ハワイアンラヴソング、“Ke Aloha” / “ケアロハ”は、フラダンサーやハワイアンミュージック愛好家であれば知知らない人はいないと言い切れるほど有名な楽曲です。
これまで多くのミュージシャンが自身のアルバムにこの曲を収録してきました。
“私のところ(胸)に来て、愛しいあなた”という甘い歌い出しで始まるこの楽曲は、ロマンチックな愛し合う二人の世界を存分に表現した名作ラヴソングです。
E kuʻu ipo aloha
He ʻala onaona kou
No ke ano ahiahi 私の胸に来てください
私の愛しい人
あなたの香りは魅惑的
夕暮れの時間 和訳: Na Pua O Kuali’i Masae
この楽曲は、ハワイアンミュージックの黄金期において多方面で活躍された作詞Lei Collinsと、作曲Maddy Lumという才能溢れるお二人の合作で、1949年に公開されました。
当時お二人の共通の友人であるご夫婦への結婚祝いギフトとして贈られたもの※1で、そのご夫婦は奥さんが一回り以上年上でしたが、とても仲睦まじく、友人たちはその姿を微笑ましく見守り祝福していたそうです。
※1 (結婚記念日に贈ったという話もあります)
ハワイアンソングの特徴の一つとして、誰かの為に書かれ、捧げられた背景を持つことが多いことが挙げられます。
祝福や感謝、記念のために書かれた曲だからこそ、時代が移ろうとも色褪せずに愛され続けるのかもしれませんね。
“あなたの香りは魅惑的、夕暮れの時間”という歌詞ですが、ハワイの人々にとって、トワイライトタイムは一日の中で最もロマンスを感じる時間帯だと聞いたことがあります。
ハワイならではの息を呑むような美しいグラデーションの空の下…、ハワイ独特の日暮れ時は愛を語らう二人の為の素敵な時間…と言った感じでしょうか。
Ua malu neia kino
He kino palupalu kou
A ka hana a ke aloha あなたの声が
私の身も心も穏やかにしてくれる
あなたのしなやさか
ただ愛を交わし合う 和訳: Na Pua O Kuali’i Masae
フラを踊られる方なら皆さんご存知だと思うのですが、詩の内容からも分かるように、この曲は深い愛情を抱く男女の親密な時間を表現しています。
そのため、この曲はKeiki(ケイキ/子どもの意)が踊ることには不向きになります。
男性ダンサーも特別な事由が無ければあえて踊ることはしません。
フラを踊る子どもたちや男性ダンサーにはあまり適しておらず、成人の女性が踊るのに適した楽曲となっています。
Ka hanu a ka ipo
E hoʻoipoipo nei
Nanea pu kâua 私はとても落ち着いて
愛しい人の息遣いを感じ
愛を求め合う
二人一緒に楽しみましょう 和訳: Na Pua O Kuali’i Masae
ここで言及されている”hanu”という単語は、実際には「呼吸」や「息を吸う」という意味を持ちます。
愛しい人の香りを胸いっぱいに吸い込んで、互いを求め合う。思わず映画のワンシーンのような情景が浮かんでくるような詩ですね。
E kuʻu ipo aloha
He ʻala onaona kou
No ko ano ahiahi 物語をもう一度伝えましょう
私の愛しい人
あなたの香りは魅惑的
夕暮れの時間 和訳: Na Pua O Kuali’i Masae
フラダンサーに愛され続ける”Ke Aloha”は、これまでに多くのハワイアンミュージシャンによってアルバムに収録され、リリースされてきました。
ケアリィレイシェルやナタリーアイなど、それぞれが持ち味を活かした素晴らしいパフォーマンスを披露しています。
私自身もこの曲を多くの場面で聴いてきましたが、作詞者のレイコリンズ氏の直系の子孫であるニックが歌うKe Alohaは、包み込むような柔らかさと伸びのあるファルセットが魅力的です。ぜひ皆さんも聴いてみてくださいね。
前回の「Laimana」でも解説した、Ka Leo Sakuraのアルバム「Sakura Kau Mai I Luna」にもKe Alohaが収録されています。ぜひ聴いてみてくださいね。
↓クロスフェード動画
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