「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
今回は黄道12星座・星座別解説の第9弾として、射手座の世界を解説させていただきます!
すべての星座別・徹底解説のページは、「太陽星座」のみの解説ではありません。
今回も占星術のシステムにおける、射手座の世界観や、星座に関する深い知識を解説していきます。
それでは、射手座の世界にご招待いたします!
射手座の季節
射手座の時空間である季節は、11月23日~12月21日の間です。
冬の入口に立った射手座は、静かな世界と対面します。
それは精神世界の海に深く潜り、また長く内面に十分に向き合った蠍座が、ようやく扉や窓を開け、世界の空気と触れ合った瞬間でもあります。
破壊と創造の原理に則り、『自己変容』のプロセスをやり遂げ、気づけば世界は暗くなっていました。
ですが内面で体験した暗さや重さを思えば、射手座には世界が明るく見えます。
これから冬眠の季節に向おうとしている世界に反して、射手座の精神は逞しく、情熱に満たされているからです。
秋とともに、内面を見つめる時期は過ぎました。
そして次に射手座に与えられたものとは、世界に隠されている知恵や秘密を見つけ、内面に蓄積された経験と融合させることです。
世界には、ありとあらゆる学問があります。
それは人間が宇宙や自然の働きを読み解き、共通認識や概念として体系化されたもの。
学問とは、ただの勘や思いつきではなく、『学び続けること』と『問い続けること』が繋がり、誰もが納得できるものでなければいけません。
また思想や哲学、宗教なども、人間の概念が具体的な筋道を立て、仮説と検証を繰り返し、この世界の真相を明らかにするためものです。
過去の体験から生まれた感情を昇華し終わり、射手座は自分だけで納得したり、信頼するのではなく、答え合わせのために再び世界を旅していきます。
冬が始まろうとしているにも関わらず、射手座のフットワークは軽いです。
なぜなら感情が整った時、理性がクリアになって働き、世界をありのままに見ることができるようになったから。
そして『世界という感動を体験したい』という情熱が生まれ、射手座の足を引っ張るものはありません。
例え障害になるようなものがあったとしても、射手座は強靭な精神力と、絶え間なく沸き上がって来る好奇心により進み続けます。
射手座の時空間には、内面に『自由』を見出し、自身を解放することで、世界と再び繋がろうとする軽やかさがあります。
そうして射手座は、伸び伸びと走り回り、思考を働かせ、感情を解放しながら、世界への理解を深めていく自分を楽しんでいくのです。
射手座の世界
射手座の世界とは、「文武両道」という言葉が相応しいです。
なぜなら射手座は、自身の身体を動かすことと、思考や感情を働かせることを両立できるようになるまで成長したから。
健全な健康と、建設的な主義主張、楽観的な心の持ち方によって、人生は豊かになります。
それは射手座が「的を射る」生き方をしたいと望むからです。
これまでの経験で、射手座は身体と心が連動していることを深く理解しています。
ですが射手座は、健全で整った心身の状態を手に入れたことに満足はしていません。
更なる成長を求め、身体と脳を鍛えたくなる自分を抑えることなく、色んなことにチャレンジしていきます。
それは生存欲求のような原始的な欲求ではなく、自身の精神性を高め、自身と世界との関わりを深めたい、という高次の欲求。
射手座の世界は、あらゆる可能性に対して臆することなく、体当たりしていく成長期です。
望むなら、私たちは死ぬまで成長することができます。
これは言い訳や諦めを経験しても尚、人生の奥深さに気づいた者だけが知り得る真理であり、自分の存在が自分だけのものではないことを意味しているのでしょう。
射手座は、向上心や発展的な発想を携えて、まだ自分が知らない世界の秘密に出会うことに喜びを覚えます。
射手座は、賢明さをひけらかさないチャレンジャーで、持ち前の大らかさと広い視野で影響力を高めていくのです。
そして射手座は、その生き様によって多くのことを学び、人に伝えられるようになり、人の上に立てるようになっていきます。
その成長ぶりは、次の山羊座の物語へと続いていくのです。
射手座のキーワード
射手座が求めるものは、『自由』です。
