寒い冬が終わり、春が近づいてくる頃にカラフルな花を咲かせるフリージア。
甘く、フルーティーな香りがとても人気で様々なフレグランスに使われているイメージを持つ方が多いのではないのでしょうか?
肉厚で可愛らしい見た目は多くの人に愛されており、鑑賞用としても人気です。
フリージアとはどんな植物なのでしょうか?
フリージアとは?どんな花?
学名:Freesia hybrida
科・属名 アヤメ科・フリージア属
生活型:多年草
原産地:南アフリカ
英名:Freesia
フリージアの特徴
フリージアの大きな特徴はキンモクセイやバラに並ぶ香りの強さです。フリージアは花の色によって香りが違います。白色はキンモクセイの様な甘い香りで、黄色は甘酸っぱい香りを漂わせます。白色の花はより強い香りがする為、他の色に比べて多く出回っていました。
フリージアの香りは香水や芳香剤などによく使われていますが、実は天然香料は存在していません。全て合成の香料となっています。
背丈は20〜40センチほどですが、種類によっては100センチまで成長するものもあります。
アヤメ科の花の多くは脇枝についたつぼみが順に咲いていくタイプで、茎の先に花弁が垂れるような咲きかたをしているので生け花に多く使われています。フリージアの花は咲き方が少し違って伸びた花穂の下の方から順に咲いていくタイプです。6〜12輪の花を咲かせ、小さなラッパの様な形をしています。
フリージアの歴史
フリージアは17世紀の中頃に南アフリカの喜望峰付近で発見されました。
原種は16種類程ありますが、その全てがアフリカ大陸にあります。現在あるカラフルな色のものは品種改良によって作られたもので、原種は黄色と白色の2色です。
原種が発見された後、ヨーロッパに広く伝えられ、19世紀以降にオランダで育種が行われました。現在では多くの園芸品種が作られており、150種以上の品種があります。
日本に伝わったのは江戸時代末期でオランダから球根を輸入したのが最初と言われています。本格的に栽培されるようになったのは昭和からで八丈島などで球根が栽培されるようになりました。昭和20〜30年代には「バターカップ」や「レフレクタアルバ」などが切花として作られ、「ラインベルトゴールデンイエロー」などが出てフリージアの人気は高まりました。
フリージアの別名
フリージアは浅黄色の花色やその姿がスイセンに似ていることから、和名で浅黄水仙(アサギズイセン)と呼ばれています。
花の形は全く似ていませんが、スイセンの中央部分の淡くした色が似ているのでそう呼ばれています。
また、その甘くうっとりする香りから香雪蘭(コウセツラン)、菖蒲と水仙の両方に似ている事から菖蒲水仙(ショウブスイセン)とも呼ばれています。
フリージアの花言葉
花をプレゼントする際、気になるのが花言葉ですよね。
マイナスなイメージがなく、その方にあった花言葉を選ぶととても喜ばれるものです。
一体、フリージアにはどの様な花言葉があるのでしょうか。
フリージア全般の花言葉は
「あどけなさ」「純粋」「親愛の情」などがあります。また、花の色によっても花言葉が違います。
- 黄色は「無邪気」「期待」
- 白色「あどけなさ」
- 赤色「純潔」
- 紫「憧れ」などがあります。
フリージアの花言葉の由来
フリージアの花言葉の由来は爽やかで、ほのぼのとした姿や甘酸っぱい香りから「純情なイメージ」でつけられたとされています。
また、「親愛の情」という花言葉はフリージアを最初に発見しその名の由来となったた医師(フレーぜ)と植物学者(エフレン)の心温まるエピソードが元になっていると言われています。
フリージアの英語の花言葉
- innocence(純潔)
- friendship(友情)
- trust(信頼)
西洋での花言葉もそのイメージや名前の由来に元づいてつけられています。
フリージアの誕生花
フリージアの誕生花を色別に紹介します。
開花時期の3〜4月はあまり含まれていませんが、切花は11〜4月頃まで出回っていますのでプレゼント選びの参考にしてみてください。
- 1月10日(白)
- 1月24日(白)
- 2月2日(白)
- 2月11日(紫)
- 2月13日(紫)
- 2月14日(黄)
- 2月22日(赤)
- 3月13日(白)
- 8月20日
- 12月17日などがあります
フリージアと風水
フリージアは風水で強運をもたらすと言われています。
