菜の花は、日本に昔からある春の風物詩ともいえる花です。
今回は菜の花の花言葉や誕生花、更に菜の花を用いた風水などについてご紹介します。
菜の花の花言葉早見表
菜の花全般の花言葉 | 「小さな幸せ」「希望」「明るさ」「快活な愛」「競争」「活発」「元気いっぱい」「財産」「豊かさ」 |
白い菜の花の花言葉 | 「潔白」「適応力」 |
紫の菜の花の花言葉 | 「癒し」「優秀」「知恵の泉」「仁愛」「熱狂」「変わらぬ愛」 |
菜の花とは?どんな花?
菜の花は、春の訪れとともに鮮やかな黄色い花を咲かせます。柔らかな春風に揺れる菜の花を見ていると、気分もパッと明るくなりますよね。
また、春先になるとスーパーなどにも並ぶ菜の花は、おひたしやからし和え等にすると美味しく、春の味覚としてもよく知られています。
見て良し、食べて良しの菜の花ですが、どのような特徴や歴史を持つのかは、普段あまり気にすることがないですよね。
まずは菜の花の特徴からご紹介したいと思います。
菜の花の特徴
菜の花はアブラナ科アブラナ属の植物の総称です。食用、食用油の採取用、鑑賞用で様々な品種に分かれます。
おひたし等に利用される菜の花は、主にアブラナで、つぼみや若い茎葉が食用とされます。
アブラナは1年草または2年草で、草丈は30cmから150cmです。茎の先で枝分かれし、先端に黄色い小さな花を沢山咲かせます。
花が咲く前のアブラナは、柔らかくほろ苦い味で茎や葉も美味しく食べられますが、明治時代に渡来した西洋アブラナは茎が固く若芽しか美味しく食べられません。しかしその反面、若芽は苦みが少なく甘みがしっかり感じられます。
菜の花の「菜」は、食用の植物であることを表します。そして同じアブラナ属である大根や白菜、小松菜などの花も大きいくくりで「菜の花」と呼ばれます。
菜の花の歴史
菜の花はヨーロッパ、西アジアに古代から自生していましたが、日本へは弥生時代に農耕文化と共に中国経由で渡来したと考えられています。
飛鳥時代に編纂された「日本書紀」には、すでに菜の花の花芽が食されていたとされる記載があります。
室町時代からは行灯の燃料や食用油として使用する菜種油の搾取法が確立され、油の搾りかすは肥料に利用される等、幅広く役立つ植物として栽培が広がりました。
現在では地域特産の野菜としてブランド京野菜の「花菜」や首都圏の伝統野菜「のらぼう菜」、福岡県の「おいしい菜」等、様々な種類の菜の花が流通しています。
また、滋賀県からはじまり、全国に広がりを見せる「菜の花プロジェクト」という、地産地消を軸とした食とエネルギーの自立への取り組みがあります。
菜の花は遠い昔から現在に至るまで、そして未来へ向けて、人々に様々な形で貢献している植物だと分かりますね。
菜の花の別名
別名はアブラナ、菜種、花菜、菜花などです。アブラナは品種名で、菜種も主にアブラナまたは西洋アブラナを指しますが、花菜と菜花は様々な品種で呼ばれる名前なので、聞いただけではアブラナ属の植物である事までしか分かりません。
菜の花の基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
和名 | 菜の花 |
英名 | Canola fiower(アブラナ) |
学名 | Brassica rapa var.nippoleifera(アブラナ)、Brassica napus(セイヨウアブラナ) |
原産地 | ヨーロッパ・西アジア |
開花期 | 2月から5月 |
菜の花の全般の花言葉
菜の花はポジティブな花言葉を沢山持っています。まずは菜の花全般の花言葉をご紹介します。
「小さな幸せ」
菜の花の一つ一つの花は小さいですが、沢山の花をつけるので見応えがあります。
大きな変化はなくても、何気ない日常を重ねていく事こそ幸せだと感じられる花言葉ですね。
「希望」
菜の花の群生が春先に黄色いじゅうたんのように広がるさまは、眺めているだけで明るい未来を感じられるようなポジティブな気持ちになりますよね。
