みなさんは、さっぱりとした味わいで独特の渋みが特徴の番茶を知っていますか?まろやかで刺激が少なく、もっと日常的に飲みたいお茶のひとつなんです。しかし、その晩茶…体に悪いと言われることがあるんだとか。
そこで今回は晩茶が体に悪いと言われる理由を徹底調査!番茶を飲む時の注意点や体にいい飲み方も紹介するので、参考にしてくださいね。
そもそも番茶って何?
番茶とは、チャノキから作られる緑茶の一種。柔らかな新芽を原料とする煎茶とは違って、遅い時期に摘んだお茶で、成長した茶葉を使っているのが特徴です。さっぱりとした味わいで成分に刺激が少なく、普段使いのお茶として親しまれているんですよ。
番茶に含まれている成分や特徴は?
番茶は比較的安く手に入るお茶ですが、どんな成分が含まれているのでしょうか。ここでは、そんな番茶に含まれる成分や特徴について紹介!
カフェイン
番茶は煎茶に比べて、カフェイン量が少ないのが特徴!お茶にはもともと『テアニン』といううま味成分が含まれていて、太陽の光を浴びることで『カテキン』へと変化していきます。
テアニンはカテキンに変化していく代謝反応の時に、茶葉に含まれるカフェインも減少するんですって!番茶は、茶葉を収穫するまでに時間がかかるので、この代謝反応が煎茶に比べて多く、その結果、カフェインの量が少ないと考えられます。
カテキン(タンニン)
番茶に含まれるうま味成分、テアニンが太陽の光を浴びることで、カテキンに変化するということは先ほどお話をしました。番茶は茶葉を収穫する順番に、一番茶、二番茶、三番茶と言われています。
三番茶は一番茶に比べて収穫するまでに時間がかかるので、その分太陽の光をたくさん浴びて、カテキンの量が増えるんですよ。
番茶とほうじ茶の違いは?
番茶とほうじ茶の違いって何?という人が多いかもしれませんが、実は使っている葉や作り方が全く違うんです。
- 番茶・・・旬の過ぎたお茶
- ほうじ茶・・・お茶の選別で出た『出物』というカスの部分を炒ることで作られたお茶
→製茶する時にどうしてもカスの部分が出てきてしまい、それをどうにか飲めるようにできないかと考えて作られたのが始まり
今は『炒り番茶』というものがあったり、ほうじ茶も出物以外のいい部分を使ったりとバリエーションが増えているので、違いをはっきり説明することが難しくなっているのも事実…。
ですが、基本的な考えとしては、『ほうじ茶』は捨てるものを再利用して作られたお茶なんです。番茶もほうじ茶も商品価値が低く、お茶屋さんによっては作らないところもあるんですって。
番茶は体に悪い?
番茶にはカフェインとタンニンが含まれていることが原因で体に悪いと言われています。ここでは、その原因を解説!
過剰に摂取すると中枢神経が刺激されて不眠症やめまいの原因に…
よくカフェインが含まれているコーヒーを飲むと寝れなくなるなんていう話を聞くと思います。これはカフェインが中枢神経を刺激してしまっていることが原因なんですって。
また、カフェインやタンニンは胃液を分泌を促す働きがあるので、下痢や消化不良などの胃腸への影響もあるそう。しかし、これらの症状は日常的に起こるわけではなく、飲みすぎなければ問題はありません。
番茶は実は体にいい?
番茶は実は体にいいと言われていることを知っていますか?ここでは、番茶が体にいいとされている理由を解説!日常的に飲むお茶を番茶に変えるだけで、生活習慣病の予防に役立つかもしれませんよ。
血糖値の抑制
番茶の中でも9月〜10月ごろに収穫される秋冬番茶には、血糖値を避ける効果の高い『ポリサッカライド』という成分がたくさん含まれています。このポリサッカライドは熱に弱いので、水出し茶にするとより効率よく摂取することができます。
脂肪蓄積の予防
カフェインが少なく、カテキンをたくさん含んでいる番茶は、糖の吸収を抑えて肝臓で行われる『糖新生』を抑制する効果があります。
- 食べ過ぎ防止に役立つ
- 不要な脂肪が蓄積されるを防ぐ
番茶を飲む時の注意点は?
