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ナズナ(ぺんぺん草)の花言葉・誕生花・育て方・種類

ナズナ(ぺんぺん草)の花言葉・誕生花・育て方・種類

ナズナは、春の訪れと共に小さな白い花を咲かせる植物です。

今回はナズナの花言葉や誕生花、またナズナを用いた風水などをご紹介したいと思います。

ナズナとは?どんな花?

ナズナはぺんぺん草という呼び名でも広く知られ、とても身近な植物です。

日本では1月7日に無病息災を願って「七草がゆ」を食べる風習がありますが、「春の七草」のひとつとしてもナズナは欠かせませんね。

しかし、ナズナがどのような特徴を持つのかはよく知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこでまずはナズナの特徴や歴史についてをご紹介したいと思います。

ナズナの特徴

ナズナは、アブラナ科ナズナ属の越年草です。越年草とは、葉が緑のまま枯れずに冬を越す植物の事を指します。


ナズナという名前の由来は、花の姿が撫でたくなるほど愛らしいので「撫菜」と呼ばれていた事が由来との説と、夏には枯れて「夏無い」事が由来だとする2つの説があります。

東ヨーロッパや西アジアが原産で、北半球の広範囲に分布します。日本でも道ばたや畑の周り等、様々な場所に自生していますね。

ナズナの草丈はおよそ20cmから50cmで、初夏には50cm程度まで生長します。

地面に接している葉(根出葉)はタンポポの葉によく似ていて、放射状に広がっています。

これはロゼットと呼ばれる葉の状態で、春の柔らかな日差しを効率よく受けるための性質だといわれています。

春から初夏にかけて根出葉から茎を伸ばし、枝分かれした花茎の先に、4枚の花びらを持つ直径3㎜ほどの白い花を沢山咲かせます。

また、葉と思われがちなのですが、茎の左右につく小さなハートの形をしたものはナズナの果実です。

ナズナは茎の下部から上部へと順番に花を咲かせます。茎を伸ばしながら次々と花を咲かせるため、茎の下部で花が終わって果実が出来る間も茎の上部では開花が続きます。

そのため、茎の下部の果実は茎の先端についた花の葉のように見えます。

果実が弾けて地面に種子が落ち、秋ごろ芽生え、根出葉の姿で冬を越します。

ナズナの歴史

ナズナは、紀元前3世紀頃にムギの栽培法と共に中国より日本へ伝来し、日本に帰化した「史前帰化植物」です。とても長い歴史がありますね。

中国では6世紀頃から汁物などに入れ食されていた記録が残されていて、日本では平安時代の文献「和名類聚抄」(わみょうるいじゅしょう)にナズナの名前が「奈都那」として出てきます。

