第XII話・つるされた男~乗り越えるべき試練とは【風の時代を旅するタロット小説】

第XII話・つるされた男~乗り越えるべき試練とは【風の時代を旅するタロット小説】

<風の時代を旅する~フールズジャーニー>

風の時代を自由に旅する愚者。

愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。

風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。

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第XII話・つるされた男~乗り越えるべき試練とは

伊勢を後に名古屋に戻ろうかと散々悩んだのだが、彼を一方的に待ち続けるというスタンスに疑問を感じ京都まで足をのばすことにした。

「男を待つだけなんてなんだか私には合わないわ……」気持ちを強制的に切り替える必要性を感じていたのだ。

京都に着いたのは紅葉の見ごろにはまだちょっと早い9月下旬。紅葉がはじまるのを見届けるまでは京都に滞在しようと決めマンスリーマンションを借りることにした。ワーケーションユースのお値打ち価格の宿泊施設で、しばらく京都を堪能しながら久しぶりの仕事もしようと思う。

実はネットで応募したウェブライターの仕事に採用され、日本国内のロケーションを撮影込みで取材するという、今の私にはもってこいの仕事をゲットしたのである。さらにはその話を昔の同僚にしたら、面白がってバイクで日本一周の企画もしたいと提案を受け、急に仕事が2つも舞い込んだのだ。

「編集社を辞めたのに、今度は物書きという立場でこの業界に携わるとは、これも道開きの神様の導きなのかしら……」

正直なところ旅の資金も少なくなってきたので、バイト感覚でやってみようという感じだったのだが、話が広がって本格的にやらないといけない状態になったのだ。

京都での生活がはじまり1週間ほどたったころに、枯山水の石庭で世界的に知られる世界遺産 龍安寺を取材することになった。

「今日は龍安寺と、妙顕寺で宿坊体験も取材。いってきますー!」と伊藤さんへのお決まりのメールを送信し、Leoにまたがり龍安寺へと向かった。

京都 龍安寺

佗び寂び(わびさび)の精神に基づく禅寺の簡素な庭園は静寂に包まれていた。庭園に並べられた石の数は全部で15個あるのだが、どの角度から眺めても必ず1個の石はほかの石に隠れて見えないように造られているので、座る位置を変えながら一つ一つ数えてみる。

「本当だ……14個しかない」

そんな動作を繰り返すうちに、なんだか心が落ち着き、静寂の中でまさに修行をしているような気分になった。

午後からは豊臣秀吉の元宿所といわれる女性限定の宿坊「妙顕寺」へ向かった。これは古巣の編集者からのリクエストで、宿坊体験を記事にしてくれという依頼があったのだ。

宿坊の担当者から、朝のお勤め体験の説明や食事や過ごし方など丁寧に説明がなされた。

「できればスマホの電源もオフにして、デジタルデトックスもされるといいですよ」そう若手のお坊さんにアドバイスを受けた。

「なるほどね……たまにはそれもいいわね。記事を書くのも後日にして、手帳にメモしておけば完全デジタルオフの休日になるかしら? ただ、カメラだけは使わせてもらわないとね」

そう心の中で思って、スマホの電源を落としバッグの中にしまった。

夕飯までの時間はカメラだけを抱えて「四海唱導の庭」、「光琳曲水の庭」、「孟宗竹の坪庭」などの見どころを廻った。

「あの……愚者さん」と今度は別の中堅クラスと思われるお坊さんに声をかけられた。

「あ、はい」

「すみません。お客様を訪ねて男性のお客様がお見えになっているのですが……」

「えっ? どなたですか?」

「伊藤様とおっしゃる方のようでが……」

一体どういうこと?と戸惑いを隠せなかったが、「なんてタイミング悪いの? ここ女性専用だし……」と思った。

「どうされますか?」

「えっと。外で話をしてきます」そう言って、宿坊の入り口へと向かった。

小走りで向かったからか、胸の鼓動が高鳴っている。いや、それは別の意味で高鳴っているのか、動揺しているのかもはや分からなくなっていた。

入り口に向かうと伊藤啓介がそこにいた。

「お久しぶりです!」と笑顔でこちらに手を振っている。

「急にどうしたの? びっくりするじゃない!」
本当は会えてうれしいはずなのに、とっさに出た言葉がそれだった。

「朝のメールに返信したんですけどね。見てないですか? 急にバイトがキャンセルになり、休みが取れたので京都に向かいますねと……。何度電話しても電源が入ってないとなってるから、心配して訪ねてしまいました。まずかったですか?」

「あっ、いや。ごめん……取材で移動とかしていて、宿坊に着いたらスマホの電源をオフにしてしまったの……」

「そうでしたか! 安心しました。」そう言って彼はにっこりとほほ笑んだ。

「今日はここに宿泊だし、ここは女性専用なんだよね。明日はまだ京都にいる?」

「5日間一気に休みが取れたのでいますよ! では明日またメールしますね」
そう言って、くるりと振り返りあっさりと行ってしまった。

なんとなく出会ったあの日と同じような感じがした。

「こんなに私が会いたいと思っていたのに、女心も分からないのか、やっぱり私を恋愛対象とは見てくれていないの?」

去っていく彼の後姿を見つめながら、「この気持ち、どうして報われないの?」「どうしたら私の気持ちに気づいてくれるの?」と胸がズキズキと痛んだ。

「こんなに悩んだり、苦しい思いをするなら、いっそ諦めたほうが楽になれるのかな……」

「ここにいる間に、もう一度自分の気持ちと向き合ってみよう……」そう思った。

つるされた男のカードの意味

つるされた男のカードに描かれているのは、木で作られた台に自ら進んでつるされることを望んだ男性です。片足を木に結ばれて逆さまにつるされ、両手は後ろでしっかりと結ばれています。頭の上に光がある様子から、苦行に身を投じた末に深い悟りを得たようです。視点を変えるとひらめきがあるという解釈をすることもあるようです。

正位置自己犠牲、内省する、あるがままを受け入れる、あがくことを止める、愛の試練
逆位置報われない努力や苦労、実を結ばない願望、無駄な犠牲、忍耐力不足、裏切り

タロット解釈のための数秘術

12以降の二桁の数字は一桁に還元します。1+2=3となり、12という数字は「3」の生産性や自己表現という性質を持っています。タロットカードと紐付けて解釈する場合、「12」は「3」の対極にあると考えると自己表現が内側に向くこと、つまり「内省」という意味になりそうです。

【Lani編集部】パワースポットのご紹介

京都にはたくさんのパワースポットがあります。用途にあわせてぜひご覧ください。

マリュたんからのメッセージ

愚者は第2話の平泉で仏道修行や写経の体験などをしましたが、今回は宿坊体験。実際のお寺に宿泊し、お坊さんの生活を体験できるのは貴重な経験になりそうですね?

京都にはいくつか宿坊体験ができるお寺があるようで、それぞれ朝の修行の体験、写経や坐禅の体験、精進料理などの工夫を凝らしているようです。中にはラグジュアリーな空間を提供するお寺体験もあるようです。

つるされたカードの修行僧のようなイメージを宿坊に重ねてみました。いかがでしたでしょうか? 次回もお楽しみに☆彡

東林院の小豆粥で初春を祝う会に出た精進料理。

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