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優しい人が人間不信になってしまう理由【公認心理師・臨床心理士監修】

人間不信とは自分の周りにいる人が誰も信じられなくなることですが、そうなるきっかけは色々とあります。中でも優しい人は、それまであった信頼関係が崩れてしまったり、親しい人からの裏切りにあったりすることで人間不信に陥ってしまうことがあります。

そこで今回は優しい人がどうして人間不信になってしまうのか、その理由や対処法について記載します。もう誰も信じることができないと人間不信になっている優しい人は、今回の記事を読んで人間不信から抜け出すための参考にしてください。

優しい人が人間不信になってしまう理由

人間関係で悩む女性 対人関係

優しい人ほど人間不信に陥りやすいと書きましたが、では優しい人というのはどのような特徴があるのでしょうか。まずは優しい人とはどのような人なのかから考えてみることにします。

優しい人の特徴
  • 自分本位でなく、相手の立場に立って考えることができる
  • 相手の気持ちにとても敏感である
  • さりげなく他人を助けることができる
  • 自分がしたことに対して見返りを求めない
  • 誰に対しても同じように接することができる

優しい人の特徴を見ていると、相手のことを思いやる気持ちがあるだけでなく、相手にとってどのような言動を取ればいいのか常に考えている人ということができます。そのため優しい人が人間不信になるきっかけは、自分と相手との関係がかなり影響されるようです。

では次に、優しい人が人間不信になる理由について以下に記載します。

優しい人が人間不信になってしまう理由
  • 自分が信頼している人に何度も裏切られ続けた
  • 自分が信頼している人に何度もだまされ続けた
  • 何らかの大きな犯罪にあって、それがトラウマになってしまった
  • 長期間いじめにあったり、人間関係ストレスにさらされて疲れ果ててしまった

それではそれぞれの理由について詳細に見ていくことにしましょう。

自分が信頼している人に何度も裏切られ続けた

友達 裏切り 浮気

誰もが経験するかもしれない裏切り。しかし、特に優しい人々は、一度でも信頼していた人からの裏切りによって深く傷ついてしまうことが多いのです。さらに何度も、そして恒常的に裏切られ続けると、その心はじわじわと人間不信に染まっていくでしょう。

例えば夫婦関係では・・・
  • パートナーが何度も浮気をしては謝りその後また同じことを繰り返す
  • 家庭内でお酒の影響で暴れる など

パートナーから何度も裏切られると、心が持たなくなります。そんな状況下で、優しい人は、何度でも許してしまう一方で次第に人間全般を疑ってしまうようになるのです。

その他のケース
  • 親しい友人に恋人を奪われる
  • 親や兄弟にお金を盗まれる など

こういった信頼していたはずの人々からの裏切りに直面すると、心は大きく揺れ動き、どんな人も信じられなくなってしまう可能性が高まります。裏切りというのは、一度や二度ではなく、何度も繰り返されることでその影響は深刻になるのです。

特に優しい人が何度もそのような状況に晒され続けると、避けられない結果として人間不信が生まれてしまいます。

自分が信頼している人に何度もだまされ続けた

  • 裏切られる・・・意図がない場合もある
  • だまされる・・・ほとんどが計画的

この二つは似ているようで実は大きな違いがありますが、だまされる方がさらに重く感じられますよね。特に優しい人にとって、信頼していた人からだまされるというのは、ショックが大きいものです。

