風の時代を旅するタロット小説 第Ⅺ話・正義~未来への選択

風の時代を旅するタロット小説 第Ⅺ話・正義~未来への選択

<風の時代を旅する~フールズジャーニー>

風の時代を自由に旅する愚者。

愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。

風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。

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第Ⅺ話・正義~未来への選択

真夏の焼けつくような暑さも日に日に落ち着いてくる9月下旬、私はまだ名古屋に滞在していた。名古屋の夏は沖縄より暑いと聞いたこともあるが、まさにそんな感じがする。

気持ちはすぐにでもバイクでの旅を進めたかったが、友人の結婚式で奇跡的に再会した伊藤さんとお茶の約束をするも、彼の仕事の都合ですぐに果たせずにいたのだ。

「毎日おはようとか近況報告をし合える仲にはなってきたけど、ただのメル友みたいな感じよね。これって……」スマホの画面をのぞき込みながら、ため息がこぼれた。

「私からメールしなかったら、彼からは来ないしね……」

メッセージのやり取りは続いているが、それ以降一向に進展はなし。そんなヤキモキする気持ちを払しょくしようと、今日はひさびさに遠出で伊勢神宮に行こうと決めたのだ。

もともとその神聖な空気がお気に入りのパワースポットだったので、今回は3泊してじっくりと伊勢神宮を見て廻ろうという計画だ。次の仕事やこの恋の願掛けも兼ねて……。

名古屋から伊勢へはバイクでおよそ2時間。初秋の爽やかな風を感じながら、相棒のLeoを走らせる。初日の目的地は縁結びのシンボル夫婦岩がある「二見興玉神社」、道開きの神と言われる「猿田彦神社」。縁結びと次の仕事の祈願をし早めにホテルへと向かった。

伊勢ではちょっと大人の雰囲気を楽しもうと、奮発して「千年のしじま 月夜見の座(つきよみのざ)」というラグジュアリーホテルを予約した。

「贅沢なホテルなんだし、ホテルでの時間も満喫しなきゃね!」と言って、相棒のLeoをポンと叩いた。

客室は全6室だけというプライベート空間。黄昏月(たそがれつき)、晦(つごもり)、新月など満ち欠けをイメージして造られた風情のあるデザインのようだ。

ロビーでチェックインを済ませると、「お好みの浴衣をお持ちくださいね」とスタッフの女性に示された先には、色とりどりの浴衣が用意されていた。

「うわぁ。女子にはうれしいサービスですね!」とは言ってみたものの、これはカップルにはうれしい演出ではないか?と心の中によぎった。

宿に着くと担当の女性に案内されたのは「望月」という客室だった。輝くばかりの金色をあしらい、伝統的な数奇屋をイメージしたという客室は、女性の一人旅をワンランクあげてくれるような素晴らしい佇まい。露天風呂だけでなく客室ごとに内風呂完備というなんとも贅沢づくしだ。

今回の目的としては伊勢神宮をゆっくりと見て廻るほかに、満月に合わせて予約したのでお月見を部屋から堪能しようと思っている。

「運が良ければお風呂からお月見なんて、贅沢よね」

その晩は疲れもたまっていたのか、辛口の日本酒がきいたのかぐっすりと眠ってしまった。

5時半にセットした目覚ましが聞こえず、翌朝起きたのは8時過ぎ。内宮の参拝は早朝の凛とした空気が好きだったのだがチャンスを逃してしまった。

「まあ、そんな日もあるわ。時間はたくさんあるし、延泊したっていいんだしね」

ホテルのフロントに連絡を入れ、昨晩のディナーがあまりにも豪華だったので、軽めの朝食をお願いした。食事が部屋に届くまでの間、彼とのメッセージのやり取りを読み返しながら、思いを巡らせた。

「私のこと、どう思ってるのかな?」

そんな気持ちになるのも久しぶりな気がする。「20代だったらもっとグイグイ行けたのかもしれないけど……。彼はまだ若いしね。私のことおばさんと思っているかもしれないし……」

