プリムラは、冬から春にかけて咲く花です。今回はプリムラの花言葉や誕生花、更にプリムラを用いた風水や育て方などをご紹介します。
プリムラの花言葉早見表
プリムラ全般の花言葉 | 「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」「可憐」「運命を開く」「初恋」「うぬぼれ」「神秘な心」「富貴」「永続する愛情」 |
プリムラ全般の英語の花言葉 | 「early youth」(青春のはじまり)「young love」(青春の恋)「I can’t live without you」(あなた無しでは生きられない) |
赤いプリムラの花言葉 | 「美の秘密」「後援の無い功績」 |
赤いプリムラの英語の花言葉 | 「unpatronized merit」(後援の無い功績) |
紫のプリムラの花言葉 | 「信頼」 |
紫のプリムラの英語の花言葉 | 「confidence」(信頼) |
プリムラ・ポリアンサの花言葉 | 「富の誇り」「無言の愛」 |
プリムラ・ジュリアンの花言葉 | 「青春の喜びと悲しみ」 |
プリムラ・オブコニカの花言葉 | 「しとやかな人」「青春の美しさ」 |
プリムラ・マラコイデスの花言葉 | 「素朴」「気取らない愛」「運命をひらく」 |
プリムラ・シネンシスの花言葉 | 「永遠の愛情」 |
プリムラ・オーリキュラの花言葉 | 「貪欲」 |
プリムラとは?どんな花?
プリムラは、冬から春先の花が少ない季節に色鮮やかな可愛らしい花を咲かせます。
寒い季節には、窓際でプリムラを育てているお家も見かけられますね。
昔から多くの園芸家に愛されるプリムラですが、どのような特徴を持つのでしょうか。
プリムラの特徴
プリムラは、サクラソウ科サクラソウ属の多年草または1年草の総称です。ヨーロッパや中国をはじめとしたアジアが原産です。
「プリムラ」は、ラテン語で最初の、という意味の「primus」が語源です。
他の花に先駆けて一番初めに春の訪れを告げる花、という意味でこのような名前が付けられています。
プリムラは常緑性の葉と5枚の切込みの入った花弁を持ちます。花の色はバリエーション豊富で、咲き方も一重咲きや八重咲き、そしてバラ咲き等さまざまな種類があります。
冬の寒さに強く、園芸初心者でも育てやすいのでホームセンターなどでもよく販売されていますね。
日本にも古くから伝統園芸植物としてサクラソウ属の原種を品種改良した「サクラソウ」または「日本桜草」と呼ばれる花があり、昔は混同されることもありました。しかし現在では「サクラソウ」と「プリムラ」とは区別して扱うのが一般的です。
プリムラの歴史
プリムラの野生種は北半球の広範囲に古代から自生し、ヨーロッパでは15世紀頃から野生種を元に品種開発が始まりました。
園芸種として有名なプリムラ・ポリアンサは17世紀にヨーロッパで3種の野生種(プリムラ・ブルガリス、プリムラ・ベリス、プリムラ・エラチオール)を主とした交配により作出されたと考えられています。
昔はより大輪で色鮮やかな花を作り出すことが重要視され、中でも花弁の外側に白い縁取り(レース)がある花が珍重されたそうです。
プリムラの園芸種は明治時代後期から日本にも輸入されていましたが、当初は定着せず、第2次世界大戦後に鉢物として家庭でも栽培されるようになったそうです。
その後日本では1970年代にプリムラ・ポリアンサとコーカサス原産のプリムラ・ジュリアエを交配した「プリムラ・ジュリアン」が作出されました。
プリムラ・ジュリアンは冬の庭先や室内を明るく彩る花として人気となり、その後のプリムラの需要にも大いに貢献したといわれています。
現在に至るまで品種改良が盛んに行われ、原種と園芸種を合わせると世界中に500種以上のプリムラが存在します。プリムラは様々な国で愛されている花だと分かりますね。
