YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。
今回は、「守護霊 再⽣」シリーズの後編です。
前回は、ヨーロッパ的な「守護霊」の考え⽅を、「ご先祖様」を⼤切に崇める⽇本の⾵習と結びつける形で輸⼊した、浅野和三郎の試みをご紹介しました。
「亡くなったおじいちゃん(おばあちゃん)が⾒守ってくれている」という想像⼒は、お盆やお彼岸の⾵習などに代表されるような、「祖霊信仰」が今なお残る⽇本に⽣きる⼈々にとって、とても馴染み深いもの。
だからこそ、「ご先祖様」と同⼀視することのできる「守護霊」のイメージを、すんなり受け⼊れることができたのだと考えられるのです。
⽇本に定着している、この「ご先祖様」=「守護霊」という考え⽅は、これまで脈々と続いてきた家系の歴史を認識させ、親族の絆を強めるものです。
ただし、それはあくまで、現実世界における私たちの⾁体や、そこに結びついた様々な感情を媒介として結ばれた絆。時には、決して逃れられない規制や、親族とそれ以外とを区別する論理のように働くこともあるのです。
「⽬覚め」「アセンション」へと向かっていくこの時代において。
私たちは「守護霊」というものを、現実的な⾎縁でつながった「ご先祖様」としてではなく、魂レベルの縁で結ばれた⾼次元の存在として、捉え直してみる必要があるのではないでしょうか?
YOKU STUDIO なりの「守護霊」再解釈を進めていくために、今回はまず、「スピリットガイド」としてのヨーロッパ的「守護霊」と、「背後霊」としての⽇本的「守護霊」とを区分する考え⽅を紹介するところから始めます!
「スピリットガイド」≠「ご先祖様」
そもそもヨーロッパのスピリチュアリズムにおける「守護霊」というのは、⾎縁関係のある「ご先祖様」だけに限定されるものではなく、もっと広い視野で捉えられるものでした。
SAGB(英国スピリチュアル協会)で学び、その要職を歴任した経験を持つ開堂慈寛⽒は、「指導霊(スピリットガイド)」という存在について、以下のようにまとめています。
指導霊(スピリットガイド)は、さまざまな⼤きさの光や⾊、姿(性別/年齢/国籍)、イメージで現れます。⼀般的に彼らは進化した霊的意識か存在または⾼級霊で、霊的知識、霊的エネルギー、または霊能⼒を使って、⼤神霊や⼈類の福祉のために貢献しようという⼈達を護り援助し、導きます。
(開堂慈寛『⾃分でできる霊性開花』【電⼦書籍版】、グループ・ゼロ、2013 年、第⼀章 7 指導霊とハイヤーセルフより)
注意しないといけないのは、ここで⾔われている「指導霊(スピリットガイド)」は、「守護霊 再⽣ -前編-」で紹介した、⽇本のスピリチュアリズムにおいて⼀般的な守護霊の4区分における、「指導霊(ガイド・スピリット)」とは別物だということ。
「スピリットガイド」は、その4区分で⾔えば、私たちのメインの守護霊である「主護霊(ガーディアン・スピリット)」を含みこむような、広い範囲の⾼次存在を指す⾔葉なんです。
「⼤神霊や⼈類の福祉のために貢献しようという⼈達を護り援助し、導きます」という説明からも分かるとおり、現実世界に⽣きる「私」という個⼈のレベルを超越したところから、⼈々を導く存在として定義される存在が、「スピリットガイド」と⾔えます。
そしてさらに重要なのは、「ご先祖様」としての⽇本的「守護霊」が、「背後霊」と呼ばれ、「スピリットガイド」とは明確に区別されていることです。
背後霊は、⼀般的に⾔って先祖/⾝内/知⼈の霊ですが、スピリチュアルな⼈や特殊な分野で働く⼈には、指導霊が加わっている時もあります。(中略)
(同上)
守護霊は基本的に、背後霊のことです。なぜなら普通、程度の違いこそあれ、背後霊は守護するのが主な仕事だからです。スピリチュアルな⼈や特殊な分野で働く⼈には指導霊が加わっていますが、基本的に、精神性に気づいていない⼈は先祖霊の影響が強く、⼀⽅、精神世界で⽣きる⼈や、特殊な世界で⽣きる⼈は、指導霊の影響が強くなってきます。