火星座としての射手座は、物質世界で動き回る自由を欲しているため、風星座が求める自由とは質が異なります。
射手座の自由とは、物質世界での制限から解放されながら、この世界を楽しめる生き方や在り方のことです。
牡羊座から始まった星座の物語は、内面と現実の反復、創造と破壊の連続でした。
特に蠍座で自己変容を果たしたからこそ、射手座は内側から沸き上がる心に従って冒険を始めることができたのです。
射手座のその心とは、『何がこの世を動かし、自分は何を動かせるのか』が気になって仕方が無い、ということ。
勉学を始め、スポーツ、宗教、哲学、旅行など、自身を高めるあらゆるものが射手座の成長と、世界との対話の材料になります。
射手座のキーワードは、「I Understand 」=「私は理解する」
射手座には、自分が主体となってこの世を理解したい、という願望があり、その器を作り上げられるだけの段階を迎えています。
私たちが自由であると感じられる時は、従わせるモノや騙すモノなど、『真実』を煙に巻くモノから解放されている時です。
射手座はこれまでの経験から、自らを動くことに価値基準を合わせ、自身で理解することが何よりの経験値になることを知っているのです。
また『理解』という感じが、『理』を『解く』と書くように、この世の成り立ちや構成要素を紐解いていくプロセスこそが、射手座の真理探究となります
高次の学びができるようになった星座として、射手座は心身の健全さの土台を持った上で、更なる高みを目指そうとします。
そして射手座は、自身の体感と情緒と、世界に根付いている理論や概念を結びつけようとします。
それは単なる好奇心で学び始めた、という初歩的な冒険ではなく、これまでの経験の『答え合わせ』と『真実へ近づくための学び』のための冒険です。
このような冒険の場合、成長を阻む思い込みや価値観は邪魔になり、重荷になります。
射手座は、蠍座でたらふく内省した反動で、身軽で居たいと考えていると同時に、自分自身を自由にするモノや、深みを感じさせてくれるモノに興味を示すのです。
内省によって価値基準が高められた射手座は、今度は動き回りながら世界を眺め、獲物を探していきます。
それは海外のモノかもしれませんし、専門分野、宗教的・神秘的なモノかもしれません。
世界をしらみつぶしに学び回りながら、射手座はどんどん成長し、魂の旅を更に味わい深いものにしていくのです。
射手座の支配星
射手座の支配星 (ルーラー) は、木星です。
木星は『拡大』や『幸運』の星と言われ、射手座の推進力と向上心を高めます。
木星は、太陽系で最も大きな天体で、質量で言えば、太陽系全体の7割近くを占めると言われています。
射手座の大らかさと楽観性は、木星がどんなものも拡大・拡張する働きを持つことに由来します。
射手座は何かを見つけたら、点と点を結び、あちこちに線を描き、自分のフィールドを作ることで、世界の秘密を明らかにしていく星座。
それは木星が『社会天体』と呼ばれ、意識や関心を身近な環境から、もっと広いコミュニティに向けていることからです。
意識が個人から他者、社会と拡大・拡張していくことで、星座の世界の見方は深まっていきます。
物事を成し遂げようとしたり、大きなプロジェクトを進めようとする時は、長期的な目線や心持ちを持つことが大事です。
現代の私たちの人生は、野生のジャングルの中で、全方向に危険が潜んでいるような暮らしではありませんよね?
そういう生き方をする民族も未だに存在していますが、世界には流れという時代性があり
、木星と射手座は、より発展的な世界観に意識を向けています。
意識はどこまでも広げることができますが、自分の器以上のものは受け止め切れません。
そういう意味では、木星は制御が利かない面があり、現実レベルでは抑止力になる存在や自立心が必要になります。
ですから木星の側面に影響され、木星は楽観的過ぎたり、思想に耽ったり、自由を追い求め過ぎるところがあるのでしょう。
ただ射手座は木星と同様に、当たり障りが無く、むしろ軽やかな雰囲気や世界観を醸し出すため、良い印象を持たれやすいことは確かです。
射手座とハウス
射手座が対応するハウスは、第9ハウス (室) です。
言い換えるなら、第9ハウス (室) が射手座の『ナチュラルサイン』。
ハウスについては、後の個別のページ深く解説させていただくとしても、射手座と第9ハウス (室) の関係性だけをピックアップしていきます!
