SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画 第38回 輪廻転生 再生⑪

SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画 第38回 輪廻転生 再生⑪

YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。
今回は、「輪廻転生 再生」シリーズの第11弾です!

前回は、古今東⻄の「輪廻転⽣」の想像⼒の根底にある⼈間⼼理を分析した上で、現代のアセンション期にふさわしい「輪廻転⽣」の形を考えました。 

「輪廻転⽣」の想像⼒は、私たちに、個⼈の有限の⾁体を超えた魂のつながりの感覚をもたらしてくれます。 

しかしそれが、現世における「いまここ」の⽣をあきらめ、死後の「より良い」未来を望む思想と紐づくと、魂レベルの優⽣思想のようなものが⽣まれてしまうのです。   

そこで YOKU STUDIO では、「いまここ」を肯定し、「いまここ」を基点とするネットワークに依拠するものとして、「輪廻転⽣」を再定義します!  

「アセンション」した意識にとって、「輪廻転生」というのは、死後の幸せを夢見る想像力ではなく、「いまここ」の可能性を最大限に生かすための想像力になるはずです。

今回はまず、フレデリック・マイヤース+ジェラルディン・カミンズの「グループソウル(類魂)」理論を考察することで、「輪廻転生」再生の土台を作っていこうと思います。

翔哉
執筆者

スピリチュアルカウンセラー。YOKU STUDIO 代表、ナチュラルプラネット(下北沢のカウンセリングサロン)オーナー。豊富なカウンセリング・指導経験を生かして、スピリチュアルを理論的・実践的に捉え直し、日常生活に根ざしたものにしていくために活動しています。

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・マイヤースの霊界通信

「グループソウル」というのは、ジェラルディン・カミンズが 1932 年に著した『永遠の大道』(原題 “The Road to Immortality”)という書籍に登場する概念です。

カミンズは女性霊媒であり、フレデリック・マイヤースと名乗る霊からのメッセージを、自動書記によって記録しました。

フレデリック・マイヤース(1843-1901)は、古典文学者、心霊研究家として活躍し、生前いくつもの著作を遺した人物でした。

このマイヤースが、死後に霊界から送ってきたメッセージが、近代・現代のスピリチュアリズムに大きく影響を与えるような書物になったのだから、面白いですよね。

『永遠の大道』は、霊的世界の構造について詳細に語られた霊界通信ですが、そのなかで提示された「グループソウル」 “group soul”という概念が、非常に注目されることとなります。

ちなみに『永遠の大道』ほか、マイヤースの霊界通信を日本語訳したのは「守護霊 再生」でも詳しく触れた、浅野和三郎です。

浅野は、「グループソウル」を「類魂(るいこん)」と訳した上で、この概念を高く評価しています。

特筆すべきは、日本語版『永遠の大道』に付されている、浅野独自の見解を織り交ぜた詳細な訳注!

彼が、単にこの霊界通信を翻訳するだけではなく、その考え方を緻密に検討し、自らの霊的世界の研究に生かそうとしたことがうかがえます。

浅野和三郎という人物は、日本における近代スピリチュアリズムの普及に関して、まさに随一の功労者と言えるように思います。

・「グループソウル」とは?

さて、この「グループソウル」=「類魂」とは、一体どのようなものなのでしょうか?

マイヤースは、このように語っています。

類魂グループ・ソールは之を単数と見れば単数、複数と見れば複数でもある。すべてに共通する。『スピリット』の力によりて同系の『 ソール』達が一つに集合するのである。これは多分前にも一度述べたと思うが、脳の中に幾つかの中心があると同一筆法で、心霊的生活に於ても亦、一個のスピリットによりて結びつけられたる幾つかのソールがありそしてそれ等の魂は、栄養素を右のスピリットから供給せられるのである。

(G・カミンズ『永遠の大道〔本文復刻版〕新装版』、浅野和三郎訳、潮文社、2005 年、70 頁なお、本書における旧字体は新字体に改めた。)

