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ヴェブレン効果をわかりやすく解説!マーケティングの活かし方・論文の実験など

ヴェブレン効果をわかりやすく解説!マーケティングの活かし方・論文の実験など

ところで皆様は、ヴェブレン効果という用語を耳にしたことはありますか。

おそらくあまりないのではないかと思います。

普段の生活では私達は消費者ですし、物を買うことで社会は成り立っています。

物を買う、すなわち消費者と販売しているお店の間に契約として代金を支払う訳です。

そこには意思決定があり、判断を委ねられているのです。

そこでヴェブレン効果が発揮されるのです。

ここでは、ヴェブレン効果の解説をご紹介しますので、読んでいただけたら幸いです。

ヴェブレン効果とは

ヴェブレン効果とは、有閑階級の理論と呼ばれるものです。

製品価値が高い程、商品価値やサービスの需要が高まるというものです。

この心理現象をヴェブレン効果と言います。

商品を購入した消費者の満足感や優越感も高まるという意味合いで使われます。

具体的にはブランド品などで希少性が高まり、価格が高くつけられています。

これがブランド力ですし、見栄の一種です。

自己顕示欲により、人によく見られたい、よく見せたいという心理が働き、高価な物の需要が増える現象をヴェブレン効果と呼びます。

見栄があると、ブランドの商品を身に付け、他の人よりもお金があるアピールをし、優越感に浸りたくなることがあるのも人間ならではの特徴ですよね。

見せびらかしたいという欲求があると、価格が高い物を買うのです。

それと優越感に浸りたいと思うと、レアな商品を買うのです。

これは行動心理です。

これは、周囲から羨ましがられることで自分に自信を持ち、自己顕示欲を保つ方法でもあります

人には自己顕示欲というものがあり、相手より優れていることをアピールするためにブランド品に身を包むものなのです。

そうすることで相手からすごいと承認され、自分の立場が優位に立ち、認められることで自信にもつながるという効果があるので、ヴェブレン効果の消費行動は行われるのです。

有閑階級の意味とは、財産があるため、生産的労働に就く必要がない階級のことを言います。

ですから、周囲より目立つために高価な買い物をして、強さと金持ち度合いを誇示するのです。

価格が高くなると価値が上がり、需要が増加するのです。

希少性が価値となり、レアであればレアである程、価値は高まります。

ヴェブレン効果の由来

ここでは、ヴェブレン効果の由来について書きます。

アメリカの社会学者であり、かつ経済学者のソースティン・ヴェブレン氏の名前から由来していますし、ヴェブレン氏は有閑階級と呼称される部類の富裕層の消費行動を研究している学者です。

