春になると、可愛らしい花を咲かせる「デイジー」。道路脇の花壇などにも咲いていますし、身近な存在に感じている方も多いのではないでしょうか?美しい花が長く続くことから、園芸ではとても人気の植物ですよね。その可愛らしい見た目や花言葉から観賞用だけでなくジュエリーのモチーフなどにもよく用いられています。なぜデイジーが人々に愛されてきたのか。その特徴や花言葉、デイジーの上手な育て方までこれから紹介していきたいと思います。
デイジー(雛菊・ヒナギク)とは?どんな花?
学名:Bellis perennis
英名:dasy
和名:ヒナギク
科・属:キク科・ヒナギク属
原産地:ヨーロッパおよび地中海沿岸
開花時期:12月〜5月
デイジーの原産はヨーロッパおよび地中海沿岸です。長年にわたって生育し続ける多年草で、ヨーロッパでは自生することも多いので雑草扱いされる事もある様です。日本では夏の暑さで枯れてしまうので「一年草」として扱われています。
観賞用として人気のデイジーですが、実は薬草としても使われていました。腎臓障害、リウマチ、気管支炎などの病気に効果があるとされ、15世紀には花をサラダにして食べていたという記録もあります。可愛い見た目だけではなく、民間療法として活躍もしているデイジーはとても魅力的で、多くの人々に愛されてきました。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の特徴
デイジーの花は3〜5センチ程の小さくて可愛らしい見た目が一般的で良く知られていますが、種類はとても豊富で4〜5センチの大輪や5〜6センチの巨大輪、8センチの超巨大輪なども存在します。草丈は20センチ程で茎の先に花を1輪だけ咲かせます。
また、花弁の形は大きく2種類に分けられており「リグローサ種」と「フィストゥローサ種」の2つに分けられてます。
「リグローサ種」は花弁が平たく「舌状花」になっており、「フィストゥローサ種」の花弁はほとんどの花弁がくるりとストローの様になっている「筒状花」です。花の咲き方にも種類があり、一輪咲き、八重咲き、ポンポン咲き、丁子咲きとありますが、一般的に出回っているものは八重咲きのものが多いです。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の歴史
デイジーは発見されてから17世紀末にヨーロッパに持ち込まれ、フランスで改良されてきました。日本には明治時代初期に渡来し、北海道などの涼しい地域で栽培されています。
デイジーの名の由来は太陽の様な花形が太陽の眼に見えた事から「デイズ・アイ」となり「デイジー」という英名がつけられました。
デイジーはイギリスの国花となっています。イギリスでは恋占いの花としても使われており、「メイジャー・オブ・ラブ」(愛の物差し)とも呼ばれていました。また、マリアの涙から生まれたとされ「マリアの花」とも呼ばれており、聖母マリアの紋章に使われています。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の別名
デイジーは花期が長い事から「延命菊(エンメイギク)」「長命菊(チョウメイギク)「時知らず(トキシラズ)」という別名があります。デイジーの開花時期は12月〜5月ととても長いです。ひとつの株に次々と新しい花を咲かせるため長く楽しめるのが魅力です。また、その姿が可愛らしく小さな菊に見えた事から「雛菊(ヒナギク)」とも呼ばれています。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の別名
デイジー(雛菊・ヒナギク)の花言葉
デイジー全般の花言葉は「純潔」「美人」「平和」「希望」などがありますが、花の色別にも花言葉が存在します。
白は「無邪気」、青は「幸福」「恵まれている」、黄色「ありのまま」、紫「元気」「健やかな」、ピンク「希望」、赤「無意識」です。
前向きなイメージの花言葉が多いですが、赤いデイジーの花言葉は「無意識」ですのでプレゼントにはあまり向いていない様です。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の花言葉の由来
属名である「Bellis(べリス)」はラテン語で「美しい・可愛らしい」という意味があり、その可愛らしい姿が由来となり「美人」という花言葉がつけられました。
また、「希望」という花言葉の由来は日が差すと花が開く性質からと言われています。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の英語の花言葉
・innocence(純潔)
・beauty(美)
チロリアンデージー花言葉
「希望」「無邪気」
シャスタデイジー花言葉
「万年忍耐」「全てを耐え忍ぶ」
