春の花壇を飾ってくれるヒヤシンスは、紫から白に赤など豊富な花色と甘い香りが特徴的な球根植物です。
花言葉や誕生花も花色別に設定されており、香りと花色には幸運を引き寄せるスピリチュアル的な意味も含まれています。
恋人へのプレゼントにもおすすめです。今回は、そんなヒヤシンスの花言葉、誕生花、育て方など、ヒヤシンスに焦点を当てて詳しくご紹介します。
ヒヤシンスとは?どんな花?
ヒヤシンスは、フラワーアレンジメントや切り花などで利用されることも多い植物です。良い香りを放ち花言葉も豊富なので、恋人や家族への贈り物としても人気があります。
そんなヒヤシンスはどんなお花なのでしょうか?まずは特徴から確認していきましょう。
甘い香りがする多年草のお花
ヒヤシンスは、球根を秋に植えて育てられるユリ科のお花で、日本には江戸時代の頃に海外からやってきました。原産地は地中海地方やイランなどで多年草の球根植物です。
春には切り花でお花屋さんに並び、八重咲きのちょっと豪華な品種もあります。ほかのお花と一緒に寄植えにするのもおしゃれですよね。
育て方は、鉢植えや庭植え以外にも水耕栽培でも育てられます。花びらが反り返っていて甘い香りがするお花です。
この甘い香りには、幸運を引き寄せるスピリチュアル的な意味もあります。良い香りがすれば自然と気分もよくなり、嬉しい出来事も引き寄せやすくなりますよね。
花の色は、紫、オレンジ、赤、黄色とたくさんあるのが特徴です。鉢植えなら植えっぱなしでもスクスク育ってくれます。
ヒヤシンスの別名
ヒヤシンスの別名は、風信子(ふうしんこ)、錦百合(にしきゆり)などです。学名ではHyacinthus orientalisと表します。
ヒヤシンスの花言葉
ヒヤシンスには花色を選ばない全体の花言葉と、花の色別の花言葉があります。なかには、花言葉だけを聞くと怖いような雰囲気の言葉もありますが、本当に怖い意味なのでしょうか?
また花の色はスピリチュアル的に、それぞれ対応した色が恋愛運や仕事運、金運などを高めてくれます。まずは各ヒヤシンスの花言葉について、一つずつみていきましょう。
ヒヤシンス全体の花言葉
花色を問わないヒヤシンスの花言葉には、ゲーム、スポーツ、悲しみを超えた愛、遊びなどがあります。
ゲームや遊び、スポーツは似た感じの言葉ですが、悲しみを超えた愛だけ何だか毛色が違いますよね。これら花言葉の由来については、後ほどご紹介します。
紫・青のヒヤシンスの花言葉
紫の花言葉は、初恋のひたむきさ、悲哀です。そして青は変わらぬ愛という意味を持ちます。好きな人への想いを連想できるようなメッセージですね。
青系の色は仕事や対人運に関わる色なので、仕事を頑張りたい、誰かを応援したいときなどの贈り物にいいでしょう。気持ちを落ち着かせてくれるのにも適しています。
ピンク・赤のヒヤシンスの花言葉
ピンクの花言葉は、全体にもあるゲーム、スポーツと、しとやかな可愛らしさです。もう1種の赤は嫉妬という花言葉を秘めています。
恋愛での嫉妬や勝負事での嫉妬など、こちらもどのような意味があるか気になる言葉ですね。
花言葉にもあるように赤系の色は恋愛運や愛情に関係しています。恋のお守りとして、赤系のヒヤシンスを育ててみるのもおすすめですよ。
白・黄色のヒヤシンスの花言葉
そして白のヒヤシンスは、控えめな愛らしさ、心静かな愛で、黄色はあなたとなら幸せ、勝負の花言葉があります。
白色は新しいことに挑戦したいときなどにサポートしてくれる色です。
黄色は金運もありますが、前向きに行動したいときにも最適で、これらの悩みを抱えているときに白や黄色のヒヤシンスを飾ったり育ててみるといいでしょう。
ヒヤシンスの花言葉の由来
ヒヤシンスの花言葉の由来は、ギリシア神話の円盤投げというお話からきています。ギリシア神話はさまざまな神様や美少年などが登場するお話です。
さらに、このお話は紫のヒヤシンスの花言葉と花名そのものの由来にもなっています。そんなギリシア神話の円盤投げはどんなお話なのか、次の項目で詳しくみていきましょう。
ギリシア神話の円盤投げ
登場人物はヒュアキントスという名前の美少年と、太陽の神アポロン、西風の神ゼピュロスです。