早春に芽吹いた若菜を摘んで食す「若菜摘み」という風習は日本にも古くからありましたが、7種の若草を食して邪気を払うという考えは平安時代頃に中国から伝わりました。

その後1月7日に七草がゆを食す風習へとつながったと考えられています。

ナズナの若葉は鉄分等の栄養素を多く含むため、かつての日本では冬の貴重な栄養源でもありました。

江戸時代になると、お釈迦様の誕生日である旧暦4月8日に法要を行うお寺の門前で、ナズナが束で売られていたといいます。

これは食用ではなく、行灯の先に糸で束ねたナズナをつるして、虫よけのおまじないを行うためだったそうです。

また、ナズナを歌った俳句も多くあり、有名なものに松尾芭蕉の「よく見れば なづな花咲く 垣根かな」があります。

ナズナは遠い昔から現在に至るまで、ずっと私達の生活の傍らにある植物といえますね。

ナズナの別名

ナズナの別名にはぺんぺん草と三味線草があります。

これらの別名はナズナの果実の形が三味線を弾く撥(ばち)に似ていることが由来です。ぺんぺん草の「ぺんぺん」とは三味線を撥で弾く時の擬音です。

また、英名は「Shepherd’s purse」といい、羊飼いの財布という意味です。

果実の形が、羊飼いの男性が持つ革製の財布に似ていて、果実を2つに割ると硬貨のような形の種子が見えるのが英名の由来です。

日本と海外、両方とも果実の形が由来の呼び名ですが、受ける印象がかなり違いますね。

ナズナの全般の花言葉

ナズナにはどのような花言葉があるのでしょうか。まずはナズナ全般が持つ花言葉からご紹介します。

「あなたに私の全てを捧げます」

とても情熱的でロマンチックな愛の言葉ですね。実はこの花言葉で実際にナズナを贈りプロポーズする方もいらっしゃる程です。

バラのように華やかではなく、素朴な花を咲かせるナズナ。しかし秘めた強さを持ちながらも可憐な花姿は、生涯苦楽を共にする相手に贈るのにふさわしいのかもしれませんね。

この花言葉の由来は、英名の「羊飼いの財布」にあります。

その昔、羊飼いの男性は日払いの賃金をナズナの果実に似た形の財布に入れていましたが、仕事を終え帰宅すると財布の中身をそのままに財布ごと妻に渡していました。

この習慣が、「あなたに私の全てを捧げます」という花言葉の由来です。全てを捧げるとは、何と財布の中に入っているお金を全て捧げるという事なのですね。

由来そのものはロマンチックとは言い難いかもしれませんが、パートナーを心から信頼するからこその花言葉といえますね。

「あなたに全てをお任せします」

こちらも、羊飼いの財布のエピソードが元となった花言葉です。相手に自分自身の何もかもを委ねる、といった全幅の信頼が感じられるメッセージですね。

「贈与」

同じく羊飼いの財布が由来の花言葉ですが、更にダイレクトな花言葉です。生活していく上でお金は必要不可欠なものですし、相手を思うがゆえの花言葉ともいえるでしょう。

あなたに真心を贈る、という風にも捉えられますね。

「無病息災」

これはナズナが春の七草の一つであり、お正月の7日に七草がゆを食すと悪い気を遠ざけ、一年間つつがなく健康で過ごせる、と信じられていることが由来です。

日本の伝統的な年中行事として、後世にも引き継がれていくと良いですね。

「春の到来」

春の訪れと共に開花が始まるナズナの特徴をとらえた花言葉です。季節の移り変わりを人々に知らせる花としても、昔から人々に親しまれてきたことがうかがえますね。

ナズナの英語の花言葉

ナズナの英語の花言葉は、「I offer you my all」で、「あなたに私の全てを捧げます」という日本語の花言葉と同じです。ストレートな花言葉には、その分胸に迫るような熱い思いを感じますね。

ナズナに怖い花言葉はある?

実はナズナには、前述の情熱的な花言葉とは印象が全く異なる花言葉があります。

「君を忘れない」

怖いイメージの花言葉ではありませんが、遠くに去ってしまった相手に対しての切ない思いが表れた花言葉です。

この花言葉の由来は、夏になるとナズナの姿が見られなくなることが親しかった人との惜別を連想させるためという説もあります。

特にこれからもずっとお付き合いが続く人にナズナを贈る際には、念のため良い花言葉を添えて贈るのが無難だといえますね。

ナズナの誕生花

誕生花は1月17日、2月3日です。ナズナの開花はもう少し先の時期ですね。

誕生花としてナズナを贈る場合は、1年を通して園芸店等で購入できる切り花の西洋ナズナがおすすめです。

他のお花と合わせて華やかなフラワーアレンジメントにしても素敵ですね。

ナズナの効果・効能

ナズナは古くから生薬としても利用され、開花期にあたるナズナを洗浄した後に天日で乾燥させたものは薺菜(せいさい)または薺(せい)と呼ばれています。

煎じて服用すると女性の体の不調や高血圧、止血や解熱、眼病など様々な症状に効能があるといわれています。

ヨーロッパにおいても昔から薬効が知られており、万病に効く薬として利用されてきました。

薺菜は現在でもオンラインショップなどで販売されていますが、子宮の収縮作用等もあるとされているので、持病のある方や妊娠中の方は服用しても良いか主治医とよく相談してくださいね。

ナズナと風水

ナズナを風水に用いる場合は、切り花を花瓶に生けるのがおすすめです。花瓶の水をこまめに取り換えて、いつもきれいな気が流れるようにしましょう。

家の中に植物を飾るだけでも邪気を退け、良い気を呼び込む効果が期待出来ますが、ナズナを飾るのに風水的に適しているとされる方角は、北東と南です。

北東は鬼門で、ラッキーカラーは浄化作用のある白色です。大きな変化をもたらす方角なので、北東の方角にナズナを飾ると金運上昇や、現状からのステップアップに効果があるでしょう。