プリムラの別名
プリムラは日本の伝統園芸植物の「サクラソウ」に対し「西洋サクラソウ」と呼ばれます。
プリムラの基本情報
科・属 | サクラソウ科サクラソウ属 |
和名 | 西洋サクラソウ |
英名 | Primrose |
学名 | Primula |
原産地 | ヨーロッパ・アジア |
開花期 | 11月~4月 |
プリムラの全般の花言葉
プリムラは品種別、また色別の花言葉も持ちますが、まずはプリムラ全般が持つ花言葉をご紹介します。
「青春のはじまりと悲しみ」
駆け足であっという間に過ぎ去っていく青春を悲しむ花言葉です。
プリムラがまだ寒い季節に咲き始め、草木が生い茂る夏を待たずに枯れてしまうことに由来します。
「青春の恋」
春まだ浅い頃に開花期を迎えることが、青春時代の恋愛になぞらえて表現されている花言葉です。
「可憐」
可愛らしいプリムラの花の見た目そのままの花言葉です。
「運命を開く」
ドイツの伝説にプリムラが春の扉を開く「鍵の花」であるというお語があり、それが由来となっています。
この花言葉は「開運」というように捉える事が出来ますね。新たなる門出を迎える人に贈るのにもふさわしい花言葉です。
「初恋」
プリムラが早春に花を咲かせる事が淡い恋心を連想させるため、初恋という花言葉を持ちます。
「うぬぼれ」
これはプリムラの花の美しさから生まれた花言葉とも、またプリムラの開発当時のイギリスの時代背景が由来ともいわれる花言葉です。
「富貴」
プリムラの花が沢山咲き誇っている様子が、富を得て身分が高い人に例えられています。
「神秘な心」
プリムラが様々な色の花を咲かせることが神秘的に思えるため、このような花言葉を持ちます。
「永続する愛情」
開花期が長い事と、多年草である本来のプリムラの性質から生まれた花言葉です。
記念日等にパートナーに贈るのには最適の花言葉ですね。
プリムラの英語の花言葉
プリムラは、「early youth」(青春のはじまり)、「young love」(青春の恋)、「I can’t live without you」(あなた無しでは生きられない)という英語の花言葉を持ちます。
「青春のはじまり」や「青春の恋」は日本語の花言葉と似ていますが、「あなた無しでは生きられない」という切実な花言葉はギリシア神話が由来です。
失恋により命を失い、プリムラへと姿を変えた青年の悲しい神話が元になっています。
このギリシア神話により、早春に咲き、夏まで持たないプリムラの特徴を青春の儚さに重ねた花言葉が生まれたともいわれています。
現在の日本ではプリムラは明るいイメージしか持たないので、ちょっと驚きますね。
プリムラに怖い花言葉はある?
怖い花言葉はありませんが、プリムラは素敵な花言葉と共に悲しい花言葉や「うぬぼれ」というマイナスイメージの花言葉も持ちます。
そのため、プリムラを贈り物としてプレゼントする際には、相手に喜んでもらえるような花言葉を添えて贈る方が無難といえますね。
赤色のプリムラの花言葉
「美の秘密」
品種改良により作出されたプリムラは、最初赤色の花が多かったそうです。改良を重ねてより美しいプリムラが生み出されたことが、この花言葉の由来です。
「後援の無い功績」
これは、プリムラが誰の手を借りずとも寒い冬に美しく咲き誇るさまを表しています。
英語での花言葉は同じく「unpatronized merit」(後援の無い功績)です。
紫のプリムラの花言葉
「信頼」
紫色のプリムラは上品で落ち着いた印象を持つため、色のイメージが由来の花言葉です。
英語の花言葉は同じく「confidence」(信頼)です。
プリムラ・ポリアンサの花言葉
プリムラ・ポリアンサは絵本に出てくるようなはっきりした花の形で、カラフルな色合いと大輪の花をつけるのが特徴です。
「富の誇り」
プリムラ・ポリアンサの花がにぎやかに沢山咲く様子が由来の花言葉です。
