<風の時代を旅する~フールズジャーニー>
風の時代を自由に旅する愚者。
愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。
風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。
第XX話・審判~あの頃に戻りたい【風の時代を旅するタロット小説】
啓介とは平尾台に行った日の夜に話ができた。
「いろいろ考えたんだけど、私たちの今の関係性ってなんなんだろうって。啓介はこの先のこととかどう思ってるのかなって……」
本当は「あなたのことが好き。今すぐに会いに行きたい」と伝えたかったが、いつもの悪い癖が出てしまったのだ。
私の問いかけに一瞬、彼は戸惑っているかのように感じた。
「それって別れようということ? この先って結婚とか? 俺はまだ仕事も半人前だし、結婚とかそういうのは今すぐには考えられないよ。正直……」
長い沈黙があった。
「一度離れたほうが良いのかな。俺には愚者さんを受け止めるだけの余裕、今ないよ……」
彼の口から思いもしなかった言葉が漏れた。
どれくらいの沈黙があっただろうか?
「それ本気で言ってるの? 今すぐには“うん”とは言えないよ……少し時間もらえる?」そう言うのが精一杯でそのまま電話を切った。しばらく放心状態だった。心の糸が切れてしまったような感覚になっていた。
「なぜ、どうして……」あんなに素直になろうって決めたのに。
「素直になれなくて何度も失敗してきたんじゃない。そんなの百も承知だったはずなのに……」
「なんで、あなたのことが大好きだよ」って言えなかったんだろう。大粒の涙が頬を伝って流れた。
しばらくして落ち着くとスマホで沖縄で当たると有名なユタの情報を眺めていた。
「この旅の最終目的地は沖縄。沖縄でユタ(霊能者)に相談してみよう……」自分の直感を信じ、予約と書いてある番号に電話をかけた。
呼び出し音は鳴るが、何回鳴らしても相手は電話に出なかった。時間を空けてかけても状況は同じだった。
「ユタにも見放されちゃったのかな……」
いつの間にか涙も枯れて、ぐっすりと眠ってしまっていた。
翌日の天気は心を映しているかのようにどんよりと曇り空だった。
しかし、旅はまだ終わらない。沖縄を目指す前にどうしても立ち寄りたかった場所があるのだ。
それは世界遺産でもある屋久島。鹿児島本港(南埠頭)からフェリーに乗りおよそ4時間の船旅になる。自然のパワーを感じたら、この流れも変わるんじゃないかな……と淡い期待をしている自分もいる。
フェリーの中でもずっと頭がぐるぐると彼のことを考えていた。
「このまま別れた方が良いのかな……」堂々巡りの思考回路だが、時折別れという選択に気持ちが傾くこともあった。
フェリーに揺られて、いつの間にか寝てしまったようだ。
気づくと宮之浦港に船は到着していた。島が近づいてくる様子をカメラに残したかったが、残念ながら逃してしまった。
屋久島では天然温泉がある和風の心落ち着ける宿を手配していた。
温泉にでも浸かって今日はゆっくり休もう。
「明日は絶対、縄文杉を見に行こう」
宿の温泉で疲れた心と身体がほぐれ、夕飯を食べ終わるころにはあっという間に睡魔に襲われていた。
「これが夢だったらいいのに……」と思いながら、暗い穴の中へと落ちていった。
スマホの目覚ましが鳴ったのはAM8:00。宿の朝食を済ませ、縄文杉トレッキングコースの集合場所の荒川登山口へと向かった。
一人で行くのは何となく心もとなかったので、ガイドを手配していたのだ。
「おはようございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。同年代くらいの人のよさそうな男性が待っていた。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」軽くツアーの説明を受け、私たちは歩き始めた。
「お一人で屋久島にいらっしゃったんですか?」早速痛いところを突っ込まれた。
「あっ……。そうなんです。バイクで一人旅をしていて、北海道から沖縄を目指しているんです」動揺を隠すような作り笑顔で妙なテンションになってしまった。
ガイドの説明に耳を傾けながら、ただひたすら前に進んでいく。
トンネルをくぐったり、橋を渡ったりファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのようだ。森の中を縫うように走るトロッコ道を抜けると安房川にたどり着いた。
水の流れを見ていると悩んでいたことが洗い流されるような気持ちになってきた。
ガイドさんは『一人旅』発言から気を使っているのか、ポイントごとの説明以外はプライベートには踏み込んでこなかった。心地よい距離感を保ってくれていた。
少し休憩をしてまた歩き続ける。
