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ハロー効果とは?わかりやすく解説!活用例紹介付き

ハロー効果とは?わかりやすく解説!活用例紹介付き

ある物を買うときに人は、価格や商品の内容、お財布の余裕さなどでその商品を購入しようか決めます。このような要素のどれを重視するかは、その時の状況などによって変わるものです。しかし、ハロー効果とは無意識のうちに人の購買行動に影響を与える効果と言われています。

ここでは、マーケティングだけでなく、ビジネスや恋愛にも活用可能なハロー効果について解説していきます。

ハロー効果とは?わかりやすく解説!【イケメン・芸能人で例えてみる】

ハロー効果とは、ある際立った特徴に注目し、それ以外の特徴まで同じ評価をしてしまう認知の歪みです。つまりは、ある特徴が悪い評価とされる時に、本来良い評価を下されるはずの要素まで悪い評価とされてしまう心理現象と言い換えることが可能になります。

例えば、普段は大嫌いな系統を歌う歌手の曲を俳優の吉沢亮さんや新垣結衣さんなどの人気の芸能人がカバーして歌ったり、好きだと言うとします。すると人は、著しくその曲への第一印象が良かったために、普段は嫌いな系統の音楽さえも好きになるという現象が起こるのです。

そのため、テレビCMや街中の広告に起用される人は、主に人気芸能人であることが多いのです。これは第一印象に左右され、宣伝商品に良い評価を下してもらいたいということによって、引き起こされた心理現象です。

ハロー効果はなぜ起こるの?心理学的に解説

ハロー効果のメカニズムには、動物の生存本能が由来すると言われています。文明が発達する前の人や動物は、隔離された空間ではなく、毎日食べ物の危機にさらされており、闘争本能が強い傾向にありました。そのため、そのものが善か悪かを瞬時に判断しないといけない状況では、第一印象で全てを決めないといけなかったのです。

ハロー効果に関する論文・実験

ハロー効果の基礎的な研究は欧米を入れると多く行われており、その中でも人に関する印象の研究が数多く行われています。

例えば、印象形成の実験などが代表的です。同一人物の恰好を変えるだけで人の評価は変わるという実験であり、満員電車においてある女子高校生に男性のような恰好をさせて、黒マスクをしてもらい女性の後ろに立ってもらうと、その女性は女子高校生のことをネガティブに評価しました。しかし女子高校生の恰好のまま白マスクで女性の後ろに立ってもらうと、ポジティブな評価へと変化したのです。このように、満員電車という状況のバイアスはありますが、人は第一印象で人物の評価を正反対に判定したのです。

また、木村・余語・大坊(2005)は、会話参加者の表出行動が高くなるポジティブな会話では、観察者の会話への評価は会話参加者と同程度に評価するが、ネガティブな会話では、会話参加者の会話への評価に比べて観察者の会話への評価は低くなるという表出性のハロー効果の応用研究を示しました。

このような研究のほかにも対人とのコミュニケーションの研究は多くされており、近年ではハロー効果による応用研究が進んでいると言えます。

恋愛におけるハロー効果の例

好きな人に好意を抱いてもらうためには、第一印象は重要なものになってきます。また、ハロー効果によって決まった評価を覆すのは時間と労力が必要になるものです。そのため、身だしなみや言動には注意しましょう。

例えば、髪型について好意を抱く相手が整っている方がいいということであれば、結んでいくといいかもしれません。また、格好に関してもデートの状況に合わせた格好をすることによって、このデートを真剣に考えてくれていると好感度が高まる可能性もあります。

ハロー効果によって、マイナス面ではなくプラス面を際立たせることにより、相手からの第一印象を高く持ってもらえるようにしましょう。

ハロー効果を利用したマーケティングの成功例

ハロー効果を利用したマーケティングの成功例は多くあります。ハロー効果とは対象のある特徴を際立たせることで、その他の特徴までも良い評価を得るようにする心理現象と説明しましたが、有名なCMに花王の洗剤があります。このCMには、俳優の松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太郎、杉野遥亮さんなどが起用されています。通常CMでは1人の人気芸能人を使用していましたが、ソフトバンクやauのCMのように多数の俳優を使用することが増えてきています。

