シュウメイギク(秋明菊)は秋に咲く植物で、ふわっと風にゆれる様子がすてきな花です。花色は白やピンクなど複数あり品種数も多いです。このシュウメイギクにはどんな花言葉があるのでしょう。今回は特徴や育て方などと併せて、花言葉についてまとめてみました。
シュウメイギク全般の花言葉 | 「忍耐」「薄れゆく愛」「薄れゆく愛情」「あせていく愛」「淡い思い」「多感なとき」「耐え忍ぶ恋」「利益」 |
シュウメイギクとは?どんな花?
ここでは特徴や歴史について見ていきましょう。
シュウメイギクの特徴
シュウメイギクは、中国から日本にやってきて帰化した花です。日本へ来たあとに、ヨーロッパへ渡り品種改良されました。現在は種類がたくさんあります。原種は八重咲き、現在お店で出回っているものは一重咲きです。日本固有の品種もあります。
すらっと伸ばした茎の先に花を咲かせます。その姿はとても優雅ですよね。花びらのように見える部分は花びらではありません。本当は萼片なのです。花色は白・ピンク・紫などです。
菊に見た目が似ており、秋に咲くためこのような花名がつけられました。花名に菊と入っていますが、実際はアネモネの仲間です。そのため、日本のアネモネともいわれています。
暑さや寒さに強いので、栽培難易度は低めです。育てやすいのは魅力的ですよね。花が咲いたあとは茶色の実をつけます。種はこの実から採取でき、ふわふわした毛の塊のような見た目をしています。
そんな美しく人気がある植物ですが、茎から出る液体には毒が含まれています。直接その液体に触ってしまうと、皮膚が炎症を起こしてしまいます。危険なので、この液体には直接触らないようにしてください。自宅で育てている場合は、必ず手袋をして作業しましょう。
シュウメイギクの歴史
日本に入ってきたのはかなり昔と考えられているようです。歴史的な資料を見ると、室町時代のころの辞書に中国から帰ってきた僧侶が花の名前をつけたと残っています。
現在あちこちで見かけるシュウメイギクは19世紀のころに交配で誕生した品種です。日本にも固有のシュウメイギクが存在しますが、こちらよりも世に広まっていったため、現在は交配で作られた品種のほうをシュウメイギクとしているようです。
シュウメイギクの別名
別名は、キブネギク・コウライギク・キセンギク・トウギク・秋芍薬・加賀菊・秋牡丹・秋冥菊・越前菊・シメギク・エチゼンギク・ムラサキコロモギクなどがあります。
秋冥菊は、天国などのあの世に登場するような美しい見た目をしているという意味でつけられました。現在つけられている花名の漢字の由来は、明るい花が秋に咲くことからきているといわれています。
冥土の土産などに使われる「冥」の字が良い印象を与えないところから「明」になったともいわれているようです。キブネギクは、京都の貴船と呼ばれるところで野生化したため、このような別名もつけられています。
シュウメイギクの基本情報
科・属 | キンポウゲ科、イチリンソウ属 |
和名 | シュウメイギク |
英名 | Japanese thimbleweed・Japanese anemone |
学名 | Anemone hupehensis var. japonica |
原産地 | 中国 |
開花期 | 8~10月 |
シュウメイギクの全般の花言葉
シュウメイギクの花言葉をご紹介します。花言葉をプラスしてプレゼントしてもいいかもしれません。
「薄れゆく愛」「多感なとき」「忍耐」「耐え忍ぶ恋」
悲しい伝説をもつアネモネの仲間のため、これらの花言葉がついているようです。これらのメッセージは贈り物にはあまり合わないかもしれませんね。
「あせていく愛」
時間が経てば、辛かった過去の恋愛も色あせていくようなところからきているのでしょうか。想いあっていた2人の愛情が冷めて距離が離れていくような光景にも当てはまる花言葉ですね。
「淡い思い」
初恋のような思いを表しているのでしょうか。言葉で直接伝えられない気持ちを花言葉で伝えてみてもいいでしょう。
「利益」
幸運のシンボルのような花言葉ですね。優雅に咲くところからきているのでしょうか。なんだかご利益がありそうですよね。
シュウメイギクに怖い花言葉はある?
