ハーブの中でもとても人気のある「カモミール」。「植物のお医者さん」「母の薬草」などと呼ばれているくらい昔から多くの病に使われてきました。ハーブとしての効能がすごいだけでなく、小ぶりでキュートな花も人気の一つですよね!など今回はカモミールの「特徴」「花言葉」「育て方」など詳しく説明していきたいと思います。
カモミール(カミツレ)とは?どんな花?
【学名】
(ジャーマンカモミール)Matricaria recutita
(ローマンカモミール)Chamaemelum nobile
【科・属名】
(ジャーマンカモミール)キク科・シカギク属
(ローマンカモミール)キク科・ローマカミツレ属
【英名】Roman Chamomile German Chamomile
【原産地】ヨーロッパから北アジア
【開花期】
(ジャーマンカモミール)3~6月
(ローマンカモミール)6~7月
【花の色】白・黄
カモミールはヨーロッパやアジア北部が原産でキク科のハーブです。
昔から薬草として使われてきたカモミールですが、その効能は様々で多くの病の治療薬として活躍してきました。
カモミールは「抗菌作用・抗炎症作用」が強く、主に皮膚の炎症に使用されています。傷や腫れ物、火傷に効果的で、薬剤や化粧品などに使われています。
また、リラックス効果があるのでストレスを軽減したい時などにおすすめです。アロマオイルやカモミールティーなどに加工して日常に取り入れられてきました。
カモミール(カミツレ)の特徴
カモミールは白い花弁と黄色の花托をつけ、
花を咲かせると、りんごの様な甘くて爽やかな香りを放つのが特徴です。特に芳香がとても強く、踏むとより強い香りを放ちます。
カモミールはとてもたくましく、踏んでも踏んでもまた花を咲かせます。原産地のヨーロッパでは草原などに生えているので、雑草扱いされることもある様です。
カモミール(カミツレ)の歴史
カモミールの語源はギリシャ語です。花の香りがりんごの果実に似ていたことから「大地のりんご」という意味の「Chamaemellon」と名付けられました。
カモミールは紀元前4000年前のバビロニア時代から薬草として利用されていたと言われています。属名の「Matricaria」は「子宮」を意味するマトリックス(ラテン語)に由来しており、昔から婦人病の治療薬として使われていました。このことから「母の薬草」とも呼ばれています。
また、古代エジプトの神話では太陽神ラーに捧げる9種のハーブのうちの1つで神聖なハーブとして扱われてきました。
カモミール(カミツレ)の別名
カモミール(カミツレ)の別名
カモミールの別名として和名の「カミツレ(加密列)」があります。
日本にカモミールが伝わったのは江戸時代末期で当時は西洋医学の民間薬として広まっていました。オランダから持ち込まれたのが始まりで、オランダ語ではカモミールを「カミルレ」といいます。日本ではそれが訛って「カミツレ」と呼ぶようになったのがその名の由来です。
カモミール(カミツレ)の花言葉
「苦難に耐える」
「逆境に負けない強さ」
「逆境で生まれる力」
「清楚」
「仲直り」
「親友」
「あなたを癒す」などがあります。
カモミール(カミツレ)の花言葉の由来
カモミールの優しい見た目とは正反対の力強い花言葉は、カモミールのたくましい性質に由来しています。雨風に打たれて倒れたり、踏みつけられたり刈られてしまっても根が生きている限り何度も花を咲かせようとする姿が力強い花言葉をつけられた理由です。
また「あなたを癒す」という花言葉はカモミールが昔から薬草として使われていた事や、その香りで人々をリラックスさせた事からそう言われているようです。
カモミール(カミツレ)の英語の花言葉
・Energy in adversity(逆境に根気強く向かう)
・Patience in adversity(逆境に耐える)
・Power in suffering(苦難の中で湧き出る力)など
カモミール(カミツレ)の誕生花
カモミールの誕生花にはバレンタインデーとホワイトデーが入っています。プレゼントに誕生花を選ぶのもとても素敵ですよね!好きな方にカモミールの花やハーブティーをプレゼントしてみてはいかがですか?
