風の時代を旅するタロット小説 第V話・法王~神殿に迷い込んで~

<風の時代を旅する~フールズジャーニー>

風の時代を自由に旅する愚者。

愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。

風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。

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<第V話・法王~神殿に迷い込んで~>

父との再会も束の間に、私は次なる目的地へとバイクを走らせた。

時計は深夜0:30を指している。日本三大河川の一つ利根川を横目に愛車のLeoと共に埼玉県春日部市に入った。ホテルを探すのも億劫になり、いまどきなんでも揃っているスーパー銭湯が今夜の宿だ。

「こういうところ、久しぶりだけど……なんだか落ち着くわ」そう感じた。

当時の出版業界は雑誌の発売日が近づくと、一週間自宅に帰れないこともざらで、女子だからと言って特別視されることもなかった。

もともと負けん気が強かった私は、自宅へも帰らずサウナやカプセルホテルに泊まり込みで男性社員と互角に働いていた。それに生きがいを感じていたとも言える。

「”仕事をバリバリこなすキャリアウーマン”ってのに憧れていたんだよな……」

昔の記憶がよみがえったように懐かしさを覚えた。

「あの頃に戻れたらなぁ……」ため息が出た。

ダメダメと自分でおでこを叩いた。

「そう、あの頃に戻ってはいけない。新しい自分を探す旅に出たんだから……」
自分に暗示をかけながら、瞼が重くなっていった。

目が覚めると8時半を回っていた。懐かしい思い出に浸りながら眠ってしまっていたようだ。

スーパー銭湯を後にし、近くのファーストフード店で簡単に朝食を済ませた。
今日は大学時代のゼミの教授と会うことになっている。

私は大学時代「災害時におけるマスメディアとソーシャルメディアの役割」というテーマで卒業論文に取り組んでいた。その際にお世話になった、ゼミの設楽教授を訪ねることにした。

設楽教授は2年前に大学は引退し、国土交通省管轄の首都圏外郭放水路という施設で、世界最大級の「地下放水路」見学ツアーという仕事に携わっている。卒業してからも年賀状のやり取りだけは続いていたので、教授の近況も把握できていたのだ。

久しぶりの再会で少し緊張し、なんだか気持ちがそわそわする。

建物に入ろうとしたとき「よく来てくれましたね」と、背後から懐かしい教授の声がした。

振り返るとそこには懐かしい教授の姿があった。

「ご無沙汰しております。お元気ですか?」

「もちろん、元気ですよ。愚者さんのご活躍は常々聞いてますよ」

教授に詳しい事情など説明していなかったから、当然編集社で今も働いていると思っているのだろう。
退職をして一人旅をしているとは、言い出せず視線をそらした。

その後、たわいない会話をしながら、教授は私を放水路へと案内してくれた。

「すごい……。こんなところが埼玉にあったなんて……」
目の前にそびえたつ何本もの柱に圧倒された。まさにそこは地下神殿だった。

防災地下神殿~埼玉県春日部市

「地域の治水施設である首都圏外郭放水路の役割をより多くの人に知ってもらうため、3つの見学ツアーを用意していて、結構人気があるんですよ」教授はゆっくりと説明を続けた。

ここは地域住民を水害から守るために誕生した国の防災施設で、今や観光名所としても知られるようになったそうだ。

「ところで君は卒論ではマスメディアの役割を研究していたと思いますが、希望する分野に携われていますか?」

「あ、あの……、いえ……」
一瞬口ごもってしまったが、歩きながらこれまでの経緯を教授に話した。

マスメディアとは程遠い分野、結婚情報誌の編集にシングルの私が全力を注いでいたとはなんとも皮肉なものである。

「そうでしたか……」

二人の間に沈黙が流れた。

「私も一生大学で教鞭をとるものだと思っていたのですが、人生は分からないものですね」

「先生は何故大学をお辞めになったのですか?」

すると持っていた施設の説明資料をわきに挟み、腕を組んで一つ深い深呼吸をして話し始めた。

「本当は医者になるのが夢だったんですよ。医大の受験に失敗して、経済学部へと進学し、その後どういう訳かマスメディア論なんぞ教える立場になってしまってね……。当時は先生や教授と呼ばれる立場に就いたことが、医者になれなかったことへのリベンジのように思っていたのかもしれませんね」