お金持ちが何に消費し、お金を落としているかといったことについて研究し、消費行動を論文などでまとめています。

その論文の一つに有閑階級の理論では、高級なブランド商品や希少性の高い物を購入する顕示的消費について述べています。

ヴェブレン効果はなぜ起こるのか【心理学】

ヴェブレン効果はなぜ起こるのかについて解説します。

これも心理学が関係していて、承認欲求が関連しています。

他者から認められたいという思う欲求が働き、高い物を身に付けたり、使用している姿を他者に見てもらうことで周りからすごいとか高そうと言われて認められたい心理です。

承認欲求が強い人であればある程、ヴェブレン効果は増大し、働きやすくなります。

誰かに見せびらかしたいという動機による消費を顕示的消費と言います。

ヒューリスティックが働くことも影響しています。

ヒューリスティックとは何なのかをご説明します。

要は、これは直感によるスピード感のある思考のことを言います。

ある物の質を判断するのに相当なコストを要しますし、ここでいうコストとは、お金、時間、労力のこと指します。

具体的な例としては、高級布団があるとします。

なぜ高級なのか、説明できますか。

説明するためには、布団の生地、製法まで調べて知っておかないと無理ですよね。

そうなのです、コストがかかるので、基準を価格としているのです。

ヴェブレン効果は脳のエネルギーの無駄遣いを抑える戦略の一つと言えます。

ヴェブレン効果の実験・論文

値段が高い程売れやすくなるという現象は非合理的で不思議なことのように見えますが、ヴェブレン効果の発動には明確な理由があるのです。

人が物を買う心理を知り、マーケティングの売り上げを伸ばしたい人にはお勧めの手法と言えるでしょう。

ワインを使った実験があります。

同じワインを同じグラスに入れ、それぞれ別々の値段を設定し、愛好家に飲み比べてもらうという実験です。

一つは10ドル、もう一方は90ドルと値段をつけます。

実験結果は、高い値段をつけたワインのほうが満足度が高く、高い物が良い物だという認識があったことが分かったというものです。

思い込みが影響しているのですが、高い物は良い物だという認識が人にはあるのです。

ヴェブレン効果の活用例・実例

ヴェブレン効果の具体例としては、高級車が挙げられます。

フェラーリやランボルギーニ、ロールスロイスといった何千万円もする超高級外車が世界には存在します。

一般市民には到底手の届かない車ですが、富裕層の間ではごく普通のことのように売れるのです。

その目的はコレクターの人もいますが、見せびらかすために買う人もいます。

もちろん、高級感あふれる有名ブランドでなくとも、ヴェブレン効果は作り出せますし、コンビニエンスストアで販売しているプレミアム商品などでもいい訳です。

少し高級感を持たせて、価格を上げ、贅沢感が出ている商品にすることでイメージを見る側に価値があるという印象を与えることができます。

値段そのものは高いが、手を出せる範囲内の価格設定にすることでプレミアム商品を消費者が買う動機になります。

少し贅沢な商品を企画することでヴェブレン効果を期待することが可能となります。

消費者はできれば物がいい商品を手に入れたいですし、質もいいほうがいいに決まっています。

ヴェブレン効果のマーケティング具体例

ヴェブレン効果のマーケティング具体例を挙げます。

ブランドを確立し、消費者に対して、このブランドは高級だから高いだけの価値があるとか、高くても良質な商品だとか思える訳です。

動機付けは大事ですし、希少性を感じ、簡単に手に入る物ではないという特別感を醸し出すことで顕示的消費が発生するのです。

高所得の人は、中古車は買わないですし、高ければ高い程、良い品と捉え、新車を買います。

自らの社会的地位や所得を誇りたいという気持ちがあるからです。

これがヴェブレン効果です。

ヴェブレン効果は物が高ければ高くなる程、売れる傾向があります。

物を買う時、他人の評価を気にし、大多数の人がいいと言うから買うというタイプの人もいます。

もう一方でみんなが持っている商品は欲しくないというタイプの人がいます。

前者をバンドワゴン効果と呼びます。

後者をスノッブ効果と称します。

どちらにせよ、他人にどう見られるかという点が存在します。

ヴェブレン効果とその他の効果について

ヴェブレン効果とバンドワゴン効果

バンドワゴン効果はヴェブレン効果と比べ、高額な商品が流行していれば、共通しますが、低価格な商品が時流の時は、虚栄心を満たせない点で異なります。

バンドワゴン効果は流行り物などでみんなが買っているから、みんなが持っているから、欲しいという心理が働いています。

そこには流行に乗りたい、共感や共有の欲求により意思決定を行う現象のことを言います。

バンドワゴン効果はヴェブレン効果と対極的な要素があり、ヴェブレン効果とは希少性やブランド力というのが主な要素であるのに対し、バンドワゴン効果は流行りや他者との共有が主な要素となっています。

バンドワゴン効果は流行に乗り遅れたくない心理が働き、他者の所有が増えれば増える程、需要が増加する効果なのです。

バンドワゴンとは先頭を走る楽隊車を指し、バンドワゴンに乗るとは、時流に乗る、多勢に与するということを意味します。

他者との同質化願望が背景に存在し、流行やヒット商品にバンドワゴン効果が作用しています。

ヴェブレン効果とスノッブ効果

スノッブ効果はヴェブレン効果と比較すると、他人と違う物を求める点で相似性あります。

スノッブ効果は高額であることや社会的地位や所得の誇示や自己顕示欲という目的は存在しません。

スノッブ効果も同じように人の意思決定に大きな影響を与える現象の一つです。

これは他人とは違う物、特別な物が欲しいという差別化意識が働き、意思決定をする現象のことです。

希少性は共通しますが、ブランドという観点では、ヴェブレン効果と相反する要素となっています。

簡単に入手できない物になればなる程、需要が増し、誰もが手軽に入手できる物になると需要が減少します。

限定性や希少性が大きな価値を持ちます。

聞きなれない言葉かも知れませんが、スノッブ効果という用語を覚えておいて損はないでしょう。

ヴェブレン効果の逆・対義語は?

ヴェブレン効果は価格が高ければ高い程、売れる訳ですが、この逆は安ければ安い程、売れることではないでしょうか。

これは100円ショップなどに見られますが、安い商品を求める傾向があるのです。

一般には安い程、売れやすく、高い程、売れにくい傾向があるのは確かな訳です。

持っていないと恥ずかしいというのがある背景には、同調圧力があります。

周りの人が持っているから持っておこうと思う心理です。

消費欲求ですが、このような欲求があるかないかでヴェブレン効果の効力に大きな違いがあります。

まとめ

ここまでバンドワゴン効果、スノッブ効果、そしてヴェブレン効果を書いてきましたが、これらの3つの効果を掛け合わせることで大きな威力を発揮しますし、有閑階級の人はすでに莫大な資産を持っていますので、生産的な労働に従事する必要がないのです。

物が売れたほうがいいのは、どの業界でも当たり前のことですが、特別な消費意識と欲求の仕組みをよく知り、ヴェブレン効果という現象を把握して上手く消費者の購買意識を高めることが大事です。

値段が高ければ高い程、人に自慢したくなりますし、自慢して認められるとより高い物を買いたくなる心理が働きますし、高級感や希少性をいかに重きを置くかが重要です。

高いことが満足へ変わりますし、自己顕示欲が満たされる訳で、それが目的で高額商品を買う人もいます。

安い物より高い物のほうが質がいいのはもちろん、信用性が高いことも事実です。

要するに満足いくサービスと納得ができる質を追い求めるほうが理想です。

ヴェブレン効果を解説してきましたが、面白い現象ですよね。

奥が深く、経済にも大きく関係しているのです。

有閑階級というものがあることも知っていただけたことと思います。

何事も高い価格を設定するとそれだけの価値があることになりますし、仕事に関しても高い報酬で設定するとそれだけいい人材が集まりますよね。

それと同じようにヴェブレン効果を活用し、消費者にいい物を提供して、よいよく経済を回していきたいものです。

消費者心理をしっかりと捉え、値付けをし、マーケティングに活かすことができるのです。

あえて高い値段をつけることで消費者のヴェブレン効果を刺激し、購買意欲を高めることが可能となりますし、これを活用しない手はないと思います。

高い物は高いだけの価値があり、質も良いのです。

ヴェブレン効果を活用して購買意欲を高めつつ、消費者目線で物を売りましょう。

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