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ヒペリカムの花言葉・誕生花・種類・仲間・育て方

ヒペリカムの花言葉・誕生花・種類・仲間・育て方

ヒペリカムは、夏に花を咲かせる植物です。花言葉にはきらめき、悲しみは長く続かない等があります。

今回はヒペリカムの特徴や花言葉、更に誕生花や風水等についてご紹介いたします。

ヒペリカムとは?どんな花?

園芸店等で切り花として見かけるヒペリカムは、たいていオレンジや赤い色をした実ですよね。ヒペリカムは花も美しいのですが、どうして花は切り花としてはほとんど流通していないのでしょうか。

ヒペリカムの特徴

ヒペリカムとはオトギリソウ属の植物全般を指し、その品種は世界中で500種近くあります。日本では主にヒペリカム・ヒドコート、ヒペリカム・アンドロサエマム等の小低木が園芸品種としてよく知られています。

ヒペリカムは5月から7月にかけて、5枚の花びらを持つ黄色い花を咲かせます。黄金色の糸を集めたような雄しべも特徴で、梅雨時期を明るい気分にさせてくれるような華やかな印象です。

公園等の公共施設でも垣根代わりに植えられていることが多く、訪れた人々の目を楽しませてくれます。

しかし花は一日しか持たず、すぐに散ってしまいます。そのため園芸店等で切り花としてヒペリカムの花を見かけることはほとんどありません。

花が咲いた後に出来る実は、つやつやとしていてまるで飴玉のような可愛らしい見た目をしています。色もグリーンからオレンジ、赤や白等さまざまで、見ているだけで楽しくなるようなポップな印象です。

ヒペリカムの実は生け花やフラワーアレンジメントのアクセントとして利用されることも多く、若い人からご年配の方まで幅広く親しまれています。

葉は季節を問わず常緑または半落葉性で、少し硬い質感です。特に花や実の季節には葉の色も楽しめる品種もあります。

ヒペリカムの歴史

ヒペリカムは中国をはじめとするユーラシア大陸の温暖な地域から地中海沿岸等が原産地です。その歴史は紀元前までさかのぼります。

ヒペリカム(Hypericum)という名前は、ギリシャ語で上を意味するhyperと像を意味するeikonが語源となっています。

ヨーロッパの宗教的儀式で魔除けの像や絵画等の上にこの花を飾った事が名前の由来と言われています。

日本でヒペリカムとして知られる品種で、歴史の古いものは中国原産の花です。およそ300年前に伝わったビヨウヤナギや、その後伝わったキンシバイ等が昔から日本で親しまれてきました。

キンシバイ(金糸梅)は花の形が梅によく似ていて、黄色の雄しべがまるで金の糸のように見えることから名付けられました。

ヒペリカムの別名

キンシバイは英名であるヒペリカム・パチュラムと呼ばれる事もあります。ビヨウヤナギは美女柳やヒペリカム・シネンシスとも呼ばれます。

その他、日本でヒペリカムと呼ばれる花の中でヒペリカム・アンドロサエマムという品種は別名小坊主弟切(コボウズオトギリ)といい、英名はTutsan(タッサン)といいます。

