杏の花言葉・誕生花・種類・仲間・育て方

梅や桜と似ている花を咲かせる杏は、春を代表する植物の一つです。花が終わったあとには果実を収穫でき、それらはジャムやシロップなどに加工されてお店に並んでいます。

そんな杏にはどのような花言葉、由来があるのでしょうか?今回は杏について詳しくご紹介します。

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杏とは?どんな花?

花はサクラや梅、果実は桃にそっくりな杏は、一体どんな樹木なのでしょうか?詳しくみていきましょう。

バラ科サクラ属の春にぴったり樹木

杏(あんず)は春の訪れを伝えてくれる、ふわっとした花びらで上品なピンクや白の可愛らしい花です。はじめは緑色の実ですが、熟してくると明るいオレンジ色に変わっていきます。

一見すると、サクラや梅の花のようにも見えますが、杏もとても素敵な花ですよね。杏はバラ科のサクラ属に分類され、原産地はネパールや中国などです。日本では青森、長野、香川などで主に生産されており、最近では日本産杏は韓国へたくさん輸出されています。

そんな杏の歴史は古く、とくに中国では紀元前3000年頃から薬用として用いられていたようです。紀元前3000年前というと、日本は石器時代、海外はエジプトで国家が統一された頃です。かなり昔ですよね。

花の名前はの由来はいくつかありますが、中国から来ている説が有力です。杏は中国語で木、子は実といいます。これがそのまま日本でも使われているんですね。

日本では、平安時代の頃の書物に杏の別名である唐桃が載っており、その頃から日本で育てられていたと考えられています。

杏の実は収穫後に食べられる

実はそのままでも食べられますが、少し酸味があります。したがって、ジャムやシロップなどに加工するとよりおいしく食べられるのでおすすめです。また生の杏は傷むのが早いため、お店で見かける機会はすくないかもしれません。だいたいは加工されたものが売られていますよね。

とはいえ、品種によっては酸味の少ない甘いものもあります。現在はジャムやドライフルーツなどさまざまなものに加工されてますが、昔は漢方薬に利用されていました。

杏にまつわる中国の言い伝え

中国には杏にまつわる伝承が残っているのをご存じですか?それは呉の国のある医者のお話です。医者の名前は董奉で、この人物は患者から受け取る治療代を重病者、軽病者、貧困者などで変えていました。

どのような内容だったかというと、重病者は杏を5株、軽病者は1株植え、お金を払うのが大変な貧困者は無料だったようです。貧困者は無料で治療するなど、とても徳の高い人物だったのが想像できますね。

董奉に診てもらった患者が植えた杏は数年後にたくさん実り、それは林ができるほどでした。その杏から採った種子を今度は漢方に利用し、これらのことにより、中国の医者の敬称として杏林というようになったようです。

杏の別名

和名では杏子とも表記します。中国から来ている名前の由来と同じですね。別名では唐桃(からもも)、英語ではアプリコットです。加工品のアプリコットジャムというのは、英語名から来ています。学名はPrunus armeniacaです。

杏の花言葉

花言葉は乙女のはにかみ、臆病な愛、疑い、疑惑などです。乙女のはにかみは控えめな色合いの花の雰囲気にぴったりですね。

杏の花言葉の由来

花言葉の一つ、乙女のはにかみは、まさに乙女がはにかんでいるような雰囲気に咲く花の様子からつけられています。臆病な愛という花言葉も、恋に奥手な少女のようなイメージがよく合う言葉ですね。

杏の英語の花言葉

英語での花言葉は、臆病な愛(timid love)疑い(doubt)疑惑(distrust)です。英語表記になるだけで、花言葉そのものに違いはありません。

杏の誕生花

2月は23日、3月は1日、4月は12日、そして10月は2日です。この日が誕生日の人には、ドライフラワーや押し花にしたり果実を加工して杏を贈ってみると喜ばれるかと思います。加工品もさまざまなものに調理できるので、子どもから大人まで相手の好みに合わせやすいのではないでしょうか。

