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風の時代を旅するタロット小説 第Ⅸ話・隠者~天空より光を照らして

風の時代を旅するタロット小説 第Ⅸ話・隠者~天空より光を照らして

<風の時代を旅する~フールズジャーニー>

風の時代を自由に旅する愚者。

愚者の旅になぞらえ、主人公である<愚者>と共に、日本縦断の旅に出ましょう。

風の時代を生き抜くすべをタロットカード22枚の物語で読み解く旅へ。

第Ⅸ話・隠者~天空より光を照らして

金沢を後にし岐阜県は飛騨高山へと相棒のLeoを走らせる。次なる目的地は合掌造りで有名な白川郷。

1995年にUNESCO 世界遺産に登録された白川郷はガイドブックで見たままの風景そのものだった。外国人観光客の写真愛好家も多く訪れる人気の観光スポットだ。

白川郷と言えば真っ白の雪化粧をしたシーンが思い浮かぶが、夏もまた最高だった。

緑豊かな田園風景や昔ながらの日本の田舎の風景に心がほっこりとする。女一人旅にももってこいの心の平穏を感じられる場所で、涼しげな水の流れる音と、どこからともなく聞こえてくる風鈴の音にはひと際風情を感じる。

白川郷には合掌造りの建物に宿泊できる民宿が何軒かある。冬には囲炉裏を囲んで宿泊客と鍋をつつくなどという体験もできるようだ。いろいろな話をしてくれた店主に、次回は冬に尋ねると約束をし別れを告げた。

高山市は飛騨の小京都と呼ばれる江戸時代以来の城下町や商家町の景観が保全されていて、金沢とともに歴史を感じることができた。岐阜県で数日滞在した後、かねてより訪れてみたかった長野県竜王マウンテンパークの『SORA terrace』へと灼熱の太陽の中Leoを走らせた。

SORA terraceから雲海が見られるのは数々の気象条件がそろったときのみで、雲海発生率は62%ほどのようだ。1日目、2日目は空振りに終わったが、数日空けて3回目の挑戦で、世界最大級166人乗りのロープウェイで山頂を目指す。しかも雲海は下界の天候が悪いほど発生するようで、今年の夏は晴天が続いているのでなかなかチャンスが訪れなかった。

今日の長野の天候は曇りのち雨。やっと来たチャンスだ。

「今日こそお願い」そう心の中で祈った。

いかにもなカメラを携え乗り合わせた写真愛好家やプロのカメラマンと思しき彼らもきっと、同じ心境だろう。

SORA terrace

山頂に着きロープウェイを降り、ウッドデッキに足早に向かうと、目下には真っ白な綿あめのような雲海が広がっている。

「やっと出会えた……」そう思うと感動もひとしおで、目頭がジーンと熱くなった。カメラのシャッターを押すことも忘れ、しばらく空の上に立っているような光景に心を奪われた。周りも息をのんでその絶景を見つめていた。シャッター音も人の話し声もしない静寂な時間が、いつまでも続くかのようだった。

雲海とはまさにその名の通り、雲の海にぽっかりと遠くには山が島のように浮かんでいた。久しぶりの大自然が創り出す奇跡を目の当たりにして胸が熱くなった。

一通り撮影を済ませ、興奮冷めやらぬままお目当ての空の上のカフェで朝食をとることにした。

ゆったりとしたソファスペースからはゆっくりと流れ、変化する雲の様子を眺めることができる。

メニューを見ながら、「今日で食べ収めかな?」と思いながら、クリーミーで熱々のスープをサクサクのパイで包んだ雲海パイ包みスープとホットコーヒーを注文した。

数日前にも同じ席で私を接客した同じ店員が、「やっと見られましたね!? 三度目の正直ですかね?」とにっこりとほほ笑んだ。

朝食を待つ間に、日課にしている星占いをチェックし、今撮影した雲海の写真をSNSにアップした。

「あれ? まさか……」

昨日アップした竜王の雲海が見えなかったという私の投稿に、あの彼から「いいね」が付いていた。
しかも、フォローバックされていることに気づき少し動揺してしまった。

「占い、当たった……」胸がときめく感じは久々だった。

運命を切りひらくのも結局は自分の行動次第なんだろうなと実感し、「タロットは私の良き道しるべとなってくれる……」そう確信した。

「これからも助けてね。タロットさん……」

にやけ顔でスマホを見ているところに、「大変長らくお待たせしました」と熱々のプレートが差し出された。

隠者のカードの意味

正位置内省、孤独、生き方の探求、熟考する、秘めた愛、心を静める
逆位置取り越し苦労、忠告を聞かない、固く閉ざされた心、神経質、疑い深い

あごひげを持つ気難しい隠者が、手には六芒星が入ったランプを持ち過去を照らしています。隠者のカードは過去への旅立ちを示し、深い内省や物事の真実や真理を追い求める様を示しています。静けさと孤独を愛し、内なる世界に答えを求めています。このカードが出たときは、一人になり熟考する時間や身を引くことも必要になります。