教授は大きな柱の奥を見つめながら、話を続けた。

「昨今の地震や台風などの自然災害を目の当たりにして、人の命を守るという事が急にしたくなってね。初心に戻ったというか、なんというか……この年になって夢を追いかけるなんぞお恥ずかしい限りです」

「恥ずかしいだなんて……そんなことないです。素晴らしいことですよね!?」
新たな活動にエネルギーを注いでいる教授が眩しく輝いて映った。

話を終えると、教授の表情はパッと明るくなり、「さあ。次の施設を案内しよう」そう言って歩みを進めた。

すべての設備を丁寧に案内してもらいながら、人生の先輩からたくさんの気付きをもらった気がする。

「私は次なる目標を探しに旅に出た愚者さんを応援しますよ」
そう言って教授は私の肩をポンと叩いた。

時には自分自身を信じ前に進むことも大切だと胸に刻んで、教授に別れを告げた。
明日はどこを目指そうか? なんとなく心がスーッとしていた。

法王のカードの意味

「法王(教皇)」のカードは大アルカナ5番目のカード。三位一体を示し、慈愛に満ち精神面での良き導き手となる神父が描かれた札です。社会の風習、社会生活を送るうえでの教え、道徳、モラルなどを象徴し精神性を高め、進むべき道筋を示してくれるカードです。

正位置アドバイス、信仰心、メンター、諭す、教育する、ルールにこだわる
逆位置無慈悲、不当、不道徳、常識を逸脱する、法律違反

タロット解釈のための数秘術

数秘術「5」は、変化と拡大を示す数字です。変化、成長、冒険などを示し、物事の進化や発展、変化していく様を示す躍動感を感じるナンバーです。この数字を誕生数に持つ人は、人の心を勇気づけたり、夢やロマンを人に与える人だと言われています。

パワースポットのご紹介

川越熊野神社

伊弉諾尊・事解男命・速玉男命の御三神を御祭神とする神社で、開運・縁結びの御利益があると言われています。

また、手相や生年月日から運勢を占う開運指南場もあります。手相鑑定なら10分2,000円から受け付けていますよ。

開運指南士に指定がある場合は予約の際に伝えてください。

秩父郡長瀞町「寳登山神社」

長瀞駅から10分ほどの場所にある秩父三社のひとつであり、ミシュランガイド一つ星を獲得している神社です。関東一円から年間100万人もの参拝者があります。

火災盗難除、諸災厄除けなどの御神徳があります。その他に家内安全・商売繁盛・金運招福・交通安全などのご祈願も受け付けられています。

奥宮のある頂上付近まではロープウェイを使って行くことも可能です。

武蔵一宮「氷川神社」

2400年の歴史ある古社で、280社以上ある氷川神社の総本社でもあります。ゲッターズ飯田氏、江原啓之氏等がパワースポットとして紹介したことでも知られています。

縁結び・夫婦円満などのご利益があると言われています。夏には縁結び風鈴や恋はなび・恋あかりというイベントも開催されます。

また、氷川神社境内にある氷川会館1階のむすびカフェもおすすめです。一部の材料を神社でお清めしたお結び膳やむすびロールなどを楽しめます。

ランチは予約制となっています。

マリュたんからのメッセージ

第5話目には、「まるでパルテノン神殿」とも謳われる、埼玉県春日部市の防災地下神殿「首都圏外郭(がいかく)放水路が登場しました。まさにそこは異世界、別世界。ギリシャ神話の時代に迷い込んだような気分にもなれそうですね! 海外旅行にもなかなかいけないこのご時世、お近くの方は是非足を運んでみては? 次回もお楽しみに☆彡

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