花言葉からは優しいイメージを持ちますが、風水的には強いパワーを放つ植物なのです。
特に環境の変化がおこる時期に、フリージアを飾るといい方向に導いてくれる効果があります。
風水では飾る方角や色によって様々な効果をもたらします。
北西は仕事運を司る方向と言われており、出世運や事業運など仕事運全般に影響するので北西の方角にフリージアを置いてみましょう。
また、人間関係を円滑にしたい場合は「オレンジ」や「黄色」のフリージアがおすすめです。
「新生活を始める時」「新しい事に挑戦する時」「重要な事を決断する時」フリージアの力を味方につけてみてはいかがでしょうか。
フリージアの種類・色
フリージアの花は元々一重咲きのもので、色は「白色」「黄色」の2色でしたが、品種改良により様々な種類が存在します。
花形の種類は「一重咲き」「半八重」「八重咲き」とあり、現在は従来の一重咲きよりも八重咲きのタイプが増えてきました。
八重咲きは一重咲きに比べ香りが弱く、花保ちは八重品種の方が、一重よりも花保ちが良いものがおおいです。
次に、色別にどのような種類があるのかみてみましょう。
紫
- アンコナ
- スザンヌ
- デルタリバー
- パープルレイン
- ブルーヘブン
白
- アンバサダー
- エレガンス
- グリーンランド
- ホワイトジャイアント
- ボランテなど
黄色
- アラジン
- ゴールドフィンガー
- シンデレラ
- ポートサルー
- マドンナなど
赤
- アライデ
- オベロン
- スカーレッドインパクト
- トロバロール
- レッドビューティーなど
ピンク
- エアリーフローラピンク
- オパラ
- ダイヤモンドスター
- ハネムーン
- ピンクパッションなど
フリージアの仲間
フリージアは「アヤメ科フリージア属」の植物です。
同じ「アヤメ科フリージア属」にはどんな植物があるのか紹介します。
ヒメオウギ
原産:アフリカ東南部ケニアから南アフリカ
花期:初夏
花色:淡紅色・白など
6弁の2〜3センチの花を咲かせます。背丈は10〜20センチ程で葉は薄く細いのが特徴です。
へスペランサ
原産:南アフリカ ジンバブエ
花期:晩夏〜秋
花色:白・ピンク・赤など
花弁は6枚で葉は線状で細く長いのが特徴です。背丈は60センチ程。
どちらも「科・属」は同じですが花の見た目はさほど似ていません。
フリージアに似た花
同じ仲間でもさほど見た目は似ていないフリージア属ですが、見た目が似ている花も存在します。見分けがつかない程ではないですが、似た花がありますので紹介していきます。
バビアナ
科・属:アヤメ科バビアナ属
原産:南アフリカ
花期:4〜5月
花色:赤色・ピンク・白色・紫色・褐色など
花弁は筒状からカップ状のもので花冠が深く6裂になっているのが特徴です。葉は剣状で扇形に広がり葉脈にそった筋が入ります。背丈は20〜40センチ程で茎には細かい毛が生えています。
トリトニア
科・属:アヤメ科トリトニア属
原産:南アフリカ
花期:4〜5月
花色:赤・白・ピンク・橙色
花弁は円錐状で2〜3センチ花を咲かせます。この花も花弁は6枚で中央に3本の雄しべと雌しべを持つのが特徴です。背丈は30〜50センチ程です。
フリージアの季節・開花時期
フリージアは秋に球根を植え付けてから、3〜5月中旬に花を咲かせます。
日本では色々な場所で「フリージアまつり」が開催されており、特に有名な場所は八丈島です。約35万株のフリージアが咲き乱れ、摘み取り体験なども行っています。
こういった場所は見頃の時期であっても球根収穫のために5月初旬頃から一斉に摘花してしまうこともあるので会場に行く際には時期に気をつけましょう。
フリージアの育て方・ポイント
フリージアは育て方が簡単でガーデニング初心者にはおすすめの植物です。
球根から育てるのが一般的で、鉢植えでも地植えでも栽培できます。
球根選びのポイントは身がしまっていて、先端が太いものを選ぶ事です。球根の底にはカビや傷がある場合があるのでしっかり確認してから購入しましょう。
植え付けに適切な時期は9月中旬〜11月中旬です。フリージアは寒さに弱い秋植え球根なので球根をそのまま外に植え付けると根が十分に張れず葉がだらしなく垂れ下がる事が多いです。敷き藁をしたり、風よけなどを使って寒さから保護してあげましょう
フリージアの用土
フリージアの用土は水はけと通気性が良く、適度に保水性のある土が適しています。