番茶を飲む時の注意点はあるのでしょうか。もちろん大量に飲んでしまうと、体に悪影響を起こしてしまうこともあります。ここでは、特に注意が必要な『妊娠中や授乳中の方』、『赤ちゃんや子供』にスポットを当てて解説!
妊娠中や授乳中に飲んでも大丈夫?
妊娠中や授乳中は食べ物や飲み物など多くのものが制限されますよね?その中でも『カフェイン』は、摂取量に気をつけないといけない成分なんです。番茶に含まれているカフェインの量は、100g中に10mg。
日本では、妊娠中や授乳中のカフェインの摂取量に関しての規定は定められていないですが、WHO(世界保健機関)では『1日300mg』と定められています。
コップ1杯が約200g(200ml)になるので、番茶だけでこの1日300mgのカフェインを摂取しようとすると、1日に15杯飲むことになります。200mlを15杯飲むと1日に3ℓの水分を摂取することになり、これを達成できる人はなかなかいないですよね。
しかし、番茶以外の食べ物や飲み物に含まれているカフェインの量によっては、番茶をあまり飲んでいなくても300mg以上のカフェイン摂取につながってしまう可能性も…。番茶以外の食べ物や飲み物にも気をつけましょう!
いつから子供は飲むことができる?
番茶に含まれているカフェインの量は、紅茶やコーヒーに比べると1/4〜1/5の量なので、そこまでたくさんの量を飲ませなければ、悪影響を及ぼすことはないと考えられています。
しかし、3歳未満の子供にはカフェインを含んでいる飲み物は避けた方がいいと言っている海外の研究者もいるんですって。このことを踏まえると、番茶を飲ませるのは4歳ごろがおすすめ!
カナダの保健省では、4〜6歳の子供の1日最大のカフェイン量は45mlと定められているので、飲ませるとしても1日コップ2杯程度にしましょう。
ですが、本来赤ちゃんや子供にお茶を飲ませたい場合は、カフェインを含まない麦茶が理想的と言われているのも事実です。赤ちゃんに番茶を飲ませたい!とか子供が番茶の方がよく飲んでくれるという場合には、番茶を水で薄めてから飲ませるなどの対応をしましょう。
ちなみに… 番茶にはノンカフェインのものも販売しています。 このノンカフェインの番茶だったら、妊娠中や授乳中の方、赤ちゃんや子供でも安心して飲むことができますね。
番茶の体にいい飲み方は?
番茶と言ってもさまざまな種類があります。ここでは、番茶の種類や特徴を紹介!
秋冬番茶
- 三番茶を秋から冬の時期に摘み取って作られたもの
- 血糖値を下げる作用のあるポリサッカライドという多糖類がたくさん含まれている
ポリサッカライドを抽出したい場合は、熱に弱い成分なので、容器に番茶と水を入れて冷蔵庫で一晩寝かせるのがおすすめ!
三年番茶
- 茶葉を摘んで炒った番茶を3年間熟成させてさらに焙煎した番茶
- カフェインの量が少なくほとんど含んでいない
- まろやかな甘みのある味わいと香ばしい香り
マクロビオティックでは身体を温める『陽性』の飲み物として扱われているんですって。
梅醤番茶
- 三年番茶にすり潰した梅干しと醤油を加えたもの
- 刺激が少なく身体を温める効果がある
作り方は簡単で、1杯の三年番茶に梅醤を小さじ1杯加えるだけ!梅醤がない場合でも、三年番茶に梅干しを丸ごと加えた『梅干し番茶』や自然醸造の醤油を1、2滴加えた『醤油番茶』もおすすめです。
- 血行を促進して、疲れをとる
- 新陳代謝を活発にする
- 胃腸の働きを整える
まとめ
今回は番茶は方らに悪いのかについて、解説しました。確かに番茶には、カフェインが含まれているので、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす場合があります。しかし、悪影響を及ぼしてしまうくらいの番茶を飲むことはなかなか難しいんですよね。
また、適量であったら、血糖値の抑制や脂肪蓄積の予防といった私達にうれしい効果もあります。番茶は普段使いしたくなるようなお茶なので、メリットデメリットをしっかり把握して、日常に取り入れましょう。
それでは、『番茶は体に悪い?飲むときの注意点と体に良い飲み方』はここまで!今回紹介したことが、少しでもみなさんのお役に立てたらうれしいです。
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