YOKU STUDIO による連載企画、SPIRITUAL REBIRTH PROJECT。
「ツインレイ 再生」第5弾です。
前回は、「ツインレイ」より以前に、魂レベルの唯一無二のパートナーを表すものとして広く用いられていた、「ツインソウル」という概念に注目しました。
自分たちのグループソウルの「浄化向上」という使命を共有する、現世では決して巡り合わないかもしれないバディとしての「ツインソウル」。
この考え方は、ヨーロッパ的な近代スピリチュアリズムに由来することもあり、かなり「スポ根」で、ロマンティックなストーリーとはほど遠いものでした。
そして、このような「スポ根」的な「ツインソウル」をある意味乗り越える形で、90 年代アメリカで生まれ、勢いよく普及した考え方が、「ツインフレーム」(そして「ツインレイ」)なのです!
そこで今回はまず、この「ツインフレーム」と、「ツインソウル」との大きな違いを明らかにします。
その上で、「ツインフレーム」、そしてそれと同時期に生まれた「ツインレイ」という概念が、男女のパートナーシップに深く結びついて、多くの人々に受容された背景を探ります。
いよいよ、日本において「ツインレイ」ブームが起きた理由が明らかになっていきますよ!
「ツインフレーム」の由来
はじめに紹介したいのは、「ツインフレーム」についてです。
前々回詳しく紹介した、リサ・スミスがチャネルしたサナンダからのメッセージにも登場した言葉です。
サナンダからのメッセージにおいては、1人に対し 7人の「ツインフレーム」が存在するとされ、「ツインレイ」の次に結びつきが深い関係性として定義されていましたよね。
しかし、一般的に、特にアメリカにおいて「ツインフレーム」というのは、まさに唯一無二の魂のパートナーを表す言葉として使われることが多いのです。
面白いことに、アメリカでは「ツインレイ」という言葉自体があまり普及していないようで、「ツインレイ」をこれほどフィーチャーする文化というのは、日本特有と言っていいように思います。
さて、アメリカにおいて非常にポピュラーな、この「ツインフレーム」という言葉。
その起源は、アメリカのチャネラーであるバーバラ・マーシニヤックが 1992 年に発表した『プレアデス+かく語りき』(原題:Bringers Of The Dawn)だとされます。
「ツインフレーム」=男性性と女性性の「二つの炎」
そもそもマーシニアックは、1988 年にギリシャ・アテネで、プレアデス人とのチャネリングをはじめたとされます。
プレアデス人とは、銀河系のプレアデス星雲にいるとされる宇宙存在で、三次元の地球よりも高次の世界の住人だと言われます。
「ツインフレーム」の起源とされる『プレアデス+かく語りき』も、彼女がプレアデス人から受け取ったメッセージで構成されている書籍です。
この本において、メッセージの発信者であるプレアデス人は、自らのことを「プレアデス星雲のエネルギーの集合体」と表現しています。
(バーバラ・マーシニャック『プレアデス+かく語りき<地球 30 万年の夜明け>』、大内博訳、太陽出版、2004 年、31 頁)
そして、この高次存在としてのプレアデス人が、地球人にとって重要なものとして語っていることこそ、自らの内面に存在する「二つの炎」、つまり「ツインフレーム」“TwinFlame”の「統合」なのです。
すでに述べたことですが、あなた方が二つの炎のうちのどちらかのパートナーを探している場所は、あなたの外ではありません。女性と男性の本質の統合をあなた自身のなかに探し求めているのです。女性と男性の本質が一つの全体を構成します。このように全体となった人々が、信頼と、意欲と、選択に基づいた人間関係において、他の全体的な人々と繋がりをもとうとしています。(中略)
(同上 266 頁)
あなたのなかにある二つの炎を結婚させるとき、あなたは、力強く、合理的で理知的な自分だけでなく、直感的で、女神であり、生命をもたらし、繊細なあなたをも認識します。一方は非常に地球的であり、もう一方は強く魂の世界と繋がっています。この二つのエネルギーをあなた自身のなかで融合させたならば、そのあなたと同じような資質をもったパートナーを見つけることが絶対に必要です。この二つのエネルギーを統合したとき、全体的な存在になっていない人とは決してやっていけないでしょう。
プレアデス人はここで、地球人がより本質に目覚め、より高い次元へと移行する(すなわちアセンションする)ために、男性性と女性性という「二つの炎」=「ツインフレーム」の「結婚」を、自らの内部において成し遂げることが必要だと説いています。
これまでの地球は、「力強く、合理的で理知的な」エネルギーとしての男性的エネルギーに支配されていた。
でも、原初においてはたしかに重要なものとして、「直感的で、女神であり、生命をもたらし、繊細な」エネルギーとしての女性エネルギーが存在していた。
だからこそ、次元上昇のためには、女性エネルギーを復権させ、男性エネルギーと「統合」することを、まず個人のレベルで成し遂げることが大切だと語るわけです。
このメッセージのなかで、男性エネルギーと女性エネルギーが「二つの炎」=「ツインフレーム」として、セットで捉えられていることは、大きな注目ポイントです。
「ツインフレーム」の統合は、パートナーシップにも当てはまる!