例えば・・・
  • 投資やビジネスの話で信頼していた人からだまされた
  • すでに結婚して子供もいるのにその事実を隠して付き合い続ける

こんな事例を知ったとき、優しい人はただショックを受けるだけではなく、他人を警戒し人間不信に陥る可能性が高まります。さらに、その優しさが裏目に出て、

  • 自分にスキがありすぎた
  • 自分が悪いんだ

など自己非難にも陥りやすくなります。

だまされるという行為は・・・

意図的かつ計画的な性質から、裏切り以上に心に深い傷を与える

優しい人がその矛先に立たされた場合、その影響は人生や人間関係に甚大なものとなり、心のバランスまで崩してしまうこともあります。

何らかの大きな犯罪にあって、それがトラウマになってしまった

性被害

何らかの犯罪に遭遇し、その出来事が心の中で大きな影を落とす。これは、優しい人が特に陥りやすい人間不信のきっかけの一つです。

重いケースでは・・・

性犯罪や薬物による暴力 など

これに巻き込まれると、その心の傷はなかなか癒えず、他の人に対する信用や安心感が揺らぎます。

軽いケースでは・・・

詐欺に遭ったり知人による窃盗に遭遇したりする など

それでも、優しい人にとっては心に大きな傷を残す出来事となり、他人を信じることが難しくなります。犯罪に巻き込まれた経験があると、人は変わってしまうことも珍しくありません。

特に、以前は他人に対してオープンだった人が、その後は周囲に対して警戒心を持ち、人間関係にもおいて陰りが出ることがしばしばあります。

結局のところ、犯罪に遭遇することは人間不信を生む大きな要因となり、その影響は長期にわたって心と人生に重くのしかかります。

人間関係がうまくいかなくなった

いじめ

人間関係がうまくいかなくなった」というのは、確かに誰もが経験する普遍的な問題ですよね。特に、優しい人にとっては、これが深刻な心のダメージとなり、人間不信に陥る場合もあるでしょう。

例えば・・・

以前は親しい関係だった人から突如無視されたり、友達の集団から冷たい態度を取られるようになった

これはただの「うまくいかない」レベルを超え、心に大きな影を落とします。しかし、この段階ではまだ「自分が何か悪いことをしたのか?」と自責の念に駆られることが多いでしょう。

さらに症状が進行して、長期間にわたっていじめや嫌がらせに遭遇するような場合。これが人間不信の「点火装置」になることもあります。

自分を取り巻く環境が次第に暗くなり、出口が見えなくなると、それまで信じていた人々に対する信頼感が揺らぎ、最終的には壊れてしまう可能性が高くなります。

世の中には悪い人もいれば良い人もいる

良い人悪い人

優しい人は、しばしば「人は基本的にいい人だろう」という性善説に基づいて生きていますよね。ただ、それが仇となり、親しい人から突如裏切られたり、欺かれたりすると、そのショックからなかなか立ち直れないことがあります。

もちろん、優しい人が世の中をシンプルに見ているわけではありません。優しい人は、多くの場合「その人が悪いことをしているのは、私が何か悪いことをしたからかもしれない」と自己犠牲的に考える傾向があります。

この優しさは深いところで

  • 自分不信
  • 自分は他人に比べて価値がないと感じる

など、その原動力について考える必要があります。

例えば・・・

親からの虐待が背景にあって親に愛されようとする一心で「優しい子」になっていた…そんな場合も少なくない

優しさの背後に何があるのかをしっかりと見つめ理解することで、もしも人間不信に陥ってしまった時にも対処する手段が広がるでしょう。優しい人が理解しておくべきは、世の中にはいろんな人がいるということ。良い人もいれば、悪い人もいます。

しかし、そのどちらも一筋縄ではいかない複雑な存在です。だからこそ、何かあったときにも冷静に対処できるようその多様性を受け入れる心の準備が必要です。

日常生活で「なぜこんなことになってしまったのか」と困惑したとき、その背後にある自分自身の感情や考え方に目を向けてみてください。それが、より健全な人間関係を築く第一歩になるでしょう。

優しい人が人間不信になってしまったときの対処法

人間関係 対人関係

優しい人が人間不信に陥った場合、それまで人間を信頼していただけに、そこから抜け出すのはなかなか難しいです。ですがいつまでも人間不信になっていては、私生活でもあまりいい影響を与えてくれないでしょう。

そこでここでは優しい人が人間不信になってしまったときの対処法について考えてみます。

優しい人が人間不信になったときの対処法
  • 信頼できる仲間を見つける
  • 人間不信になった原因をノートに書き留めてみる
  • 環境を変えてみる
  • ひどい場合は専門医の診察を受ける