この花言葉を添えて菜の花を贈ると、夢に向かって頑張る人の応援にもなるでしょう。
「明るさ」
春の景色を鮮やかに彩る菜の花。「明るさ」という花言葉は私達が抱く菜の花のイメージそのものともいえます。
「快活な愛」
菜の花の姿のようにまっすぐで、一途な思いを表したような花言葉です。
一緒にいて前向きな気持ちになれるパートナーに贈るのにもふさわしい花言葉ですね。
「競争」
この花言葉には一瞬ドキッとするかもしれませんが、沢山の菜の花が天に向かって競争するように丈を伸ばす様子から生まれた花言葉です。想像すると可愛らしく、ふと笑顔になりますね。
お互いをリスペクトし、高めあえる良い関係の仕事仲間等に贈ってみてはいかがでしょうか。
「活発」
菜の花がまっすぐに伸びていくさまから生まれた花言葉です。
いつもはつらつとしてフットワークの軽い友人にこの花言葉を贈るのも良いですね。
「元気いっぱい」
菜の花は寒さに負けず冬を越し、枯れることなく春を迎え花を咲かせます。
そして菜の花は、ちょうど女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」の頃に見頃を迎えます。おひなさまと一緒に菜の花を飾る事もありますね。
このような事から元気いっぱいという花言葉を持ちます。可愛いお子さんに贈るのには最適ですね。
また、菜の花は食用としても栄養価が高く、食べた人達を元気にしてくれる事が由来ともいわれています。
大切な人の健康を願ったり、長寿のお祝いにこの花言葉を添えて菜の花を贈っても良いですね。
「財産」
この花言葉は、実は風水が由来といわれています。
風水では黄色は金運アップの効果があるというのはとても有名ですよね。
菜の花も鮮やかな黄色の花を沢山咲かせるので、そこから連想された花言葉です。
特に菜の花畑の壮観な眺めは、まさに日本の宝のような風景といえるでしょう。
「豊かさ」
物質的な豊かさだけではなく、内面の豊かさも大切ですね。
この花言葉も風水が由来だといわれていますが、懐が深い人、知識が豊富な人に贈っても良い花言葉です。
菜の花の英語の花言葉
実は菜の花には英語の花言葉がありません。海外において菜の花は、基本的には野菜や菜種油採取用の作物という扱いだからともいわれています。
菜の花は日本人には観賞用としても馴染み深い花なので、花言葉も日本生まれなのでしょうね。
菜の花に怖い花言葉はある?
菜の花には怖い花言葉はなく、基本的にポジティブな花言葉ばかりなので、誰かに贈る時も安心です。
ただ、「競争」という花言葉を添える場合は、きちんと由来を説明したうえで、笑って受け取ってくれそうな人に渡した方が無難かもしれませんね。
白色の菜の花の花言葉
白色の菜の花は、実は大根の花です。大根は以下のような花言葉を持ちます。
「潔白」
これは大根の見た目が真っ白な事が由来の花言葉です。
「適応力」
大根は冬の野菜の代表格で、酢の物から煮物、おでん等様々な料理に利用できますね。
色々な料理法でおいしく食べられる事が、この花言葉の由来です。ユーモアのある花言葉ですよね。
紫の菜の花の花言葉
紫の菜の花は、ムラサキハナナ等と呼ばれる中国原産の菜の花です。アブラナ科オオアラセイトウ属の植物で、正式名はオオアラセイトウ(大紫羅欄花)です。
オオアラセイトウは三国志で有名な天才軍師、諸葛亮孔明が食料用に栽培を命じたといわれ、別名「諸葛菜」といいます。
この事からムラサキハナナは諸葛亮孔明にちなんだ花言葉を持ちます。
また、中国が原産地であるオオアラセイトウは「ピースフラワー」や「平和の花」とも呼ばれます。これは過去の日中戦争のような悲しい争いを二度と繰り返さないようにとの願いを込めて付けられた別名です。
「癒し」
ムラサキハナナの淡い紫色には、ふわりと包み込むような優しさを感じられます。
中国の伝説では孔明が戦争の陣を張った跡地にムラサキハナナが咲いたといわれています。