第9ハウスのテーマは、以下の通りです。
- 知恵や理解の拡大
- インスピレーション
- 神秘主義
- 海外、海外旅行
- 哲学
- 信仰
- 本、論文
- 科学
- 導き・ガイド
- 専門家の援助 etc
冒頭で射手座を「文武両道」と表現しました。
それはハウスのテーマにも重なっています。
ホロスコープでは、真反対の星座同士が良い影響と教訓を与え合うのですが、ハウスも同じような関係性があります。
ハウスの場合、向かい合う部屋は『自己』と『他者』の関係性や、規模や範囲の比較などを見出すことができます。
9ハウス (室) の真反対は、双子座の部屋である3ハウス (室) 。
どちらのハウスも『知識』と『移動』に関するテーマを持っていて、9ハウスは3ハウスに比べてより発展的で深いテーマになります。
テーマに優劣は無く、3ハウスのテーマが学びに出かけるに対して、9ハウスのテーマは、気づきを受け取る、という具合に対比することができます。
星座とハウスのテーマは密接に関わっていますので、『ナチュラルハウス』という概念を知っておくと、星座もハウスも覚えやすいと思います。
話が逸れましたが、射手座と9ハウス(室)は、身体性と知性、精神性の向上をテーマとしていますので、12星座の物語が深みを増している証拠です。
射手座は社会性を持ちながらも、自身の精神を高めることにも余念がありません。
それは人の心理はもちろん、集合的無意識、神秘性を通して世界を見通し、より現実をリアルに感じるため。
ですから射手座の意識は、深みと広さ・縦と横などの、異なるベクトルを広げていく器用な星座と言えるでしょう。
射手座と身体の関係
星座は、私たちの身体の部位と対応しています。
射手座が対応する身体の部位は、「大腿部 (だいたいぶ) 」です。
私たちの身体は、全体の約7割の筋肉量が下半身に集まっています。
ふくらはぎや太ももを鍛えることで、代謝が良いことで、脳も活性化しますから、射手座を『文武両道』の星座と表現した理由はここでも窺 (うかが) い知ることができます。
脳は司令塔としての役割を果たしますが、脳だけで身体を動かすことはできません。
また考えや感情を持っているだけでなく、実際に自ら動くことで、現実は動いていきます。
ですから『脚』とは、現実を動かすための大きな役割を担い、また現実を動かした分だけ、経験値を高めることができる、と言えます。
最近はインターネットでいくらでも情報は手に入りますし、数えきれない数の情報発信者のお陰で、知らなかった世界を知ることはできます。
ですが映像や画像を見ることと、実際に現地に赴いたり、実物を見たり、触れたりする体験には雲泥の差があることは明らかですね。
射手座は自身で思考し、感じ、行動するという『実体験』に価値を見出し、その都度体験の中から『理解』を得ることに喜びを見出します。
私たちが身体を持つということは、身体を使えば、いくらでも体験ができるということ。
大腿部とは、私たちの欲求や願望に応じる足であり、射手座は『考える葦』という風にも表現することができるでしょう。
*『考える葦』とは、人間は自然界でか弱い存在であるものの、意識や思考、感情を持つ偉大な存在である、という意味です。
だからこそ射手座は、より多くのことを知り、体験し、学びを深め、世界を駆け巡るのでしょう。
そのためには、大腿部が発達している必要があり、射手座はミノタウロスという半獣半人で表現されるのです。
射手座と時間の流れ
蠍座で『早い冬眠』を味わったわけですが、射手座は、真冬が来るまでの活発に動く意識と活動の時間に相当します。
冬は冬至を境に、『陰』の働きが極まることで、宇宙や自然の影や闇の側面が表面化する季節。
射手座はその真冬の到来に耐え、またその間を有意義に過ごすための準備期間に活躍する星座です。
もちろん真冬であろうと、外で仕事をしなければならないこともありますし、真冬の銀世界だからこその喜びもあります。