これは、最近人気の芸能人を多く使用することによって、好印象を抱きCMを見る消費者の層を広げようとする戦略です。そのため、松坂桃李さんを好きな人だけでなく、菅田将暉さんなどを好きな人なども花王のアタック抗菌洗剤に好印象を抱くようになるのです。

ハロー効果のメリット

ハロー効果のメリットとしては、信頼度を高く持ってもらえる、高評価してもらいやすいなどがあります。

例えば、限界量の仕事をこなしている時に少し頑張って人助けしてみることで、大変な中でも助けてくれる凄く良い先輩と思ってもらえることになります。そうなると、仕事以外でも相談事されることになり、一見デメリットのようにも感じるかもしれませんが、好印象を持たれることで恋愛に発展した時などはメリットになるでしょう。また、手助けした人伝えで自分の良い評価を流してもらえる事があると、何かしらの失敗をした時でも許されるようなことになるかもしれません。

高評価をしてもらいやすいというメリットの例題は、ある物事への予習をしておくことで、他人よりも秀でる部分があることから、会議などで上司から高評価してもらいやすくなるということです。企画して進めていく仕事では、マルチな状況を作り出す才能を持つ人は重宝されます。これは新星のお笑い芸人が、冠番組を多く持っている先輩に気に入られて、番組に出演させてもらうのと似ています。

このように、ハロー効果にはメリットが多くあります。ただし、一度決まった印象はハロー効果によって覆すのが難しいため、悪いイメージを払拭したい場合は、既存の人間関係ではなく、新しい人間関係において良いイメージを持ってもらえるようにしてみましょう。

ハロー効果のデメリット

ハロー効果のデメリットとしては、信頼度を低下させる、間違った評価を下すなどがあります。

例えば、新しい人間関係の前で、少し悪い評価を下されるような態度を取ってしまうと、既存の人間関係からのそれまでの自分の印象を伝えられて、実際は愛妻家で優しい人でも不器用と言うだけで、嫌われることにもなります。また、レストランなどのお店でも美味しい料理を提供しているにも関わらず、一定のお客に嫌われて悪評価を下されたが故に、他のお客さんが来てくれないようにもなるのです。

ハロー効果のもう1つのデメリットである間違った評価を下すことの例題は、ある企画チームへの采配などでミスが出ることです。ハロー効果は、例え仕事の容量が悪い人でも第一印象がよければ仕事の容量が良いと評価されることにもなります。そのため、実際活用してみたらそこまで仕事ができないという可能性もあるので、人柄と仕事ができるかは分けて考えるようにしましょう。

ハロー効果を上手く活用するには

ハロー効果のメリットを活かしてデメリットを減らすためにも、印象に左右されないようにしましょう。1人である特定の人物への印象を変えることは難しいため、大事な企画への人材の投入などは、その人の周囲の評価や部署内の上司の評価なども踏まえて決めて下さい。ハロー効果はあくまで認知の歪みなので、他者が介入することによって認知の歪みを軽減することができます。

また、レストランの評価などで誤った評価を下されてお客さんが軽減している場合は、ホームページを作る、新商品の宣伝の広告を配るなどしてみましょう。いずれも人の第一印象に良い影響を与えるものを起用することで、お店についた悪評価を払拭できる可能性があります。

ハロー効果の逆の言葉の意味と具体例

ハロー効果とはどちらかと言えば、上手く活用したらポジティブな影響をもたらしてくれますが、ハロー効果の逆としては、「ホーン効果」や「ゴーレム効果」などがあります。

「ホーン効果」とは、別名では逆ハロー効果とも呼ばれており、名前の通りハロー効果とは反対にネガティブな影響をもたらす心理現象です。

「ゴーレム効果」とは、相手は何をさせてもだめだろうと思っていると、実際にダメな人間になっていくという心理現象です。

ホーン効果は例えば、見た目がホームレスというだけで悪印象を抱いてしまい、実際に具合が悪くて倒れていたとしても、ただ地べたで寝ているだけだとしてしまうというものです。