ヒュアキントスとアポロンは恋人同士で、仲睦まじく円盤投げで遊んでいました。その様子に嫉妬をしたゼピュロスは意地悪をします。
アポロンがヒュアキントスに向かって投げた円盤の軌道が変わるよう、強風を当ててしまうのです。
そのせいで、円盤はヒュアキントスのおでこに直撃、運悪く命を落としてしまいます。しかし、ヒュアキントスの流した血のところから紫色の花が咲きます。
そう、このお花がヒヤシンスだったのです。このようなお話になっているので、ヒヤシンスの花言葉には、ゲームやスポーツ、遊びといったものがついているのでしょう。
一見すると怖いイメージのヒヤシンスの花言葉も、実は悲しい意味合いを持つメッセージだったのです。
ヒヤシンスの英語の花言葉
花言葉の由来が分かったところで、続いては英語でのヒヤシンスの花言葉をご紹介します。
全体のヒヤシンスの英語の花言葉
全体の英語版の花言葉は、ゲーム(games)、スポーツ(sports)、無分別(rashness)です。ゲームやスポーツは日本語版の花言葉と共通になっていますね。
紫・青のヒヤシンスの英語の花言葉
次に紫は、悲しみ(sorrow)、ごめんなさい(I am sorry)、許してください(please forgive me)と悲しい感情が込められたような花言葉です。そして青は誠実(sincerity)、不変(constancy)という意味を持ちます。
ピンク・赤のヒヤシンスの英語の花言葉
ピンクと赤の英語版花言葉は、遊び(play)で、どちらも同じメッセージになっています。
白・黄色
白の花言葉は、あなたの為に祈ります(I’ll pray for you)、愛らしい(loveliness)の2種類で、黄色は嫉妬(jealousy)です。
嫉妬は日本語版だと赤いヒヤシンスの花言葉でしたが、英語版では黄色のヒヤシンスになっています。
ヒヤシンスの誕生花
ヒヤシンスの誕生花は多く指定されており、全体と色別でそれぞれ違います。一つずつチェックしていきましょう。
全体の誕生花
まずヒヤシンス全体としては、1月は4日、7日、16日です。2月は1日から始まり、7日、25日となっています。そして3月は27日、4月は6日、11日です。最後に12月で、3日、11日、12日、23日が該当します。
色別の誕生花
色別では、紫は1月13日、2月17日、19日、12月12日です。赤は1月7日、26日で、ピンクは2月7日、3月1日、青もピンクと同じく2月7日に指定されています。白は1月2日、4日、26日で、最後の黄色は1月16日です。
ヒヤシンスの種類
ヒヤシンスには、野生種と品種改良されたダッチヒヤシンスとローマンヒヤシンスが存在します。ここでは、それぞれの違いについてみていきましょう。
ダッチヒヤシンス
ダッチヒヤシンスは花がたくさんつく品種で、1株でもゴージャスで存在感があります。
一般的に、お花屋さんでよく売られていたり水耕栽培で利用されやすいのは、ダッチ系のヒヤシンスです。このタイプのヒヤシンスを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そんなダッチヒヤシンスはオランダで品種改良されました。寒さに強い性質を持っており、大きめの花を咲かせます。
ローマンヒヤシンス
一方、ダッチ系と比べると控えめな印象のヒヤシンスなのがローマンヒヤシンスです。こちらは草丈も全体的にダッチ系より低く、道端にひっそりと咲いているようなイメージが似合います。
品種改良されたのはフランスで、お花の大きさも小さめ、花壇で育てるのに向いている品種です。
野生種(オリエンタル種)
野生種はいくつかありますが、現在も栽培されているのはオリエンタル種と呼ばれています。花の色は青だけで見た目もシンプルなヒヤシンスです。
ヒヤシンスの仲間
ヒヤシンスの仲間には、別名シラー カンパニュラータとも呼ばれる釣鐘水仙(つりがねずいせん)があります。釣鐘水仙はヒヤシンスよりも下向きに花をつけ、イベリア半島に自生する耐寒性の球根植物です。
花色は青や紫のほか、白やピンクもあり、開花時期は春です。草丈は50cmほどまで成長することもあります。
ヒヤシンスに似た花