赤玉6・腐葉土3・バーミキュライト1の割合でブレンドした土か市販の培養土(球根土)でも構いません。地植えの場合は植え付けの1週間前に腐葉土と堆肥を加えて土壌改良しておきましょう。耕して土をふんわりさせておくと、根の張りが良くなります。フリージアは連作を嫌いますので、他のアヤメ科の植物を植えた土は避けた方が良いです。
鉢の選び方
5号(直径15センチ)以上の鉢、または横長プランターを用意しましょう。
鉢やプランターはフリージアの苦手な多湿になりやすいので管理が必要です。
鉢底石をひいて、水はけの良い土で植え付けるのがポイントです。
植え付ける深さは球根1個分が好ましいです。5号鉢の場合は5〜8球、65センチのプランターの場合は15〜20球程度が目安です。
日当たりや置き場所について
フリージアは日当たりと風通しが適度に良い場所が適しています。鉢植えは、移動出来るので1年を通して日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。地植えの場合は雨や霜に当たってしまうと葉が真っ黒になって傷んでしまうため、樹木の下や軒下の水はけの良い場所に植え付けましょう。
水やりについて
植え付けてから目が出るまでは、土が乾いたタイミングでしっかりと水を与えましょう。芽が出ていなくても土の中でしっかりと根を張っています。葉が出てきたら水やりを控えめにするのがポイントです。水をあげ過ぎると、茎が細く長くなり弱ってしまいます。少し乾かし気味でも大丈夫です。鉢植えの場合は土が乾いて表面が白くなってきたら、午前中の早い時間帯にたっぷりと水を与えます。地植えの場合はほぼ降雨のみで大丈夫です。
肥料について
フリージアは元肥がしっかりしていれば、多くの肥料は必要ありません。肥料は与え過ぎると肥料やけを起こすので注意しましょう。元肥にはゆっくりと長く効果が続く緩効性肥料を施します。葉が2〜3枚出て花が咲くまでの間は月1回を目安に固形肥料を置きます。液肥を使う場合は月2〜3回を目安に水やりの代わりに使いましょう。
増やし方
フリージアは球根植物なので「分球」で数を増やす事ができます。分球に適した時期は6月頃が目安です。葉が黄ばみ始めたら水やりをやめて球根を掘り上げて分球します。
掘り上げた球根は陰干しでよく乾かしましょう。乾いたら古い球根の周りにある新しい球根を取り外します。取り外した新しい球根は冷暗所に保管し、秋頃植え付けると春にはまた花を咲かせます。
花が終わったら
フリージアの花は種をかなりつけるので、放置しておくと球根の養分が奪われてしまいます。翌年も花を楽しむ為には「花がら摘み」をする必要があります。しおれた花は順次摘み取り、全ての花が咲き終わったら花穂の部分を切り取ってしまいましょう。残った茎と葉はその後の成長に必要なので切ってはいけません。咲き終わった花がないかこまめにチェックするのがポイントです。
植えっぱなしで育てられる
フリージアは「連作障害」を起こしやすいので、植えっぱなしで育てるのは向いていません。定期的に球根を掘り起こして、場所を変えて植え替えましょう。植え替えは2〜3年に1回が目安で、夏の休眠時に球根を掘り起こします。鉢植えの場合は土を新しくして植え替えます。地植えの場合は場所を15〜20センチずらして植え替えましょう。
病気や害虫について
フリージアに多い病害に「球根腐敗病」「首腐れ病」があります。カビなどの細菌によるもので、球根が腐ったり、芽が出なくなったりします。発病後の対策ができないため、予防が第一となります。連作を避け、排水を良くしたり、発病した球根は使わないようにする事がポイントです。
育てるときに注意したい害虫として「アブラムシ」があげられます。春〜秋の高温多湿の時期に発生しやすく、葉の裏側や新芽などに寄生して栄養を吸い取ります。ウイルスを媒介したり、排泄物の上にすす病が繁殖して黒くなったりします。アブラムシを見つけたら手で取り除くか、量が多い場合は薬剤で駆除しましょう。
まとめ
フリージアは香りや見た目も可愛らしい雰囲気があるので、暖かい春にぴったりの花ですよね。切花は花もちもとても良いので、お花屋さんで見かけた際には購入して自宅に飾って見てはいかがでしょうか?
フリージアの甘くフルーティーな香りと、カラフルな色で運気アップをさせてみましょう!
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