・2月14日
・3月14日
・4月27日(ジャーマンカモミール)
・6月16日
・6月23日(ローマンカモミール)
・11月3日
カモミール(カミツレ)と風水
カモミールのような白い花は人間関係を良くすると言われています。特に「北」に飾ると浄化の作用があり人間関係を良くなります。また、「南」に飾ると感性が高まって直感力が上がります。
カモミールは「アロマ」も沢山出回っていますので、生花の管理が苦手な方はアロマも活用しましょう。「玄関の北側」にアロマを使用すると行動力や観察力が高まります。また寝室やリビングには「東」に使うと良いとされています。
カモミール(カミツレ)の種類・色
カモミールとは花弁の形や色、香りの似た植物をまとめてそう呼びます。
その中でもカモミールと称される主なものは「シカギク属」と「ローマカミツレ属」の2つになります。2属の中でも代表的なものが「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類です。日本で一般的にカモミールと言われているのは「ジャーマンカモミール」になります。
その他にも有名なカモミールの種類がありますので、今回は「4種類」紹介していきます。
ジャーマンカモミール
「ジャーマンカモミール」はキク科・シカギク属の一年草です。花径は2センチ程で白い花を咲かせます。中央の黄色い部分が盛り上がっているのが特徴です。葉に香りはありませんが、花は甘くフルーティーな香りを放っており、ハーブティーなどによく使われています。
ローマンカモミール
「ローマンカモミール」はキク科・ローマカミツレ属の多年草です。花径は3センチ程でジャーマンカモミールよりやや大きめです。葉と花の両方から香りを放ちます。こちらもアロマやお茶によく使われていますが、ジャーマンカモミールより若干苦味を感じ流のが特徴です。
ダイヤーズ・カモミール
「ダイヤーズカモミール」はキク科・ローマカミツレ属の常緑多年草です。カモミールは白い花のものが多いですが、こちらはマーガレットの様な黄色い花を咲かせます。葉と花は共に香りはありません。ハーブティーとしては使用できませんが、花から黄色い染料がとれ少量でもよく染まります。
ワイルド・カモミール
「ワイルドカモミール」はキク科の多年草です。見た目はジャーマンカモミールやローマンカモミールに似た小さな白い花を咲かせます。別名「フィーバーフュー」と呼ばれますが、これはラテン語で「解熱剤」という意味です。「奇跡のアスピリン」と言われ古くから使われてきたハーブです。
カモミール(カミツレ)の仲間
カモミール(カミツレ)に似た花
カモミールに似た花に「マーガレット」や「スノーポール」があります。
それぞれに違う点はありますが、写真などで見ると見分けがつかない方も多いのではないのでしょうか?
2つの花とカモミールの大きく違う点は「花の香り」と「葉の形」です。
マーガレットとスノーポールは独特な香りを持っており、「強烈なチーズ」のような悪臭を放ちます。香りが好まれているカモミールとは正反対の特性です。
また、この2つの葉の形は菊のような形をしていますが、カモミールは細く柔らかな葉で全く異なる見た目ですので、香りで判断できない場合は葉の形で見分けると区別しやすいでしょう。
カモミール(カミツレ)の季節・開花時期
日本で栽培されているカモミールはジャーマンカモミールが多いようです。よって、日本でカモミールの花を楽しめるのは「3〜6月頃」になります。
ハーブガーデンなどではカモミールが一面に広がっており、爽やかな白と甘い香りを楽しむ事が出来ます。有名なのは三重県伊賀市にある「メナード青山リゾート」の高原内にあるハーブガーデンです。花やハーブの摘み取り体験なども行っていますので、ハーブ好きな方にはオススメのスポットです。
カモミール(カミツレ)の育て方・ポイント
カモミールは栽培があまり難しくないので、どなたでも栽培しやすい植物です。
地植え、鉢植えどちらでも栽培できます。種植えでも発芽率は良いのでさほど管理は難しくありませんが、苗植えの方がより簡単にカモミールを育てる事が出来ます。
苗植えの場合は苗を買ってきたら早めに植え付けましょう。植え付けに適した時期は3月中旬〜5月、9月下旬〜10月が好ましいです。
種植えする場合は、冬の時期をさけて15〜20度の気温の時に種を撒くのが好ましいです。適した時期は3月中旬〜4月、9月下旬〜10月ですが、秋に植えたものの方が株が大きく育ちます。
また、一年草のものは植え替えは必要ありませんが、多年草のものは1年に1〜2回を目安に定期的に植え替えをしましょう。
