「犬には絶対的なリーダーが必要」
愛犬家なら誰もが聞いたことのあるこの言葉。
リーダーが必要なことは分かったけれど、リーダーではないにしても犬が懐いている人っていますよね。
- 「リーダーと好きな人ってどう違うの?」
- 「好きな人の言うことは聞かないの?」
- 「リーダーになる必要性ってなに?」
なんて、リーダーと犬にとって好きな人とでは何が違うのか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、犬にとってリーダーとはなんなのか?そしてリーダーと好きな人との違いについて、また好きな人からリーダーに昇格するにはどうすれば良いのか?詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
犬にとってのリーダーとは?
「犬にとって、尊敬できるリーダーになろう!」
と言う言葉、よく聞きませんか?
犬との生活をより良いものにするためにまず一番に指摘されることは、「犬にとってあなたはリーダーになれていますか?」ということ。
「うちの子は人が大好きだし問題行動はないわ…。わざわざリーダーにならなくても問題ない」と、リーダーの必要性に疑問を感じる声もあると思います。
しかし、その考え方はNGです。
もちろん、愛犬の性格によっては元々人が好きで社交性があって問題行動も少ないという場合は当然あります。
しかし、それと【リーダーがいなくていい】ということは全く別だと考えましょう。
まず、リーダーとはなんなのか?なぜ犬に必要なのか?を理解する必要があります。リーダーとはただ服従させるためだけにいるわけではありません。
まずはリーダーの必要性について、確認していきましょう。
犬は元々群れで生活する生き物
犬は元々群れで生活する生き物です。
犬の群れの関係性は縦の関係性。リーダーを筆頭に、群れの中ではそれぞれ自分の位置があります。
犬には服従本能と権勢本能が備わっており、自分よりも強いものがいれば服従本能によって、また自分よりも強いものがいなければ権勢本能によって群れの立ち位置を決めていくと考えられています。
リーダーがいると犬にとってどう良いのか?
リーダーがいるとどう良いのか?ですが、犬はリーダーがいることによって安全と安心を得ることができます。
そして、その群れのルールに従い生活をするので、犬にとってはとても楽なのです。
しかし、リーダー不在だとどうなるでしょう?
自分よりも強いものがいないことで、権勢本能によって自分が優位に立とうとし群れを守ろうとします。
リーダーになると言うことは、常に周囲を警戒しなければなりません。また、群れの中の統制を取るために群れをコントロールしなければなりません。
想像してみると、これがどれほどのストレスになるかがわかるでしょう。
そのため、犬にとってはリーダーのいる群れの中でルールに従うことで、安全と安心が確保できる方がストレスがなく幸せなのです。
犬にとってリーダーと好きな人は違う?
犬にとって、リーダーが必要なことはわかりましたが、ですが犬もリーダーだけに懐くわけではありません。
リーダーと認めている人以外でも、懐いていることなんて山ほどあります。
一体リーダーと好きな人では何が違うのだろう?なんて思いますよね。
ここでは、リーダーと好きな人の違いの真相に迫ります。
リーダー=好きとは限らない?
犬にとって、リーダーは尊敬、信頼する相手ではありますが、【好き】という感情があるかはまた別の話になります。
もちろん、リーダーである人を大好きなこともあります。人間社会でもそうですが、例えば会社で絶対的権力を持っている人って信頼はされているけれど、好かれているか?慕われているか?といったら必ずしもそうではありませんよね。
犬の世界も同じです。信頼と好きはイコールにはならないのです。
リーダーと好きな人の違いとは?
リーダーは自分が生きていく上で、安心や安全を確保してくれる存在。そのため、リーダーが言うことは基本的には従います。
一方でリーダーではないけれど好きな人ももちろん存在します。
好きな人は、甘えさせてくれたり遊んでくれたりご飯をくれたりする存在。
リーダーとの違いは、リーダーの指示は絶対に対して、好きな人の指示には従ったり従わなかったり…なんてことも珍しくありません。
また、リーダーが一緒にいる場合では、例え好きな人に対してであっても無視を決め込むこともあります。
犬は好きな人について歩く?それともリーダーについて歩く?
リーダーウォークという言葉がありますが、これはリーダーについて歩くというトレーニングです。
基本的に、犬はリーダーについて歩くようにトレーニングします。
犬を飼っていると、時に家族の中で複数人で散歩に行く時ってありますよね?この時、リーダーと好きな人がいた場合には、犬はどちらについて歩くのでしょうか?
基本はリーダーについて歩く
基本的には、リーダーについて歩きます。
リーダーがリードを持っているのであればそれは当然ですね。犬は誰の指示に従うべきかを明確に見極めていますので、リーダーの指示を基本的には優先にします。
普段好きな人にべったりでも、リーダーの前では完全無視!なんてことも…。
リーダー以外がリードをもっている場合は?
リーダーではない人がリードを持っている場合はどうなるのでしょうか?
そこにリーダーがいる場合には、基本的にはリードを持つ人についていくと考えられます。
ただし、リーダーがいない場合は必ずしもリードを持つ人の言うことを聞くわけではありません。
【リーダーがいる場合】
リーダーがいる場合、リーダーについていくのでは?と思いがちですが、リーダーが認めた相手にリードを渡しているのですから、犬はリーダーの指示に従いリードを持つ人についていきます。
【リーダーがいない場合】
リーダーがいなくて好きな人とだけ散歩に行く場合には、徹底的にトレーニングを受けている犬であれば、誰がリードを持とうが指示に従いついてきます。
が…、多くの場合、「言うことはまぁ聞く程度」になる可能性が高いです。
とはいえ、好きな人との散歩ですからそれはそれは楽しくて幸せなひとときになることでしょう。
私はリーダー?それとも好きな人?