つまり、先祖霊としての「背後霊」は、現実世界における⾁体や感情の絆によって、シンプルに私たちを「守ってくれる」存在。
その⼀⽅で「スピリットガイド」は、⾼次の世界における魂レベルの絆によって、「個」を超えた精神性、スピリチュアルな使命などをサポートしてくれる存在。
私たちが「⽬覚め」、「アセンション」へと向かっていく時に、⼤きな役割を果たすのは、⾔うまでもなく「スピリットガイド」ということになりますね。
「スピリットガイド」≠「ハイアーセルフ」
しかし、ここでもう⼀つ考えなくてはならないのは、この「スピリットガイド」と「ハイアーセルフ」の違いです。
「守護霊 再⽣ -前編-」でご紹介した、江原啓之⽒の「守護霊」観では、私たちと現実的に⾎のつながった「ご先祖様」ではなく、魂の故郷としての「グループ・ソウル」を共有する存在として、「守護霊」が定義されていました。
江原⽒の考えによれば、「守護霊」とは、まさに私たちの「ハイアーセルフ」と同じような存在であり、⾼次元の「私」そのもの。
「亡くなったおじいちゃん(おばあちゃん)が⾒守ってくれている」という⽇本的な「守護霊」のイメージを打ち破る江原⽒の解釈のなかでも、とりわけ独⾃性が強いのは、この「守護霊」=「ハイアーセルフ」という捉え⽅だと⾔えます。
イギリスで伝統的スピリチュアリズムを学んだ江原⽒が、先に紹介した「スピリットガイド」のような、先祖霊とは区別される⾼次の存在を想定するヨーロッパ的「守護霊」観に影響を受けていることはたしかなのですが…
実は、「ハイアーセルフ」という⾼次の⾃分を想定し、それを重視する考え⽅というのは、特にアメリカで発展したもの。
「ハイアーセルフ 再⽣ -前編-」において紹介した、H・P・ブラヴァツキーや、ショーン・ランドールも、アメリカに拠点を置く⼈物でしたよね。
イギリスをはじめとするヨーロッパ圏のスピリチュアリズムでは、そもそも「ハイアーセルフ」についての⾔及が少なく、また、そこで語られる「スピリットガイド」は、スピリチュアル的にハイスペックな⾃分そのものとしての――YOKU STUDIO の定義で⾔えば、⼈⽣の哲学者であり、⼈⽣のデザイナーとしての――「ハイアーセルフ」とはかなりイメージが異なります。
たとえば開堂⽒は、進化した「指導霊(スピリットガイド)」は、「光の世界、メンタル界上層部以上の⾼い世界に、純粋な意識として住んでいる」(同上)と説明しています。
「スピリットガイド」は、私たち⾃⾝である「ハイアーセルフ」よりも、もっと魂のレベルが⾼く、⼀段上のところに⽴って、外部的に私たちを導いてくれるような存在として考えられているわけですね。
「先祖霊」でもなく、「ハイアーセルフ」でもない、その上位概念としての「スピリットガイド」は、まさに「個」のレベルを超えて、私たちを包括的に⾒守ってくれる存在。
つまりそれは、「私」という個⼈の意識だけではなく、同じような価値観を共有するたくさんの意識を含み込む、集合体のようなものだと⾔えるかもしれません。
「個」を確⽴することが重視されていた「分離」の時代から、⾃分と他者との境界のない共同性のなかで⽣きることが重視される「統合」の時代へと向かっている今。
このような、⾃他の区分を超えた「スピリットガイド」のあり⽅こそ、これからの時代にふさわしい「守護霊」の姿だと考えることができるのではないでしょうか?
次回は、「守護霊 再⽣」、いよいよ完結編!
この「スピリットガイド」という存在についてさらに深掘りしながら、もっと⾃由で柔軟な想像⼒に紐づいた、新しい時代の「守護霊」像を、YOKU STUDIOなりに定義していこうと思います!
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