デイジー(雛菊・ヒナギク)の誕生花
デイジーの誕生花を紹介します。
デイジーをモチーフにした指輪やネックレスなどのジュエリーが多くありますので、プレゼント選びの参考にしてみて下さい。
・1月4日
・1月9日
・2月15日
・3月5日
・3月6日
・3月12日
・4月17日
・5月27日
デイジー(雛菊・ヒナギク)と風水
花風水は基本的にどこに花を置いても運気アップするという考え方です。
デイジーは色が豊富な植物ですので、色と方角を組み合わせて運気を上げるポイントを紹介していきたいと思います。
【白】
「白」は基本的にどこに置いても運気を上げるとされています。特に白色は「鬼門」に置くと浄化の効果があり吉です。恋愛運を上げるには「東南」、仕事運や勉強運には「東」に白い花を置きましょう。
【黄色】
金運アップといえば「黄色」が有名ですよね。「西」に黄色のものを置くと金運が上がりますが、「西・北・東北」の3方位に黄色の花を置くとさらに効果的です。
【赤】
勝負運には「赤」が効果的です。「赤」は朝日の色です。朝に見ると元気が出て、やる気や活力が湧いてきます。方角は「北」「西」が吉です。「南」も良いですが、沢山置きすぎると喧嘩が起こりやすくなるので注意しましょう。
【ピンク】
ピンクは「恋愛運」が有名ですが、「子宝」や「気分を明るくしたい時」にも効果的です。基本的にはどの場所に置いても運気アップにつながります。恋愛運や結婚運をあげたい時は「南東」、子宝には「北」にピンクの花を置きましょう。
【紫】
紫はお釈迦様が座る蓮の色で、とてもパワーのある色です。「南」に置くことで、精神性を高め感覚を研ぎ澄ます効果があります。逆に「北」に紫のものを置くとお金や仕事のトラブル、恋愛がうまく行かなくなりますので注意しましょう。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の種類・色
名前にデイジーとつく植物はたくさん存在しますが、花の形や色はそれぞれ違っており、中には別の種類のものも混じっています。
様々な種類のデイジーの中から特に有名で人気のある3種類の特徴を紹介していきたいと思います。
チロリアンデージー
この品種は花径が5センチ程の大輪を咲かせる花で、花弁の種類はフィストゥローサ種です。色のバリエーションが多く、ピンク、サーモンピンク、濃赤色、白などがあります。チロリアンとはオーストリアのチロル地方を意味します。
シャスターデージー
この品種は草丈が高く花径は5〜10センチ程で、マーガレットに見た目がとても似ています。花色は白で筒状花は黄色なのが特徴で花弁の種類はリグローサ種になります。花の形が豊富で一重咲き、八重咲き、丁字咲きがあります。
ポンポネット
この品種は最小輪で八重咲きの花を咲かせます。花弁の種類はフィストゥローサ種で、鞠のような花の形をしています。色の種類は多く、ピンク、赤、白などがあります。小型の品種ですがたくさん花を咲かせるためとても人気のある品種です。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の仲間
デイジー(雛菊・ヒナギク)に似た花
デイジーと同じキク科の花の中に見た目がそっくりなものがあります。
それが「マーガレット」です。マーガレットの原産はアフリカ西北方のカナリー諸島です。17世紀末にヨーロッパに渡りフランスで改良され、日本には明治時代の末期にヨーロッパから伝わってきました。マーガレットとはどのような植物で、デイジーとマーガレットの違いはどの様な点があるのか、これから説明していきます。
学名:Argyranthemum frutescens
科・属:キク科・モクシュンギク属
和名:木春菊(モクシュンギク)
英名:Paris daisyやMargurrite
開花時期:3〜4月頃
英名で「Paris daisy」とあるように欧米ではデイジーの一種とされています。大きな見た目の違いは、マーガレットの草丈が60〜100センチもあるという所です。小さな見た目のデイジーとは違いマーガレットは背丈が高いです。また、マーガレットの葉は何本にも分かれているのが特徴で、細くギザギザになっています。一方、デイジーの葉は根の際から生えていて、ヘラ形で切り込みがないのが特徴です。デイジーは日がさしていない時は花を閉じていますが、マーガレットは日がさしていない時でも花が開いていますので、夜間や曇りの日に確認するのも見分けるポイントです。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の季節・開花時期
デイジーといえば春のイメージが強いかと思いますが、開花時期は早いもので12月下旬頃から花を咲かせるものもあり5月上旬くらいまで楽しむことができます。
