SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画 第35回 輪廻転⽣ 再⽣⑧

SPIRITUAL REBIRTH PROJECT 連載企画 第35回 輪廻転⽣ 再⽣⑧

YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。

今回は、「輪廻転⽣ 再⽣」シリーズの第8弾です!

前回は、近代スピリチュアリズムにおける「輪廻転⽣」の重視が、実は当時の最先端の科学や哲学思想と関連していた、というお話をしました。

それまでのヨーロッパ社会を⽀えていたキリスト教の権威が、明らかに失われつつあったこの時代。

神の国における救済をただ待つのではなくて、⼈間の「理性」を最⼤限に活かすことで、この地上における⼈類のより良い未来を実現していくべきだ、というモチベーションが広く共有されていました。

それは、不完全な過去から完全な未来へと向かっていく、⼈類の進歩のプロセスを重視する考え⽅であり、その⼀つの表れが、チャールズ・ダーウィンの「進化論」と⾔えるでしょう。

⼈間の「⽣まれ変わり」は「霊的進化」のために必要な魂の学びであると考える、近代スピリチュアリズムにおける「輪廻転⽣」思想は、まさに魂の「進化論」だったのです!

「霊的進化」のプロセスとして「輪廻転⽣」を捉えるこの考え⽅は、現代のスピリチュアリズム、特に「アセンション」にまつわる⾔説にも、⼤きな影響を与えています。

今回は、⼈類規模の魂の進化として「輪廻転⽣」を捉えた、神智学協会の創設者であるH・P・ブラヴァツキー、そして、神智学の影響を受けつつも独⾃に「⼈智学」を発展させたルドルフ・シュタイナーの考え⽅にせまります!

翔哉
執筆者

スピリチュアルカウンセラー。YOKU STUDIO 代表、ナチュラルプラネット(下北沢のカウンセリングサロン)オーナー。豊富なカウンセリング・指導経験を生かして、スピリチュアルを理論的・実践的に捉え直し、日常生活に根ざしたものにしていくために活動しています。

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・神智学における「輪廻」

あらゆる宗教の違いを乗り越え、⼈間の本質としての宇宙的真理、つまり「神智(神聖な知恵)」を追求することを⽬指す神智学では、そのような真理に近づいていく上で不可⽋な学びとして、「輪廻」があると考えます。

ブラヴァツキーは、1889 年に『神智学の鍵』という書物を発表していますが、そこには神智学における、「霊的進化」としての「輪廻」の捉え⽅が、明確に⽰されています。

私達の今⽣が前⽣によって残された種から成⻑したある性質の発達によるものであるという原理は、未来にも当てはまります。普遍的な因果関係は単に現在だけでなく、過去、現在、未来にもあるという考えを⼀たび理解すれば、この世でのあらゆる⾏動の意味が理解でき、⾃分⾃⾝や他の⼈達に対するその⾏動の本当の関係が分かってきます。卑しく利⼰的な⾏為はみな、私達を前進させず退歩させます。しかし、⾼尚な思いと⾮利⼰的な⾏為はすべて、より⾼いもっと輝かしい界層への⾶び⽯となります。もし、今⽣がすべてであるとすれば、多くの点で本当にみじめでつまらないものです。けれども次の⽣の準備として考えれば、今⽣は彼⽅にある宮殿に向かう⾃⼰中⼼的な⼀⼈旅ではなく、仲間と連れ⽴ってくぐる⻩⾦の⾨として活⽤することができるのです。

(H・P・ブラヴァツキー『神智学の鍵』(電⼦書籍版)、⽥中恵美⼦訳、UTYU PUBLISHING、2018年、第 12 章「実践的神智学とは?」より)

