「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!
いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
今回の記事では、06月06日の双子座新月のホロスコープ・リーディングの解説をさせていただきます。
今回の双子座新月は、
太陽と月、水星・金星、
そして、木星の5天体が双子座に集合し、
木星の双子座運行期間の始まりを強調する新月です。
太陽は、双子座16度に位置し、既にピークは過ぎているのですが、
夏至を前にした、発展と変化の調整期間として、
06月・双子座の季節はあっという間に過ぎてしまいます。
06月の星の巡りと、夏至図のホロスコープ・リーディングについては、
近日中に公開しますので、楽しみにしていてくださいね!
それでは、今回は双子座新月のホロスコープ・リーディングをお送りします。
今回も是非、最後までお付き合いくださいね!
双子座の意識
双子座は柔軟宮のサインで、
12サインの中で3番目ということもあり、
「3=変化・転用」という気質を持ちます。
本講座では、サインの原理としまして、数秘的に捉えますと、
牡羊座(1)~射手座(9)を1つの学びのステージとし、
山羊座(10)・水瓶座(11)・魚座(12)において、
心の成熟と意識の拡大が行われる、と定義しています。
数字は、実数として、1~9までしかなく、
10は1に還元され、11は2に還元され、12は3に還元されるため、
実質的に、個人の成熟のステージは射手座(9)までと言えます。
双子座(3)は、射手座の対極のサインですが、
数字の流れを見ますと、【1・2・3】が1つのまとまりとなりますので、
【7・8・9】のまとまりと補完関係でもあります。
12サインは、活動宮・不動(固定)宮・柔軟宮の順に、
3つの異なる気質のサイクルを繰り返すとともに、
その中で、男性サインと女性サインで「作用と反作用」を生み、
心の成熟を進めます。
そして、4つのエレメント(元素)によって生まれる意識とエネルギーによって、
気質と運動(作用と反作用)の活性の仕方に幅を持たせます。
双子座は、風サイン・男性サイン・柔軟宮の区分を持ち、
水星をルーラーに持ち、知的好奇心や言語、分析、瞬発力などを高めます。
双子座、並びに、水星の働きや特性の根本原理は、
原始的・原初的な本能と、向学への探求心にあります。
原始的・原初的な本能とは、
ズバリ、「生き抜くこと(サバイバル)」を意味し、
向学への探求心は、「無知」の度合いを出来る限り減らし、
賢明さを高めようとする意識です。
これまでの講座で繰り返しお伝えしてきましたが、
水星は性別を持たない天体とされるだけでなく、
ベネフィック(吉星)天体にも、マレフィック(凶星)天体にもなり得る不思議な天体です。
水星のオウン・サインである双子座は風サイン、
乙女座は土サインであることで、
水星はこれら2つに、概念的な知性と、実践的な知性の働きを分けているわけですが、
今回の双子座新月は、
双子座が象徴する「情報」や「繋がり(の発展)」を強調しています。
木星が来年2025年06月10日まで双子座を運行することはもちろん、
天王星が長きに渡り運行している牡牛座を離れ、
2026年04月26日から双子座を運行し始める上で、
今回の双子座新月を皮切りに、「世界と私」という概念・視野が広がっていくことが考えられます。
超情報社会と言われ、身体性や身体感覚が鈍り、
仮想空間や抽象度の高い概念・情報などに触れる頻度が高まっていく一方ですが、
私たちが私たちたらしめているものは、古代から変わらず、
身体という器を伴って現実・人生を観測する、という事実であり、制約・制限です。
土星が象徴する制約・制限は、
山羊座と蟹座の対極性から分かるように、
「内面(中身)の豊穣」のためにあります。
それと同時に、水瓶座の意識と天王星のエネルギーの高まりを体感している現代人は、
どのように原始的・原初的な本能からの呪縛と、
向学への探求心に伴って乱れる意識と心から距離を取り、
概念や社会通念、世代的な集団的無意識からの干渉に飲まれることなく、
時代の流れに抗わない「しなやかさ」が必要と言えるでしょう。
双子座は「軽やかさ」や「軽さ」といったキーワードで語られることがありますが、
今回の新月図で示されている、
「地に足の着いた自由自在さ」を発揮できなければ、
風に飛ばされる風船のようになってしまいます。
目標や理想を持つことが絶対的に重要なのではなく、
その時々に立てる道標をピンとして、
幾度となく軌道修正を迫られても、
人生の流れと時代の流れと呼応しながら、
「一筋縄ではいかない発展の面白味」を感じられるように、
常日頃から概念や情報、信念(思い込み)を和らげておく必要があります。
こういったことは、言葉や字面だけでは「分かった気がする」のですが、
実際に選択や決断を迫られる時は、
私たちはつい、過去の経験則を当てにしては、
