は細かくタスクを分けると、とんでもない量のやらなくてはならない仕事が発生していることが分かります。しかも、多くの親は育児のタスクだけでなく、通常の家事もあります。更に仕事をしている人は仕事上の業務も抱えています。
育児に限界を感じている時というのは、大抵これらの膨大なタスクに圧倒され、途方に暮れ、絶望している時だと言えます。やらないきゃいけない事が多すぎて、逆に何から手を付けたらいいのか分からない、そんな思考停止状態に陥りやすくなります。この状況で子どもが横で泣いていたり、「ママ~ママ~」と呼ばれ続けたりしてみてください。「あーっ!もう限界!!!」と思わず叫びたくなるでしょう。
まずは家族に助けを求めよう
育児が限界だと感じた時、真っ先に頼って欲しいのは家族です。自分とは異なる視点やアプローチで子育てに加わってもらえますし、何より自分が休んでいる間に安心して丸投げで子どもをお任せしやすい相手として、家族は一番身近で信頼できると思います。
(※訳が合って家族には頼れない!と言う方は、次の段落からお読みください。)
◆夫などパートナー
仮にあながたママだとしたら、真っ先にヘルプを求めて欲しいのはパートナーである夫です。パートナーは子育てという人生の一大プロジェクトに臨むかけがえのない相手です。自分が限界を迎えている時に、「でも彼は忙しそうだから頼れない…」なんて遠慮をしていてはいけません。責任を持って、パートナーにも子育てに参加してもらいましょう。
◆祖父母
子育てにおいて、祖父母、特に自分の母親は強力な助っ人になります。考え方や育児方法が違いすぎて、手を出されるとかえってストレスを感じるという人も中にはいると思いますが、それでも自分が体力的精神的に追い詰められている時は、うまく頼るのが良いでしょう。そばで見ているとやり方の違いが気になってしまうのであれば、完全に任せてしまう勇気も必要です。別の部屋で休んだり、任せている間にリフレッシュで短時間出かけるなど、距離を物理的にとってみるのもオススメです。
義理の父母に対しても同じです。実の父親や母親よりは気を使い頼りにしにくいと思いますが、でも自分が限界を迎えているときは、なりふりかまっていられません。思い切ってお願いしてみることで、もしかしたらその後関係が深まるかもしれません。(親として未熟だと思われたらどうしよう)などと自分を追い詰めず、ヘルプを求めてみましょう。孫のお世話をできて嬉しいと思ってくれるおじいちゃんおばあちゃんは、案外多いと思います。
家族に頼れない時はどうする?
家族や親族、親戚にはどうしても頼れないと言う事情がある方も中にはいると思います。そのような時に真っ先に頼ってほしいのは、保育園・幼稚園・学校の先生や、習い事の先生など、保育や教育のプロの方々です。
◆保育園や幼稚園の先生
既に通園しているのであれば、まずは子供の日頃からの様子を見て知ってくれている先生に相談してみましょう。既に子供の性格や個性をある程度知ってくれているので、子育てがしんどいと親が打ち明けたら、その子に合った関わり方など的確にアドバイスをくれると思います。また、たくさんの親子関係を見てきたからこそ、子育ての難しさも分かってくれています。子育てがしんどいと打ち明けたからと言って、偏見を持つような先生はめったにいません。
◆学校の先生
学校の先生たちは教育のプロであり、ベテランであれば多種多様な親子を見てきた経験があります。ですから、子育てが辛いと感じた時は、一度状況を共有してみましょう。一緒に対応を考えてくれる先生が多いと思います。もし担任には言いづらい、あまり信頼関係がないなどの状況であれば、スクールカウンセラーに相談してみるのも手です。スクールカウンセラーは親子関係の問題によりより精通していますし、解決策や必要なアイデアも豊富に持っています。守秘義務があるので、話した内容を勝手に第三者に全て話されてしまうということもありません。安心して頼りましょう。
全てが頼れなかった時の救済策
家族も親族にヘルプをもとめることができない、園や学校の先生にも頼れる状況ではない、そういう時に救済を求めて欲しいのは、「こども家庭センター」です。
◆こども家庭センター
こども家庭センターとは、こども家庭庁が全国の区市町村に設置を進めている、子育ての総合相談窓口です。18歳未満の子供の発達について、子育て中の家庭問題ついてなど、ありとあらゆる相談に対応してくれます。ショートステイなど一時預かりの手配をしてくれるセンターもあるようです。一時的に子供と離れたいなど心身共にかなり追い込まれているのであれば、お近くの自治体に一度問い合わせてみましょう。こども家庭センターに関する更に詳しい情報は、下記のリンクからご覧ください。
こども家庭センターについて(厚生労働省)
001127396.pdf (mhlw.go.jp)
まとめ
どんなに愛情があっても、育児をたった1人でやり切るというのは不可能に近いことだと思います。子育てで誰かに頼ることは、決して恥ずかしいことではありません。自分の心身が悲鳴をあげるほど育児に限界を感じているのであれば、迷わず頼れる人や場所に助けを求めてくださいね。
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