カモミール(カミツレ)の用土
カモミールは水はけの良い土で育てましょう。酸性の土が苦手なので、地植えの場合は苦土石灰などを混ぜ合わせて弱酸性の土に改良するのがポイントです。よく耕すことでしっかりと根を張る事が出来ます。鉢植えの場合は市販のハーブ用培養土でも十分ですが、自分でブレンドする場合は赤玉土6:腐葉土3:パーライト1の割合でブレンドしましょう。
鉢の選び方
鉢やプランターは好きなものを選んでも構いませんが、苗のポットよりひと回り大きいものから選びましょう。苗植えの場合は20センチ程間隔をあけて植え付けるのがポイントです。種植えの場合も芽が出たら間引いて間隔を開けるようにして下さい。
日当たりや置き場所について
カモミールは日当たりの良い場所を好みますので日陰を避けて日の入る場所に置きましょう。寒さには強いですが、暑さには弱い植物ですので夏場はなるべく直射日光の当たらない場所が好ましいです。一年草の場合は真夏になる前に枯れてしまいますので、暑さや蒸れをあまり気にしなくても大丈夫です。
水やりについて
カモミールは乾燥に強い植物ですので、基本的には乾いたら(土が白っぽくなってきた頃
)水を上げる程度で構いません。あまり水をあげすぎると根腐れの原因になりますので、少し乾かし気味で育てた方が良いです。地植えの場合は、種まきの後のみしっかり水を与えましょう。その後は水やりは不要です。
肥料について
カモミールは一年草と多年草で肥料の与え方が違います。
植え付けの際はどちらも緩効性肥料を与えて元肥を施しましょう。
その後一年草は春先に1度だけリン酸分の多い緩効性肥料を追肥します。多年草は花の収穫や刈り込みの後に速効性の液体肥料(規定より半分に薄めたもの)を追肥することで株が良く育ち、元気な花を咲かせます。
増やし方
カモミールの増やし方は3通りあります。
(種から増やす)
一年草でしたら、そのまま「こぼれ種」を放置することで翌年も花を咲かせる事もあります。種を保存したい場合は、花が終わって黄色い部分が茶色くなったら収穫しましょう。しっかり乾燥させて種を取りましょう。
(挿し木)
挿し木に適した時期は3〜4月です。元気な茎を選んだら15〜20センチの長さにカットし、土に挿して成長させて増やします。根がしっかり生えてきたら、鉢などに植え替えましょう。水に挿す方法もありますが土よりも弱く育つのでカモミールは土に挿す方が良いです。
(株分け)
株分けに適した時期も3〜4月です。成長した株を根から2〜3つに株分けします。あとは苗植えと同じ方法で植え付けましょう。根がしっかりと張るまでは乾燥させすぎない様に注意して水を与えましょう。
花が終わったら
カモミールは蒸れに弱いので花が終わって茎だけの状態になったら剪定が必要になります。剪定に適した時期は夏を迎える前です。草丈が10センチ程になるように刈り込みをしますが、下の葉が残るように刈り込むのがポイントです。この作業を「切り戻し」と言います。刈り取った部分が香りのあるカモミールでしたら、ネットなどに入れて入浴剤などに使用できます。
植えっぱなしで育てられる
カモミールは繁殖力が強いため植えっぱなしでも「こぼれ種」で翌年も新しい苗が育つことがあります。苗が過密になると育ちが悪くなりますので、苗の間隔が狭くなった場合は間引きしましょう。こぼれ種を繰り返す場合はカモミールの香りが薄くなってきますので、その場合は新しい苗に植え替えるのがオススメです。
病気や害虫について
カモミールにはよくアブラムシやハダニが発生します。アブラムシは見つけたら手で取り除くか、殺虫剤で駆除しましょう。
ハダニは葉の裏につきます。水に弱いので、毎日葉に霧吹きなどで水をかけることで予防できます。どちらも殺虫剤で駆除できますが、花を収穫する場合は収穫前の農薬の散布は気をつけましょう。
病気はあまりかかりませんが、気温が高くなってくると「うどんこ病」が発生することがあります。葉、茎、花に白いカビが発生する病気です。放置すると枯れてしまうこともありますので、見つけたら薬剤で処置しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
カモミールの効能や花言葉を知ると、常に側に置いておきたいと思えるような頼もしい存在になりますよね!
ハーブティーやアロマだけでなく、自宅にカモミールを植えて心も体もリフレッシュさせて見てはいかがですか?
自宅で栽培したカモミールを収穫してオリジナルのハーブティーを作ってみるのもオススメですよ。
コメント