ムラサキハナナは戦地での貴重な食料となった他に、戦争で傷ついた人々の心を癒す象徴的な花だったのかもしれませんね。
「優秀」「知恵の泉」
頭脳明晰で様々な知略をめぐらし幾多の戦争を勝利に導いた孔明。
天才的な軍師であった諸葛孔明にあやかって、この花言葉で受験生の応援をするのも良いですね。
「仁愛」
三国志において孔明の人柄は、深い慈しみを表す「仁愛」という言葉で表されています。
軍師として優れていただけではなく、人々を思いやる心を持った人物であったのでしょうね。
「熱狂」
孔明が周りを奮い立たせ、敵に打ち勝った事が由来の花言葉です。
孔明は人々にとって、まさにカリスマ的な存在だったのでしょう。
「変わらぬ愛」
これは戦場の跡地に咲いたムラサキハナナが毎年同じ場所に花を咲かせた事が由来ともいわれています。
パートナーや家族の記念日にもふさわしい花言葉ですね。
菜の花の誕生花
誕生花は2月6日、2月20日、3月1日、3月7日です。
菜の花は見ても食べても楽しめるので、誕生花として菜の花のブーケをプレゼントしたり、菜の花を使った手料理をふるまったりとお祝いの方法が選べますね。
仲の良い友人の誕生日のお祝いとして、菜の花畑の名所を観光するプランも取り入れた旅行に出かけるのも良いですね。
菜の花の効果
旬の菜の花は美味しいだけではなく、沢山の栄養がギュッと詰まっています。
まずβカロテンが豊富で、ピーマンと比較すると5倍のβカロテンを含有している事から免疫力アップや抗酸化作用、美肌効果やがん予防が期待できます。
その他カリウムやカルシウム、マグネシウムも豊富に含んでいて、骨を丈夫にする効果もあります。
更に鉄、葉酸、ビタミンC、ビタミンB群、そして食物繊維等も含有し、美容と健康増進に役立つ成分を多く含みます。
菜の花は元気に、そしてきれいになれる栄養素を沢山含む嬉しい食材です。旬の時期には積極的にとりたいですね。
菜の花と風水
菜の花は寒い冬の季節から大地に力強く根を張り、大地のパワーをその身に宿している花です。
そんな菜の花は、エネルギーに満ち溢れている花なので、家の中に飾ると心身ともに健康になれる効果があります。仕事運アップにも良いでしょう。
また、菜の花の黄色は、新しい事を始める時にも変革の機会をもたらすといわれています。
心機一転したい時に飾ると新しい自分に出会えそうですね。
有名な金運アップ効果は、西の方角に菜の花を飾ると、臨時収入というよりもどちらかというと貯蓄運の上昇が見込めます。
紫色の菜の花は、南の方向に飾ると感性が磨かれ、センスアップや才能開花につながるでしょう。
切り花を飾る際は、花瓶のお水をいつもきれいにしておくことも風水の効果をアップさせますので、こまめにお水を換えてくださいね。
菜の花の仲間
仲間は同じアブラナ科アブラナ属のキャベツや白菜です。
キャベツはヨーロッパの地中海沿岸原産で、花言葉は「利益」です。キャベツの葉が中心部まで幾重にも重なる様子が由来です。
白菜は同じく地中海沿岸が原産で、花言葉は「団結」です。こちらも葉の重なりが一枚一枚密接して結球する様子から生まれた花言葉です。
特に野菜の花言葉は趣向を凝らしたものが多く、面白いですね。
菜の花に似た花
似た花としてよく比較される植物に、セイヨウカラシナがあります。
セイヨウカラシナは河川敷や土手等で見られ、「菜の花のようで少し違う黄色い花」として、一体何の植物なのかとしばしば話題にもなります。
セイヨウカラシナもアブラナ科アブラナ属の植物なので「菜の花」ではありますが、アブラナとは特徴が違う部分があります。
アブラナの4枚の花弁は十字の形についていますが、セイヨウカラシナは2枚ずつに分かれてついています。そしてセイヨウカラシナの方が小ぶりの花を咲かせます。
また、葉が茎のまわりを抱くようについているのがアブラナ、葉がギザギザとしていて茎の左右についているものがセイヨウカラシナです。