また、ヒペリカム・カリシナムという品種の別名には西洋金糸梅、姫金糸梅といったものがあります。海外での別名ではシャロンのバラやアーロンのあごひげと呼ばれます。

そしてヒペリカム・ヒドコートの別名は大輪金糸梅といいます。

これらは別名によってどんな花の姿なのか、なんとなく分かりますね。

ヒペリカムの花言葉

ヒペリカムの花言葉には、きらめき、気高さ、悲しみは長く続かない、幸いといったものがあります。何故このような花言葉を持つのでしょうか。

ヒペリカムの花言葉の由来

まずきらめき、気高さという花言葉からみていきましょう。

これらはヒペリカムの花の姿が由来となっています。色鮮やかな黄色の花は輝くばかりに美しく、目を奪われる程なので、この花言葉はうなずけますね。

気高さは特にビヨウヤナギの花言葉とされています。

では、悲しみは長く続かない、幸いといった花言葉は何が由来なのでしょうか。

ヒペリカムは一日花なので、せっかくの美しい花もすぐ散ってしまいます。しかしその後には可愛らしい実が残ります。

花が散った悲しみの後、間をあけず今度は実が色づく姿が見られる事が由来となり、これらの花言葉がつけられました。

きらめき、気高さ等は美しいイメージの花言葉であり、その他の花言葉も前向きで明るい未来を感じられる花言葉となっています。

特に落ち込んでいる人を励ましたい時には「悲しみは長く続かない」という花言葉を添えてヒペリカムを贈ると良いかもしれませんね。

また、ヒペリカムの実にはさまざまな色がありますが、実の色別の花言葉は今のところ無いようです。

ヒペリカムの誕生花

ヒペリカムの誕生花は8月27日です。1年の中でこの日だけとされており、より特別なイメージがあります。

誕生花として贈る場合は、ヒペリカムを使った花束やフラワーアレンジメントと共に、花言葉も添えると素敵ですね。

ヒペリカムと風水

ヒペリカムは風水的には金運や家庭運をアップする植物とされています。

風水では玄関から運気が入り込むと言われているので、特に玄関にヒペリカムを飾るのがおすすめです。もし花が手に入る場合は西の方角に飾るのが良いでしょう。

また、子宝運アップを望む場合には、風水的には丸い実を付けている植物が良いとされます。

ヒペリカム・アンドロサエマム等はころんとした感じの丸い実をつけるので、当てはまると言えますね。

ヒペリカムの種類

日本でよく見られるヒペリカムの種類のうち、流通の多い品種3つをご紹介します。

ヒペリカム・アンドロサエマムは、主に実が楽しめる品種として人気があります。近年ではさまざな色の実がなる改良品種も出回っています。

改良品種には、ヒペリカム・マジカルピンク、ヒペリカム・シュガーフレア等の品種があります。印象的な名前ですね。いずれもエチオピア等の南米からの輸入品が多いようです。

ヒペリカム・カリシナムは、グランドカバーとしてよく利用されています。雄しべが長いのも特徴です。花はほかの品種に比べ少なめですが、丈夫で管理がしやすい品種です。

ヒペリカム・ヒドコートはキンシバイの園芸品種です。キンシバイより大きくボリュームのある花を咲かせ、他の品種より雄しべが短いのが特徴です。

ヒペリカムの仲間

仲間としてはオトギリソウが挙げられます。オトギリソウは日本や中国、朝鮮半島等の山野に自生する多年草で、日本では平安時代より傷薬として親しまれてきた草です。チドメグサ、アオグスリといった別名もあります。

ヨーロッパでも西洋オトギリソウであるセント・ジョーンズ・ワートは主に神経疾患に効くとされる薬効が古くから知られています。

日本ではセント・ジョーンズ・ワートはメンタル面をサポートしてくれるサプリメントとしても有名ですね。薬局等で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかしセント・ジョーンズ・ワートには副作用もあり、特に医師に処方してもらった薬を服用中の人は、薬の飲み合わせの面で注意が必要です。サプリメント服用をお考えの方は主治医に相談して、服用しても良いか確認してくださいね。

オトギリソウとヒペリカムの違い

オトギリソウとヒペリカムの違いは、まずオトギリソウが多年草であるのに対し、ヒペリカムは小低木であることが挙げられます。

また、オトギリソウの花はヒペリカムに比べて小さく、素朴な印象です。そしてオトギリソウの花や葉には黒い小さな斑点が見られますが、ヒペリカムにはありません。

オトギリソウの名前の由来

オトギリソウは漢字で書くと弟切草となります。不穏な名前ですね。何故弟切草という名前が付けられたのでしょうか。

それは平安時代の逸話が由来です。登場人物は晴頼という鷹匠の若者とその弟です。

晴頼と弟はとても仲の良い兄弟でした。晴頼は怪我をした鷹に塗る傷薬として、オトギリソウを秘薬として使っていました。そして秘薬の事を決して他の人に教えるなと弟に口止めしていました。

ところがある日弟はうっかり口を滑らせてしまい、オトギリソウの秘薬が他の人々に知れ渡ってしまいました。

約束を破った弟に腹を立てた晴頼は、弟を刀で切ってしまいます。その血はオトギリソウの葉に飛び散り、それ以来オトギリソウの葉には黒い斑点が付くようになりました。

オトギリソウの名前は、このような逸話が由来となっています。いくら約束を破ったとはいえ、かわいそうなお話ですね。

この逸話により、オトギリソウの花言葉には秘密、恨みといったものがあります。

西洋オトギリソウであるセント・ジョーンズ・ワートにも、洗礼者ヨハネにまつわる同じような伝説と花言葉があります。とても不思議ですね。

ヒペリカムに似た花

色や形が似ている花として、ヤマブキが挙げられます。

ヤマブキはバラ科ヤマブキ属の花で、日本の野山に自生し、4月から5月にかけて黄色い花を咲かせます。一重咲きと八重咲きがあり、特に八重咲きは園芸品種として愛されています。

