本記事ではブーメラン効果という用語について解説します。
ところで、皆様はブーメラン効果というものをどういうものかご存知でしょうか?
ブーメラン効果という現象をよく知り、把握することでどのような場面でどういう風に使ったらいいのかが分かると思います。
ブーメラン効果とはネガティブな意味で使われます。
相手をひたすら説得すればする程、相手の反発をダメージとして受け、本来、こちらが希望するものとは逆の行動に導いてしまうというものです。
相手の自由度を奪わないようにすることが何よりも優先すべき事項なのです。
ブーメラン効果を上手く活用し、力説することを控え、相手の反発を受ける逆効果を避け、力ずくではなく、スムーズな関係に導く手法を取るほうが推奨できます。
経済学でもブーメラン効果は使用され、自分のとって良いと思う狙いが外れ、逆にマイナス効果を与えるという結果になるということがお分かりいただけたと思います。
ブーメラン効果とは
ブーメラン効果とは、誰かが説得しようとする時、説得しようとした側の人の態度が硬化し、逆に反発してしまうという心理効果のことです。
ここからは、ブーメラン効果の意味や語源を解説していきます。
相手を説得しようとすればする程、相手側は反発し、抵抗を続けてしまいます。
これはブーメラン効果が効いている証拠なのです。
言い換えると、説得の逆効果とも言えます。
皆様は宿題をやりなさいと命令されれば、どう感じますか。
正直なところ、意欲減退、やる気がなくなってしまいませんか。
自由を剥奪されると、人は抗うのです。
抵抗しているということはブーメラン効果が発揮されているという証拠なのです。
相手から求められると逆に相手の期待に応じたくなくなるのです。
例としては、政治家から一票くださいと言われれば、じゃあ一票は入れたくなくなるというものです。
ブーメラン効果は相手の反抗を強めてしまう現象のことです。
説得すればする程、相手の反発心をくすぐり、抵抗を強めてしまうのです。
つまりやり過ぎると逆効果になるのです。
ブーメラン効果は人間社会を複雑にし、理解しずらくしているとも解釈できます。
良いノウハウでも、逆効果となり得ますし、ブーメラン効果はハウツーを一つとってみても、私たちには気を遣うほうがいいと教授してくれます。
ブーメラン効果では、相手に好意を示す程、逆に相手に嫌われるというのが示されています。
【心理学】ブーメラン効果はなぜ起こる?心理的リアクタンスの一つ
それでは、ブーメラン効果はなぜ起こるのでしょうか。
ここでは、起こる仕組みを解説します。
恋愛でもアプローチをすればする程、嫌がられ、逃げられます。
聞き手がしつこいと違和感を覚え、追えば逃げるという現象が起きるのです。
必死にアタックすれば相手は何かあるはずだと感じ、上手くはいきません。
その疑う気持ちが相手に対する不信感となるので、必死になる程、警戒される訳です。
人という生き物は、何かを押し付けられると選択の自由を奪われたように感じ、自分で決定できない状況を嫌がるのです。
これがストレスになり、反発するのです。
押し付けられることを嫌い、その自由のなさがストレスとなる訳です。
投げたブーメランがネガティブな形で返ってくることはよくあることで、ブーメラン効果は日常に有り触れているのです。
経済学でも似たような意味で使われます。
良かれと思った行動が逆にマイナス作用で跳ね返ってくるのです。
ブーメラン効果が引き起こされる要因には予告型の説得があると、ブーメラン効果が誘発されやすいです。
ネガティブな予告が行われる時、反発が強まり、無意識に防衛本能が発動し、身構えてしまいます。
責任感が強い人も反発を強めてしまう傾向がありますし、自分の意見の一貫性を保とうとするため、自分の意見を変えるのが困難です。
強い信念を持った人に説得するのも難しいです。
ブーメラン効果が起こりやすい場面では、自分の確固たる価値観を保持した人にも変えることが難しいように、そのような人がいる場面が起こりやすいと挙げられます。
嫌いな人に反発してしまうように、好きでもない人の言っていることには、反抗心が芽生えてしまいます。
ブーメラン効果の具体例
具体例としては、ダイエットの忠告があります。
ダイエットにチャレンジする人は多いですが、ダイエットは努力と強い意志、そして我慢が求められる訳です。
肥満気味の人は痩せたほうがいいだろうなとは自覚しているものです。
そのような肥満気味の人に痩せろよとかダイエットのメリットを説得しても、相手にとっては自分の食生活が否定されているような気にさせ、逆に怒りを買います。
ボランティア活動でも同じことが言えます。
ボランティアは本来、自発性を持って行うべきであり、やらされるものではありません。
強要されるものではなく、やりたい人がやるべきです。
確かにボランティアをやる人が増えれば、喜ぶ人も多くなり、社会は良くなるでしょう。
ボランティアをやりましょうと説得し、利点をいくら説明しても、逆に怒りを買ってしまうこともあるでしょう。
皆が奉仕したい訳ではなく、ボランティアが嫌な人もいますし、誰もが無償で行いたい訳ではないのも事実です。
強制的に参加させても反発を買うだけですし、参加したほうが偉いという風にしても参加したくない人もいるのが現実です。
皆が善人だったら苦労はないですし、自分勝手な人もいるのが現実社会です。
要領良く生きていくためには、ブーメラン効果という現象を知っておく必要があります。
知っていると知らないでは、歴然の差があります。
恋愛におけるブーメラン効果のテクニック
好きすぎて猛アタックすれば、恋愛においてはブーメラン効果により、逆効果となります。
アタックのし過ぎは冷めますし、引きも必要です。
沢山ラインを送り、沢山デートに誘えばどうなるでしょうか。
異性から嫌がられることでしょう。
好き好きアピールはウザがられ、グイグイと行き過ぎて恋愛が冷めるのも早まるんです。
好きの気持ちが強いと相手を束縛してしまいます。
恋愛は押して引くのバランスが重要ですし、常につながっていると面倒くさがられます。
押す時もあれば引く時もある。
それが恋愛の技術で好きすぎる気持ちで相手の自由を奪ってしまわないようにすることが大事です。
好きな気持ちの猛アタックは、相手を束縛することにもなりかねませんし、注意が必要です。
ブーメラン効果の対策
ブーメラン効果はその行為をした人に負の効果をもたらします。
説得したのとは逆の方向に変えてしまうエネルギーを持っているので、否定をマイナスと捉えないスタンスが対策として求められます。
否定は質問と捉え、こちら側から改善し、努力していくべきです。
本当に興味がないことや関心がないことは聞かずにその場を離れます。
ブーメラン効果使用者は自分に自信をもって使用すべきです。
ブーメラン効果の回避方法としては、相手を尊重し、相手をよく理解することです。
きちんと説明を付け加えることで、相手との関係性も良くなり、ブーメラン効果を使ってきているかどうかを把握し、対策はどうするかなどの判別がつくでしょう。
相手との関係性に少し間を空けるのも上手な対策です。
悪口におけるブーメラン効果はある?
