ディドロ効果とは何かというテーマでご紹介します。
わかりやすさを重視して意味を詳しく解説します。
皆様は何かの商品を一つ買うと、他の商品も買いたくなったことはありませんか。
その商品に付随する同様の物も揃えたくなる心理が働きます。
書評で作者が同じ本を買いたくなるのもそうですし、ユニクロの服を買ったら、ほかの同一商品のカラーの物も買いたくなるということもあるでしょう。
これが行動心理学でいうディドロ効果の力なのです。
ディドロ効果とは聞き慣れない言葉だと思いますが、ビジネス面やプライベート面での生活の基盤を軌道に乗せたい人にはお勧めのメソッドなのです。
ディドロ効果の意味をよく理解し、そもそもディドロ効果とは何なのかと知っておくことで活用方法がわかるのです。
ディドロ効果をしっかりと理解して、消費の仕組みをよく知っていただきたいのです。
なぜならば、ディドロ効果は様々なところで使用されているからです。
リード文はこのくらいにして、次の章から本題に入ることにします。
ディドロ効果とは
ディドロ効果とは、自分が気に入った商品やサービスを購入すると、その他の物も気に入った商品に合わせた物で統一したくなる心理効果のことを言います。
ビジネスやマーケティングのなど、様々な多岐に渡る場面で使用されている心理学用語です。
ディドロ効果を上手く活用して、顧客単価のアップを図り、リピーターの獲得につなげましょう。
関連商品を次から次へと買い揃えたくなるというディドロ効果が大いに影響しているのです。
これは資本主義でいう消費拡大の心理効果とも言います。
誰でも好きな商品や気に入っている物はあるはずです。
例えば、気に入っている洋服があるとします。
それを一着購入すると、その洋服に合ったアクセサリーが欲しくなるものです。
この心理作用がディドロ効果によるものです。
腕時計を購入したら、この腕時計に合う洋服を買いたいと思いますし、関連商品を探ってしまう傾向は誰しも経験するものなのです。
ディドロ効果を巧みに使ってリピーターを増やしましょう。
統一したい欲求があると、他の物まで買ってしまいますし、特にソーシャルゲームはディドロ効果の作用が強いので、注意が必要です。
マーケティングの場面でディドロ効果を使う時は、よく考え、オリジナリティを高めておくことが何よりです。
独自性を高めて、差別化を図り、シリーズ化にして売ったり、セット商品を販売するなどの工夫をしましょう。
ディドロ効果を知っている人はよく認知していますし、知らない人は全く理解していない現象です。
ところで、皆様は好きな映画のシリーズは全部見たいと思いませんか。
これもディドロ効果が大きく影響していますし、面白いと全部見てしまうのです。
ですから、映画などのシリーズものは最初の一話目が非常に肝心です。
力を入れて作品を作り、一話目で勝負をかけることが大事なのです。
ディドロ効果の由来・起源!誰が提唱した?
この章では、ディドロ効果の由来を書いていきます。
人は不思議なもので理想的な価値を追い求めますし、その理想的な価値に合わせたいという願望があり、所有物や環境を統一させたいと思うものです。
そのような経験は皆、誰しも経験するでしょうし、子供の時でも大人になった時でも、ガチャガチャを回した時に何度も硬貨を投入してやってしまう体験はあるでしょう。
ディドロ効果の由来、起源についてご紹介します。
18世紀のフランスの哲学者であり、思想家でもあるドゥ二・ディドロです。
書斎で生活していたディドロが友人から赤色のドレシングガウンをプレゼントされたことがきっかけです。
書斎が地味でみすぼらしかったため、派手なガウンが自分の所有物と家具と合わないと感じました。
そこで統一感と一貫性を持たせたいと思い、ディドロはタペストリー、椅子、机、本棚、時計を買い直しました。
基調を揃えるために、新しく買ったのです。
これを基に文化人類学者のグラント・マクラッケンがディドロのエッセイを見て、1988年に文化と消費とシンボルとというタイトルで所有物、環境の調和を求めて次々に物を消費する心理として提唱し、ディドロ効果と命名したことが由来でもあり、起源でもあります。
ここでは、ガウンをいただいたことがディドロ効果の由来でしたが、高品質な物を貰うと他の物まで高級で揃えたくなる心理が働くのです。
なんでも統一したくなる心理・一貫性の原理はなぜ起こる?