「無言の愛」
プリムラ・ポリアンサが愛らしく咲く姿から連想された花言葉です。
プリムラ・ジュリアンの花言葉
プリムラ・ジュリアンは日本で作出された品種です。色とりどりで花の形も八重咲き、バラ咲き等様々で人気のある品種です。小ぶりの花をつけるのが特徴です。
「青春のはじまりと悲しみ」
プリムラ・ジュリアンはプリムラ属全般の花言葉を持ちます。
プリムラ・オブコニカの花言葉
プリムラ・オブコニカは、中国・ヒマラヤ地方原産で、花もちが長いのが特徴です。数か月にわたって開花が続きます。別名常盤桜、四季咲き桜草です。
葉にプリミンという毒素を持つため、素手で触るとかぶれることがあります。扱う際は手袋を着用すると安心ですね。
「しとやかな人」
プリムラ・オブコニカの花は他のプリムラと比べて優しい上品な色合いを持つため、この花言葉が付けられています。
「青春の美しさ」
プリムラ・オブコニカが早春に美しい花を咲かせることが由来の花言葉です。
プリムラ・マラコイデスの花言葉
プリムラ・マラコイデスは中国原産で、日本のサクラソウによく似ています。葉の裏に白い粉がついていることから化粧桜、乙女桜とも呼ばれます。
プリムラ・オブコニカと同じく葉の部分にプリミンという毒素を持つため、素手で触るとかぶれることがあるので注意が必要です。
「素朴」
プリムラ・マラコイデスの見た目がシンプルな事が由来の花言葉です。
「気取らない愛」
同じく野の花のような飾り気のない花の姿から生まれた花言葉です。
「運命を開く」
プリムラ全般と同じ花言葉です。新しい事を始める時や受験生にもピッタリの花言葉ですね。
プリムラ・シネンシスの花言葉
プリムラ・シネンシスは中国原産で、可憐な小ぶりの花を沢山咲かせるのが特徴です。
「永遠の愛情」
プリムラ・シネンシスはプリムラ属の中でも特に開花期が長いため、この花言葉を持ちます。
プリムラ・オーリキュラの花言葉
プリムラ・オーリキュラはイギリスで産業革命と同時期に開発された品種です。オーリキュラと呼ばれる花には細かい条件があり、イギリスらしい格式高い美しさがあります。
「貪欲」
プリムラ属全般と同じ花言葉ですが、特にオーリキュラが開発された19世紀当時のイギリスの社会情勢等を反映しこの花言葉を持つといわれています。
海外・西洋のプリムラの花言葉
プリムラは西洋において多くの文学作品に登場します。花言葉とは呼べませんが、特にイギリス文学ではプリムラは青春の悲劇を象徴する花とされ「pale primrose」という言葉で若者の薄幸を表現した作品が残されています。
プリムラの誕生花
誕生花は1月16日、1月18日、1月25日、2月1日、2月3日、2月13日、2月19日、2月8日(紫色)となっています。
ちょうどプリムラの花が見頃の時期ですね。プリムラは切り花としての流通がほとんどないので、お花好きな方に誕生花として贈る場合には、素敵な花言葉を添えてプリムラの鉢植えを贈ると喜んでもらえそうですね。
プリムラと風水
プリムラは寒い冬に咲く強い生命力を持った花です。
「運命を開く」という花言葉を持つ事からも、風水的には新しい事を始めようとする時にパワーを与えてくれる花といわれています。
基本的にはどこに飾っても良いのですが、花の色により特に適した場所や方向がありますので、ご紹介します。
白色のプリムラを玄関に飾ると良い気を呼び込み、全体的な運気アップにつながるでしょう。
恋愛運上昇を願う場合は、ピンク色のプリムラを南東の方向に飾ると良いでしょう。
仕事運や勝負運上昇には、赤色のプリムラを東の方向に飾ると良い効果が期待できます。
現状からのステップアップを目指す場合には、鬼門に当たる北東の方向に白色のプリムラを飾ると良いでしょう。
才能開花、美容運上昇を願う場合は、南の方向に白色またはオレンジ色のプリムラを飾ると運気上昇につながります。