さらに、このメッセージの特徴は、単に個⼈の内部において「統合」される男性エネルギーと⼥性エネルギーを「⼆つの炎」=「ツインフレーム」と呼ぶだけではなくて、その概念を、具体的な他者とのパートナーシップにも拡⼤していることです。
(中略)セックス性の最⾼の周波数は、愛を体験することによって発⾒されます。それは、その関係が異性とのものであるか、あるいは同性とのものであるかとは、何のかかわりもありません。それは、⼆⼈の⼈間が、意識の周波数を開いてお互いに喜びをもたらし合うことと関係があります。あなた⽅は性的な表現において何が適切で、何が適切でないかという考えを信じ込んできました。
(同上 272 ⾴)
愛こそ、すべての関係において創造されるべき本質です。あなたが誰かを愛し、尊ぶならば、あなたがどのような⼈であるかは問題ではありません。⼤切なのは愛の周波数であり、この愛をあなたがどのように探求するかです。理想をいえば、この愛を探求するに当たっては、⼆つの炎を構成する男性と⼥性を統合することが望ましいでしょう。
つまり、個⼈において男性エネルギーと⼥性エネルギーの「統合」を成し遂げた後に、他者との「愛」の関係―そこには性的な関係も含まれる―を結ぶことこそが、さらに意識の次元を⾼め、「統合」を成し遂げていく鍵になるのだと述べられているのです。
男性エネルギーと⼥性エネルギーを⾃らの内⾯において統合することに成功した個⼈が、適切なパートナーと「愛」の関係を結ぶことも、「⼆つの炎」=「ツインフレーム」の「統合」だとされているわけです。
「その関係が異性とのものであるか、あるいは同性とのものであるかとは、何のかかわりもありません」とされている⼀⽅、「理想をいえば、この愛を探求するに当たっては、⼆つの炎を構成する男性と⼥性を統合することが望ましいでしょう」とも⾔われています。
男⼥のパートナーシップは、エネルギーを⾼めていく「統合」の過程、つまりアセンションの過程において重要だと、明⾔されているんですね。
まさにこの「ツインフレーム」⾔説に、魂レベルのパートナーシップと、現実レベルのパートナーシップの接続点の起源があるのではないでしょうか?
⼥性性の復権、⾃由恋愛の賛美
この「ツインフレーム」⾔説には、かなり時代的な要請が深く関わっているように思います。
「ツインソウル」の概念は、近代スピリチュアリズム由来のもの。
それはやはり、グループソウルの「浄化向上」というような⼤いなる使命のために努⼒しなければならぬ!といった、やや封建的というか、⽗権的なカラーが強く反映されたものです。
たとえばシルバーバーチが活躍していたような、近代スピリチュアリズムが勃興した当時は、現在と⽐べて、社会に出て積極的に⾏動する⼥性の数が少なかったことは確かです。
だからこそ、ニューエイジを経て、より⾃由な形のスピリチュアリズムが求められていく流れのなかで、男性性に抑圧されてきた⼥性性を復権させること、そして古い性的な規範から逃れて⾃由な恋愛を楽しめるようになることが、重視されたのも、ある意味当然の帰結と⾔えるでしょう。
リサ・スミスがチャネルした「ツインレイ」に関するメッセージにおいても、男性エネルギーと⼥性エネルギーが対として考えられており、その⼆つの「統合」が何よりも重要だと説かれていました。
つまり、「ツインフレーム」および「ツインレイ」⾔説も、どちらも 90 年代に⼥性チャネラーが伝えたものであり、そこには⼥性性の復権と、性的解放の気運が、深く関わっていたと考えられるのです。
⽇本における「ツインレイ」ブームにも、このような、スピリチュアリズムの範疇だけにとどまらない、時代全体の流れが影響を与えていたと⾔えるのではないでしょうか?
次回からは、いよいよ YOKU STUDIO 的な、現代版「ツインレイ」の再解釈をお届けしていきます。
アセンション期において、「ツインレイ」という概念は、どのような可能性を持つのでしょうか?
ぜひご期待ください!
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