私たち一人ひとりの「魂(ソウル)」というのは、「霊(スピリット)」が統括するグループに所属している。

そのグループこそ、「グループソウル」=「類魂」です。

個人の魂は、それぞれ独立して存在しているように見えるけれど、実は魂レベルの仲間たちと構成するグループの一員なのだ、というのが、マイヤースの考えなのです。

同一霊の内に含まるる魂の数は二十の場合も、百の場合も、又千の場合もあり、その数は決して一定していない、各人各様である。仏教徒の所謂ごう(羯磨)―あれはその通りに相違ないが、しかし大概は自分自身の前世の業ではなく、自分よりはずっと以前に地上生活を営み、そして自分の地上生活の模型を残してくれた、類魂の一つが作った業なのである。同じ筆法で、自分自身も亦、自分の地上生活によりて、同系の他の魂に対しての模型を残すことになる。かくてわれわれは、何れも独立的存在であるが、同時に又、種々の界で連係的に働いている所の、他の類魂の強烈なる影響を免れないのである。

(同上 71-72 頁)
※筆者による註
「羯磨」=「カルマ」

マイヤースは、「輪廻転生」を、この「グループソウル」単位で生じるものだと考えます。彼の語る「生まれ変わり」は、ある人格を構成していた魂がその人格を保持したまま生まれ変わるという、個人レベルのストーリーではありません。

ある「グループソウル」に所属する魂が送った地上生活のモデルが、同じ「グループソウル」の一員である別の魂に引き継がれる。

それが「生まれ変わり」のメカニズムだと論じるのです。

マイヤースは「グループソウル」という概念を用いることによって、「ウパニシャッド」以来、洋の東⻄を問わず多く語られてきた、個性と結びついた「我」が、肉体の死を超えて、同一人格的に受け継がれていく、という「輪廻転生」観を否定しました。

それに伴って、個人が犯した前世での罪としてではなく、「グループソウル」の構成員が送った地上生活のモデルの蓄積として、「カルマ」が捉えられるようになるわけです。

・魂のネットワークとしての「グループソウル」

ではその「グループソウル」単位での「輪廻転生」は、なぜ起こるのでしょうか?

マイアースは、「グループソウル」を構成する魂が「輪廻転生」を通してたくさんの経験を積むと、「グループソウル」全体が進化し、至高の状態に近づいていくことができるためだ、と考えました。

「グループソウル」を統括する「霊(スピリット)」からの指令によって、個々の魂は地上に繰り返し生まれ、各々の人生を歩み、グループの霊的な進化向上に貢献する、というわけです。

彼は次のように語っています。

類魂の統括霊たる『 スピリット』が、生命と光明とを賦与するものは、進化のさまざまの階級に置かれたる、各種各様の生物である。その代表的なものを挙げれば、草木、花、鳥、虫、魚、獣、ならびに人間の男女などである。つまり本霊はたった一つで、さまざまの世界、さまざまの意識の階段に於ける魂達を養うのである。なお本霊の威力は、他の天体の生物にも延びる。何となればスピリットとしては、ありとあらゆる形式に於ける、無尽蔵の経験を積まねばならぬからである。之等の魂達は次第次第に進化し、そして最後に融合する。目的の完成は、所属の一切の魂たちがこの第五界に達した時である。かくていよいよ彼等すべてが、個性即全性、差別即平等の実相に徹底したとなれば、彼等は直ちに第六界に前進する資格ができる。その時こそ一切の紐の断たれる時、一切の心の糟粕かすの放棄せらるる時で、所属の魂達の間に思い切った淘汰改良が行われる。彼等は肩を並べて再び冥府入りをやる。そしてその状態に於て、後に見棄てた過去の閲歴のすべてを回顧点検する。

(同上 88-89 頁)