とくに怖い花言葉はついていません。とはいっても、あせていく愛や薄れゆく愛など、誰かに贈るには添えにくい花言葉が多いので、花言葉を添えるのは避けたほうがいいかもしれません。
その場合は、花だけプレゼントするといいでしょう。とてもすてきな花なので、無理に花言葉をつけなくても、喜んでもらえると思います。プレゼントするなら、生花を花束にするのもいいですし、鉢植えをラッピングして贈るのもおすすめです。記念日や誕生日などのときにプレゼントしてみてください。
シュウメイギクの誕生花
誕生花は、9月5日、14日、30日、10月2日、3日、7日、8日、10日、12日、15日に指定されています。花が咲いている時期の誕生花もあるので、生花を贈りたいときもタイミングがあえばギリギリ贈れそうですね。ほかの花と組み合わせて、寄せ植えや花束などのフラワーギフトにしてみてもいいでしょう。
シュウメイギクの仲間
代表的なシュウメイギクの仲間キンポウゲ科の花をご紹介します。
クレマチス
蔓性植物の女王という呼び名もあるクレマチスは、花びらが6枚の品種とベルのような形に咲く品種があります。あさがおのように蔓を伸ばして花をつけます。原種はテッセンという名前で花びら6枚のほうです。この品種は中国に自生しています。
花が年に一度咲く一季咲きと剪定することで何度も咲いたり開花時期が長い四季咲きのものがあります。品種によって雰囲気がガラッと変わるので、いろいろなクレマチスを育ててみるのもおすすめです。花言葉は「旅人の喜び」「精神の美」「策略」などです。4月10日、27日、5月3日、5日、9日、6月5日などたくさんの誕生花に指定されています。
オダマキ
夏に花を咲かせる植物で、かなり個性的な見た目をしています。たくさんの花と一緒にするよりも、一輪挿しなどで飾るほうがおすすめです。和の雰囲気も強いので、落ち着いた雰囲気が好きな人に合うかと思います。品種の数は約70種です。アヤメのようなパッと目につく鮮やかな花色が魅力です。糸繰草やアキレギアなどの別名もあります。
お店で一般的にオダマキとして売られているものは西洋オダマキです。日本が原産のはミヤマオダマキといいます。花言葉は「愚か」「あのかたが気がかり」「心配して震えている」「勝利への決意」などです。4月1日、9日、5月2日、6日などの誕生花にもなっています。毒を持っているので注意しましょう。
オキナグサ
山地に咲いている植物ですが、現在は自生している品種は減ってしまったようです。そのため、絶滅危惧種に入れられています。茎にふわふわと毛がたくさん生える少し変わった姿をしています。「奉仕」「清純な心」「何も求めない」「告げられぬ恋」「背徳の恋」などの花言葉があります。少し怖い花言葉もあるので、贈るような場合は注意してください。誕生花は2月5日、3月7日などで、猫草という別名もあります。
ラナンキュラス
花金鳳花や花狐の牡丹という別名もあるのがラナンキュラスです。ころんとしていてとてもかわいらしい花でフラワーアレンジメントによく利用されています。原種は黄色をしており、その花の姿からバターカップともいわれています。花言葉は「魅力的」「名誉」「光輝を放つ」「可愛さ」「華やかな魅力」などポジティブな意味合いのものが多くつけられています。そのため、花言葉をつけて贈るのもいいでしょう。誕生花も多く、1月20日、29日、30日、31日、2月18日などです。
シュウメイギクに似た花
似た花にはアネモネや春咲きシュウメイギクなどがあります。どのような花なのか詳しく見ていきましょう。
コスモス
コスモスは秋の花を代表する1種ですよね。しかし開花時期は6月からと秋以外の季節にも咲きます。花畑になっている光景をよく見かけます。花の色はピンクのほか、白や赤など複数存在します。花言葉は花の色別にもつけられており、代表的なものは「乙女の純真」「謙虚」「調和」などです。