それではそれぞれの内容についてもう少し詳しく見ていくことにしましょう。

信頼できる仲間を見つける

慰める 話を聞く

優しい人が人間不信になってしまうのは、相手から裏切りやだましを受けることからのショックやひどい犯罪などに巻き込まれた時です。

そのため自分の周りにいる人が誰も信じられなくなりますが、孤立したり自分一人で問題を抱え込んでしまうとそこから抜け出すのはなかなか難しいでしょう。

他人からひどい仕打ちを受けたとしても、優しい人のことを暖かく見守ってくれる人は必ずいるので、まずは自分が信頼できる仲間を見つけるようにしてください。

自分がどうして人間不信になってしまったのかということを話していくうちに、少しずつですがあなたの心もほぐれていくはずです。

人間不信になった原因をノートに書き留めてみる

ノートに書く

優しい人が人間不信になった場合は、自分がどうして人間不信になったのかをノートに書き留めてみてもいいでしょう。

自分の頭の中で考えているばかりでは、もやもやするばかりでそこからなかなか抜け出せませんが、文字にしてみることで自分の気持ちが整理されることがあります。

また頭の中で考えていることを文字に表して気持ちを整理することで、そこから抜け出すにはどうしたらいいかという次のステップを考えられるようになる効果もあります。

環境を変えてみる

人間不信からなかなか抜け出せない場合は、それまでの環境を変えてみるのも一つの方法です。

例えば・・・
  • 住んでいる場所で人間不信になった・・・引越し
  • 職場で人間不信になった・・・仕事を変えてみる

など新しい環境でリセットしてみてはどうでしょうか。新しい環境に飛び込むのは不安もありますが、それまでの気分ががらりと変わることもありますので、新しい出来事や出会いで人間不信から抜け出せることもあるでしょう。

ひどい場合は専門医の診察を受ける

診察

優しい人が人間不信から心身ともにダメージを受けた場合は、自分だけではどうしても対処できないこともあります。そんな時は自分で抱え込まないで、心療内科やクリニックで専門医の診察を受けてみましょう。

時間はかかるかもしれませんが、カウンセリングを受けているだけでも気分転換になるでしょう。

人間不信にならないためには

ネガティブ 悩む

優しい人は、心が傷つきやすい性質を持っていることが多く、ショッキングな出来事に遭遇すると、心のダメージを大きく受けます。そして、その心の痛みから逃れようと、他人に尽くそうとします。

ですが、何度も裏切られたり騙されたりすると、だんだんと人間不信に陥りやすくなっていきます。ショッキングな出来事があると心のダメージを受けやすいことから、優しい人ほど人間不信に陥りやすいといえます。

ではそんな優しい人が人間不信にならないためにはどのようにすればいいでしょうか。ここでは優しい人が人間不信にならないためにはどうすればいいのかを考えてみます。

人間不信にならないための対処法
  • 他人に過度な期待をかけない
  • 他人の些細な嘘や悪意を気にしない
  • 悪意のある人にはなるべく近寄らない
  • 時には相手の話を真に受けない
  • 嫌な目にあっても心は揺るがないように
  • 自分の優しさの原動力は何なのか、今一度考える

それではそれぞれの内容についてもう少し詳しく見ていくことにしましょう。

他人に過度な期待をかけない

優しい人は、他人の良い面を見ることに長けています。だからこそ、裏切りやだましといった失望体験が度重なると、そのショックを人一倍強く受けてしまう恐れが高いです。

そんな優しい人でも安心できるように、他人が必ずしも自分と同じようには考えていないということを忘れず、過度な期待を控えめにすることが大切です。

そうすれば、何らかの不快な出来事に遭遇しても、その心のダメージを最小限に抑え、人間不信に陥るリスクを減らすことができます。世の中にはさまざまな人がいます。良い人もいれば、時には信頼を裏切る人もいるのが現実です。