また、南のラッキーカラーは白色、緑色、そしてオレンジ色です。南の方角にナズナを飾ると仕事運アップや才能開花、美容運上昇の効果が期待できます。

ナズナの仲間

ナズナの仲間で名が知られているものをいくつかご紹介します。

グンバイナズナ

果実の形が相撲の行司が手にする軍配に似ていることが名前の由来です。ヨーロッパ原産で、ナズナと同じく帰化植物です。西洋ナズナやタラスピとも呼ばれ、輸入物のタラスピは切り花として流通しています。花言葉、誕生花はナズナと共通です。

マメグンバイナズナ

北アメリカ原産で、明治時代に日本に入ってきました。果実の形が丸いのが名前の由来です。コウベナズナの別名があります。花言葉、誕生花はナズナと共通です。

イヌナズナ

日本の在来種です。葉の姿はナズナによく似ていて、黄色の花を咲かせます。名前の由来は食べられない事です。否(いな)が変化し「イヌ」になったといわれます。花言葉、誕生花はナズナと共通です。

シロイヌナズナ

こちらも食用には向きませんが、遺伝子の数が少ないことやゲノムの解析が終了している事等から様々な研究や実験に利用される「モデル植物」として有名です。花言葉、誕生花はナズナと共通です。

モロッコナズナ

アブラナ科エティオネマ属の植物です。原産地はトルコです。花色はピンク色で、ピンクファンファンとも呼ばれます。ピンポン玉のような形に咲く花は寄せ植え等に適します。

花言葉は「心をひきつける」、「わたしの恋を知ってください」です。誕生花はナズナと共通です。

ナズナに似た花

ナズナによく似た花に、アブラナ科タネツケバナ属のタネツケバナがあります。別名アワナズナといい、ナズナと同じく食べられます。水辺等に群生します。

花言葉は「勝利」、「不屈の精神」、「情熱」、「父の失策」があります。ポジティブな花言葉も持ちますが、父親に贈るのは避けた方が良いですね。

誕生花は1月24日、2月3日、3月7日、4月26日です。

ナズナの季節・開花時期

ナズナは秋に発芽します。秋から冬にかけては根生葉の姿で、春になると茎を伸ばして花を咲かせます。開花時期は2月から6月です。

ナズナの育て方・ポイント

ナズナをそばでじっくりと鑑賞したい方には、ナズナを育てるのもおすすめです。

ナズナは生命力が強く、やせた土地でも育ちます。元気に育てるポイントは高温多湿に注意することです。

ナズナの用土

水はけがよく肥沃な用土が適しています。市販の園芸用培養土でも構いません。

鉢の選び方

小さすぎるものは根詰まりするおそれがあるので、大きさに余裕があるものを選びましょう。植え付けの時期は3月から4月頃が適しています。

日当たりや置き場所について

ナズナは日当たりと風通しの良い場所を好みます。暑さ、寒さに強い植物ですが、真夏の直射日光やジメジメした高温多湿の環境は苦手です。夏は半日陰の湿度の低い場所に移動させましょう。

水やりについて

乾燥気味に育てます。鉢植えの土の表面が乾いて2日程度たってから水を与えます。

肥料について

肥料は無理に必要ありません。花のつきを良くするために与えるのであれば、植え付け時と冬越し前に緩効性肥料を与えましょう。

花が終わったら

ナズナは一年草ですので、花が終わった後の植え替えなどは必要ありません。

増やし方

ナズナは挿し芽で増やす事が可能です。花が終わった後の茎をバーミュライト等に挿し、根がじゅうぶんに張ったら鉢に植え付けます。気温が落ち着いてくる9月以降に行うと良いでしょう。

病気や害虫について

かかりやすい病気にうどんこ病があります。葉に白い粉のようなカビが生える病気です。見つけ次第薬剤を散布して広がりを防ぎます。

害虫はアブラムシがつくことがあります。数が増える前にブラシ等でこすり落とすか、殺虫剤を散布して駆除しましょう。

まとめ

今回は身近な春の草、ナズナについてご紹介しました。

ナズナは春に咲く草花の中でもあまり目立たない存在ですが、古代からずっと人々に愛されてきた、様々なパワーを内に秘めた植物です。

興味のある方は、ナズナを色々な用途で楽しんでみてくださいね。

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