花言葉には気品、崇高等があります。色や形が似ているだけあって、花言葉もビヨウヤナギとよく似ていますね。

ヒペリカムの季節・開花時期

ヒペリカムは温かくなり始める3月頃から生育期に入り、5月から7月にかけてが開花時期となります。

その後、涼しくなり始める10月から11月には実が見頃となり、およそ半年間にわたって花や実が楽しめます。

花は美しいもののあっという間に散ってしまいますが、その後可愛い実が徐々に色づく姿を楽しめるのは嬉しいですね。

ヒペリカムの育て方・ポイント

ヒペリカムは寒さや暑さに強く、丈夫なので育てやすい植物です。生育が盛んなので、どちらかというと鉢植えより庭植えの方がいきいきと育ちます。

ヒペリカムの用土

ヒペリカムを育てるのに適している用土は、水はけと水持ちの良い土です。

鉢植えの場合は園芸用培養土でも構いませんが、用土を自分で作る場合は赤玉土や腐葉土、ピートモスを配合します。配合の割合は赤玉土6割、腐葉土3割、ピートモス1割が適しています。

庭植えの場合は、腐葉土と完熟たい肥を混ぜ込み、水はけや水持ちのよい用土にします。

鉢の選び方

よく根が張るので、大きさに余裕のある鉢を選びましょう。苗に対して鉢が小さめだと根詰まりの原因になるので注意が必要です。

日当たりや置き場所について

日なたから半日陰の環境を好みます。日が当たらない場所だと花や実があまりつきません。

ただ、夏の直射日光は葉焼けをおこす原因となるので、日がよく当たる場所では遮光ネット等の日よけが必要です。鉢植えの場合は半日陰の場所に移します。

水やりについて

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

庭植えの場合は、ある程度は自然の降雨に任せます。真夏に土の表面がカラカラに乾燥している場合は朝または夕方に水をたっぷりと与えます。

肥料について

鉢植え、庭植えいずれの場合も植えつけの際に緩効性肥料を用土に混ぜ込みます。

鉢植えの場合は、春から秋にかけては緩効性の化成肥料を定期的に少量与えます。

庭植えの場合は、生育期の春と花が終わった後の秋に緩効性の化成肥料を置き肥すると良いでしょう。

やせた土地ではあまり花をつけなくなりますが、肥料のやり過ぎは枯れる元となるので注意が必要です。

増やし方

ヒペリカムは挿し木や株分けで増やす事が可能です。

挿し木の場合、花が咲く前の5月頃に枝を約10cmに切り取り、先端の葉を3枚程度残して、その他の葉は全部取り除きます。

30分程水揚げを行って斜めに切り口をカットし、発根促進剤を切り口に塗った後、赤玉土の用土に挿します。用土を乾燥させないよう注意し、日陰の場所に置いて根が生えるのを待ちます。

この方法で、切り花のヒペリカムも挿し木として利用出来る場合があり、うまく育てば花を咲かせ再び実を楽しめます。手軽にチャレンジ出来ますし、もし育てばとても嬉しいですよね。

株分けの場合は、新芽が発芽する前の3月頃に株を掘り上げ、株をナイフなどで均等に分けて植え付けます。

鉢植えの場合は植え替えの際に株分けも同時に行うと良いでしょう。

植えっぱなしで育てられる

ヒペリカムは丈夫なので、夏越し、冬越しに特に気を遣わなくても毎年花を咲かせますが、美しい花や実を楽しむためには、ある程度の管理が必要です。

ヒペリカムは春に株元から新しい枝が芽吹きます。古い枝は花がつかなくなるので根元から切り取ります。

庭植えは、コンパクトに育てたい場合地上30㎝位の高さに剪定します。それ以外の場合は表面を浅く剪定します。そうすることで新芽が出やすくなります。

鉢植えの場合は、根が鉢いっぱいに張ってしまう場合が多いので、1年ごとにひとまわり大きな鉢に植え替えを行います。植え替えには3月頃か10月頃が適しています。

病気や害虫について

かかりやすい病気にさび病があります。ジメジメとした環境で発生しやすく、この病気にかかると茎や葉に茶色の斑点が出来て枯れてしまいます。

病気にかかった葉は取り除き、感染の広がりを抑えます。風通しを良くする事で防止できる病気です。

害虫で最も被害を受けやすいのがカイガラムシです。特に成虫は硬い殻を持つため殺虫剤が効きにくく、やっかいな存在です。幼虫の時に殺虫剤を撒いて早めに駆除しましょう。

まとめ

今回はヒペリカムについてご紹介しました。

ヒペリカムは花も実も楽しめるので、育てる楽しみがひときわ大きい植物だといえます。

花言葉の通り、見ているだけでポジティブな気持ちになれそうなヒペリカム。もし興味があれば栽培にもチャレンジしてみてくださいね。

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