金運アップには黄色の花を西の方向に飾る、というのは有名ですが、プリムラの中では特に大輪の花を咲かせ「富の誇り」の花言葉を持つ黄色のプリムラ・ポリアンサがおすすめです。
プリムラの仲間
仲間として同じサクラソウ属のクリンソウが挙げられます。日本の野山に自生します。開花期は5月から7月で、花が輪のようになって重なるような咲き方をするのが特徴です。
花言葉は「物思い」、「少年時代の希望」、「幸福を重ねる」です。
特に「幸福を重ねる」という花言葉はお子さんの誕生祝いや長寿のお祝いなどにもピッタリですね。
プリムラに似た花
似た花としてバーベナが挙げられます。バーベナはクマツヅラ科クマツヅラ属の総称です。5月から10月に花を咲かせ、別名美女桜と呼ばれます。
花言葉は「魔力」、「魅力」です。
プリムラの季節・開花時期
プリムラは秋から冬にかけて生育し、冬から春にかけて花を咲かせます。開花時期は11月~5月です。
プリムラの育て方・ポイント
数あるプリムラの品種の中でもポピュラーなプリムラ・ポリアンサの育て方をご紹介します。
プリムラ・ポリアンサは初心者にも育てやすい花です。綺麗な花を咲かせるポイントは、温度と湿度に気を配る事です。
プリムラの用土
水はけと水持ちの良い弱酸性の用土が適しています。市販の園芸用培養土でも構いません。
鉢の選び方
育てているうちに根が張るので、苗よりも一回り大きな鉢を準備しましょう。
日当たりや置き場所について
置き場所は日当たりと風通しの良い場所が適しています。雨の当たらない場所に置きましょう。
霜に当たると枯れるので、寒さが厳しい時は暖房の効いていない日当たりの良い室内や軒下で管理します。室内で管理する際は、温かい部屋に置き続けると花もちが悪くなるので注意が必要です。
水やりについて
土の表面が乾いたら水を与えます。葉や花に水がかかると傷んでしまうので、なるべく株元にかけましょう。
肥料について
プリムラ・ポリアンサは、肥料が不足すると花や葉の色が悪くなります。10月から4月には緩効性化成肥料を施し、開花期には液体肥料も施しましょう。
増やし方
種まきと株分けで増やします。株分けは植え替えの際に2~3株に分けます。
花が終わったら
こまめに花がらを摘みます。そうすることで湿気がたまりにくくなり、病気を防げます。花がらを手でちぎるとつぼみや他の花まで傷んでしまうので、剪定ばさみを使って花茎の付け根から切り取りましょう。
プリムラは日本の夏の暑さには弱いので、園芸上は一年草扱いとされることも多いですが、全ての花が終わったら夏越しにチャレンジしてみるのも良いですね。
夏越しを成功させるポイントは、夏の間は半日陰の涼しい場所で管理する事だといわれています。
植えっぱなしで育てられる
プリムラが無事に夏を越した場合には、株分けも兼ねて一回り大きい鉢へ植え替えを行います。
病気や害虫について
かかりやすい病気に軟腐病と灰色かび病があります。
軟腐病は高温多湿の環境で発生し、土と触れ合う葉や茎が腐ってしまう病気です。発生部分は回復できないため抜き取ります。
灰色かび病も高温多湿が発生の原因です。見つけ次第殺菌剤を散布します。
これらの病気の予防には、花がらや枯葉をこまめに摘み、通気を良くすることが大事です。
害虫はアブラムシやヨトウムシ、ハダニに注意が必要です。発見したらすぐに殺虫剤で駆除しましょう。
病気も害虫も毎日の観察で未然に防ぐ事が出来ます。こまめなお世話が大事ですね。
まとめ
今回はプリムラについてご紹介しましたが、いかがでしたか。
プリムラは種類が非常に豊富で育てやすい花です。ご興味があれば、沢山の品種の中からお気に入りのプリムラを見つけてぜひ育ててみてくださいね。
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