後になって後悔してしまうことがよくあります。
最近に始まったことではありませんが、
「左脳」や「思考」からの支配・干渉から自由になることに、
大衆的な注目・意識が向いています。
超情報社会だからこそ、古代人とは違ったベクトルで、
思考を活用することを強いられている私たちは、
どのような意識で日々を過ごし、
長期的な人生と時代の流れを捉えるべきなのか、
今回の双子座新月のホロスコープから読み解いてみたいと思います。
双子座新月のホロスコープ・リーディング
今回の新月は、6ハウス@双子座で起こります。
6ハウスは、アヴァージョンのハウス(日の当たらない場所)で起こりますので、
「強制力」や「束縛的な状況」、「身動きが取りにくい状態」をどのように解釈するのか、
ということが重要なポイントです。
新月図を見ていただくと、
太陽と月、そして、金星が双子座16度でステリウムを形成し、
水星と木星が加わることで、オーバーロードを形成しています。
グランド・コンジャンクションもステリウムも、オーバーロードも、
天体が1つのサインの集合することを意味しますが、
ステリウムは度数5度以内に天体がコンジャンクションする場合、
グランド・コンジャンクションとオーバーロードは、
3天体以上が集合する場合のコンジャンクションの呼び名です。
水星は双子座でドミサイル(最も強い品格/品位)となり、
木星は射手座の反対のサインである双子座に位置することで、
デトリメント(最も低い品格/品位)となっています。
金星と木星はベネフィック(吉星)天体ですので、
6ハウス@双子座のエネルギーをどのように活用するか、ということが重要です。
その際、物事を収束させる力・役割は土星にあり、
目標やゴールは蠍座16度に位置するMCに示されます。
今回の新月図は、地平線の下・北半球にすべての天体が集合していますので、
「内的な意識の高まり」を強調していると言えます。
私たちがどのような「内的な意識の高まり」を経験することになるのか、
双子座新月のホロスコープを通して見ていきましょう!
山羊座ASC:【新月が起こることで与えられる視野・眼差し】
今回の新月図のASCは山羊座に位置し、チャートルーラーが土星です。
ASCは、パート・オブ・フォーチュン(PoF)と同じ山羊座26度に位置しています。
天体の場合、「5度前ルール」を適用する場合がありますが、
ASCとPoFは感受点のため、5度前ルールを適用せず、
純粋に1ハウス@山羊座の意識を持つ、と考えます。
山羊座のASCは、「堅実な視野」を象徴します。
今回の新月図で、すべての天体が北半球に位置していることから、
社会の流れに対する私たちの視野は、
「足元の現実を明らかに認める」という堅実さが強調されるとともに、
吉意であることが示されています。
では、「足元の現実」とは、一体何のことでしょうか?
6ハウス@双子座の月:【諦めるが吉】
太陽と月(新月)、金星、水星、
そして、木星が位置する6ハウス@双子座は、
アヴァージョンのハウスにあるため、
「自分の思い通りにならないこと」とともに、
「社会性に紐づいた状況や立場」、
並びに、その状況に対応する「身体(の状態)」に対する関心の高さを示します。
6ハウスと12ハウスは、
「外圧・無意識に応える・繋がる」という意味で、
義務や役割といった立場の他、労働や献身といった働き、
そして、その状況・渦中にある自分の在り方を示すため、
今回の双子座新月のメッセージは、
「現実を生きるための土台作り」が強調されている、と言えるでしょう。
新月が起こるのは、21時37分~38分の間ですので、月(夜)の世界(時間帯)です。
月が太陽に追いつくとは言えど、
地平線から下部の位置での新月ですので、心と無意識が有利になります。
「足元の現実を明らかに認める」ということを、
別の言葉に置き換えますと、「諦める(諦観)」という言葉になります。
月は、ルナティック(狂気)という側面を持ちますので、
内的世界に漂っている幻想や妄想と、
現実のギャップによる苦しみや痛みの根本原因を知ろうとすることが、
双子座新月が示す「知性の使いどころ」と言えるでしょう。
月は蟹座のルーラーで、蟹座は7ハウスと重なっています。
南半球には、ドラゴンテイルとMCのみが位置し、
1ハウス@山羊座と対極にある7ハウス@蟹座には、天体は位置していません。
月の意図は、7ハウス@蟹座に反映されるわけですが、
6ハウス@双子座の意識が「諦める」ということであるならば、
「幻想・過剰な期待によって他者を見ること」が重要である、と読むことができますね。
山羊座のASCと合わせて考えますと、
「分からないものは分からなくていい」けれど、
「勝手に決めつけない」ということが重要で、
新月と金星が、
10ハウス@天秤座のドラゴンテイルとトライン(120度)のアスペクトを形成していることから、
「分かっていることから判断する」けれど、
それ以上の想定や期待はしない方がいい、という判断ができます。
では、知性を使うことで、何が得られるのでしょうか?
