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キャベツの食べ過ぎと死亡率の関係

千切りサラダなど、私たちにとって身近な食材であるキャベツ。
キャベツなどの野菜を食べると死亡リスクが下がるという情報もあるようです。

こちらの記事では、キャベツに含まれる栄養素や、キャベツの食べ過ぎと死亡率の関係などについて解説します。

キャベツに含まれる栄養素

実は、キャベツには私たちの健康にとって必要な栄養素がたくさん含まれています。
ここでは、キャベツに含まれる代表的な栄養素をご紹介します。

ビタミンC

水溶性ビタミンの一種である、ビタミンC。

ビタミンCには抗酸化作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守ったり、活性酸素の生成を抑制したりする働きがあります。また、植物性食品からの鉄の吸収を促進し、免疫系が適切に働くことをサポートする役割も担っています。

さらに、ビタミンCはコラーゲンの生成やメラニン色素の生成を抑制する働きもあり、美容にも欠かせない栄養素です1

ビタミンCは体内に蓄積できないため、こまめに摂取する必要があります。

ビタミンK

ビタミンKは出血時の止血、すなわち血液凝固に関する作用があります。血液凝固に必要なプロトロンビンが肝臓で生成される際に働くのがビタミンKです。そのためビタミンKがないと、出血した際に止血しづらくなります。けがをしたときに、出血が止まるのはビタミンKのおかげなのです。

その他にも、ビタミンKにはカルシウムの吸収をサポートし、骨の形成を促進する働きがあります。

また、ビタミンKは脂溶性ビタミンであるため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。

葉酸

葉酸は、ビタミンBの一種です。赤血球を作る上で必要不可欠な栄養素で、貧血の予防にも役立ちます。さらにDNAの合成や細胞分裂にも関わる、とても重要な栄養素です。

また、葉酸は赤ちゃんの発育にとっても必要な栄養素のため、妊娠前・妊娠中の人は特に意識して摂取したい栄養素といえます。葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害や早産などのリスクが高まる可能性があります2

食物繊維

キャベツには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は小腸で消化・吸収されないため、大腸まで達することができます。整腸効果や便秘の予防、血糖値上昇の抑制、血中コレステロール濃度の低下など、さまざまな働きがあります。

現在、多くの日本人に不足している栄養素といわれているため、積極的に摂取する必要があります。厚生労働省によると、一日あたりの目標量は18~64歳で男性21g以上、女性18g以上とのことです3。生活習慣病を予防するためにも、食物繊維を含む食品の摂取を心がけましょう。

キャベジン(ビタミンU)

キャベツには、キャベジン(ビタミンU)が豊富に含まれています。キャベジンには胃酸の分泌を抑える作用や、胃や十二指腸の粘膜を治癒させる働きがあり、胃の健康を守る栄養素として知られています4

そのため、キャベツは胃腸が弱い方や、胃腸が弱っているときにもおすすめの野菜といえます。また、とんかつや唐揚げなどの揚げ物は胃に負担をかけやすいですが、キャベツの千切りを一緒に食べることでキャベジンの効果が期待できるでしょう。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。余分なナトリウムを排出し、塩分濃度の調整に役立ちます。また、浸透圧の調整や体液のpHバランスを保つ役割などもあります。

カリウムが不足すると、脱力感や食欲不振などの症状が現れる可能性があります。一方でカリウムを大量摂取しても、通常は体内で調整されるためカリウムが過剰になることは、まれなことだといわれています5

カルシウム

カルシウムは、歯や骨を形成するのに必要なミネラルです。カルシウムは子どもから大人まで積極的に摂取すべき栄養素です。不足すると骨が十分に成長しなかったり、骨粗鬆症の原因になったりします。

また、カルシウムの一部はカルシウムイオンとして、血液や筋肉、神経の働きを正常に保つ役割も担っています6

マグネシウム

マグネシウムも人体に必要なミネラルの一種です。リン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして約6割が歯や骨に、残りは脳や神経に存在しているといわれています。また、マグネシウムには酵素の活性化や筋肉の収縮、体温や血圧の調整、神経情報の伝達など、さまざまな作用があります。

マグネシウムが不足すると、骨の形成に影響を及ぼしたり、高血圧や不整脈、筋肉のけいれん、抑うつ感などを引き起こしたりする可能性があります。とはいえ、サプリなどでマグネシウムを摂取しすぎると下痢になることがあるため、過剰摂取には注意が必要です7

キャベツの食べ過ぎと死亡率の関係

キャベツの食べ過ぎと死亡率に関係はあるのでしょうか?

「キャベツを食べると死亡リスクが下がる」といわれている理由は、キャベツに含まれる栄養素が病気を予防する可能性があるからだと考えられます。詳しく見ていきましょう。

がんを予防する成分がある

キャベツをはじめとする野菜や果物には、がんを予防する(がんの発生率を下げる)栄養成分が含まれているのではないかと考えられています。その成分は、ビタミンC、葉酸、食物繊維、カロテノイド、フラボノイド、フィトエストロゲン、イソチオシアネートなどです。

これらの栄養成分のうち、どれか特定の成分にその効果があるのか、または組み合わせることによって効果があるのかについては、今後も研究が必要とのことです8

胃がんの発生率を下げる

キャベツや白菜をはじめとする緑黄色野菜以外の野菜、ほうれん草をはじめとする緑色の野菜、にんじんをはじめとする黄色の野菜、そして果物。それらを「ほとんど食べない」「週1〜2日食べる」「週3〜4日食べる」「ほとんど毎日食べる」という4タイプの人を対象に胃がんの発生率を比較した研究があります。