そのため、一定の社会の枠組みから外れた格好をしている人は、ポジティブな評価よりもネガティブな評価を下されやすいのです。

またゴーレム効果においては、算数が苦手な子供他の教科もどうせできないだろうと評価を下してしまうことで、実際は文系は得意な子でも国語も苦手という風になってしまうものが例題として挙げられます。

このようにハロー効果と違って、ホーン効果やゴーレム効果はネガティブな影響をもたらす心理効果と言えます。

ホーン効果はなぜ起こる?

ハロー効果と同じ仕組みであり、ホーン効果も生存本能に由来します。しかし現代の人が、インターネットでホーン効果とは認知の歪みであると知っていたとしても、このような心理効果を止めることはできません。そのメカニズムとしては、第一印象が悪いというだけで正確性に欠けていようが、結論を自動的に導く思考が動いているからいうことが挙げられます。またそのような思考の特徴としては、無意識であってもバイアスのかかった判断をしてしまうということがあります。これらは脳の思考モードゆえに起こる現象なため、意識したところで止めることはできません。

ハロー効果と似ている効果の違い

ハロー効果と似ている効果を知ることで、ビジネスのシーンで活用できるようにもなれば自分の評価が上がる可能性があります。ここでは、活用しやすいようにハロー効果との共通点と違いをご紹介します。

ハロー効果とピグマリオン効果の共通点と違い

ピグマリオン効果とは、期待することによって、相手が期待に応えようと頑張って結果的に良い結果をもたらすというものです。例えば、上司が部下に期待し、ある仕事を任せることで部下はその期待に応えようと努力し、仕事をこなしてきた上、自分がやるよりも良い提案をすることが可能になったりするのです。このようにピグマリオン効果とハロー効果はどちらも相手の評価に関わるものです。しかし心理の効果を得るのは自分か相手かという点が部分的に異なる点ではあります。ハロー効果では、ある人への第一印象という事で自分への心理効果が生じますが、ピグマリオン効果では期待したことで、それに応えようと結果を出してくる相手への心理効果が生じるのです。

ハロー効果とウィンザー効果の共通点と違い

ウィンザー効果とは、会話している以外の第三者の評価を信じて、自分の商品に対する評価は同じであるとしてしまう心理現象のことです。これは嘘をつく必要のない第三者の評価こそが、一番信用できる評価だと感じる人間の心理を利用した効果です。

例えば、目の前の人があるレストランは美味しかったと評価するとします。しかし、人はその人がグルメだったか、レストランに本当に行ったのかなどと疑惑を抱くことがあります。会話の相手と仲が良くなかったり、ただの近所の人であればなおさらです。そのため、自分を騙したり、利益を得るための行動を取る必要のない第三者の意見が最も信じられると思ってしますのです。

このようにハロー効果とウィンザー効果はあるものへの評価という点では同じです。しかし心理の効果を与えてくる対象が相手か第三者かの違いがあります。ハロー効果では、あるお店へ書き込まれた口コミによって自分のお店への評価が左右されますが、ウィンザー効果では人伝に聞いた評価によって、お店への評価が決まるというものです。

まとめ

ハロー効果にはデメリットもありますが、上手く活用すれば多くのメリットがあるということをご紹介しました。また、ハロー効果のメカニズムは人間の生存本能に由来するため、この心理効果を悪いものとはせず、第三者を介入させるなどの工夫を行うことで良い心理現象としてみてください。さらに、ビジネスシーンだけでなく、恋愛などの日常的な場面でも活用することが可能なので、特性を活かして良い効果をもたらせるようにしてみてはいかがでしょうか。

引用文献

木村昌紀・余語真夫・大坊郁夫(2005) 感情エピソードの会話場面における表出性ハロー効果の検討 感情心理学研究 12 12-23

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