6ハウス@双子座の太陽:【次の展開のための種蒔き】
目的意識は太陽が司ります。
双子座26度に位置する太陽は、
06月20日には蟹座に移り、夏至を迎える流れにあります。
太陽が今回の双子座新月からの1ヶ月の間、
私たちに目的として強調していることは、
「変化・変容」のためのキッカケや繋がりのための「種蒔き」や「検証」です。
太陽は獅子座のルーラーで、
太陽の意図は8ハウス@獅子座に反映されます。
8ハウスは、土星がハウスルーラーで、
テーマは「自我意識の喪失と再生」です。
言葉通り「生まれ変わり」を意味する8ハウスのテーマに、
獅子座の意識・エネルギーが漂っているわけですが、
この組み合わせが意味することは、
「精神的葛藤による創造性の発露」であり、
そのために、6ハウス@双子座の太陽は、
現在の状況や経験の中で、
次の発展・展開のための種蒔きをすることを促しているのです。
自我意識の喪失と再生により、
自分一人で築いてきた「セルフイメージ」が崩れ、
他者との深い関わりを経て、
一回りも二回りも成熟した「セルフイメージ」に刷新される、
これが、知性を使い、勇気を出して現実を受け止めることで得られる
「自分にしかできない自己成長・自己変容」です。
夏至を前にして、どのような展開・発展の流れがあるのでしょうか?
蠍座のMC:【深みのある観測力と洞察力が人生の展開を面白いと思わせる】
今回の新月図のMCは、11ハウス@蠍座16度に位置しています。
太陽と月は双子座16度に位置していますので、
蠍座16度のMCとは、インコンジャンクト/クインカンクス(150度)の角度を持ちます。
インコンジャンクト/クインカンクスは、
2・3・4区分のすべてにおいて共通項を持たないため、
「未来(MC)が想定外」であることを示しています。
蠍座は女性サイン・不動(固定)宮・水サインである一方、
双子座は男性サイン・柔軟宮・風サインで、
まるで異文化交流のような関係性です。
双子座の太陽と月が、現状に対して心を開き、未来へと意識を向ける上で、
蠍座のMCが、「想定外」や「意外性」を受け入れることを促されているのですね。
想定外や意外性とは、言ってみれば、
私たちが慣れ親しんでいる考え方や捉え方とは違う、
新鮮さと危うさを感じさせるものです。
新鮮さは「面白味」とも言い換えることができます。
双子座にとって、
蠍座は「重い・頑固・分かりにくい」といった性質に映りますが、
それは「未来」も同様です。
では、蠍座のMCには、
どのような意図があるのかを、火星と冥王星から読み取ってみましょう。
4ハウス@牡羊座の火星:【本当にしたいことを発掘する】
【05月01日に牡羊座にイングレスした火星は、
06月09日には牡牛座に移ります。
火星は約2年で12サインを一巡しますが、
火星は牡羊座で、活動力を活性化させ、
蠍座で、精神力を活性化させます。
約1ヶ月の火星の牡羊座の運行は、
12サインの一巡の始まり(点火)として捉えるならば、
「純粋欲求の発掘」と「今後の動きの明確化」という意図を持っていると言えます。
「純粋欲求」とは、火星と牡羊座が、
「自分自身の本願・本音に従う」という欲望・欲求に対する純粋さを意味します。
山羊座26度のASCと火星は、スクエア(90度)のアスペクトを形成しています。
火星は4ハウスに位置していますので、
表層的な意識、もしくは、心といった、
外的な刺激や刷り込みを受けている部分ではなく、
外的影響を受けていない、深層心理に根付いていて、意識していない、
もしくは、封じ込めている欲求を明らかにすること(発掘)が重要である、ということを示しています。
このことを蠍座のMCと絡めますと、
目の前に広がっている現実は、
これまでの内面意識の投影であることを肯定するだけでなく、
内面と現実にギャップがあることを許した上で、
望む現実を創造するために、「自己理解」と「自己充足」のために、
自分が満たされる事柄が何であるかを試していく、
つまり、「実際的な経験(実践)」が未来を拓く、ということです。
火星は、5度前ルールを適用するならば、
5ハウスが象徴する「創造性」に意識が向いていると言えます。
4ハウスの火星は、行動範囲が広く、
あらゆることに手をつけたがる双子座の意識とは異なり、
「今この場所で出来得る行動」を1つひとつ潰していくような、
派手さはありませんが、確実性と納得感が得られるものです。
では、火星のハイ・オクターヴの天体である冥王星は、
どのような意図を持っているのでしょうか?