杏の種類

現在は日本でもいろいろな杏の品種が栽培されています。ここでは代表的な種類についてみていきましょう。

平和

長野県産の杏で、酸味が強めという特徴を持ちます。生で食べるよりは加工して食べるほうが適している品種といえるでしょう。梅雨の終わりから初夏に出荷されています。第一次世界大戦終結記念として名付けられました。

山形3号

名前にも入っていますが山形県産の杏で、こちらも酸味は強めです。黄色強めのオレンジ色をしています。どちらかといえば、加工向けの品種です。

ハーコット

カナダ産の杏で日本には1979年にやってきました。平和や山形3号は果実の重さが60g程度ですが、こちらは100gと大きめです。ハーコットも酸味は少なめですが、傷むのが早い欠点があります。

信州大実

甘みが強く、酸味は抑えられている品種で、長野県で栽培されています。また、ほかの品種に比べて香りが強く、生、加工、どちらもおすすめの品種です。

新潟大実

新潟県産で1930年頃から日本各地に広まりました。日本産杏の代表品種といえるのではないでしょうか。主に加工用に利用されています。収穫時期は7月です。

杏の仲間

続いては、杏の仲間をご紹介します。

すもも

杏は核果果実に分類され、すもももそのうちの一つです。漢字ではすもものことを酸桃と書きます。別名ではプラムと呼ばれており、杏のような丸い果実をつけます。別名のプラムは生果のことで、乾果はプルーンです。もともとは酸味の強い果実でしたが、日本からアメリカに渡って品種改良され、酸味を抑えたものが逆輸入されています。

さくらんぼ

別名、みざくらや桜桃(おうとう)とも呼ばれ、花言葉は上品、小さな恋人、幼い心などです。原産はトルコで、日本では生食向けのさくらんぼが主に生産されています。誕生日は3月30日と6月18日です。名前にさくらと入っているように、花の姿はさくらによく似ています。ナポレオンや佐藤錦などの品種が有名ですよね。

もも

日本や中国の伝承によく登場する果実で、別名けももといいます。そのまま生で食べてもおいしいですし缶詰やジャムにしてもいいですよね。花言葉はチャーミング、わたしはあなたのとりこ、気立てのよさなどです。3月の節句にももの花を飾るように、ももは女性の象徴とされています。

杏に似た花

杏に似ている花をご紹介します。

中国が原産地の梅は盆栽などでもよく育てられています。杏と花の姿がよく似ていますよね。英語名はJapanese apricot、Plum blossomなどで、梅全体の花言葉は不屈の精神、高潔、忍耐、上品などです。花色別にも花言葉がつけられています。例えば、赤は優美、ピンクは清らかさ、白は澄んだ心です。どの花言葉も素敵ですね。

花言葉が色別でもたくさんあるように、実は500種以上も品種が存在します。花言葉の由来は、もともとムメと呼ばれていた梅の発音が訛り、現在のウメになりました。

別名は香散見草(かざみぐさ)、風待草(かざまちぐさ)、匂草(においぐさ)木の花(このはな)、春告草(はるつげぐさ)などです。2~3月になると花をつけます。花の大きさ自体は梅よりも杏のほうが大きいようです。

そんな梅には観賞用の花梅と、実を採るための実梅に分かれています。花梅にも実は実りますが、味はおいしくないようです。育ててみたい場合は、花梅、実梅どちらにするか決めてから苗を選んだほうがいいでしょう。

サクラ

ソメイヨシノやシダレザクラなど、春に欠かせない樹木で、実はお庭でも栽培できる比較的初心者向けの植物です。花は咲き方が一重や八重、色も薄紅から白とさまざまな種類があります。花言葉は優美な女性、精神美、純潔などで、英語では、精神の美(spiritual beauty)、優れた教育(a good education)です。

また、桜の品種ごとにも花言葉がつけられています。ソメイヨシノは優れた美人や純潔、シダレザクラは優美やごまかし、ヤマザクラはあなたに微笑む、高尚、しとやかなどです。誕生花は4月1日、9日、21日が指定されています。花言葉同様、誕生花も各品種ごとについているものが多いので、気になる人はぜひ調べてみてくださいね。

名前の由来は、日本の神話にでてくる神様の一人、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の名前、咲耶からとった説や、咲くに複数形のらをプラスした説などさまざまです。