だからこそ、生きていると「こういうこともあるよな」と気持ちを柔らかく持つことが、自分自身を守るコツです。

他人の些細な嘘や悪意を気にしない

優しい人は、感受性が高く人の気持ちに非常に敏感です。そのため、相手からのわずかな嘘や悪意にも心が傷ついてしまうことが多いです。ただ、この感受性の高さがあるからこそ、心はとてもタフなものがあります。

だから、些細な嘘や悪意にいちいち煩わされていては、心と体に良くありません。気にし過ぎてしまうと、それだけで疲れてしまいますよね。

世の中には悪いことをする人、嘘をつく人が確かにいます。でも、そのような人に心を乱されていては、自分が損をしてしまいます。何か嫌なことがあったとしても、「他にも同じように困っている人がいるだろう」と思うことで、心の負担を減らすことができます。

小さいことに振り回されず柔軟な心持ちでいることが、心の健康を保つコツなのです。

悪意のある人にはなるべく近寄らない

拒否 断る

優しい人は人の善悪に関係なく、どんな人に対しても同じように接しようとします。そのため悪意のある人からはターゲットにされることもしばしばあります。

仕事などでその人とどうしても付き合わないといけないのであれば仕方ありませんが、そうでなければ悪意のある人にはなるべく近づかないようにするのも人間不信にならない一つの方法です。

時には相手の話を真に受けない

優しい人は相手の言動を真剣に受け止めてしまうために、嫌な目にあうと深刻になってしまうことから人間不信に陥ってしまいます。物事をどのように受け止めるかによって自分の気持ちも随分と変わりますので、たとえ嫌な目にあったとしても深刻にならないことはとても大切です。

ある意味人間不信になってしまうのは、嫌なことに対して深刻になってしまった気持ちの表れともいえますので、自分が深刻になりそうだなと感じたら何とかやり過ごせるような気持にできるように頑張ってください。

嫌な目にあっても心は揺るがないように

優しい人は、嫌な目にあうと本気で悩んでしまいその結果人間不信に陥ることがあります。それだけ、相手の言動に対して真剣に耳を傾け、心を開いている証拠ですよね。でも、物事の受け取り方一つで自分の気持ちは随分と変わるもの。

だから、嫌な目にあったとしても、その度に深刻になる必要はありません。実際、人間不信になってしまうのは、嫌な出来事に対して深刻になりすぎてしまうからです。だから、深刻になりそうだなと感じた瞬間、何とかして気を紛らわせ乗り越えられるように工夫してみましょう。

自分の優しさの原動力は何なのか、今一度考える

優しい人が嫌な目にあっても、その原動力はどこにあるのでしょうか。この問いに答えることで、本当の強さが手に入るかもしれません。優しい人は、嫌な目にあうと本気で悩んでしまいがちです。それは、相手の言動を真剣に考え心を開いているから

でも、その優しさの原動力を振り返ってみると、多くの場合、自分自身や大切な人、または理念など、何か強いバックボーンがあるはずです。この原動力を思い出すだけで、嫌な目にあっても心は揺るがず、乗り越えられることが多いですよ。

だから、物事をどう受け止めるか一つで、気持ちはずいぶんと変わるもの。嫌な出来事に対して深刻になるのではなく、その背景にある自分の原動力を思い出し、何とか乗り越えられるように工夫してみてください。

まとめ

今回は優しい人が人間不信になってしまう理由ということで、考えられる理由やその対処法について記載しました。

優しい人というのは、相手のことを考えて行動したり、相手の気持ちにとても敏感だといういい所がありますが、相手から悪意やひどい仕打ちを受けると他の人に比べて大きなショックを受けるという弱さもあります。

どんな人でも同じように接することができるというのは確かにその人の美点なのでしょうが、世の中には必ずしもいい人ばかりとは限らないので、人間不信にならないためにも優しい人はそのことを認識する必要があるでしょう。

優しい人は

  • 自分のいい所は磨いていく
  • 自分の弱さと思えるところは自分なりに対処していく

などで、人間不信に陥らないですむだけでなく、より多くの人から慕われる存在になっていくはずです。優しいがゆえに人間不信になった人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

人間不信から抜け出せるようなヒントを、今回の記事から見つけることができるよう切に願っています。

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