その研究データによると、「ほとんど食べない人」より「週1日以上食べる人」の方が胃がんの発生率が低いという結果が分かったそうです。

胃がんの分類
  • 分化型の胃がん:年齢とともに発生率が高くなる
  • 未分化型の胃がん:若年層にも多い胃がん

また、未分化型の胃がんより食事などの影響を受けやすいとされていた、分化型の胃がん。この研究によると、野菜の摂取量が増加するにつれ、胃がん全体と比較し、分化型の胃がんで発生率がより減少したそうです9

食物繊維摂取量が多いほど死亡リスクが低下する

食物繊維摂取量と平均約17年間の死亡(総死亡・がん死亡・循環器疾患死亡・心疾患死亡・脳血管疾患死亡)との関連を男女別に調べた研究によると、食物繊維摂取量が多いほど、男女ともに総死亡リスクが低下することが分かったそうです。

さらに、食物繊維摂取量が多い人ほど、男女ともに循環器疾患死亡のリスクが低下。また、がん死亡については、男性では総食物繊維摂取量が多い人ほどリスクが低下していましたが、女性についてはその関連を認めなかったとのことです。

そして、野菜類・果物類・豆類からの食物繊維摂取量が多いほど総死亡リスクが低下。穀類からの食物繊維はその傾向は見られなかったそうです10。そのため、食物繊維を含む野菜類であるキャベツは、死亡リスクの低下につながると考えられています。

キャベツの食べ過ぎには注意が必要?

キャベツに含まれる栄養素が、病気の予防や死亡リスクの低下に関係している可能性があることが分かりました。

とはいえ、キャベツばかりを食べる食生活はおすすめできません。キャベツ以外の食品からもバランスよく栄養を摂取するのが理想的です。また、キャベツは適量であれば体に良いですが、食べ過ぎると体調を崩してしまう恐れがあります。

便秘や下痢などになる

キャベツを食べ過ぎると便秘や下痢などになる可能性があります。

上述した通り、キャベツに含まれる食物繊維には、適量であれば腸を整えたり、便秘を予防したりする効果があります。しかし、過剰摂取すると消化不良によって下痢を引き起こしたり、かえって便秘を悪化させたりする恐れがあります。

胃痛や吐き気などを引き起こす

食物繊維の過剰摂取や、たくさんの食べ物が胃に入ることによって、胃に負担がかかってしまう可能性があります。
それにより、胃痛や吐き気を引き起こす恐れがあります。キャベツに限らず、食べ過ぎには注意しましょう。

栄養バランスが偏ることによる体調不良

キャベツばかりを食べたり、食物繊維を過剰摂取したりすることによって、栄養バランスが偏ったり、他の栄養素の吸収を阻害したりしてしまう可能性があります。

必要な栄養をバランスよく摂取できない日が続くと、体調を崩してしまうこともあるでしょう。キャベツにはご紹介したように、さまざまな栄養素が含まれていますが、人間に必要な栄養素が全て含まれているというわけではありません。他の野菜や果物もバランスよく摂取しましょう。

睡眠・女性

甲状腺機能を低下させる

キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を過剰に摂取すると、甲状腺機能が低下する可能性があるといわれています。 キャベツに含まれるグルコシノレート(体内でゴイトロゲンに変化する)が、甲状腺ホルモンの分泌を阻害するためです。

しかし、通常量のグルコシノレートでは甲状腺機能異常は起こらないとされており、毎日1kg以上のキャベツを食べ続けなければ、甲状腺機能異常は生じないと考えられています。

また、甲状腺疾患があってもキャベツを食べること自体に問題はないですが、食べ過ぎには注意が必要です11

おすすめのキャベツを使った料理

キャベツは千切りサラダだけでなく、さまざまな料理に取り入れることができます。
おすすめのキャベツを使った料理はこちらです。

キャベツを使った料理の一例
  • 野菜炒め
  • 野菜スープ
  • ロールキャベツ
  • ポトフ
  • サラダ
  • 漬物
  • ミックスコールスロー
  • お好み焼き
  • 煮物
  • 鍋料理
  • 蒸し料理
  • 焼きうどん
  • 焼きそば

いろいろな野菜を食べよう

ビタミンや食物繊維、ミネラルが含まれる野菜はキャベツだけではありません。

キャベツは健康維持のために必要な栄養素が豊富に含まれていますが、キャベツばかりを食べるのではなく、さまざまな野菜をバランスよく取り入れましょう。

おわりに

キャベツに含まれる栄養素や、キャベツの食べ過ぎと死亡率の関係などについて解説しました。

キャベツには健康維持に必要な栄養素がたくさん含まれており、病気の予防や死亡リスクの低下に役立つことが分かりました。
とはいえ、食べ過ぎると体調を崩す可能性があるため、毎日適量を摂取することを心がけましょう。

  1. 厚生労働省 eJIM「ビタミンC」
  2. 産科・婦人科 札幌みらいクリニック「妊娠中は葉酸摂取を心掛けよう!効果やおすすめの食べ物を紹介」
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
  4. 医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター「キャベツ」
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム(かりうむ)」
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム(かるしうむ)」
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム(まぐねしうむ)」
  8. 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「野菜・果物摂取と胃がん発生率との関係について」
  9. 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「野菜・果物摂取と胃がん発生率との関係について」
  10. 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「食物繊維摂取量と死亡リスクの関連」
  11. 医療法人社団一泉会 いとせクリニック「甲状腺とキャベツ」

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