風の時代を旅するタロット小説 第Ⅹ話・運命の輪~運命の輪が回りはじめて

<風の時代を旅する~フールズジャーニー>

風の時代を自由に旅する愚者。

愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。

風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。

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第Ⅹ話・運命の輪~運命の輪が回りはじめて

「お待たせしました」

目の前に漆黒のプレートに上品に盛り付けられたオードブルが運ばれてきた。

「うわぁ。美味しそう」隣に座っている加奈子がつぶやいた。

後から知ったのだが、旬の野菜や魚介を使った創作和フレンチのような料理はすべて、新郎新婦とお抱えシェフが打ち合わせをして創られたオリジナルメニューだった。

そう、今日は出版社時代の後輩のウェディングパーティに呼ばれている。
身内とごく親しい人だけでファミリー婚を午前中に済ませ、昼から1.5次会がスタートした。

「2次会ほどラフじゃないし、こんなスタイルもいいよね!」と美栄子が、オマール海老のブランマンジェを食べながら言った。

「萌、ホント綺麗ね~」と尚子はスマホで新郎新婦を撮影しながら独り言のようにつぶやいた。

「今日の愚者はいつもと違うね!」
クスクスッとみんなが笑った。

流石の私も今日くらい女らしくしようと、バーガンディ色のカクテルドレスで着飾ってみたのだ。愛車のLeoで登場!という訳にもいかないので当然のごとくお留守番である。

ここは名古屋でも有数の高級住宅街にある、一軒家とガーデンを貸し切りでウェディングを行うことができるゲストハウス。

自然豊かな木々に囲まれて、爽やかな風が吹いていた。結婚式は家族だけでガーデンで行ったようで、新郎新婦が愛を誓い合ったであろう場所には、白いバラとグリーンをあしらった上品なフラワーアレンジメントが飾られていた。

「ねぇ。愚者~。一眼レフで撮ってあげなよ~。カメラマンさんもいないようじゃない?」尚子が私の腕を掴んでつぶやいた。

一応2次会で撮影しようとカメラは持参していたが、小さな結婚式はフォトウェディングを兼ねていると聞いていたので、ひょっとしたらパーティ会場にもプロがいるかも …… と着いてすぐクロークへ預けていたのを、尚子が目ざとくチェックしていたのだ。

「後でお庭でね……」私は新郎の横で微笑む萌に目を奪われていた。

「あの子には驚かされっぱなしよね~。名古屋支店に転勤になったと思ったら、まさかの電撃結婚だし。しかもお相手は会社経営者みたいよね?」情報通の美栄子の言葉に、一同うなずいた。

するとホールの扉が勢いよく開き、スーツ姿でカメラを抱えた青年が慌てて飛び込んできた。
バツが悪そうに腰を低くしているので、恐らく遅刻したんだろう。

その男性は周りにペコペコとしながら、私たちの後方の席に座った。

「大分若いしパーティ専属の新米カメラマンかしら? しかも遅刻?」クスっと尚子が笑った。

どこかで見たような……。後方の席なのでむやみに振り返ることはできないがとても気になる。

余興が進み友人たちのスピーチなどがひと段落すると、二人のなれそめなどを収めたウェディングムービーが流れはじめた。するとカメラを抱えた男性は、1テーブルづつ廻ってパーティの招待者たちを撮影しはじめた。

私たちのテーブルの順番が来て、向けられたカメラを見つめた瞬間、時が止まるのを感じた。 
カメラマンも一瞬私を見て手が止まったかのような感じがした。

「もしかして、あの彼……」

しかし、彼は何事もなかったように私たちを手際よく撮影し、次のテーブルへと移っていった。

1.5次会が滞りなく終了し、2次会へ移動する合間に新郎新婦と共にガーデンへ出た。まだ紅葉には早く夏の陽射しを残したような眩しさがあった。 

「きっと素敵な撮影ができたんだろうね~」加奈子がつぶやいた。

女子たちが新婦を囲んで談笑している横で、新郎にさきほどの青年が近づいてきた。

「先輩、すみません。ちょっと遅刻してしまって……」

「お前、相変わらずだな。ま、でも来てくれてありがとう。2次会は?」

「一瞬顔だけださせていただきます。ちょっと納期が迫ってまして……」

「そっか。まぁ頑張れよ。またゆっくり」そう言うと新郎は彼の肩をポンと叩いた。

彼は軽く会釈してくるりと振り返った。

その瞬間、私はとっさに言葉が口をついて出ていた。
「あの……。もしかして、以前……」

お互い見つめ合ったまま言葉は出なかった。

「そう言えば、あの時……」

夕方には2次会も終わり、酔い覚ましに女4人でシートレインランドの大観覧車を見に行くことになった。あれから2次会の間も彼と少しだけ会話をしたことが脳裏に浮かんで、心ここにあらずだった。