黒いコスモスもありますが、こちらは少し暗い雰囲気の花言葉がついているので、プレゼントにつけるには不向きです。誕生花は9月3日や10月14日など、秋の時期に複数指定されています。月の誕生花としては10月の誕生花がコスモスとされているようです。メキシコ原産の植物で、日本には明治時代のころに海外からやってきました。
クリスマスローズ
冬の季節になるといろいろなクリスマスローズが出回ります。冬から春にかけて咲く植物で、別名は寒芍薬、ヨーロッパや西アジアが原産地です。品種改良が盛んで毎年新しい品種が誕生しています。
見た目が薔薇にも似ているため、とても人気ある植物です。花の名前もクリスマスのころに薔薇のような花を咲かせることからきています。「中傷」「慰め」「私を忘れないで」などの花言葉があり、花言葉の一つ中傷はクリスマスローズが毒を持っていることからきているようです。誕生花は11月16日、12月13日などです。
アネモネ
赤や白などの花色でとても美しい植物です。開花時期は春で、花の名前はギリシャ語の風です。風にゆれて咲く姿からウィンドフラワーという名前も持っています。しかし毒を持つ植物なので、栽培するときは気をつけたほうがいいでしょう。
歴史はかなり古く、古代エジプトのころから花の言い伝えが残っています。「君を愛す」「あなたを信じて待つ」「期待」「真実」などの花言葉があり、1月22日や3月12日などの日が誕生花として指定されています。
春咲きシュウメイギク
アネモネ・バージニア、春明菊、グリーンベリーという別名がある植物です。5~6月に咲く白い花で、宿根草に分類されています。原産地は中国です。植えっぱなしでもこぼれた種から勝手に育ちます。花がシュウメイギクに似ていて春に咲くため、こういった名前がついています。
シュウメイギクの季節・開花時期
花が咲く時期は8~10月です。
シュウメイギクの育て方・ポイント
最後は育て方をご紹介します。ぜひ栽培にもチャレンジしてみてください。
シュウメイギクの用土
排水性と保水性のバランスが良い土がおすすめです。一般的な山野草用の土や花の土が適しています。ブレンドなら赤玉土、鹿沼土、腐葉土で作るといいでしょう。
日当たりや置き場所について
日がよく当たるところで育てましょう。風通しも悪いと病気になる可能性があるので注意してください。暑さにも強い植物ですが、なるべく涼しい場所で夏は管理したほうが株の負担が少なくなります。株元には直射日光に当てないようにしてください。
水やりについて
水切れしないように注意しながら水やりしましょう。乾燥すると一気に植物が弱ってしまいます。庭植えなら基本は自然の雨に任せ、水分が足りなそうなときだけ水を与えましょう。鉢植え栽培なら乾燥しやすいです。日頃から土の乾き具合をチェックするといいでしょう。
肥料について
肥料を与える時期は春と秋です。肥料不足だと花がたくさん咲きません。そのため、開花してからも液体肥料を定期的に与えるようにしてください。植え付けるときも元肥を与えるといいでしょう。
増やし方
種まきや株分けなどで増やしていけます。といっても勝手に土の中の茎を伸ばして増える植物なので、そこまで増やすことを意識しなくても大丈夫です。株分けをするのなら、春、もしくは秋に行ってください。
植えっぱなしで育てられる
土の中の茎を成長させて育つので、地植えだと管理が難しいです。そのため取り除いたつもりでも残っていることがあります。植えっぱなしだとひたすら四方八方に増えていってしまうので、それを望まないのであれば鉢植えで育てることをおすすめします。
病気や害虫について
病気はうどんこ病や白絹病に気をつけてください。害虫はヨトウムシやアブラムシに注意しましょう。
まとめ
秋に咲く白やピンクの上品な雰囲気を持つシュウメイギクは花壇や鉢植えなどで楽しむことができます。花言葉は少しネガティブな内容が多く、フラワーギフトに添えるのは適していません。そのため、花のみをプレゼントすることをおすすめします。花そのものはとてもすてきなので、自分で育ててみてもいいでしょう。
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