スリーパー効果って聞いたことがありますか。
例えば、人の話を疑ったことはないですか。
時間が経過するにつれてその人の話を信じるようになった経験ってないですか。
それは心理学用語でスリーパー効果とい言われるものかもしれないのです。
本記事では詳しくスリーパー効果という現象について解説してきます。
スリーパー効果とは
ここでは、スリーパー効果とは何ぞやというテーマについて説明します。
ずばり言うと、時間の経過とともに情報の説得性が増すという効果のことを指します。
イメージとしては段々と膨れ上がる感じです。
最初に聞いた時は信ぴょう性がないと思った情報でも、時が経つと本当のことかもしれないと思う現象を言います。
時間の経過とともに発信された情報が信用度を増してくるのは、スリーパー効果ならではのことです。
スリーパー効果とは時間の経過により記憶に残り方が強くなることを意味しています。
信用できないような詐欺の話であっても時間の経過とともに信用してしまうのがスリーパー効果です。
人間の脳は情報と情報源を自ずと切り離して記憶に残してしまうのです。
スリーパー効果はビジネスなどの様々な場面で利用されています。
週刊誌やテレビのワイドショーなどもスリーパー効果の活用例と言えます。
なぜならば、根拠の弱い情報が含まれているからです。
最初は見たり聞いたりした情報を信じようとはしないものです。
スリーパー効果とは時間が経過するとともに情報の信頼度より、その情報そのものを信頼してしまう効果のことです。
情報の中身を記憶し、情報の信頼性を忘れてしまう、言い換えれば眠ってしまうということを意味してるのがスリーパー効果です。
情報のことは1カ月で忘れるのが人間ですし、人は忘れやすい生き物なのです。
スリーパー効果をわかりやすく解説!
時間の経過とともに情報ソースは忘れ去られすのが普通ですが、その情報のみが頭に残るというのがこのスリーパー効果の特徴です。
コミュニケーション効果の一つがこのスリーパー効果と言われる心理効果です。
スリーパー効果と居眠り効果とか仮眠効果と言われることもあります。
コミュニケーション効果とは意見や態度の変化をもたらす効果のことを言います。
人は情報を知った時にその情報の発信源は何であるか、その情報の中身どのようなものかという観点で情報を判断します。
人は情報を聞いた時は、その情報の発信源は何であるかに関心を強く抱きます。
その発信源で情報の信用度を見極めます。
ですが、数日、数カ月と経つにつれて情報を忘れていきます。
発信元の情報の信用度が低くても一定時間経過するとともに情報の中身の信用度が増してきます。
この情報の信用度が増すことをスリーパー効果と言います。
時間がどんどん過ぎるにつれて記憶が薄れていった経験はないですか。
そうなのです。
記憶は忘却していくものなのですが、スリーパー効果に関していうと、情報の中身が本物らしく思えてくるのです。
スリーパー効果が起こるには条件が必要です。
情報に対して信頼性が低いことと情報のインパクトが大きいことの二つが必要です。
情報のインパクトが小さいとどうでしょうか。
情報の抜けが早くなるので、インパクトは大きい方がいいです。
スリーパー効果の提唱者
スリーパー効果の提唱者は、アメリカの心理学者カール・ホブランド氏が提唱しました。
スリーパー効果が明白になった背景には、第二次世界大戦があります。
アメリカでは敵国側に対する反感を抱かせるために、Why we fightというタイトルのプロパガンダ映画が兵士たちに向けて上映されたのです。
約1カ月で情報は薄れていくのですから、不思議なものです。
信頼度が薄い情報は時間が経てば、記憶は強固なものになり、忘れにくくなります。
スリーパー効果を活用するには1カ月がいいとされています。
時間が経過するにつれて説得効果が増すというのがスリーパー効果というものです。
時間を置くことで信ぴょう性の低い情報でも情報源と切り離されてしまい、最終的に情報だけが残るというのがスリーパー効果です。
このビジネスにも活用可能なスリーパー効果ですが、ポイントを抑えておかなければ使いたくても使うことができません。
使い方を間違えたりすると、受け手側に悪印象を与えてしまいますので、注意が必要です。
内容よりも情報源を重視し、人はあの人の情報源は信用できるとか、信用できない情報を発信する人だとか判断しています。
信頼できる情報を発信する人には、情報の信ぴょう性が高いので、価値があります。
内容を覚えていることで後になり、その情報は本当だったんだと思うのはスリーパー効果の効果が現れている証拠です。
スリーパー効果の論文・実験
スリーパー効果では、時間をかけて説得していくことが大事です。
また、同じ説得方法をしないことも重要な要素です。
人はまず、情報源を重視しますから、内容よりも注目するのは情報源なのです。
その情報が信用できるか、あるいは信用できない情報なのかを見極めます。
内容の話ばかりでは情報が伝わりにくくなり、スリーパー効果の効力は薄くなります。
さて、スリーパー効果の実験はどのようなものがあるでしょうか。
実験では学生に抗ヒスタミン剤の功罪に関する学術書と大衆紙の記事を読ませます。
読む前に学術書を信頼できると答えた学生は約95%であり、大衆紙を信頼できると答えた学生は約5%でした。
自分が持っていた意見から学術書の意見に変えた学生が22.6%で同じく大衆紙の記事と同じ意見に変わった学生は13.3%となりました。
同じ学生に4週間後質問したら、学術書に同調した学生は6.5%減り、大衆紙に同調した学生は反対に6.7%増加したのです。
以上の結果から、時間の経過で情報が正しいかどうか、それを判断するのは情報の信頼性ではなくなったということになりました。
スリーパー効果の具体例・事例
さて、それではスリーパー効果にはどんな具体例や事例があるか見ていきましょう。
プラパンガンダ映画というものがありますが、あれもスリーパー効果なのです。
映画見た9週間後に内容の50%は忘れたものの、映画のメッセージだけ覚えていたという結果になったのです。
他にも雑誌記事や選挙活動などがスリーパー効果の事例です。
スリーパー効果では時間の経過とともに信頼性が物事の判断材料ではなくなってきます。
ですから、会社で若手が意見を出す時に使用することで活用可能です。
会社では若手の意見はなかなか相手にされず、門前払いとなることが多いのも現実です。
スリーパー効果を活用して時間をかけることで意見が通るようになる場合もあります。
説得力と魅力を兼ね備えた意見で自信が備わっていれば、相手も意見の良さに気付き、意見が社内で通りやすくなります。
根拠のない都市伝説を信じたりすることはありますよね。
あれもスリーパー効果の具体例なのです。
本当なのではないかと思い、後になってあの情報は本当だったんだと感じるのもスリーパー効果の特徴です。
スリーパー効果はなぜ起こる?心理学的に解説!