タロット解釈のための数秘術

数秘術「9」は、完成、変容、無私無欲、慈悲などを示す数字です。数秘術は1~9までの数字を1つのサイクルとするため、9番は数秘術の最後の数字となります。まさにタロットカードの隠者に通じるようなベテランを示す数字でもあります。この数字を持つ人は、人々の幸せのために尽くす人だとも言われています。

パワースポットのご紹介

信州善光寺

重要文化財 善光寺山門
重要文化財 善光寺山門

「牛に引かれて善光寺参り」「一生に一度は善光寺参り」「遠くとも一度は参れ善光寺」などと伝えられ続けるお寺で、それはなぜか?といえば善光寺でお戒壇めぐりをすれば宗派を問わず極楽往生・極楽浄土が約束されると言われているためです。最強のパワースポットとして県内外から多くの方が訪れます。
日本最古の仏像といわれる一光三尊阿弥陀如来をご本尊としていることでも有名です。

公式サイト:https://www.zenkoji.jp/

戸隠神社

戸隠神社・奥社参道
戸隠神社・奥社参道

日本有数のパワースポットや聖地ともいわれる戸隠神社は長野県長野市の霊山・戸隠山麓にあります。奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の自然豊かな場所にある五社を巡る五社巡りが有名です。

占いに興味がある方におすすめしたいのが戸隠神社のおみくじです。おみくじは自分でひくのが一般的ですが、戸隠神社のおみくじは授与所で年齢・性別を伝えると神職がその情報を盛り込んだ祝詞をあげながらおみくじをひくそうです。数え年と男女の別を戸隠の大神様に告げて吉凶を尋ねるのだそうです。
おみくじは初穂料300円で奥社・中社・宝光社の授与所で引くことができます。

公式サイト:https://www.togakushi-jinja.jp/

上田市「妙光寺」易断

上田市「妙光寺」易断
出典 : http://www.ueda.ne.jp/~myoukouji/index.html

上田駅からほど近い場所にあるお寺です。日本三大弁財天といわれる広島県・宮島の厳島大願寺の分身像が奉られています。

南無妙法蓮華経を7回唱えて玉を撫でて良くなってほしいところをさする報恩の白亀さま、痔でお悩みの方におすすめの痔の神様といわれる秋山自雲功雄霊神などもあるのでぜひ訪れてみてください。

そして、毎月8日・18日・28日の終日には断易によるお悩み相談が行われています。平日の場合は電話で予約が必要です。

公式サイト:http://www.ueda.ne.jp/~myoukouji/

上田駅から徒歩9分の真田ゆかりの地「高市神社」

出典 : http://unnomachi.naganoblog.jp/c81248.html

真田幸村(信繁)の父である真田昌幸が上田城を築城する際、真田氏とゆかりある小県群原之郷と海野郷の住民を移住させて城下町の原町と海野町を作りました。

そのときに現在海野超商店街に鎮座する小さな高市神社も作られたようです。商いの守護神として請願され、恵比寿様・大黒様を祀っています。

海野の白鳥神社から授かった霊力が宿る霊石を御神体としています。

御神体に直接触れることはできませんが、真田氏にゆかりある九度山から神石を移し、運の石として祀っています。

この運の石を右から左へ撫でれば悪運を払うことができ、左から右へ撫でれば良運が開けるといわれているそうです。宝くじ高額当選や恋愛成就として人気を集めています。

参考URL:http://unnomachi.naganoblog.jp/c81248.html

マリュたんからのメッセージ

今回は私もいつか行ってみたいと思っていた「天空のテラス~SORA terrace」。まるで雲の上にお城があるかのような光景ですよね?

ライダー版の隠者は山頂にたたずんだ姿で描かれていますが、雪山でしょうか?

今回はそれを雲海に見立てながらイメージを膨らませてみましたよ! 隠者が手にするランタンはロープウェイ?

その中にある星は期待に胸を膨らませる人々? などと、自由にイメージを広げることも実はタロット解釈の重要なヒントになることがあります。

次回もお楽しみに☆彡

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