健康に良いといわれている黒にんにく。
生活習慣病や肥満の予防、免疫力の向上など、さまざまな効果が期待される黒にんにくですが、中には食べてはいけない人もいます。
こちらの記事では、黒にんにくの効果や食べてはいけない人、食べるときの注意点などについて解説します。
黒にんにくを日々の生活に取り入れようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
黒にんにくとは?
黒にんにくとは、にんにくを1カ月間ほど熟成させて作られた健康食品のことです。
にんにくを長時間熟成させると色が白から黒に変化します。白にんにくと比べて、黒にんにくは栄養価が高く、効率的に体に良い成分を摂取できる上、においも抑制されています。そのため、白にんにくよりもシーンを問わず食べやすいといえます。
また、黒にんにくは白にんにくよりも柔らかく、食べやすい点も人気の理由です。
黒にんにくの効果
黒にんにくにはさまざまな効果があるといわれています。
黒にんにくに含まれる栄養成分は、基本的に白にんにくと変わりがありませんが、熟成させることで栄養成分の量が増加します。
老化を防止する
黒にんにくに含まれるS-アリルシステインやポリフェノールには、老化の原因となる酸化を防止する抗酸化作用があります。
老化の防止だけでなく、生活習慣病や肥満の予防、疲労回復など、健康面でさまざまな効果が期待できます。
疲労回復効果
黒にんにくにはアルギニンも豊富に含まれています。アルギニンは、免疫力の向上や成長ホルモンの促進、筋肉の強化など、さまざまな効果があるとされています。
疲れがなかなか取れない方や体調を崩しやすい方、疲労感による体のだるさを感じている方は、黒にんにくを摂取することで体質の改善が期待できるともいわれています。
美肌効果
黒にんにくに含まれるS-アリルシステインには老化や肌荒れ、シミ・シワなどを予防する効果が期待できます。
また、S-アリルシステインには血液循環を促進する作用もあるため、老廃物を排出し、肌のターンオーバーも促進してくれます。それにより、肌荒れや古い角質の蓄積を防ぐことができます。
冷え性の改善
黒にんにくには冷え性を改善する効果も期待できます。
S-アリルシステインの血液循環を促進する作用によって、血流が良くなり冷え性が改善されると考えられています。
特に女性は男性と比べて筋肉量が少ないため、冷え性の方が多いです。冬だけでなく、夏場でも手先や足先、おなかなどが冷える方も多いといわれています。黒にんにくは、そんな冷え性で悩んでいる方にもおすすめといえます。
花粉症などのアレルギー症状を軽減する
黒にんにくに含まれるポリフェノールには、花粉症などのアレルギー症状を抑制する作用もあるといわれています。
ポリフェノールには、体に悪影響を与える活性酸素を抑制する抗酸化作用があるだけでなく、花粉症を引き起こす炎症性物質「ロイコトリエンヒスタミン」が放出されるのを抑制する働きもあります1。
黒にんにくを食べるメリット
黒にんにくを食べるメリットをご紹介します。
にんにく特有のにおいが抑えられている
白にんにくには独特のにおいがあるため、食べるシーンや時間帯を気にする方が多いのではないでしょうか?
黒にんにくは熟成しているため、にんにく特有のにおいが抑えられています。そのため翌日、人と会う予定があっても気にすることなく食べられます。にんにく特有のにおいが苦手な方や、人と会う予定が詰まっている方にもおすすめです。
基本的には副作用がない
黒にんにくは薬ではないため、基本的に副作用がありません。そのため、副作用を気にせず摂取できる点が魅力だといえます。
とはいえ、食べ過ぎてしまうと腹痛や胃の不快感を引き起こす恐れはあります。また、人によっては食べてはいけない場合もあるため十分に注意しましょう。
黒にんにくを食べてはいけない人
黒にんにくを食べてはいけない人について解説します。
にんにくアレルギーを持っている
にんにくアレルギーを持っている方は、黒にんにくの摂取を避けた方が良いでしょう。
にんにくの香りのもとであるアリシンは、加熱したり調理したりする過程でジアリルジスルフィドなどの物質に変換されます。そのジアリルジスルフィドが、アレルギーの原因だと考えられています23。
蕁麻疹や気管支への影響、ひどい場合にはアナフィラキシーショックなどを引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。食べ物によるアレルギー症状は命にかかわる危険性があるため、十分に確認した上で摂取しましょう。
胃痛・腹痛を起こしやすい
にんにくを食べた後に限らず、普段から胃痛や腹痛を起こしやすい体質の方は注意が必要です。
にんにくに含まれるアリシンは腸内環境を乱す恐れがあります。熟成して作る黒にんにくには、アリシンはほとんど含まれていないため、白にんにくに比べて胃痛や腹痛を引き起こす可能性は低いといえます。
しかし、普段から胃痛や腹痛を起こしやすい方は、食べる量によっては胃腸の不快感や下痢などを引き起こす可能性があるため注意した方が良いでしょう。一度にたくさん食べるのではなく、少しずつ食べて様子を見るのがおすすめです。