一貫性を保とうとする性質が人にはありますし、これを一貫性の原理と呼びます。
この一貫性の原理が働くためにディドロ効果は起こるのです。
ところで、この一貫性の原理とは何なのでしょう。
そもそも人には、自分の言動や態度、信念を最後まで一貫したものにしたいという心理が働きます。
この心理のことを一貫性の原理と言います。
例えば、映画を観ている時に観たい映画が面白くなかったが、最後まで見てしまったなどという経験はないでしょうか。
これもディドロ効果です。
皆様は好きな歌手だからという理由でCDを買い揃えたことはないですか。
そうです、これもディドロ効果の影響です。
ディドロのエッセイが発端となっていて、新しく買い直すというディドロの姿がディドロ効果発祥のきっかけです。
新しい物を買うと、人は他の物も買いたくなるのであって、整合性と統一感を求めるのです。
そのようにすれば、他者から評価を受け、行動面や発言、態度を整えたいと思う心理です。
ディドロ効果の実験・論文
ディドロ効果の論文としては、一橋大学の松井剛さんが興味深いものを出しているので、参考になります。
これは、なぜ人は消費するのか、他者という視点というタイトルの論文ですが、どうして消費するのかという視点で書かれています。
消費者は王様か、それとも裸の王様かというテーマで書かれていますし、他者の存在というものがあるから消費することが分かります。
消費は自分で行うのだが、他者の存在の影響が大きいと述べられているので、自由に行っているのではないということが理解できます。
一貫性を追求するのは、その当事者が求めているのだと思うし、誰もが同じ基準ではないのです。
統一や配置、組み合わせなど、どのような項目であれ、同じ基準の人はいないのであって、心の中に他者の存在がいて、どう見られるかを気にしているのです。
価値基準は人によって異なるし、色々な要素が個々の消費行動と関係しているのです。
ディドロ効果の具体例・マーケティング活用例
さて、ディドロ効果はどのようにマーケティングで活かされているか見ていきましょう。
ディドロ効果自体は様々な店舗で使われていますし、その目的は消費者獲得とまとめ買いによる売り上げ拡大が狙いです。
小売業は売り上げを結果としているため、いかにして売るかを試行錯誤しています。
アパレル、インテリア、スマホゲームなどにディドロ効果のマーケティング応用がされていますし、マーケティング手法として用いられています。
この一つがセット買い手法です。
店屋で皆様は、コミックのセット販売を見たことはないですか。
セット買いが狙いなので、まとめて売る訳です。
揃えたいという消費者の意識を触発し、スマホゲームの課金などがあるのです。
課金ゲームは全部コンプリートしたいという消費者、あるいはゲーマーの心理を上手く利用したものです。
他にもディドロ効果はあります。
マネキンに一式コーディネートをさせている模型のようなものを見たことはないでしょうか。
こんな組み合わせをしたら最高だと謳っていますが、それもディドロ効果なんですよね。
あんな物があると全部買いたくなりませんか。
そうなんです、一緒に購入してもらうために販売を促しているのです。
消費者の購買意欲を高め、経済を回していくための様々な工夫がなされているのです。
人は所有物の釣り合いを求めているのです。
揃えたいから、買うのです。
靴を揃えたいと思う人やバッグを同じ色の物が欲しいとか、アクセサリーを違うデザインの物まで欲しいとか、事情は色々だと思いますが、人の買いたい心理は共通しているのです。
ディドロ効果を活用した企業の例
ディドロ効果を活用した企業の例は色々あります。
シリーズで商品ラインナップを作るなど、揃えて利用できるというのはポイントです。
企業も工夫が必要であり、ラインナップ一式を揃えることが必要となってきますし、統一感が生まれ、ユーザーの購買意欲を掻き立ててくれます。
ツァイガルニク効果との併用も効果的ですし、工夫次第で色々と方法はあります。
ブランド品だとディドロ効果は発揮されやすく、リピーターは増えます。
独自の世界観があれば、消費者は興味を持ち、リピーターを獲得できます。
そのいい例がアップル製品でしょう。
この会社の製品はオリジナリティがありますし、何よりもデザインがシンプルで美しいのが強みです。
他の製品とはお洒落間が群を抜いていますし、一つ買うと買いたくなりますし、デザインがカッコいいから誰もが気に入るはずです。
企業のディドロ効果は絶大ですし、インパクトがあります。
ディドロ効果はお金を動かす力、すなわち、経済を回す力があるのです。
これは大事ですし、経済が停滞すると、消費も停滞しますし、経済を回すこと自体にはすごく意味があります。
ディドロ効果を活用して企業は売るための努力と戦略を練っていますし、人が調和と統一が取れた状態を目指していることを知っているため、その部分をついた心理作戦を企業は使っています。
ディドロ効果の対処法
ディドロ効果の対処法は、商品を見極めることです。
何でも買い込んでいたら、物が増える一方です。
本当に必要な物だけを買うようによく吟味し、見極めることが何より重要です。
何に使うのか、どういう用途でその商品を買うのかを明確にし、買ったら以前のバージョンの物はどうするか、処分するのか、人に譲るのかといったことまでよく考えることが大事です。
ただ何となく買っていたら、粗悪品まで買ってしまい浪費する羽目になりますので、注意が必要です。
見栄で買うのは大きな浪費となりますし、見栄を張る必要はないです。
人にどう見られるのかを気にするのではなく、自分が本当に欲しい商品なのか吟味すべきです。
また、ストレスから衝動買いをすることもあると思うので、自分なりのストレスの解消方法を見つけておくことが浪費から身を守るポイントだと思います。
まとめ
ディドロ効果とは、とても効果があるので、浪費する可能性があります。
しかし、企業が消費者に買ってもらうという点や経済を循環させるという点においては、大きな効果があるのです。
ディドロ効果も使いようですし、上手に活用できたらいいと思うので、メリットを把握しておくべきです。
買って悪いということはないですし、むしろ売り上げに貢献し、企業貢献と他者貢献をしたと思えば、喜ばれるだけでなく、いいこと尽くしです。
ディドロ効果にまんまとハマり、買い揃えることもいいことですし、節約ばかりでは人生がつまらないものになってしまいますし、味気ないです。
ディドロ効果で顧客単価を上げていき、販売促進という企業の目標に貢献してあげることも消費者としては重要なことです。
消費者と企業は支え合いですし、売ったり、買ったりすることを通して、ビジネスは成り立っているのです。
物を揃えたいという心理はごく普通のことですし、ある種の自己表現なのです。
それは普通のことであり、買いたいという欲求を持つこと自体はいいことなのです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これらの記事が皆様の何かのお役に立てば幸いです。
読者の皆様に何か感じるものがあれば、この上なく嬉しいです。
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