2ハウス@水瓶座の冥王星:【価値観の崩壊と再構築】
先月05月03日から逆行を始めた冥王星は、
09月02日に再び山羊座に戻り、10月12日に順行に戻って、
11月20日に水瓶座を本格的に運行し始めます。
水瓶座を本格的に運行し始めますと、
次の冥王星の山羊座時代は、約248年後になりますので、
今年2024年の冥王星の水瓶座時代の始まりは、
冥王星の発見(1930年)から84年足らずではありますが、
インパクトの大きいサイン移動です。
84年と言えば、天王星の公転周期と同じですね。
2ハウスに位置する冥王星は、水瓶座1度に位置し、
5度前ルールを適用した時、
2ハウスの「所有の概念」とともに、
1ハウスの「自我意識」の象意の両方に影響を与えていると言えます。
2ハウスの冥王星は、「従来通りの価値観が通用しない流れ」を暗示するとともに、
「慣れ親しんできた生活基盤の崩壊と再生」を暗示します。
火星が深層心理に隠れている純粋欲求の掘り起こしを示しているのに対し、
冥王星は、当たり前になっている価値観の自覚・認識とともに、
「強制的な手放し」のために働きます。
そこで、11ハウス@蠍座のMCと絡めますと、
「より善い未来(の今)の創造」の障害となる要素を、
積極的に整理し、手放すことが必要不可欠である、ということです。
山羊座のASCと水瓶座の冥王星は、
反発し合う・否定し合う関係性にありますが、
ASCはあくまで「観測の眼」であるため、冥王星の強制力には敵いません。
水瓶座01度に位置する冥王星と、
双子座02度に位置する木星は、トライン(120度)に位置することから、
「現状の見直し」と「今後の発展」が「約束事」になっていることが分かります。
現代占星術では、
冥王星は水瓶座でイグザルテーション(高揚)の品格/品位を獲得する、と言われているため、
「大いなる働きに対する理解と受容」は、
今後の私たちにとっての「試練」と「豊穣」の両側面を持つと言えるでしょう。
これらの天体の意図をどのように収拾をつけるかは、
土星が担いますが、その前に木星にフォーカスを当ててみましょう。
6ハウス@双子座の木星:【流れに乗る時と反る時を選択する】
木星と言えど、
アヴァージョンの6ハウスに位置する時、動きが鈍ります。
加えて、木星は射手座のルーラーであり、
対向の双子座ではデトリメントの品格/品位を獲得することになりますので、
木星が双子座のエネルギーを拡大することで、
「情報に混乱させられる」という凶意が強調されることになります。
木星は射手座と魚座のルーラーで、
射手座は12ハウスに位置し、魚座は3ハウスに位置しています。
射手座には天体の在室は無く、
魚座には土星と海王星が位置しています。
海王星は来年2025年03月30日まで、
土星は2025年05月25日まで魚座を運行しますので、
木星の魚座を介しての意図が、
土星と海王星に受け止められる期間は、1年を切りました。
魚座は、土星・山羊座とは正反対の、
具体性や再現性の無い、不透明な状態、つまり、非物質世界を象徴します。
今回の新月図では、
来年06月10日まで双子座を運行する木星の意図は、
対向の12ハウス@射手座においては、
無意識の領域に情報が蓄積されるとともに、
3ハウス@魚座においては、
顕在意識で情報の混乱に対する対処が求められることを示しています。
「時代の流れに乗る」という言葉は、一見、聞こえがいいのですが、
魚座に海王星が運行している間、
「詐欺」や「騙し」といった事柄が横行すること、
言い方を変えれば、「幻想を見るための煽動に乗りやすい」ということが示されていますので、
「流れに飲まれること」と、
「流れに乗ることを選択すること」の違いを見極めることが重要であることが分かります。
05月の星の巡りの記事では、
木星の双子座イングレスのホロスコープ・リーディングの項目で、
「流れを信頼する」ということについて言及していますので、是非チェックしてくださいね!