杏の季節・開花時期

杏の花は春に咲きます。卒業式や入学式シーズンの頃に開花したところを見られるでしょう。また果実の収穫時期は品種によって多少異なるものの、一般的には梅雨がやってくる6月から初夏の7月頃です。

杏の育て方・ポイント

最後は杏の育て方について解説します。

土選び・置き場所

水はけと水持ちのいい土を選びましょう。市販の花向けの用土でも育てられます。自分で配合する場合は、赤玉土を7、腐葉土を3の割合でブレンドするといいでしょう。作った用土には忘れずに固形肥料や液体肥料を混ぜてくださいね。

置き場所は日当たりのいい場所を選んでください。日光に当たるのが足りないと、花がうまくつかなかったり実が実らなかったりするからです。

また寒暖の差が少ない場所が適しています。寒風に当たると傷んでしまうので注意しましょう。夏も暑すぎるのはよくありません。

植え付け・植え替え

植える場所は直径1m、深さ50cm以上の穴を掘ります。時期は12~3月が適期です。年内の植え付けなら盛り土をし、暖かくなったら取り除きましょう。支柱も忘れずに立てて苗が倒れないようにしてくださいね。

植え替えは庭植えの場合、基本的に不要です。鉢植えの場合は数年に1度のペースで行います。植え替える際の鉢は一回り大きなものを選びましょう。

水やり

水は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。庭植えの場合は自然の雨だけでも問題ありません。苗が安定していない植えてすぐの頃や日照り続きのような場合のみ、水やりするといいでしょう。

鉢植え栽培なら、土の表面が乾いてきてから鉢底から流れるくらい充分に与えます。

育てるポイント

上記でもお伝えしたように、暑さと寒さの差が激しくない場所を選びます。とくに寒冷地の場合は、厳寒期をすぎてから植えるのがポイントです。それでも春が来るまでは凍結などにも注意しましょう。

鉢植えで育てる場合は、冬場の水の与えすぎに注意が必要です。冬は土が乾くまで時間がかかります。しっかり土の表面の乾き具合を確認してから水やりするようにしましょう。

杏の枝をなるべく切り戻すとあまり大きくすることなく栽培できるので、庭やベランダなどちょっとしたスペースでも育てることができます。

気をつける病気・害虫

気をつける病気は黒星病、胴枯病、灰星病などです。黒星病は葉や実に黒い斑点ができる病気で、湿度が高まる梅雨の頃に発生し、そのままにしておくと苗が枯れてしまいます。杏は湿気が苦手なので、とくに注意したほうがいいでしょう。

対策は農薬の散布はもちろんのこと、肥料切れでも起こるので、定期的にしっかり肥料を与えたりマルチングしたりします。

害虫はアブラムシ、カイガラムシ、シンクイムシなどに気をつけましょう。シンクイムシとは漢字で書くと芯喰い虫で、植物の組織(芯)を食べる害虫です。被害に合うと植物がうまく成長しなくなります。

対策は土壌を良くしたり実に袋をかけて虫が根本的に付着しにくいようにします。リンゴやぶどうで袋をかけて栽培しているのをよく見かけますよね。

剪定

剪定は冬の12~2月頃に行います。剪定する枝は徒長してしまった枝や古い枝です。なぜ伸びすぎた枝をカットするのかというと、杏は15cm程度の長さの枝にしか実らないため長い枝は不要だからです。伸ばしっぱなしも見栄えが悪くなりますよね。

また剪定する際は、杏をどんなシルエットに栽培していくのかも考えてカットしたほうがいいでしょう。闇雲に枝をカットしても見た目が残念なことになってしまいます。

植えている場所のスペースに余裕があるなら普通の木のシルエットのような開心自然形を、あまりスペースに余裕がないときは縦に一本伸ばしていくような変則主幹形がおすすめです。

まとめ

杏は春の咲く花でその姿は桜や梅とよく似ています。花言葉には乙女のはにかみや臆病な愛などです。果実は食用としてさまざまなものに加工されています。誕生花に合わせて贈り物をする際に、杏は花だけでなく加工した実を贈ることもできるので、選びやすいでしょう。

庭や鉢でも栽培できるので、興味がある人は一度栽培にチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか?

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