階段のある山道をグングンと進むと、30分程度過ぎただろうかウィルソン株というスポットにたどり着いた。
「愚者さん、こっちに来てください。この角度から空を見上げるとハートに見えるんですよ」
「うわぁ、ホントだ! ハート!!」久しぶりにテンションが上がった。SNS映えするスポットがあると聞いていたが、ここはまさにそれだと感じた。若干興奮した雰囲気でカメラのシャッターを切った。
しばらく上を見上げていると不思議な感覚に襲われた。
ハート型の穴から木漏れ日が差し込み、私の心をゆっくりと光のベールが優しさで包んでいくような。
啓介に会いたい。そして「はじめて出会った頃のことを覚えていますか?」と聞いてみたい。そして二人で笑い合った日々を思い出すと、やっぱり心が彼を求めていると確信に変わった。
「あの日に戻れるなら戻りたい、やっぱり啓介が好きって伝えよう」
審判のカードの意味
この札には死者が天使の呼びかけに蘇り立ち上がる姿が描かれています。「最後の審判」の光景がモチーフになったと言われており、人々の信仰が天に届いたとき「裁かれるのか?」それとも「救われるのか?」という問いを投げかけてくれています。このカードが出た時は、何かしらの決断の必要性があり、それはしばしばあなた自身が決定しなければならないことでもあるのです。
正位置:復活する、願いが叶う、復縁する、よりが戻る、健康面は回復、物事成し遂げる、決断する
逆位置: 過去の報復を受ける、復縁や復活が叶わない、真実を見失う、離婚、後悔、過去を振り返り前に進めない
タロット解釈のための数秘術
「20」という数字は一桁に還元すると、2+0=2、「2」となります。数秘術「2」は、調和、バランス、理解、受容などを示す数字。「20」は「2」という性質も持っていると考えられます。大アルカナ2番目のカード、冷静に状況を見つめる女教皇の対極にあると考えると、天使がラッパを鳴り響かせ死者が蘇りこのカードのイメージにもつながりそうです。また「最後の審判」というイメージは、考えた末に出される結末という点でも「2」番目の女教皇と対比して考察するのも良いかもしれません。
パワースポットのご紹介
【南九州市】釜蓋神社|勝負運・厄除け・開運・釜の蓋を落とさず歩くと願いが叶う
南九州市にある釜蓋神社(かまふたじんじゃ)の正式名は射楯兵主神社(いたてつわものぬしじんじゃ)と言います。
この神社は武士道・勝負の神様が御際神です。スポーツ選手の勝負運・成績向上をはじめ厄除けや開運にもご利益がある神社で、パワースポットとなっています。
この神社では釜の蓋を頭にのせ、鳥居から拝殿まで落とさずに歩くと願いが叶うと言われていています。芸能人やスポーツ選手も参拝に訪れていて、人気のある神社です。
アクセス
釜蓋神社 鹿児島県南九州市頴娃町別府6827
公式サイト:南九州市役所
【霧島市】霧島神宮|開運・子孫繁栄・家庭円満など多くのご利益が授かる神社。初詣にもおすすめ!
鹿児島の観光でも外せない霧島神宮(きりしまじんぐう)は、パワースポットとしても有名な神社でもあります。
歴史も古く6世紀ごろ高千穂峰の山頂付近に建てられたと言われています。幾度の火山の噴火で焼失、移転を繰り返し、300年前に今の場所に再建されたそうです。
開運や起業・子孫繁栄・家庭円満など多くのご利益が授かると言われています。朱色で綺麗な装飾がほどこされていている本殿や拝殿などは国の重要文化財となっています。
アクセス
霧島神宮 鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
公式サイト:霧島神宮
マリュたんからのメッセージ
今回の舞台は、本土最南端・鹿児島県佐多岬の南南西約60km海上にある世界遺産「屋久島」。屋久島を訪れた植物、動物学者達は「類を見ない島」「人類の至宝」と評価しているのだとか。「縄文杉」は、誰しも一度は訪れてみたい絶景ポイントではないでしょか? 気候は沖縄に近く亜熱帯の屋久島ですが、温泉なども湧き本土の雰囲気もどことなく感じることができそうですね。次回はいよいよファイナルデスティネーションの沖縄。どんな結末が待っているのでしょうか? 次回もお楽しみに☆彡
石垣島で活動中。LINEトーク占いを中心に対面鑑定、メール鑑定、占いコンテンツ監修、占いライター、占い講師(ストリートアカデミー)として幅広く活動中。
占星術とタロットを組み合わせお客様の明るい未来を創るサポートに日々励んでいます。
公式サイト<天空の旅人~Astral Voyage>
https://astral-voyage.com/
アメブロ
<南の島(沖縄・石垣島)の占い師 マリユドゥ>
https://ameblo.jp/maryudu777/
LINE占いコンテンツ
<石垣島の宿命師 マリユドゥ>
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