3ハウス@魚座の土星:【原理から離れないことが重要】
海王星とともに魚座を運行している土星は、
私たちに「理想と現実の差を埋めること」の重要性を伝えています。
「理想と現実が異なるからこそ、夢を見ることの喜びがある」と表現する時、
土星はそれを「夢想家」と一蹴するでしょう。
なぜなら、土星は「実現の星」だからです。
そのため、海王星が魚座でドミサイルの品格/品位を持っていることに対して、
土星は抑止力となっています。
土星が水瓶座を運行し始めた時(2020年12月17日)から、
海王星の象意である「感染症」の猛威が振るっていました。
水瓶座と魚座はセミセクスタイル(30度)の関係性にあり、
土星と海王星は反発し合います。
土星は水瓶座のルーラーでもありますので、
魚座の海王星との間で生じる摩擦は、コロナの収束までの間、
牡牛座の天王星とともに、
私たちの日常に大きな衝撃を与え続けた、と解釈することができます。
冥王星の山羊座から水瓶座へのサイン移動と同様に、
「通過儀礼」という一言では、片づけられないほどの痛手を負うことになった私たちですが、
今回の新月図では更に、
「当然となっている価値観」が崩されることを暗示しています。
これは、「未来は過去の延長線上には無い」ということの表れであるとともに、
「膿を出すことが先」が先決であることを伝えていると言えます。
双子座に天体が集合する時、
憂慮すべきことは、「選択肢が多くて迷う」ということです。
それがアヴァージョンの6ハウスで強調されているわけですので、
「混沌」や「混乱」を賢くかわしながら、
不要な価値観や時代に合わない生き方を手放していく、ということが重要になります。
土星が位置する3ハウスは、
火星がハウスルーラーであるため、
「自分の欲しい情報や繋がり」を求めたがる欲求・衝動に対して、
土星は自制心を持つよう働きかけます。
海王星が魚座29度に位置しているため、
幻想や詐欺といった不明確な事柄に意識を向けたがる傾向が顕著に強まるため、
土星の意図をキャッチすることが重要です。
*現代占星術では、3ハウスと双子座を結びつける傾向にありますが、
原理的には無関係ですので注意が必要です。*
土星は、山羊座と水瓶座の2つのサインのルーラーです。
山羊座において、ASCに自制心を促し、
水瓶座において、冥王星と反発的な関係性にありながら、
現実を受け入れることの重要性を示しています。
今回の新月図では、全天体が北半球に集中していますので、
「世界と私」という構図が際立っていますが、
「多勢に無勢」という言葉・概念に従うのではなく、
原理に沿って、今できることの最善を尽くすことが重要であることを、
土星は示してくれています。
とはいえ、土星は、
海王星や魚座の意識・エネルギーを否定しているわけではありません。
海王星と火星は、セミセクスタイル(30度)の角度を持ち、
海王星は土星とコンジャンクションしていることで、
火星に対して、現実と思い込み、理想と幻想の違いを見極めることを促しています。
牡羊座には、ドラゴンヘッドが位置していますので、
火星と牡羊座の象意は重要であるのは明らかですし、
カイロン/キロンが位置していることで、
過去の「否定された経験・記憶・感情」を思い出す痛みを癒すことを含めて、
「今後の展望」を見出すために、内面と向き合うことが重要になります。
なぜなら、カイロン/キロンは、土星までの概念システムに対する、
トランスサタニアンの働きかけに対する、
中和・中庸の境地を見出す橋渡しとなり、
「私の痛み」が「あなたの癒し」となることで、
「私たちの繋がり」という
大調和の貢献と献身、自己肯定と他者肯定が実現されるからです。
ネイタルチャートでは、どのハウスで新月が起こる?