大事なことは、世界は『裏』の部分を知り、体験する機会を私たちに与えているということです。
暗ければ火を使い、寂しければテクノロジーを駆使し、主体性を持ちたいのであれば学べばいいのですから。
また射手座は、世界と深く繋がる意識を強めていく中で、色んな人からの導きを受け取る経験をしていきます。
それは同時に、『自己信頼』に繋がることを意味します。
人生を生きるということは、世界に生かされているということを真に感じ、『世界への恩返し』という意識の芽生えを具現化していくことでもあります。
それは宇宙の視線、または見えざる神の手というような、大いなる働きに意識を合わせていく訓練と言えるでしょう。
他者の心を動かしたり、感動させたり、時にその人の人生を変えるような気づきを与えるのは、私たち自身の体験です。
確かにあなたの体験は個人的で、主観的かもしれません。
ですがあなたの世界観は、全体の中の1つピースであり、そのピースが連なることで、宇宙の計画のより加速していきます。
『よく学び、よく遊べ』とは、射手座のためにあるような言葉で、体験こそが成長を、成長こそが人生を促すのです。
射手座を構成する要素
射手座を構成する、属性・宮・性の3つの要素について解説していきます。
属性別に星座を表現する時、以下のように表現していきます。
- 火の属性 = 火星座
- 土の属性 = 地星座
- 風の属性 = 風星座
- 水の属性 = 水星座
射手座の属性
射手座の属性は、火です。
射手座の情熱は、自意識だけに向けられるものではなく、周りに多くの火を灯していくような寛容さがあります。
その寛容さとは、その場所に居ることで安心感を与える『牡牛座的』なものではなく、常に動き、世界に働きかける姿勢です。
それは『自分が動くことで、世界に影響を与える』ことを心得ているからで、『火の扱い方』をよく理解している証拠と言えるでしょう。
射手座は目的を果たすため、理性と感情をどちらか一方を選ぶのではなく、『良いとこ取り』をすることで、バランス感覚の良い物の捉え方します。
そのバランス感覚は、トライ&エラーを楽しむため大変役に立ち、射手座の楽観性を助け、前進し続けることを促すのです。
射手座の宮
射手座の宮は、柔軟宮です。
柔軟に考えるとは、手放しに色んなものを受け入れる、ということではありません。
それまでの経験則を使って、臨機応変に対応し、その時に取れる最善策を探すことができる余裕と状態を言います。
身体機能で言えば『筋肉』、理性で言えば『思想』、感情で言えば『受容』というように、射手座は色んな意味で『柔らかさ』によって柔軟なのです。
『硬い・堅い・固い』ことは、防御することや、維持することはできますが、成長することや、可能性を伸ばすことには不向き。
射手座にとって、柔軟こそが武器です。
またその柔軟さは、楽観的で大らかな自身の存在感や雰囲気にまで醸し出します。
射手座は、柔軟さに加え、向上心の高さと勤勉さによって、注目を集めたり、人気者になったりするのです。
それは蠍座までの経験が昇華され、自然体でいられる自分を発見することができたからでしょう。
ただ調子づいてしまい、何でも楽観的に捉えてしまうと、思わぬ事態を引き起こしたり、トラブルに足を取られてしまわないかを気をつける必要があります。
射手座の性
射手座は、男性性の星座・男性星座です。
外側に働きかける思考・感情・意識は、男性性の働きそのものです。
射手座は頭と身体を忙しく動かしても、なかなか疲れない持久力があります。
それは、これまでの男性性と女性性の働きの循環が実を結んだ証拠。
男性性は『出すこと』に対する意識のベクトルが強く、射手座の男性性は『表現力』に繋がります。
射手座の表現力とは、人生において『挑戦』すること。
学ぶこと、身体を動かすこと、また人が心から行う『信仰心』などに理解は、射手座が成長するためのカンフル剤になるのです。
射手座が興味関心を示す事柄は、多くの人が意識を深め、一見簡単には理解できなかったり、体得できないことが多いかもしれません。
