YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。今回、「再生」の対象とするのは、「ハイアーセルフ」です!
「ハイアーセルフ」とは
「ハイアーセルフ」(higherself)という言葉を耳にする機会は多いと思います。直訳すると「より高い自己」ということになりますね。「高次元の自分」、「本来の自分」という意味で、スピリチュアルの世界でよく用いられる用語です。
「魂のブループリント」とも呼ばれるこの「ハイアーセルフ」とつながると、自分自身がこの世に生まれたときに担ってきた使命を、純粋に体現することができるとも言われます。
YOKU STUDIOの活動においても、この「ハイアーセルフ」とのつながりを、とても重視しています。前回の記事で、YOKU STUDIOの理念としての「欲、生きよう」を紹介しましたが、その「欲」とはまさに、「ハイアーセルフ」の望みのことなんです!
しかし、「ハイアーセルフ」がスピリチュアルの世界においてメジャーな用語とはいえ、その定義はかなり曖昧です。それが実際のところ何を指していて、どんなふうに私たちの毎日の生活に影響を与えるのか、という具体的な面は、実はあまり知られていないのではないでしょうか?
そこで今回はまず、この「ハイアーセルフ」という概念の歴史についてわかりやすくまとめていきます!
【神智学】「ハイアーセルフ」≠個性
「ハイアーセルフ」という用語は、古くは神智学の祖である H・P・ブラヴァツキーの著書のなかに、すでに見られます。ロシア出身のブラヴァツキーが、H・S・オルコット共に、1875 年にニューヨークで設立した神智学協会は、近代スピリチュアリズムにとても大きな影響を与えました。
彼女たちの目的は、特定の宗教などを超えた共通の真理・神聖な知識=「神」を追求することでした。
ブラヴァツキーは、まさにそのような真理と結びついた形で、「ハイアーセルフ」(ここでは「高級我」と訳されています)を定義しています。
高級我(Higher Self)とは
(H・P・ブラヴァツキー『神智学の鍵』、田中恵美子訳、電子書籍版、2018 年、第9章「明確なものを表す明確な言葉」より)
アートマンすなわち普遍的で唯一なる我の分離できない光線である。これは我々の内なるというよりも、上なる神である。自分の内なる自我を高級我で満たすことに成功する者は幸いなるかな!
ここで「ハイアーセルフ」と同一視されている「アートマン」とは、「真我」とも呼ばれる、私たちの意識のもっとも深層部分のことです。この「アートマン」は、あらゆる存在を包括する宇宙の根本原理としての「ブラフマン」と一体であると考えられていました。
ということは。「ハイアーセルフ」は、神智学が追求する「神」としての真理と、まさに同一のものとして語られているわけですね。
重要なのは、ブラヴァツキーが、「自我(Ego)」と「我(Self)」を明確に区別していることです。神智学が考える「自我(Ego)」とは、私たち一人一人の個としての魂に結びつくもの。その一方で「我(Self)」は、私たちの個性を超えた、もっと包括的で、唯一のもの。
「私」という個人の魂レベルでの主体性を担うのが「自我(Ego)」で、あらゆる個人を包括する共通原理が「我(Self)」、というと分かりやすいでしょうか?
