YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。
「スターシード 再⽣」シリーズ、第 4 弾です!
前回は、「スターシード診断」で語られる、各「スターシード」の特徴についてご紹介しました。
⼀般的に⾔われている各「スターシード」の特徴というのは、実は、ほとんどの⼈に当てはまりそうな、わりと⾝近なもの。
「スターシード」は、宇宙から転⽣してきた⼀握りの⼈々に与えられる称号というよりも、地球に⽣きるすべての⼈々がすでに持っている(あるいは今後獲得していくはずの)意識の周波数や領域を指し⽰す指標として捉えるべきだ、というのが、YOKU STUDIO のスタンスです。
しかしスピリチュアルの世界において、⾼次元の魂を持った選ばれし「スターシード」が、地球(地球⼈)の霊的成⻑を導きにやってきたんだ、というストーリーは、⾮常に⼈気があります。
そのストーリーは、霊的に優れた⼈々としての「スターシード」と、(普通の)地球⼈とを明確に区別し、「スターシード」(の側にいる⾃分たち)の優位性を主張する根拠としても機能しているんです…
そこで今回は、現代スピリチュアルにおける「スターシード」⾔説を分析し、その問題点について考えていきます!
・「スターシード」は「地球への違和感」を持つ?
前回詳しくお話した通り、リラ、シリウス、オリオン、プレアデス、アルクトゥルス、アンドロメダといった各「スターシード」には、それぞれの特徴があるとされています。
しかしそのような分類を超えて、すべての「スターシード」に共通するものとして、ある⼀つの特徴が挙げられることが多いんです。
それは、「地球への違和感」。
たとえば…
- ⼈間関係がうまくいかない
- 周囲から浮いてしまう
- 社会⽣活になじめない
- 物質的なものに興味がない
- ⾃分の居場所はここではない気がする
このような悩みを抱える⼈は、「スターシード」である可能性が⾼い、というのが、⼀般的な説です。
「スターシード」はそもそも⾼次元の魂を持っているから、三次元の物質で構成されている地球の暮らしに対して違和感を感じるのだ、と⾔われています。
重要なのは、「スターシード」は地球への違和感を持つ、というこの定説が、現実世界における⽣きづらさを感じている⼈々にとって、ある種の救いとして機能していることです。
⼈間関係に悩んだり、環境に息苦しさを覚えたり、現実から⽬をそむけたくなったり…そういう時期って、ほとんどの⼈が経験すると思うんです。
けれどその中でも、とても繊細だったり、周囲から「変わり者」扱いされたりして、⽇常⽣活のなかで「⽣きづらいなあ…」と感じる場⾯が多かった⼈々は、「スターシード」という概念に出会った時、「⾃分の⽣きづらさの原因を知ることができた!」と思い、少なからずそれに興味を持つ傾向にあるのではないでしょうか?
「スターシード」という魔法の⾔葉
スピリチュアルの世界において、「スターシード」がとてもポピュラーな理由は、まさにここにあると考えられます。
「あなたが地球で⽣きづらいのは、スターシードだから」。
⼈⽣において⽣きづらさを抱え、苦しんできた⼈々にとっては、この説明の効果は絶⼤です。
なぜなら、⾃分が「スターシード」だといったん定義してしまえば、⽇々の暮らしに⽣きづらさを感じることは、ある意味で当然のことだと思えるようになるからです。
そもそも⾼次元の世界に存在した魂が、スピリチュアル的な使命を遂⾏するために、わざわざこの三次元の地球に降りてきているのだから、違和感を持って当たり前。
このような認識の転換により、それまで抱え続けてきた弱み(この世界での⽣きづらさ)を、強み(地球に対する優位)へと変化させることが可能になるのです。
つまり、「スターシード」は、「⽣きづらい」⼈々にとっての魔法の⾔葉として機能しているわけですね。
しかし、「スターシード」をこのような魔法の⾔葉として受容してしまうと、(⾃分の魂のルーツである)宇宙を上位に、地球を下位に置く、ヒエラルキー構造を強化することに。
それが⾏き過ぎると、現実世界における⽣への興味を失い、スピリチュアルだけに傾倒していくことにもつながります…
スピリチュアルが浮世離れした夢物語や、排他的な運動性におちいってしまいがちなことと、魔法の⾔葉としての「スターシード」が⼈気を集めていることには、少なからず関係があるように思うのです。
もちろん、精神世界の探求は、とても価値があること。
しかし、アセンション期と呼ばれる現代におけるスピリチュアルは、現実世界における⽣を諦めるのではなく、それを最⼤限豊かにし、楽しんでいくためにあるのだと、YOKU STUDIO では考えます。
スピリチュアルの世界が抱えがちな、現実世界からの乖離を乗り越えるためにも、魔法の⾔葉としての「スターシード」が、⼈々に受容されていった歴史を整理し、批判的に検討していく必要があるのではないでしょうか?
理想的な世界への欲望
実は、「スターシード」的な魔法の⾔葉は、神秘主義・スピリチュアリズム(あるいは哲学)の歴史のなかで、他にも存在します。
そもそも、この現実世界とは異なる、原初の理想的な世界を夢⾒る想像⼒というのは、精神世界をめぐるあらゆる⾔説の根幹をなしつづけているのです。
「スターシード」という単語が普及していったのは 20 世紀後半のニューエイジの時代ですが、現実世界の⽣=低次元な状態と考え、それとは異なる、理想的な⾼次元の状態を想定しようとする欲望こそ、「スターシード」という概念のルーツだと⾔えます。
ということで次回からは、このような理想的な世界への欲望の系譜を考察するところから、「スターシード」の歴史に迫っていきます!
まず注⽬するのは、「輪廻転⽣ 再⽣」でも⾔及した、「グノーシス主義」です。
どうぞお楽しみに!
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