近々、ソーラーサイン・ハウスシステムの解説記事を執筆・公開する予定です。
ソーラーサイン・ハウスシステムは、
ネイタルの太陽が位置しているサインを1ハウスにすることで、
太陽の意識をASCに反映させるハウスシステムです。
ソーラーサイン・ハウスシステムは、出生時間が分からない場合に用いられ、
一般的な太陽星座占いの年運で使われます。
ソーラーサイン・ハウスシステムの詳しい解説は別の記事に譲るとして、
今回の双子座新月が、
あなたのネイタルチャートのどのハウスで起こるのか、について触れたいと思います。
言い方を変えますと、
ネイタルチャートとトランジットの天体を重ね、
双子座新月をどのように捉えるか、ということです。
本講座では、ホールサイン・ハウスシステムを採用していますので、
「ハウス=サイン」の組み合わせですので、
双子座が重なるハウスで起きる新月がどのようなメッセージを持つか、という見方をします。
あくまで、ハウス基準で見た簡易的なリーディングですので、
詳しくは、ご自身でネイタルチャートとトランジットの二重円のホロスコープでご確認ください。
1ハウス@双子座
1ハウスで起こるトランジットの新月は、
「自分らしい生き方の模索」の意識を高めます。
双子座が1ハウス・ASCである場合、
元々の好奇心の高さと相まって、
トランジットの双子座の新月は、
「もっと自分らしい生き方があるのでは?!」という意識が高まります。
ネイタルの天体の状況にもよりますが、
「これまでの自分の生き方」と「今の自分」を完全否定するベクトルではなく、
かといって、過剰な足し算(情報過多)によって、迷いや自信喪失を招かないように、
慌ただしさを良せず、慎重に現実を捉えることが重要です。
2ハウス@双子座
2ハウスで起こるトランジットの新月は、
「物質的に豊かになるための方法」に対する意識を高めます。
これまで解説してきましたように、
「従来の価値観」が通用しない流れにある中で、
「これからの稼ぎ方」や「量子力学的な~」といった、
高揚感を誘いながらも、
再現性のない情報や謳い文句には注意が必要です。
2ハウスは「体感」や「納得感」、
つまり、再現性や具体性があっての、現実的な行動が結果を結びます。
抽象度の高い意識や概念は確かに重要なのですが、
それらを提供する「人」がどのような人であるのかを見極めるには、
「運命力」と「洞察力」、そして、「勇気」が必要となります。
2ハウスについては、誰もが心配や恐れを抱いているものですが、
焦らずに、具体的な未来設計ができる情報を掴むことをお勧めします。
そして、最も重要なことは、
内面にある創造エネルギーの源泉を見つけることです。
3ハウス@双子座
3ハウスで起こるトランジットの新月は、
「繋がりを求める」意識を高めます。
1~3ハウスは、言ってみれば、「自分本位な体験」を象徴します。
自分本位とは、自分の足で立つために必要不可欠な要素ですので、
否定すべきではありません。
ですが、「自分の思った通りに事を動かしたい」という衝動を諫めつつ、
選択肢や依存先(頼れる人や場所)を増やしながらも、
自分の裁量で意思決定ができる活動を増やすことが望ましいでしょう。
行動の良し悪しは、短期的に分かるものではありませんが、
「勘違い」や「思い込み」、
そして、「衝動任せ・運任せの他力本願」といった下心では、
より善い発展は望めません。
その時々の体験を楽しみながらも、
どんな発展・成長が望めるのか、ということを意識しながら、
繋がりを広げ、伸ばすことを意識することが重要です。
4ハウス@双子座
4ハウスで起こるトランジットの新月は、
「居場所をより善くすること」に対する意識を高めます。
4ハウスは「プライベートな空間」を意味し、
心が安らぐ場所の他に、「自分を見つめる時間」なども表します。
今回の新月がネイタルチャートの4ハウスで起こる場合、
火星の項でお伝えしたように、「純粋欲求」が引き出せるように、
ゆったりと落ち着ける時間と空間を確保し、
「積極的に風向きが変わるのを待つ」というスタンスで、
内面世界と外面世界の流れの違いと流れが合流するタイミングを見計らいながら、
今できることをリストアップしたり、断捨離をすると、
清々しさとともに、やる気スイッチが入ります。
やる気・モチベーションは、
動くための燃料ではなく、動いてから温まる燃料ですので、
小さなことから整えていくことが大切です。
5ハウス@双子座
5ハウスで起こるトランジットの新月は、
「楽しみを見つける・試すこと」に対する意識を高めます。
5ハウスは単なる「娯楽」を表す場所ではなく、
「創造エネルギーの源泉」を表します。
とはいえ、一般的に紹介・注目されている事柄が、
あなたにとっての「源泉」であるとは限りません。
あなたがその時々に、
「ふと、やってみたいと思う感覚」を試してみることが重要です。
物事は、短期的には落胆・心配かもしれませんが、