男性性の働きは、自身で経験することに生き甲斐を感じ、より高みに登ることを促し続けます。
「継続は力なり」という諺は、射手座にピッタリと言えるでしょう。
射手座とその他の11つの星座との関係性
射手座の楽観性や大らかさ、柔軟さは、『自由』への欲求から来ています。
その欲求とは、より成長したいという欲求に加え、『他者や世界を理解したい』という欲求です。
真に自由であるということは、あらゆる概念や常識、価値観から解放されているだけでなく、自分の中にある制限に縛られないことを意味します。
そういう意味では、射手座は自分自身をより解放したいという願望を持ち、またその願望に沿って生きていきます。
願望を持っている時点で、まだその境地には至ってはいませんが、『目指す』ということを無意識レベルでも行うのが射手座です。
自由であろうとするがゆえに、『挑戦』や『冒険』、『学び』に対して積極的で、また柔軟であろうとするのでしょう。
射手座の属性とその他の星座
射手座 (火) x 火星座
射手座以外の火星座は、牡羊座と獅子座の2つで、射手座は火星座の最終段階の星座です。
火という属性を上手く操れるようになった射手座は、牡羊座と獅子座が目指す姿と言えるでしょう。
牡羊座が生まれたての情熱を燃やし、獅子座が燃えたぎる自尊心を燃やします。
対して射手座の情熱とは、『自分との競争』や『理解を深めるための集中力』といった燃え方になります。
そのため、傍から見る射手座は、まるで見なくても火を扱える『ファイアーダンサー』のようです。
経験と体幹により、射手座は火の扱い方をマスターしているため、射手座には余分な不安や恐怖心、疑いがありません。
だからこそ射手座は大らかで、余裕があり、必要なことに集中力を注ぐことができるのです。
射手座にとって、牡羊座は確かに『我』が強い印象なのですが、どこか見守ってあげたくなる対象でもあります。
また射手座にとっての獅子座は、プライドが高く、自己実現のために燃えていることが魅力的で、射手座自身も感化され、応援したくなる存在と言えるでしょう。
ただ射手座はオープン過ぎたり、楽観過ぎたりすると、必死になっている牡羊座や獅子座の反感を買ってしまうことがあります。
火星座には「先に手を出した方が負け」ということが抑止力になりにくいため、対立や距離感が生まれることもあるでしょう。
射手座 (火) x 地星座
地星座は、牡牛座・乙女座・山羊座の3つです。
射手座にとって地星座は、地に足がつけるためには有り難い存在と言えます。
射手座にとって牡牛座は『体感による喜び』を、乙女座は『分析』を、山羊座は『堅実さ』を教えてくれます。
大地に生きる生物は、大地から離れることができません。
そのため地星座は、大地に生きるものすべてに恵みと安定を与えるのです。
ただ射手座が調子に乗り過ぎた際、地星座はそのまま見放すことがあります。
言っても聞かないのであれば、見守るしかない、放っておくしかないからです。
反対に地星座の頑固さやフットワークの重さは、射手座にとって最大の『足枷 (かせ)』になることがあります。
そういう意味では、地に足をつける以上に、『地に埋まってしまう』ような生き方は、射手座が望む生き方ではありません。
ですからそういった互いのスタンスが対立する時は、第三者を入れたり、他の属性の力を借りることで事態が収まるでしょう。
射手座 (火) x 風星座
風星座は、双子座・天秤座・水瓶座の3つです。
射手座と風星座は、『馬が合う』時は風通りの良い関係性を築くことができます。
射手座が活発に動く時、風星座のサポートはタイムリーで、また肌感覚で刺激を受けられるからです。
双子座の好奇心の高さ、天秤座の整ったバランス感覚、そして水瓶座の自由や公平さは、射手座の生き様の大きな要素。
対して射手座は、風星座に対して、大きな活力や情熱、影響力を与えます。
ただ自身の計画の無さや見当違いの動きをすることで、自身で情熱を掻き消してしまい、風星座が更に追い打ちをかけることとなると問題です。