ブーメラン効果ですが、悪口における場合にも効果はあります。
反発をスパイスと捉えるかどうかはその人次第ですので、相手の心を見透かすことができるかどうかにかかっていますし、嫌な人とは関わらなければ一番いいのですが、避けては通れない状況もあると思います。
相手に対して言った悪口はブーメランのごとく牙をむいて自分自身に戻ってきます。
これは経験上、真実です。
悪口は言わないほうがいいのは当たり前ですが、言って得になることはありません。
悪口はブーメランのように跳ね返ってくるのは確かなことです。
ますは、相手の意見を肯定することです。
そして、相手の言葉を受け入れ、反発や否定をしないことです。
人に言った悪口は、必ず自分に戻ってきます。
マーケティングやビジネスにおけるブーメラン効果
ブーメラン効果はマーケティングやビジネスに生かすこともできますし、消費者の心をいかに掴み、企業の戦略に生かすかが求められるのです。
マーケティングの場面では広告などで上手く消費者の心を揺さぶらなければなりませんし、働きかけがなければ、商品購入までに結びつきません。
女性蔑視などSNSで発言が取り上げられることがありますが、そういう不注意なことで売り上げが落ち込んだりするので、ブーメラン効果は大事なのです。
インターネット社会では、広告に不快な気持ちを抱く人がいてもおかしくないですし、発信の仕方は大事です。
ブーメラン効果の特性をよく知り、炎上マーケティング手法を使う際は、注意しておきましょう。
子育てにおけるブーメラン効果
ブーメラン効果は子育てにも応用できますし、子供には命令口調で言うのではなく、大人がやっているからやろうというお手本を見せることが大事です。
心理学でも使われるブーメラン効果は抜群な効果を発揮しますし、子供にとって何が一番優先すべきことかをよく吟味し、ブーメラン効果を使用すると良いでしょう。
子育てでは、精神的な余裕を持っておき、プレッシャーをかけることなく、説得することなく、やってみようよとか言うような言い方で勧めると効果的でしょう。
子供の動機を触発し、きっかけを作ることでやる気を引き出せるのです。
子育てでは言い方も大事ですし、親しい家族間だと、ストレートな物言いになりやすいので、ゆとりを持って接しましょう。
ブーメラン効果は子育てにもメリットが大いにあるのです。
ブーメラン効果の論文や実験
ブーメラン効果の実験では、説得は逆効果です。
むしろ提案はいい効果があります。
要するに、説得より提案で進めていくほうがいい訳です。
異性に付き合ってくださいと猛アタックするとどうでしょうか。
何か嫌がられますよね。
仕事でも契約してくださいと言い寄られるとどう感じますか。
何だかしつこいと感じ、契約したくないですよね。
教育面では、子供に勉強しなさいというと、子供は命令されたと感じ、うるさいなあと思いますよね。
このような実験から、説得はNGだと分かります。
ブーメラン効果を上手く使い、提案で行きましょう。
相手が強い信念や価値観を保持している場合には、否定して説得しても上手くいかないことはブーメラン効果からも理解できたと思います。
好きな人からの説得はまだいいのですが、特に嫌いな人からの説得は受け入れがたいものです。
好きか嫌いかで物事を判断する特性が人にはあります。
感情ヒューリスティックと言います。
自分にとっての最低最悪の人からの説得は、ネガティブに受け止めてしまうものなのです。
まとめ
ここまでブーメラン効果について解説してきましたが、いかがでしたか。
ブーメランは投げると必ず自分のところに戻ってきますし、押しつけがましい態度は伝わるものです。
説得により自由を奪われると、嫌な気分がし、反発の意識が高まります。
良い結果として狙った行動が思わぬ負の作用となるのです。
心理学用語には深い意味があり、名前のごとく分かりやすいネーミングが用いられています。
相手を説得しても力づくでねじ伏せようとしても難しいものです。
自由を奪おうとしても相手は抵抗を続けます。
自由に対する脅威は計り知れないものがあるのです。
ブーメラン効果は面白いですよね。
心理学は興味深い学問なのです。
ここまで読んでいただけた方なら、ブーメラン効果の魔力をお分かりいただけたと思います。
ブーメラン効果の威力は現実を変えようとして変えられない反発があります。
このような現象の仕組みをよく知っておくことで相手への接し方を上手く行なえるようになれば幸いです。
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