そんな堂々巡りの気持ちをシャットアウトするかのように、部屋をノックする音がして朝食が運ばれてきた。

「控えめといっても結構ボリュームあるのね」と思ったが、目の前に置かれると箸をのばさずにはいられなかった。

《三重県》伊勢神宮 宇治橋 五十鈴川
《三重県》伊勢神宮 宇治橋 五十鈴川

内宮への入口、五十鈴川にかかる宇治橋と大鳥居をくぐったのは10時過ぎ。

いつきても「お帰り」と言ってくれているように感じて、なんだか懐かしい気持ちになる。

「3年ぶりかな……。いつ訪れてもここの空気は特別な感じがするわ」

この橋は、日常の世界から神聖な世界を結ぶ架け橋といわれているようで、本当に渡るたびに異世界へと繋がる感覚に陥る。

古の時代、この水面で身を清めていたんだろうなぁと空想を広げながら御手洗場で身を清め、正殿へと向かった。

およそ2000年前に天照大御神が御鎮座されたという正宮は、伊勢神宮の中でも最もパワーを感じる場所だ。

階段を上がって正殿に向かうと、その瞬間、目の前にかかった白い布がふわっと風に揺れて建物の奥がチラリと見えた。

「あっ……これが噂に聞く、神様からの合図!?」はじめての経験で、胸が高鳴った。そしてもう一度今度はさっきより大きくその白い布が揺れて、私になんらかのメッセージを送っているようだった。

「このバイクの旅が終わるころには、仕事も恋も、今後の生き方を考えないと……」そんな思いが頭をよぎった。

神様にはお願い事をするものではないと聞いたことがあるが、とっさに「もっと自分らしく生きられますように」とつぶやいていた。

内宮参拝を終えておかげ横丁を散策し、夜のお月見を楽しむ前には大分奮発して伊勢初の本格オリエンタルスパで女磨きにも精を出した。

夕食を済ませるころには、まんまるな十五夜の月が上がってきた。窓を開け内風呂から見上げるお月様はこの上なく美しかった。

「満月って確か物事が実るときだったわよね? 私の恋も叶えてくれるのかしら?」

その瞬間スマホの着信音が鳴った。

「お疲れ様です。伊勢はどうですか? 今日の満月の写真送ってくださいね。けいすけ」

「メールの最後に自分の名前を書くなんて、なんか変だけど……」思わず笑みが漏れた。

満月に友達レベルの関係性から抜け出す勇気をくれるように願って、お月様にスマホのカメラを向けた。

正義のカードの意味

正義のカードに描かれているのは一方の手に平等と公正な判断を下す天秤を、もう一方の手には揺るぎのない決断を下す剣を持った正義の女神アストレイアだと言われています。人生とは究極の決断に迫られることもあり、時として未来の方向性に関わる重要な決断をしなければならないことを告げています。

正位置保たれたバランス、正当な判断、価値観の合う人、友達関係から抜けられない二人
逆位置バランスが取れない状態、変わりやすい気持ち、モラルの欠如、はっきりしない恋愛感情

タロット解釈のための数秘術

数秘術は1~9の数字で構成されていますが、11番はマスター・ナンバーと呼ばれ特別視されています。これ以外にも22や33などのぞろ目を含むこともあります。「天啓」「直観」「メッセンジャー」「ひらめき」などのスピリチュアルな意味を持っています。1+1=2となるので2の性質も持ち合わせています。

三重のパワースポットのご紹介

伊勢神宮

神楽殿 伊勢神宮内宮
神楽殿 伊勢神宮内宮

お伊勢さんとして県内外の人たちに愛される伊勢神宮は日本最大級のパワースポットでもあります。

天照大御神を祀る内宮、豊受大御神を祀る外宮などがあり全部で125の宮社をふくめて神宮と言うそうです。とても広大なエリアで、お伊勢参りは外宮から内宮という順でお参りしていくならわしになっています。

美味しい食事やお土産がある外宮参道やおかげ横丁を巡る楽しさもありますので、ぜひ訪れてみてください。

公式サイト:https://www.isejingu.or.jp/

二見興玉神社

<三重> 夫婦岩 / 二見浦 / 二見興玉神社 / 伊勢 / パワースポット / 海
<三重> 夫婦岩 / 二見浦 / 二見興玉神社 / 伊勢 / パワースポット / 海

縁結び・夫婦円満・交通安全などのご利益がある神社で、お伊勢参りは二見からと言われるように伊勢神宮へ行く前に訪れたい場所でもあります。

なんでも古くから二見で禊をして身を清めてから伊勢神宮を参拝するのが習わしなのだそうです。伊勢神宮から車で20分ほどの場所にありますので、まずは二見興玉神社を参拝してみてはいかがでしょうか。

公式サイト:https://futamiokitamajinja.org/

マリュたんからのメッセージ

今回の舞台は日本最大のパワースポットといっても過言ではない「伊勢志摩」。私も人生の転機に3回ほど訪れたことがある場所です。夜行バスに揺られ朝一の夫婦岩や、神様へのお食事を用意する儀式などを見て廻ったことがあります。伊勢の朝はとても神聖な空気が漂い、身も心も清められた感じがしました。気の向くままめぐってみるのも良いですが、1度は正式な参拝ルートに従って廻ってみると違った伊勢を堪能できるかもしれませんね。次回もお楽しみに☆彡

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