ブラヴァツキーは、今⽣という限られた時間性だけで⼈間を捉えるのは「本当にみじめでつまらない」、⾃⼰中⼼的な考え⽅だと⾔います。

しかし、私たちが「輪廻」を繰り返していると、つまり前世からの連続として今の⼈⽣があり、今の⼈⽣からの連続として来世があるのだと考えるならば…

より⼤きなスケールで、魂の進化向上という私たちの⽣の⽬的を把握することができるのだ、と考えるのです。

またブラヴァツキーは、前世からの因果法則としての「カルマ」の法則に則って、私たちはこの世に⽣まれ、様々な経験を積んでいくとすると語ります。

しかし彼⼥の⾔う「カルマ」の法則は、単に「前世で悪いことをすると今⽣で罰せられる」といったものではなく、私たちが真理へと近づいていく「霊的進化」のための法則に他ならないのです。

「カルマ」を抱え、「輪廻」を繰り返していくことは、不幸なことではない。

神智学の教えにおいては、それは、私たちが最善の状態に⾏き着くために不可⽋な経験なのです。

・⼈類規模で「輪廻転⽣」を考える

そして、神智学における「輪廻転⽣」観を語る上でとても重要なのは、それがまさに⼈類規模のスケール感を持つ思想であることです。

ブラヴァツキーは、神智学の⽬標として「⼈類の発達」があることを明⾔していました。

神智学徒がいつも⼼に留めているのは、⾃分も他の⼈達も共にその構成員である⼈類の発達です。また、⾃分の内にある最⾼のものに反応しそこなうと、⾃分⾃⾝だけではなく、すべての⼈々の前進をも遅らせることを知っています。神智学徒は⾃分の⾏為により、⼈類が次のより⾼い世界に達する機会を困難にも容易にもすることができるのです。

(同上、第 12 章「実践的神智学とは?」より

彼⼥は、個⼈が「輪廻」の学びを繰り返した先にあるものは、個⼈の幸福ではなく、⼈類の進化向上である、と説きます。

この世における私たち⼀⼈ひとりが、⾃分⾃⾝のことだけを考えるのではなく、個⼈的な慈善をするなどして他者に対しても愛を注ぐことで、最終的に⼈類全体が⾼次の世界へと達することにつながっていく、と考えるのです。

このような考え⽅は、これまで紹介した多くの「輪廻転⽣」思想が、修⾏や学びによって欲望を断ち切れば⽣まれ変わりの苦しみから逃れることができるという、個⼈的な解脱の道を説いていたのと対照的ですよね。

この「輪廻転⽣」観が⽣まれた要因としては、もちろん当時の時代潮流からの強い影響が想定できますが、神智学の根本に、全ての⼈類が、⼈種や肌の⾊、貧富の差などによって区別されずにつながり合い、共に発展していくことを⽬指す思想があったことが⼤きいと⾔えるでしょう。

神智学的な、⼈類規模の進歩を⾒据えるスケール感は、現代スピリチュアリズムにおける「アセンション」⾔説に、確実に通底するものであるように思います。

また補⾜として⾔及しておきたいのは、このようなグローバルな視野を有していた神智学が、⻄洋神秘主義と東洋思想の架け橋として機能したことです。

「チャクラ」の受容にも神智学が深く関わっていたことはすでに「チャクラ 再⽣」でもお話しましたよね。

『神智学の鍵』のなかで「輪廻」が説明される際にも、新プラトン主義をはじめとする⻄洋神秘主義の伝統だけではなく、バラモン教・仏教などの古代インド思想における⽤語が、数多く使われています。

たとえば「アートマン」。「ウパニシャッド」においてそれは、「輪廻」の苦しみから抜け出すために、その認識にいたることが不可⽋な「真我」として語られていました。

ブラヴァツキーは、その「アートマン」=「ハイアーセルフ(⾼級我)」を、唯⼀絶対の宇宙真理そのものとして捉え、その光を⼈間の意識に媒介する下部構造として「ブッディ」があり、そしてさらにその下に「マナス」があるのだと、独⾃の階層性を定義しました。