ヒヤシンスに似たお花はムスカリです。ヒヤシンスと同じく春に開花する球根植物で、プツプツした小さなお花を咲かせます。
ブルームスカリともいわれており、花色は青系のほか白やピンクなどで、可愛らしい印象のお花です。
ヒヤシンスの季節・開花時期
ヒヤシンスの開花時期は3~4月で、お花は冬~春の期間、球根そのものは秋頃に多く出回ります。
水仙やチューリップなど、春を代表するお花と一緒に花壇や鉢植えの寄植えによく使われています。
ヒヤシンスの育て方・ポイント
ヒヤシンスの育て方は難しいのでしょうか?実は植えっぱなしでも充分育ってくれる育てやすい植物です。
さらに育て方の一つの水耕栽培だと、室内で手軽に始められ、ちょっとしたインテリアのように飾って楽しむこともできますよ。
ここではヒヤシンスの育て方をチェックしてみましょう。
土選び・用土
ヒヤシンスに適した用土は酸性に偏りすぎていない土です。用土を自分で用意する場合は、苦土石灰を加えて酸性とアルカリ性のバランスを調節してあげましょう。そして適度に水はけのよい用土が適しています。
しかし自分で土づくりが難しいと感じる人もいるでしょう。そんなときはお店で販売されている園芸用土を使うのが手軽に始められておすすめです。
球根植物向けの用土もあるので、どれを選べばいいか分からないときは、そういった製品を使ってみてくださいね。
鉢植え選び
ヒヤシンスに適した鉢は、根が成長して窮屈にならないように深さのあるタイプが向いています。水耕栽培で育てるのなら、専用のポットを活用するといいでしょう。
さらに専用のポットのほか、アルミ箔なども水耕栽培の場合は必要になってきます。自分のしたい栽培方法に合わせて準備しましょう。
植え替え
ヒヤシンスの植え替えは基本的にしなくても問題ありません。お庭にそのまま植えっぱなしでも次の年に再び花をつけてくれます。
とはいえ、ただ放置するよりは数年に一度は植え替えしてあげると、よりきれいなお花を長く楽しめるでしょう。植え替えは球根に切れ目を入れて分球する必要があります。そして適期が来るまで暗所で保管してください。
注意しなければならないことは、球根を素手で直接触れるとかぶれることがあります。そのため、作業をする際は手袋を着用してから作業するようにしましょう。
水やり・湿度管理
冬の水やりは土が乾いていたら与えてください。与える水の量はたっぷりで構いません。
土が乾いていないのに大きくなってほしいからとたくさん水やりすると、水はけの悪い環境になってしまうので気をつけてくださいね。そして夏は休眠中なので、水やりを減らします。
庭植えで育てるポイント
庭植えで冬越しさせる場合のポイントは、しっかり寒さに当てることです。これは室内で管理する場合も同様で、ずっと温かいと花がつきにくくなってしまいます。適度な寒さに当てれば、翌春きれいなヒヤシンスを咲かせてくれるはずです。
また太陽が好きな植物なので、植える場所は日光がよく当たる場所がいいでしょう。室内で育てるときも、昼間はベランダや玄関先などお外に出してなるべく日光に当ててくださいね。
気をつける病気・害虫
注意が必要な病気は軟腐病です。球根や根が発生しやすく、放っておくとどんどん腐って枯れていきます。見た目の変色以外に周囲に悪臭も漂うので、わかりやすい病気です。
土の中に菌がいるので、前に発症した場所で再度植えても植物に傷がついているとそこから土壌にいる菌が侵入してしまいます。土がジメジメしていると発生しやすいので注意が必要です。
害虫ではアブラムシがつくことがあります。アブラムシはとても小さく、よく植物を観察しないと気づかないことも多いです。植物の汁を吸って、そのままでいると枯れてしまうこともあります。
定期的に薬剤をかけて、花がらを摘んだり枯れ葉を取り除いて風通しのよい環境を維持するようにしましょう。
種まき
ヒヤシンスは球根植物なので、種まきはしません。増やしたいときは球根の植え替えで増やしていきましょう。
まとめ
ヒヤシンスは、花言葉を添えてプレゼントしたりスピリチュアル的な願いを込めて育ててみるのもおすすめな植物です。
香りもいいですし、純粋にお花を育ててお庭や鉢植え、水耕栽培で楽しむのもいいでしょう。ぜひいろいろな楽しみ方をみつけてみてくださいね。
コメント