先の引用部において、ブラヴァツキーが「ハイアーセルフ」について、「我々の内なるというよりも、上なる神である」と語っているのは、「ハイアーセルフ」が私たちの「自我(Ego)」よりも上位の概念であるという図式を強調するためだと考えられます。
つまり19世紀後半の神智学において、「ハイアーセルフ」は、私たちそれぞれの個性を反映するような存在では決してなく、絶対的な宇宙原理(言いかえるならば、「神」、「絶対者」、あるいは「ワンネス」)と同一次元の存在として捉えられていたのです。
【ニューエイジ以降】「ハイアーセルフ」=(超)個性
しかしその後、時代が下ると、「ハイアーセルフ」という用語の意味は変わっていきます。
20世紀後半、ニューエイジ運動が盛んになったアメリカでは、高次存在の意識とつながって情報を伝えるチャネラーたちが活躍するようになりました。宇宙存在「バシャール」をチャネルするダリル・アンカが有名ですね。
そのなかには、「ハイアーセルフ」に言及し、その重要性について語っているチャネラーが多くいます。(バシャールは、「ハイアーセルフ」ではなく、「ハイアーマインド」という言葉を使いますが…)
ただし彼らはそれを、あらゆる人間を包括する共通原理というよりも、もっと個々の人間に近い存在として捉えています。
たとえばショーン・ランドールは、『ハイアーセルフワークブック』のなかで次のように語っています。
私たちひとりひとりの中には、神の一部が存在しています。これをハイアーセルフ、あるいは、大いなる意識と呼びます。誰でも、その人その人の大いなる意識(ハイアーセルフ)と直接にコミュニケートし、情報を手に入れることができます。
(ショーン・ランドール『ハイアーセルフワークブック』、寺尾なつこ訳、株式会社ヴォイス、1991 年、30 頁)
ここでランドールも、「ハイアーセルフ」は「神の一部」、「大いなる意識」であると述べています。しかし、それは「その人その人」に結びついたものであり、また「直接コミュニケートし、情報を手に入れること」ができると言っていることが重要です。彼女は、「ハイアーセルフ」とコミュニケートする目的について、次のように語ってもいます。
ハイアーセルフと関係を築く目的のひとつは、私たちがハイアーセルフの理想や方針や欲求に少しでも近づき、ハイアーセルフの強力な相棒になって新しい何かを創造することにあります。そうすれば、ハイアーセルフは文字どおりの協力者となって、私たちが真に求めてやまない愛や健康や幸福や創造性や強靭な精神力や無限の充実感を得る手助けをしてくれます。さらに、私たちはハイアーセルフの知恵やエネルギーを毎日の生活に取りこめるようになります。やがて、私たちはハイアーセルフを自分の生活と完全に結びつけられるようになり、大いなる意識をもった人間に成⻑するのです。
(同上 32 頁)
この文章から読み取れる「ハイアーセルフ」は、「私」という個人に寄りそい、毎日の生活における手助けをしてくれる、頼りがいのあるパートナーのような存在。
このように、ニューエイジ以降のスピリチュアル言説においては、私たち一人ひとりの人生が充実したものになるようサポートしてくれる、とても身近な存在として、「ハイアーセルフ」が捉えられることが多くなったのです。
「ハイアーセルフ」≒可能性に満ちた「潜在意識」
現代のスピリチュアルにおいて語られる「ハイアーセルフ」は、このような流れの延⻑線上にあります。それはたしかに高次元の意識ですが、私たち個人から遠い、崇高な「神」のようなものではありません。「いつもの私よりもハイスペックな、もう一人の自分」、と言うとイメージしやすいかもしれませんね。
たとえば、心理学の分野などで用いられる「顕在意識」(普段の活動のなかで自覚的に使っている意識)、「潜在意識」(自覚できない意識)という区分けがあります。私たちの「顕在意識」は、じつは「潜在意識」に比べればちっぽけな、氷山の一角のようなものだとも考えられています。
この区分けに当てはめるならば、「ハイアーセルフ」はまさに「潜在意識」であると言えます。
「ハイアーセルフ」は、私たちが普段自覚していない自分の意識領域であり、そこには本来、非常に大きな可能性が眠っているわけです。
つまり、あらゆる人間は、それぞれに「ハイアーセルフ」という可能性に満ちた意識領域を持っているのであって、それをうまく活用していくことで、もっともっと毎日を輝かせることができるのです!
次回は、YOKU STUDIOによる「ハイアーセルフ」の定義、そして私たちの日常生活に「ハイアーセルフ」の意識を生かすメリットやその方法について、具体的にお話ししていきます!
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