火と風は、丁度良い距離感とペース感覚で、お互いを刺激し合うことが大切になる関係性と言えるでしょう。
射手座 (火) x 水星座
水星座は、蟹座・蠍座・魚座の3つです。
火の『天敵』は水であると同時に、融合し、新たな働きを誕生させる対象であることは何度もお話してきましたね。
理性が感情に負ける時、射手座は楽観性や大らかさを失います。
逆に感情を司る水星座を圧倒してしまう時、射手座の情熱は大き過ぎて手に負えなくなるでしょう。
足元や自己の内面に意識を向ける蟹座、他者を含めた内面に身を埋める蠍座、すべてと同化し、溶け合う感覚を大事にする魚座は、射手座にとって少し厄介かもしれません。
それは単に『馬が合わない』以上に、『水が合わない』からです。
ですがそれは浅い関係性、表面的で事務的な関係性において、またお互いが自分の欲求に執着している時に強く表れます。
真逆の要素からは多くを学ぶことができます。
時に強すぎる火は水を蒸発させ、多量の水は火を消します。
火と水の融合は、男性性と女性性の統合と同じく、難しいものではありますが、その先に必ず達成感と新しい可能性が生まれるはずなのです。
ですからお互いに理性と感情を『誰のために』使い、抑え、理解を示すかに意識を向けることが大事と言えるでしょう。
射手座 (柔軟宮) と活動宮・固着宮/不動宮
占星術的なシステムについては、何度も同じ表現を繰り返しますが、それはあなたに「いつの間にか覚えていた!」という感覚を掴んでいただきたいからです。
3つの宮は、「トリプリシティ」といって、星座を3つの分類をするシステムです。
宮は、星座毎の性格や雰囲気ではなく、自然のサイクルの3つの流れを役割として持っています。
- 活動宮 = 始まり
- 柔軟宮 = 変わり目
- 固着宮 (不動宮) = 定着
射手座 (柔軟宮) x 固着宮 (不動宮)
固着宮 (不動宮) の星座は、牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座の4つです。
これらの星座は、『感覚』や『思想』、『意志』によって動くため、射手座はシーンによって協力関係を持つ場合も、距離を置く場合もあります。
『馬が合う』とは、ただ話が合うだけではなく、目的や方向性が一致することによって成り立ちますので、タイミングが大事になるわけです。
『動かない』とは、別の角度から見れば、『タイミング』を見計らっているとも言えます。
射手座には柔軟さと思慮深さがありますから、固着宮 (不動宮) の星座の意図を汲む余裕がある時は、それぞれの立場でできることを優先するでしょう。
ただ射手座が見切り発車をしたり、歩調を合わせることができない場合は、固着宮 (不動宮) の星座との足並みは乱れます。
そういった際の射手座は、自分のことに集中することに時間を充て、周りに振り回されることを避けようとするでしょう。
それは射手座が感情によって歩みを止めない、という意志を持っているからです。
射手座 (柔軟宮) x 活動宮
活動宮の星座は、牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座の4つです。
牡羊座の純粋な情熱や意志、蟹座の優しさ、天秤座が持つ調和への意識、山羊座の調整力。
これらの星座は、場面によって様々な気づきを与え、射手座をサポートしてくれます。
星座によって『自意識』にベクトルを向けるか、『周囲』や『社会』にベクトルを向けるかの違いがあります。
射手座はまだ自己の成長や発展をしている途中であるため、切磋琢磨する相手がいることは大変ありがたいものです。
ただそれぞれの『自意識』のベクトルが揃わない時、射手座も活動宮の星座たちも、自身の思うままに動くことになるでしょう。
相手を信頼することと、相手に依存すること、または相手に選択を委ねることは違うからです。