「マナス」は「霊的⾃我」であり、「輪廻」の主体として、⾁体を超えた連続性を有するもの。

この「マナス」が、個々の有限の⾁体に宿る「⼈格我」に投影されることで、「輪廻」が起きると考えたのです。

このように、東洋思想の影響を⼤きく受けながらも、それを新しく読み替えることで神智学の教義が⽣成されていきました。

当初アメリカ・ニューヨークで結成された神智学協会における、⻄洋と東洋の神秘主義の折衷の試みは、その後アメリカで盛んになったニューエイジ運動の源流として⾒なすことができます。

神智学は、スピリチュアリズムのグローバリゼーションにおいて、かなり重要な役割を果たしたと考えて間違いないでしょう。

・シュタイナー的「輪廻」は宇宙規模!

そして、ここでもう⼀つ注⽬すべきなのは、ルドルフ・シュタイナーの「輪廻」観です。

「カルマ 再⽣」でも⾔及した通り、シュタイナーは元々、神智学協会の会員だったのですが、後に脱退し、独⾃に「⼈智学」という思想運動を展開しました。

そのため、彼の「輪廻」観は、神智学の影響を⼤きく受けつつも、そこに強いオリジナリティが加わったものになっています。

その思想は複雑で、詳細に検討するには膨⼤な時間がかかってしまうのですが…

端的に⾔うと、シュタイナーは、⼈間が「輪廻」の学びを繰り返して霊的に進化していくプロセスを、地球という惑星が進化していくプロセスと結びつけたのです。

どういうことでしょうか。

シュタイナーの思想によれば、私たちが住むこの地球は、「⼟星紀」→「太陽紀」→「⽉紀」→「地球紀」という段階を踏んで進化してきました。

(ここで⾔う「⼟星」、「太陽」、「⽉」というのは、実際に太陽系に存在する天体を指すのではなく、それぞれの段階における地球の状態を形容する語です。

そしてこれから先の地球は、「⽊星紀」→「⾦星紀」→「ウルカヌス星紀」という形で進化していく。

シュタイナーは、個々の⼈間存在もまた、地球と同じような段階を踏んで進化していくと考えました。

1910 年に発表した『神秘学概論』で、彼はこのように語っています。

「⼟星」において「意志の霊たち」によって⼈間の物質体が形成され、「太陽」において「叡智の霊たち」によって⽣命体が形成され、「⽉」において「動きの霊たち」によってアストラル体が形成されたように、「地球」時代に「形態の霊たち」によって⼈間の「⾃我」が形成されたことによって、⼈間は⾃分を霊的世界の独⽴した⼀員と感じるようになったのである。(中略)⾃我は将来、「地球」状態をとおして叡智に注ぎ込まれる⼒によって、「地球」の存在、「⽊星」の存在、「⾦星」の存在、「ウルカヌス星」の存在と調和することになる。その⼒は、愛、の⼒である。「地球」の⼈間のなかで、この愛の⼒は発芽する。そして、「叡智の宇宙」は「愛の宇宙、、、、」へと進化していく。

(ルドルフ・シュタイナー『神秘学概論』、⻄川隆範訳、イザラ書房、1992 年、386-387 ⾴)

これまで獲得してきた物質体・⽣命体・アストラル体・⾃我に加えて、将来的に「愛、の⼒」を獲得し、より⾼次の段階へ向かっていこうとしている⼈間の霊的進化を、地球そのものの進化と結びつけことで、シュタイナーは「輪廻転⽣」を、宇宙規模の運動として定義したんですね!

シュタイナーの思想が有していた、宇宙規模の進化を⾒据えるスケール感は、現代スピリチュアリズムにも多⼤な影響を与えているように思います。

特に昨今盛り上がっている「アセンション」⾔説というのは、⼈間の魂の次元上昇と地球の次元上昇とをパラレルに捉えるものであり、まさに宇宙的な想像⼒がベースとなっているんです。

そこで次回からは、ここまでの流れを踏まえて、現代スピリチュアリズムにおける宇宙規模の「輪廻転⽣」観を分析していきたいと思います!

お楽しみに。

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