セイヨウカラシナも元々食用として渡来したものですが、現在では野生化して、同じく野生化したセイヨウアブラナとの交雑も見られるようです。生命力の強さを感じますね。
菜の花の季節・開花時期
菜の花は晩夏から冬にかけて生育し、2月から5月頃に開花の時期を迎えます。
菜の花の育て方・ポイント
菜の花は寒さに強く、とても育てやすい花です。元気に育てるポイントは冬季の寒さにしっかり当てる事です。
菜の花の用土
水はけと水持ちが良い用土を準備しましょう。市販の園芸用培養土でも構いません。自作する場合は赤玉土の小粒を7割、腐葉土を3割の割合で配合します。
地植えの場合は、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を庭土に混ぜ込み、1週間前には腐葉土を混ぜて土を作っておきましょう。
鉢の選び方
根がよく張るので、鉢の直径が20cm以上ある7号以上の鉢が適しています。
日当たりや置き場所について
屋外の日当たりと風通しの良い場所が適しています。
寒さに強く、氷点下でもたくましく育つので寒さ対策は必要ありません。むしろ冬の寒さによって花のつきが良くなるといわれています。
水やりについて
鉢植えの場合、用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
地植えの場合は自然の降雨に任せますが、何日も雨が降らず土が乾燥している時は水を与えます。
肥料について
植え付け前に用土に緩効性化成肥料を混ぜ込みます。その後も定期的に緩効性化成肥料を与えるか、週に1度程度液体肥料を施すと花つきが良くなります。
収穫
食用としての菜の花の収穫は、花が咲く前のタイミングが適しています。
茎の先端から12㎝程度で切り取り収穫すると、新鮮な春の味覚が楽しめます。茎を切り取った後にはまた新しい芽が出るので、収穫出来る量も増えます。
収穫後は時間がたつと花が咲き、味が落ちるので新鮮なうちになるべく早く食べましょう。
増やし方
菜の花は種まきで増やします。発芽率が良いので容易に増やすことが出来ます。
花が終わったら
花が全て終わると、菜の花に果実が実ります。5月から6月頃、実の色が茶色く色づいたら種を採取しましょう。
種は採取後洗浄し、良く乾かして封筒等の通気性のある紙袋で保管し、秋になったら種まきします。
植えっぱなしで育てられる
菜の花は1年草または2年草なので、開花後は枯れてしまいます。そのため次の年も栽培する場合は再び種から育てます。
アブラナ科は連作障害が出やすいので、同じ鉢を使う場合は鉢をよく洗い、用土を全て取り換えましょう。
地植えの場合は植え付けの場所を変えましょう。
病気や害虫について
かかりやすい病気に白さび病があります。葉の裏に白い斑点が現れるのが特徴で、低温多湿の環境で発生します。感染した株は他の株への広がりを防ぐため処分します。
害虫はアブラムシとアオムシに注意します。
アブラムシは菜の花にスス病という病気を発生させる元になります。見つけ次第殺虫剤散布で駆除しますが、菜の花を食用とする場合は殺虫剤の成分を確認したうえで散布しましょう。
アオムシはアブラナ科の植物を好んで食べるので、食害を受けると葉がボロボロになります。葉をよく観察し、見つけ次第駆除しましょう。
病気も害虫も、風通しの良い場所に置くことや、こまめに葉や茎の状態を確認する事で予防出来ます。
菜の花は比較的虫がつきやすいので、害虫が心配な場合は防虫ネットを使うのも良いでしょう。
まとめ
今回は春の風物詩、菜の花についてご紹介しました。
菜の花は眺めているだけでも気持ちが自然と前向きになる、春の優しい日差しそのもののような花です。
ぜひ、春ならではの菜の花が咲く風景や、旬の菜の花の味覚を楽しんでみてくださいね。
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