スリーパー効果はなぜ起こるのでしょうか。
心理学的に解説します。
スリーパー効果とは記憶の特徴を利用した現象を言います。
例えば、人から話を聞いた時、誰から聞いたのか、どこからの情報なのかという点について気にすることがあります。
その発信情報の人が信頼できない相手だった場合、内容を鵜呑みにはしない方がいいのです。
人はある程度の時間が過ぎると情報を忘れてしまいますし、何を聞いたのかだけ記憶に残ります。
約1カ月で情報は薄れるので、注意が必要ですが、時間を置くことでスリーパー効果が発揮される訳です。
人は情報源の信用度が情報の内容よりも先に忘れてしまうのです。
忘れることを眠るという言葉から、スリーパー効果と名付けられました。
仮眠効果、居眠り効果というのがスリーパー効果に別名です。
このスリーパー効果は説得の専門家が提唱した理論ですので、効果は絶大です。
人は好きか嫌いかで判断するので、情報の内容よりも先に情報の信用度を忘れてしまうのです。
好きか嫌いかは自然な判断であり、それに応じて、情報を感情面で取捨選択していますので、内容の吟味よりも時間が経過することで信じ込んでしまうのです。
時間が経過すると情報の内容だけが記憶に残るのです。
例えば、飛び込み営業でもくじける必要はなく、相手に対してどこが良かったか、悪かったかをよく吟味して振り返り、間を置いて対応すればスリーパー効果が発動するのです。
スリーパー効果を活用する方法【ジャンル別】
活用する方法は色々あります。
商品を売り込むことや企画を通すなど、様々な手法がありますが、細く長くじわじわと提案を続けることでスリーパー効果を維持できます。
スリーパー効果では時間を置くことで、効果を発揮しますので、商品の興味や購買意欲促進のためには経過していく時間を待つということが欠かせないのです。
本当に魅力的な商品は売れますし、いい商品なら大体売れます。
逆に言うと、悪い商品や魅力のない商品だと売れなくなります。
コアとなるキーワードを確実に伝え、同じ内容は表現を変えて提案し、あくまでも相手に判断させることがスリーパー効果発動のためには大事です。
飛び込みタイプの営業マンはスリーパー効果を使用っすることはあまりないです。
なぜならば、1回きりだからです。
同じお客さんに何回も会う人やルートセールスなどは繰り返し会うので、営業テクニックが役立ちます。
キャッチフレーズを用いて相手の印象を残すことで、記憶に残してもらうことが大事です。
スリーパー効果を恋愛に使うには、好きな人に対して時間を置き、信用を獲得することです。
合コンで知り合った相手とは、初めに好意を伝えることが大事です。
最初に好きという気持ちを伝えることで相手に印象を与えるのです。
ですが、アタックもしこすぎてもNGです。
時間を置いたり、連絡をすぐにしないようにして、駆け引きを楽しむのです。
それがスリーパー効果の活用例であり、効果的な活用方法です。
まとめ
スリーパー効果に語源は睡眠とは関係がないのです。
敵国から送り込まれたスパイを意味しています。
営業マンからお客さんの記憶に残った情報は、スパイのように身を潜め、そこからしばらくして、お客さんの考えを変えてしまうのです。
なので、スリーパー効果と言われているのです。
内容だけ覚えているのがスリーパー効果です。
脳は時間をかけて判断するよりも瞬時にその場で感情で判断した方がいいとしています。
情報源を信頼できるか、できないか、好きか、嫌いかで判断するのです。
情報の内容だけが記憶に残るのです。
相手を説得には、情報を与える時に頻度を多くすることがポイントです。
スリーパー効果をセールスで使用する際には、一回のアタックで引き下がらずに時間を置いてアタックすれば、スリーパー効果が発動される訳です。
さっきの情報は本当かも知れないと思うことは既にスリーパー効果が発動している証拠なのです。
スリーパー効果とブーメラン効果は説得といキーワードで繋がっています。
スリーパー効果を使い、時間を置くことで解決したり、上手くいくことは大いにあるのです。
スリーパー効果についてご理解いただけましたか。
これらの情報が何かの役に立てば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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