長期的に見れば伏線・材料となる場合がありますので、
過剰な期待を持たずに、
双子座本来の「試したい」という意識を大切にしながら、
節度を持ってトライ&エラーを楽しんでみましょう。
6ハウス@双子座
6ハウスで起こるトランジットの新月は、
「メンテナンス&ケア」に対する意識を高めます。
ネイタルチャートでも、新月図でも、
6ハウスで新月が起こる場合、ASCも山羊座で同じとなり、
今回のホロスコープ・リーディングの内容がダイレクトに響くと思われます。
太陽と月、MCの位置するハウス・サインは異なるとしても、
新月自体のメッセージが、
「落ち着くこと」や「堅実さ」であることは変わりません。
身の回りの環境が自分に求めていることと、
それに答えようとする自分の状態を省みて、
改善が必要と思われる場合は、
早めに対処したり、誰かに相談する、専門家の力を借りるなどして、
選択肢を増やすことで、
現状をより善く捉えられるような
意識と心身の状態を取り戻すことが望ましいと言えるでしょう。
7ハウス@双子座
7ハウスで起こるトランジットの新月は、
「新鮮な出会い」に対する意識を高めます。
1ハウスに対して、7ハウスは「他者との出会い」を意味します。
これは、恋愛関係だけでなく、
異文化交流や社会交流、深い関係性の前のキッカケ・ご縁なども表しますが、
「人」に限定されるわけではなく、
場所や土地と、その空間にある物とエネルギーも含まれます。
7ハウスで起こる新月は、
「景色を変える転機・星の巡り(サイクル)」でもありますから、
極端に社交的・外交的にならないまでも、
行ってみたかった場所に足を運んだり、
運命的な出会いではなくても、
偶然耳にすることになった言葉を覚えておくなど、
「小さな違い」に気づくことが大切です。
その時に掴んだ気づきやチャンス、導きに素直になり、
感覚を寝かせておくことで、
後々、点と点が繋がるような展開を作っておくことで、
風向きを変えることができます。
8ハウス@双子座
8ハウスで起こるトランジットの新月は、
「変容」に対する避けがたい流れと意識心の高まりを意味します。
今回の双子座新月では、
獅子座が8ハウスと重なっていることで、
太陽の意図が反映されることを解説しましたが、
あなたのネイタルチャートでは、どのサインと8ハウスが重なっているかで、
サイン・ルーラーの意図が異なります。
すべての天体に共通して言えることは、
「変容することで得られること」と引き換えに、
葛藤が伴う、ということです。
何もしなくても時間は過ぎていきますので、
「必要なことは起こる」とということと、
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という意識で、
現実を過度に恐れずに、痛みを自信(経験)に変えることができる、
ということを忘れないでください。
9ハウス@双子座
9ハウスで起こるトランジットの新月は、
「自己探求の意識」を高めます。
今回の新月図のホロスコープ・リーディングでは、
「選択肢を増やすこと」や、
「思い込みでドツボに嵌る」といった注意が必要であることをお伝えしました。
9ハウスが象徴する「探求」や「追究」には終わりが無いとともに、
自分にとっての「生き甲斐」かどうかによって、
得られる喜びや達成感に差が出てしまいます。
運や流れに乗るも反るも状況次第、意識次第ではありますが、
「騙される」や「乗せられる」といった軽薄な結果を生まないためには、
やはり、言語的な掴みと非言語的な感覚のどちらもを採用しながら、
主体性を発揮することが重要です。
向学心は大変素晴らしいことですが、
「一喜一憂する結果」を次に繋げられるかが、
巡ってきた機会よりも重要で、
「洞察力」を緩めずに、探求できる現状を祝福してください。
10ハウス@双子座
10ハウスで起こるトランジットの新月は、
「目に見えて分かりやすい成果」に対する意識を高めます。
10ハウスは太陽が最も高く昇る場所であるために、
「認められる=共通認識を持つことができる」事柄に焦点が当たり、
注目されやすい事柄に意識が向きます。
そこで、「主体的に意識を向けている」のか、
それとも、「誘導されている」のか、
という俯瞰した視点が重要です。
社会や集団は、個人の集合体ではありますが、
統率や誘導、煽動や誘導が横行しやすくなるのも事実。
そのため、「結果に繋がりやすい情報」なのか、
「見え透いた嘘」なのかを見極めつつ、本
当に必要かどうかを見極める姿勢で、
巡ってくる情報や縁を振り分けることが求められます。
分かりやすい場所や事柄から手をつけて、
徐々に深堀していくような、
向下の道を下りながら、
途中で求めていた人や物、情報に出会うかもしれませんので、
派手さや評判だけでなく、感覚や臨場感を大切にしていってください。
11ハウス@双子座
11ハウスで起こるトランジットの新月は、
「希望を感じられる事柄」に関する意識を高めます。