糖尿病を患っている
糖尿病を患っている方は、黒にんにくの摂取を控えた方が良いといわれています。これは、黒にんにくに含まれるアミノ酸の一種であるシステインが、インスリンの分泌を促進するためです。
糖尿病を患っている方は、かかりつけ医に相談した上で黒にんにくの摂取を検討しましょう。
特定の治療薬を使用している
糖尿病や免疫力を抑制する薬、経口避妊薬(ピル)など、特定の治療薬を使用している方は黒にんにくの摂取に注意した方が良いといわれています。
例えば、抗凝固剤であるワルファリンは、黒にんにくと飲み合わせることで血液をサラサラにする作用が過剰に働いてしまう可能性があります。また、免疫抑制剤であるシクロスポリンは黒にんにくに含まれる成分によって分解され、薬の効果が弱まってしまうことがあります。他にも、経口避妊薬や抗HIV薬であるシクロスポリンは、黒にんにくを摂取することにより薬の代謝が促進され、効果が弱まってしまう可能性があるそうです。
そのため、特定の治療薬を使用している場合は十分に注意しましょう4。
また、上記以外の薬であっても、病院で処方された薬を内服している場合は黒にんにくを摂取しても良いかどうかを確認した方が安心だといえるでしょう。
食事制限している
医師の指示で食事制限をしている方は、黒にんにくの摂取についても確認をとった方が良いでしょう。黒にんにくをどうしても摂取したい場合は、かかりつけ医に相談の上、検討してください。
医師から禁止されている
医師から黒にんにくの摂取を禁止されている方は、摂取を控えましょう。
また、にんにくや玉ねぎなど同様の成分が含まれる食べ物を禁止されている場合も、黒にんにくを摂取する前に医師に相談するのが良いといえます。
黒にんにくの食べ過ぎには注意
黒にんにくは健康に良いといわれていますが、食べ過ぎには注意が必要です。
黒にんにくは、白にんにくに比べて胃腸への負担が少ないといわれていますが、食べ過ぎると胃痛や腹痛を引き起こす恐れがあります。上述したように、普段から胃痛や腹痛を引き起こしやすい方は、量を調整し様子を見ながら摂取しましょう。
黒にんにくの1日の摂取量の目安は、1〜3片といわれています。商品によって多少異なるため、注意書きなどにしっかりと目を通しましょう。黒にんにくは薬ではないため、副作用や明確な用量はないといわれています。
また、たくさん食べたからといって、すぐに大きな効果が出るわけではありません。黒にんにくの効果が出るまでの期間として、個人差はありますが、2〜3カ月程度が目安だといわれています。早く効果を実感したいからといって、一度にたくさん食べるのではなく適量を心がけましょう。
黒にんにくを食べるときの注意点
黒にんにくを食べるときの注意点をご紹介します。
空腹時の摂取は控える
黒にんにくを空腹時に摂取するのは控えた方が良いでしょう。
空腹時に黒にんにくを食べると、胃もたれしたり、違和感を覚えたりする可能性があります。白にんにくよりは刺激などが軽減されているとはいえ注意が必要です。黒にんにくの摂取は、食後など胃が空っぽではないタイミングにするのがおすすめです。
口臭ケアを入念にする
黒にんにくを食べるときは、口臭ケアを入念にしましょう。
白にんにくに比べればにおいが控えめですが、においが全くないというわけではありません。においのもとであるアリシンは熟成させることでかなり減少しますが、多少は残っているといわれています。
歯みがきやマウスウォッシュでの入念なケアを心がけましょう。また、即効性を求める場合は、牛乳や牛乳を多く含む飲料がおすすめです。牛乳に含まれるタンパク質がアリシンによるにおいを軽減してくれるためです。
黒にんにくだけに頼らない
ご紹介した通り、黒にんにくにはさまざまな効果があります。
しかし、黒にんにくはあくまで健康食品です。普段の食生活にも気をつけて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
黒にんにくのおすすめの食べ方
最後に、黒にんにくのおすすめの食べ方をご紹介します。
黒にんにくはそのまま食べても良いですが、アレンジをして食べるのもおすすめです。
例えば、黒にんにくをスライスしてサラダのトッピングにしたり、ドレッシングに混ぜたりするのも良いでしょう。
サラダだけでなく、炒め物などの料理のアクセントとして取り入れるのもおすすめです。黒にんにくを食べ続けていて、そのまま食べることに飽きてしまった場合はぜひ取り入れてみてください。
おわりに
黒にんにくの効果や食べてはいけない人、食べるときの注意点などについて解説しました。
健康に良いといわれる黒にんにくですが、食べない方が良いケースもあることが分かりました。
アレルギーを持っている方や病気の治療中の方、薬を内服している方は特に注意が必要です。摂取したい場合は医師に相談の上、検討しましょう。
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