「グループソウル」内には、植物、昆虫、動物、人間、あるいは他の天体の生物など、様々な進化の過程にある魂がいるが、各々が「輪廻転生」を繰り返し経験値を上げることで、すべての魂が一定のレベルまで進化することが望まれる。

そうすれば、「グループソウル」内の魂はすべて融合し、現世や自己への執着を乗り越えた、より高次の世界にいたることができるのだ、というのです。

マイヤースは、私たちが生きる三次元の世界を、第一界「物質界」と呼び、その上位にあたる、肉体を離れた魂が赴く死後の世界を、六段階で規定しました。

(一) 物質界
(二) 冥府又は中間境
(三) 夢幻界
(四) 色彩界
(五) 光焔界
(六) 光明界
(七) 超越界

(同上 17 頁)

「グループソウル」を構成する魂のすべてが、進化の果てに第五界「光焔界」にいたった時、それらの魂は融合し、その上の第六界「光明界」、さらに上の第七界「超越界」への道筋を歩み出すことができる、と彼は言います。

つまり、マイヤースはやはり、死後「より良い」世界に赴くことを目指しての進化向上のプロセスとして「輪廻転生」を捉えているわけで、その点では古今東⻄の「輪廻転生」観に結びつきがちな優生思想の萌芽を、そこに見出すこともできます。

だからこそ、その「グループソウル」という概念、そしてそれに基づいた「輪廻転生」観は、霊的進化向上をその至上命題とする近代スピリチュアリズムのなかで大きく注目されることになり、現代のスピリチュアリストたちにも大きな影響を与えることになったのだと考えられます。

(ただし、マイヤースが「グループソウル」の構成員として、人間の魂だけではなく、動植物や他の天体の生物の魂などを想定しており、彼の見据える霊的進化が、「人類」あるいは「地球」という範疇に限定されない、広範なものだったということは特筆すべき点です。)

霊的世界の構造として魂のグループを想定し、それを「輪廻転生」の母体とする考える説は、今日でも、スピリチュアルの世界でかなりメジャーです。

たとえば前々回紹介した、サアラ氏の「輪廻」と「転生」を区別する考え方も、「ソウルグループ」の存在を前提したものでしたよね。

しかしながら、マイヤースの理論の重要性は、死後の「より良い」世界を目指しての霊的進化向上のプロセスを「グループソウル」という概念によって解説したことにではなく、むしろ「輪廻転生」の背景に、魂の複合的なネットワークを想定したことにこそ、あるのではないでしょうか?

つまり、「グループソウル」という概念を設定することによって、過去世-現世-未来世という時間軸に沿って一つの魂が受け継がれていくような、直線的な魂の連続性ではなく、複数の魂が、過去世-現世-未来世を共有しながらつながり合うような、ネットワーク的な魂の連続性を考えることができるようになったわけです。

ただしマイヤースの理論では、そのような「グループソウル」のつながりの認識は、何度も「輪廻転生」を繰り返して進化した魂が、死後の世界にいたることで、初めて可能になるものでした。

しかし後年になって、そのような魂のネットワーク的つながりを、この地上に生きながらにして体感することが可能なのだと説く人物が登場します。

それが、バシャール(ダリル・アンカ)です。

バシャールは「グループソウル」ではなく「オーバーソウル」という言葉を使いますが、彼の言うそれは、私たちの過去世や未来世の集合体であり、私たちが「いまここ」からアクセス可能なネットワークです。

時間・空間を超越した魂のネットワークとしての「オーバーソウル」に、私たちが生きながらにしてアクセスできるのだとするバシャールの理論は、「いまここ」を基点としながら過去世や未来世とのつながりを獲得するという、アセンション期にふさわしい「輪廻転生」の形を考える上で、とても重要です。

次回は、このバシャールの理論を詳しく考察し、いよいよ YOKU STUDIO 的「輪廻転生」の再定義に入っていきます!

お楽しみに。

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