種から栽培したものは3月頃から花を咲かせます。
デイジーの花畑は残念ながら日本にはありませんが、南アフリカのケープ州にある「ナマクワ国立公園」で8〜10月初旬くらいまでデイジーの花畑を楽しむ事ができます。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の育て方・ポイント
デイジーは栽培するのがとても簡単で、ガーデニング初心者さんにはオススメの植物です。ちょっとしたポイントを抑えることで、美しい姿を長く楽しむことができますので今から育て方を紹介していきたいと思います。
まず、デイジーは「地植え」と「鉢植え」の両方で育てることができます。また、種から花を咲かせるには管理が難しいものもありますが、デイジーは初心者でも比較的簡単に種植えする事が出来るので「苗の植え付け」と「種植え」の両方で栽培に挑戦する事ができます。
植え付けの時期は、種植えの場合は8月下旬〜9月上旬に種まきをして発芽させます。苗上の場合は9月下旬〜11月上旬頃が植え付けに適した時期です。
デイジー(雛菊・ヒナギク)の用土
デイジーは水はけの良い土であれば、元気に育つ事ができます。市販の草花用培養土でも十分ですが、粘土質で湿り気のある土を好む傾向にあるので適した用土を選ぶと、より株や根がしっかりと育ちます。
鉢の選び方
デイジーは植え替えが必要ないので、鉢のサイズはお好みのもので良いです。冬場に霜が降りる様な場所では室内などに移動させた方が良いので持ち運べるサイズが良いでしょう。また、4〜5号鉢に1〜2株を目安に植え付けて下さい。地植えの場合は株の間隔を20センチ程開けるのがポイントです。
日当たりや置き場所について
デイジーは日当たりの良い場所を好みますので、日が当たらない場所は避けましょう。
日照不足になると、花つきが悪くなったり茎が間延びしてしまう事があります。室内で育てる場合は、日のさす窓際などがおすすめです。
水やりについて
デイジーは乾燥を嫌いますので、乾いたらたっぷりと水をあげましょう。鉢植えの場合は水切れを起こしやすいので、表面が乾いたタイミングで水を与えます。水切れしてしまうと、すぐに葉が枯れてしまうので注意が必要です。地植えの場合はよほど乾いている時以外は水やりは不要です。
肥料について
デイジーは肥料を好む植物です。美しい花を咲かせるために、肥料はきちんと与えましょう。ただし、窒素分の多い肥料は花つきを悪くしてしまう為注意が必要です。花つきをよくしたい場合はリン酸分が多い肥料を選びましょう。液肥を与えるタイミングは苗植え後から開花するまでは月1〜2回、開花時期には週に1度の頻度で与えるのがポイントです。
増やし方
デイジーは基本的に夏になると枯れてしまうので、株を分けて増やすことはできません。
新しい苗を購入するか、種を植えて苗を育てましょう。
種から育てる場合は、発芽した小さな芽が霜に当たってしまうと枯れてしまいますので冬が来る前に大きな苗に育てるのがポイントです。
花が終わったら
デイジーは長期間花を咲かせる植物です。花が終わったら、花の付け根から丁寧に摘み取りましょう。花が終わってからそのまま放置していると株が弱ってしまったり、水に濡れた部分が腐ってしまいます。花が種をつける前に摘み取ることで株が弱ることなく、花数も増えるのでこまめにチェックしましょう。
植えっぱなしで育てられる
デイジーは日本では一年草になります。夏の暑さで弱り枯れてしまいますので、植えっぱなしにしておく事はできません。枯れた状態をそのまま放置すると病害虫が発生してしまい、土壌環境が悪くなってしまいます。枯れたら、早めに抜き取ってしまう事がポイントです。
病気や害虫について
デイジーがかかりやすい病気に「菌核病」があります。菌核病はカビの一種で、灰色の病斑が発生しひどい場合は枯れてしまいます。気温が低く、湿度の高いの状態が続くと発生しやすくなりますので、見つけた場合は根元から取り除き、他の株に広がるのを防ぎましょう。
また、デイジーにはよく「アブラムシ」が発生します。アブラムシは植物の栄養を吸い取ったり、ウイルスを媒介します。3月頃から発生しやすくなりますので、見つけたら手で取り除いたり薬剤を使って駆除しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。デイジーの花言葉や歴史などを知ると、「イタリアの国花」に選ばれた事も納得できますね。
栽培が簡単なので、春に向けてガーデニングを楽しんではいかがでしょうか?
花壇いっぱいにデイジーを敷き詰めると、一気に春らしくなりおすすめですよ!
色や形が豊富なのでたくさん育てて自分の好きな種類を見つけてみましょう!
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