岩手県をあとにし宮城県へと入るころには、早いもので初夏の兆しも感じられるようになっていた。
宮城県と言えば伊達政宗のゆかりの地である、仙台を目指す。緑萌える長沼や五色沼など自然豊かな青葉山公園は、バイクを降りて散策したい気分にもなる。
仙台では久しぶりに都会の風を浴びてテンションも上がっていた。駅前にある流行りのカフェでエッグベネディクトを頬張ると、とろりとかかったソースとサーモンがベストマッチ。付け合わせのオーガニックなお野菜のサラダも乙女心をくすぐる。
「最高~」
コーヒーにもこだわりがあるのだろう。深みのあるいい香りがしている。
近年では5月上旬ともなれば、東北地方でも汗ばむような日が多くなっているようだ。
自動ドアから若い女性たちが店内へ入ってくるたびに、爽やかなそよ風が流れ込んでくる。
女性たちのその軽やかなファッションからも、初夏を感じることができる。
カウンター席の私の隣に、1人の女性が軽く会釈をしながら座った。
涼しげな花柄が散りばめられた透け感のあるワンピースに、アクセサリーなどは恐らくハイブランドのものだろうと思われる。バックや小物までも風薫る五月を彷彿とさせるようなエレガントでパーフェクトなコーディネートだった。持ち手にはマタニティーマークのキーホルダーが揺れている。
「おなかに赤ちゃんがいるのね……」
身なりやしぐさからも気品が漂うその女性は、レモネードとサンドイッチを運んできた店員ににっこりと微笑みかけた。
「いつもありがとう」
妊婦である彼女を気遣い、セルフサービスのドリンクなどを運んできている様子であった。
「結婚、妊娠、それが女の幸せなのかしらね……」羨ましくもあり少し皮肉めいた今の自分と、正反対の人生を歩んでいるであろう彼女を横目に、自分のこれからの人生についても思いを巡らせている。
「私の運命の人はどこにいるのかな……」
少しセンチメンタルな気分になってしまって、コーヒーもぬるくなってしまった。
「いけない、いけない。何を落ち込んでるんだ私……そうそう」
おもむろにポケットからスマホを取り出し、日課にしている星占いを読んでみると、ラッキープレイスにパワースポットと書いてある。
「こうなったら今すぐ行かなくちゃね」
さっそく宮城県のパワースポットを検索してみた。
潟沼(かたぬま)という湖に目が留まった。
<エメラルドに輝く神秘の湖>と書かれたキャッチフレーズに胸がときめく。
季節や気候により水の色が変化し、さまざまな表情を見せてくれるとても神秘的な湖。コバルドブルーの水面は眺めているだけでも癒されそうだ。
潟沼は1200年前の爆発でできた日本有数のカルデラ湖。
バイクで飛ばせば一時間半くらいの距離。鳴子温泉にも近いので温泉宿で一泊も良いだろう。
「うん! ここにしよう。大自然からパワーをもらって、運命の人とのご縁を引き寄せてもらっちゃおう!」そう相棒の一眼レフに心の中でウィンクすると、荷物をまとめ店を出て、愛車Leoの元へ小走りで向かった。
この旅の中で、女性の幸せについても考えてみることにしよう。
女帝のカードの意味
「女帝」のカードは大アルカナ3番目のカード。
一つ前の「女教皇」とともに女性性のアーキタイプを持つ札になります。
大自然の恵みを示し、豊穣と生命力の源となる母なる大地を表しています。優しさや喜び、満足感なども示し、母性を象徴するカードです。
正位置 | 豊かさ、命を育む、女性としての満足感を感じる、生産性、受動的 |
逆位置 | 過保護、偏った愛情、虚栄心、見栄っ張り、肥満 |
タロット解釈のための数秘術
数秘術「3」は、豊かさと広がり示す数字です。自己表現、社交性、多様性、創造力などを示し、明るさがあり、人を魅了するような人気を集めるナンバーです。
この数字を誕生数に持つ人は表現力に優れ、発想力と創造性を存分に発揮できるクリエイター的存在だと言われています。
文:真龍人(マリユドゥ)
校正、協力:miki_yaima (from石垣島)
パワースポットのご紹介
商売・縁結び・復縁におすすめ「野中神社」
伊達政宗公が城下の中心としたとされ、町割りに使った縄を埋めたとされています。
その上に祀られているのが野中神社です。
そして、その縄から縁結びや商売繁盛のご利益があるとされています。
野中神社はサンモール一番町商店街の中にあります。
小道を進んだ先にあり、縁結びのお守りやストラップなども販売されています。
マリュたんからのメッセージ
第3話では女性としての幸せについて考えることになった主人公<愚者>。
“風の時代”に入ると結婚観についても大きく変化していくと言われています。
パートナーとのあり方について考えるきっかけとなった妊婦との出会い。
「女性としての幸せとは?」と、女帝のカードは問いかけをくれているようです。
また潟沼は世界でもトップクラスの酸性度があり生物が生息できず、透明度も半端ないとか。
気候や日によって色を変える神秘的な湖は、季節ごとに訪れたくなる観光・パワースポットですね♪
次回もお楽しみに☆彡
コメント