尚子が先頭に立ち、手を上げてタクシーを止めた。

愛知県名古屋市シートレインランド 大観覧車 

シートレインランドへ着くころには夜の帳が下りはじめていた。

「ライトアップもいい感じだし、夕焼けもキレイ……」そう加奈子が言いながらため息をついた。

「私たちも萌に負けないくらいいい男ゲットしなくちゃねぇ」尚子が言って私と加奈子の腕を組んだ。

「理想と現実って違うかもよぉ~。ま、うちは今でもラブラブだけどね。日本人の男じゃ、難しいかもだけど」と国際結婚をしている美栄子は冗談交じりで茶化した。

「ぐずぐずしないで、行こうよぉ!」そう尚子にせかされて観覧車へと向かった。
女子が集まるとこうなのか? というくらいみんな思い思い言いたいことを言っている。

私は夕焼けと一番星が輝く夜空を眺めながら、今日の出来事を思い起こしていた。

「僕はしばらくここにいるので、また良ければゆっくりお茶でも……」社交辞令かもしれないけど、彼の言葉を信じたいと思った。

運命の観覧車をこの手で動かしてみようと……。

運命の輪のカードの意味

1つのサイクル(時間)や人間の一生を示すようなタイトルを持つ札。「運命の輪」という名前からも輪廻転生の世界観が浮かんでくるかのようです。古代より運命を糸つむぎ車の回転としてみるという考え方があり、それは人間の運命はいかに変化しやすいものだということを表しています。

正位置: チャンス、ターニングポイント、予期せぬ出会い、変化、運命の人
逆位置: 一時的に悪化する状況、タイミングが悪い、方針を変える必要性、チャンスを逃す

タロット解釈のための数秘術

「10」は一番最初に登場する二桁の数字。10という数字は古来より完全数と考えられ、その象徴として円や輪が用いられたようです。数秘術は1番から9番までの数字を基本的には使用するので、10番は1+0と足し込むと「はじまり」を示す「1」に戻ります。“ワンランクステージアップして新たにはじまる”そんなイメージがする数字です。

パワースポットのご紹介

伊奴神社(名古屋)ー伊奴姫神に願いを込めてー

「伊奴神社」は1330年以上あまりの歴史を持つ名古屋有数の古社、素盞嗚命・大年神・伊奴姫神の三柱を配祀し伊奴神社の社名の由来となる伊奴姫神こそが子授けや安産にご神徳を授けて下さる神様として信仰されているんです。また伊奴神社に祀られる犬の像は安産のシンボルとされ多くの参拝客に親しまれています。

伊奴神社では年に三回子授け祈願祭を催行していますので(3月・6月・9月)、子授けを願う方はこの日に祈祷を受けるのがおすすめ、授与品も普段に以上のお力を分けて下さる勾玉御守りが頂けますよ。住宅街に佇む閑静な神社ですが大きなご神木や犬の王なる石像など神聖なパワーを感じることができる素敵なお社です。

住所:〒451-0012 愛知県名古屋市西区稲生町2−12
電話番号:052−521−8800
URL:https://inu-jinjya.or.jp/

マリュたんからのメッセージ

今回の舞台は名古屋。名古屋と言えば「みそかつ」、「きしめん」、「ひつまぶし」……。名物グルメばかりに目が行ってしまう私です(笑) どうやら愚者は運命の輪を自分の手で動かしたようですね。名古屋栄にある観覧車は繁華街のシンボルのようですが、港にほど近いテーマパークにも観覧車があるんですね。観覧車を運命の輪に見立てた第Ⅹ話。彼女のアクションが吉と出るか凶と出るか、今後の展開はいかに!? 次回もお楽しみに☆彡

愛知県名古屋市・栄・繁華街

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