リーダーと好きな人が違うということがわかったところで、自分はどっちなのだろう?と気になったりしませんか?
ここでは、自分が犬にとってリーダーなのか?それとも好きな人なのか?がわかるチェック項目をあげます。
自分にはどちらが当てはまるのか?チェックしながら見ていきましょう。
【当てはまったらあなたはリーダー】
まずは、あなたがリーダーなのかどうかを診断します。
以下のチェック項目が当てはまればあなたはリーダーになれていると言えるでしょう。
- 犬がお腹を見せてくる
- 必ずし指示に従ってくれる
- 犬のどこを触っても怒らない
- 犬の名前を呼ぶと必ず来る
- リーダーウォークができている
上記の項目が当てはまれば、あなたは立派なリーダーです。
【当てはまったらあなたは好きな人】
次に、リーダーとは言えないまでも犬にとって好きな人の診断を行います。
- 指示に従う時もあれば従わない時もある
- 帰ると寄ってきてくれる
- 名前を呼ぶと嬉しそうに振り返る
- 嬉しい時は耳が後ろに下がる
- 隣りで寝てくれる
上記の項目に当てはまるのであれば、あなたは犬から好かれていると言えます。
好きな人からリーダーになるには?
犬にとって好きな人止まりだとわかった場合、リーダーにはもうなれないのでしょうか?
答えはNOです。
人間の努力次第で、ほとんどは犬をコントロールすることは可能になります。好きな人から信頼されるリーダーになるために必要なことは以下の4つ。
- 信頼関係を作る
- 自信を持つ
- 諦めない
- 愛情を注ぐ
ここでは、上記の4つの必要なことについて詳しく解説します。
リーダーになるには①信頼関係を作る
好きな人からリーダーに昇格するには【愛犬と信頼関係を作る】ことが必要になります。
信頼関係は、日頃の犬との接し方で築いていきます。
まず、信頼関係を築くためには、一貫性を持つこと。犬が信頼する相手は、一貫性があるのが特徴。
コロコロ言うことが変わったりする場合、人間でも信頼できませんよね?犬と接する時は、言動にチグハグが出ないようにしましょう。
そして、もう一つは犬を信頼することです。
信頼関係は、お互いを信頼することで強くなっていきます。
「本当に私の言うことを聞いてくれるようになるのかしら?」と犬を疑っていると、その疑いの気持ちを犬は読み取ります。
飼い主が不安になったり疑ったりして犬を信頼していないと、犬も安心してあなたに心を許せなくなります。
そのため、犬との信頼関係を築くためには犬を信頼しましょう。
リーダーになるには②自信を持つ
好きな人からリーダーに昇格するには、【自信を持つ】ようにしましょう。
犬がリーダーと認めるものは毅然とした態度で自信に満ち溢れています。
リーダーがオドオドと不安そうな態度でいたら、下につくものは安心できるでしょうか?
安心できないどころか、この人はリーダーの素質がないと判断され犬に下に見られてしまうでしょう。
特に犬に指示を出す時や、犬と接する時には自信を持ち接するようにしましょう。
犬は自信に満ち溢れたあなたを見ることでどんどん尊敬するようになっていきます。
リーダーになるには③諦めない
好きな人からリーダーに昇格するためには【諦めない】ことです。
時に、犬のトレーニングは忍耐が必要になります。何度も何度も繰り返しながら、覚えさせていくのです。
成果がすぐには出ないことも珍しくなく、犬と主従関係を築くことは時間がかかります。
しかし、時間はかかっても諦めなければ少しずつでも変化は出てくるはず。
飼い主が変われば必ず愛犬も変わってくれるはずなので、諦めずに向き合うことが大切です。
リーダーになるには④適切な愛情を注ぐ
これまでも愛情なんて注いでいる!と言う声もあるでしょうが、愛情はなにも可愛がるだけではありません。
時には厳しく叱ることも愛情です。人間社会で犬が幸せに暮らすためには、犬に備わっている本能をうまくコントロールすることがとても大切なのです。
それは犬との生活をより良いものにするだけでなく、結果的に犬を守る事にも繋がります。
人間社会のルールをしっかり教えるのも飼い主の務め。リーダーたるものは優しくもあり厳しくもあるのです。
可愛いだけの愛情だけではなく、可愛いからこそ時には厳しくしなければいけないということを理解しましょう。
まとめ
今回は、犬にとってリーダーと好きな人の違いについて解説しました。
リーダーと好きな人には明確な違いがあり、犬はしっかりと分けていることがわかりましたね。
犬は人間が思うよりも、シビアに人間を見ています。
犬にとって好きな人止まりでいいと思うのか、犬に安心を与えるためリーダーになりたい!と思うのかはあなた次第です。
もちろん、リーダーになるにはいくつかの試練があります。忍耐強く犬に向き合う必要があるので、簡単な気持ちでは厳しいでしょう。
しかし、飼い主が変わるとほとんどの犬は必ず変化を見せてくれるので、より愛犬が愛しく思えるはず!
どちらにせよ、愛犬とのハッピーライフを送れるように愛情を注いであげてくださいね。
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