11ハウスは開けた場所や風通しのいい環境の他、
「友人愛」といった、
年齢や性別、国籍に関係なく、
「肌の合う/馬の合う/水の合う関係性や出会い」を象徴します。
結果を決めつけず、かといって、上手い話だけを期待をせず、
「この場所だからこそ味わえる体感(喜び)」を感じられる場所に出向いたり、
その場所に関する情報を集めたり、
ロールモデルと言える人やコミュニティに近づいたりと、
「未来」や「希望」、「自由」を感じられる機会を増やすことで、
現状打破や意識改革が進みます。
ただ、世の中には色んな人がいますので、
過干渉や節操のない関わり方をしてくる人には注意が必要です。
12ハウス@双子座
12ハウスで起こるトランジットの新月は、
「精神性の成熟」に対する意識を高めます。
12ハウスで起こる新月は、
実際的な変化を感じさせるというよりは、
内省的になり、内面を整えるサイクルの始まりを意味します。
そのため、内的な情報(記憶・感情)の整理はもちろんのこと、
物質的に、環境の整理をしながら、場のエネルギーを整えることで、
内的世界と外的世界のエネルギーの差(浸透圧)を整え、
静かに自分と向き合う準備をすることが必要になります。
内的なリセットは、新たな始まりを呼び込むことでもありますので、
無理に動くのではなく、
「次第に動いてもいいタイミングを迎えること」に意識を向けることが重要です。
誰もが違う現実を見て、解釈をし、違う人生を創造しています。
「純粋欲求」の発掘とともに、
「エネルギーの鎮静」にエネルギーを注いでください。
まとめ:双子座新月は「混乱」と「破壊」を掻い潜り、純粋欲求を掴むことを促す!
今回は、双子座新月のホロスコープ・リーディングをお届けしました!
天体の配置は精妙なもので、現実を的確に表現しています。
もちろん、「未来予測」は「確実な未来」を示してくれるものではありませんが、
「灯台の光」のような展望を示してくれます。
それでは、今回の双子座新月のホロスコープ・リーディングの概要をまとめたいと思います。
- 全天体は地平線より下・北半球に集中し、
内的意識の高まりを強調する - 山羊座のASCとPoFは、
「堅実さ」と「足元の現実」を直視することを促す - 新月はアヴァージョンのハウスである6ハウスで起こり、
「現状で選択できる最良の意思決定」が重要であることを示す - 6ハウスの月は、外的な刺激や影響を受け止める役割を持ち、
6ハウスの太陽は、内的な欲求と外面の世界に接点を持たせる役割を持つ - 蠍座のMCは、物事の本質を見極めること、
現実を直視すると同時に、内面を深堀りすることで、
「最善の未来(の今)」を迎えることができることを示す - 3ハウスの土星は、「取捨選択」と「自制心」を促す
- 双子座新月は、「新しい展開」のために、
今の現状で出来得る最良の選択をするために、
必要なことと不要なことをり分けながら、
「旬の喜び」を掴み、発展のための種蒔きを促す
今回の双子座新月は、「インパクトのある変化」というよりも、
今後、大きな変化へと結実させるための「種蒔き」を暗示します。
物事には順序があり、成長曲線のように、
単調な日常が延々と続くかと思いきや、
臨界点を超えたタイミングで芽吹き、
その後、加速度的に物事が展開していきます。
必要な時に、必要な行動を、必要な分だけ、
心を込めて目の前の「今」という現実と向き合うこと、
それが「中今」の意識であり、
現実逃避では得られない、
「生きている実感」と「実のある・発展のある人生」を成就させる誠実な生き方と言えるでしょう。
今回は、ネイタルチャートのハウスと新月を照応する試みをしましたが、いかがでしたか?
トランジットの新月・満月のホロスコープ・リーディングの解説をさせていただいていますが、
常にネイタルチャートと関連づけることができますので、
色んな箇所で、あなたのネイタルチャートの理解を高めることに貢献できていたら幸いです。
今後も、色んな角度からホロスコープ・リーディングをお届けしていきますので、
是非、毎回の記事を楽しんで読んでくださいね!
2024年・年間の新月・満月カレンダー
毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングと、毎月の天体の運行の巡りでは、
年間の新月・満月のスケジュールと、主要な天体の動きをお伝えしています。
以下の表は、今年2024年の新月・満月カレンダーです。
約2週間毎に新月・満月が巡ってきますが、
忙しさからすぐにタイミング・日付を忘れてしまいますので、ご活用ください。
今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
次回の「06月22日山羊座満月のホロスコープ・リーディング」でまたお会いしましょう!
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