そういった意味で射手座は、しっくり来る時に一緒に動ける相手と動き、そうでない時は自発的に動き回る星座と言えます。
射手座 (柔軟宮) x 柔軟宮
射手座以外の柔軟宮の星座は、双子座・乙女座・魚座の3つです。
双子座と乙女座は好奇心と理性によって動き、魚座は深い感情的や全体性への働きかけを大事にします。
射手座は情熱によって動きますから、同じ柔軟宮と言えど、目的やスタンスが異なる場合はそれぞれ自由に動くことになるでしょう。
射手座は情熱と自由を追い求めるため、感情よりも理性が勝る時や、理性よりも神秘性に魅力を感じて動くというように、その時々によって動き方が異なります。
双子座・乙女座・魚座はどちらかと言えば、目的や方向性が1つに定まっていることが多いため、射手座の歩みとズレることが往々にしてあります。
そんな時の射手座は、楽観的に構えることで、ペースを維持しようとしますが、余りに周りを度外視していると、『仲直り』が必要になることもあるでしょう。
柔軟であることで、自分にとっての自由が、相手にとって不自由さや都合の悪さになることもあるということですね。
2極の性と星座の移り変わりについて
蠍座が深い感情を飲み込み、内面で濾過(ろか)することに成功したのは、女性性の『受容性』の働きによるものでした。
射手座になると、その働きは「反転」し、蠍座の『破壊』から『創造』に移ります。
創造活動や創作活動とは、自らの内面から湧き出るものを、『意志』や『確信』を持って現実に現すことを意味しますから、男性性の働きと言えるわけです。
射手座の情熱は、男性性という外へ働きかける『磁力』のようなものによって支えられ、それが世界にどのように反映されるのかを試し、また楽しみます。
星座の移り変わりとは、『反復』や『更新』という意味を持った「成長」であり、結果的に前の星座の活動を『否定』・『反発』すると言えるでしょう。
射手座という星座は、世界をありのままに見るために、女性性から受け継いだ受容性を楽観性として発揮し、男性性を行動力と理性として発揮します。
ということは、男性性は力 (具現化) の役割を果たし、女性性はフォース (抽象化 / 働き) の役割を果たすと言い換えることができるのです。
射手座の物語は、自身を世界に打ち出す中で、世界からのフィードバックを次々に受け止める器量があり、自ら成長していく姿。
この大地を駆けるような射手座の生き方・在り方は、次の山羊座で「統率力」や「組織力」の糧になっていきます。
男性性が狩りの体験を獲得する働きであるならば、女性性は育てることの経験を獲得する働きなのです。
射手座を客観視するのは?
射手座の場合、正反対に位置する星座は「双子座」です。
双子座は風星座で、支配星が水星、柔軟宮であるため、大変フットワークが軽い星座。
射手座と双子座は多くの共通でがありますが、双子座は射手座が忘れてしまった、もしくは抑えてしまっている「好奇心に貪欲」という部分があります。
双子座は多くのことに手をつけたがり、集中力が分散しやがちなのですが、あまり広く浅く経験を重ねることに罪悪感を持ちません。
その一方で、射手座は『自由に対する思想』が芽生えているため、深く追求したり、探究したりする傾向があります。
そういった意味では、射手座は『凝り性』であったり、『こだわり』によって行動が制限されることがあるのです。
これは蠍座から受け継いだ性質で、射手座は『広く・深く』を意識するため、時に思ったよりも歩
みが進まない自身に、苛立ちを覚えてしまうでしょう。
射手座は平常時は大らかで楽観的なのですが、躓 (つまず) くと失速し、モチベーションを見失います。
そんな時に射手座に必要となり、心を軽やかにしてくれることと言えば、「純粋さ」です。
純粋さとは、期待や見返りを求めない意識状態や心の在り方。
射手座が行き詰る時、双子座が持つ純粋さから来る軽やかさや好奇心が、射手座の『追求力』を和らげ、緊張や罪悪感、深みにハマることから解放します。
射手座が『探究者』である所以は、『多くを知った』ことにあります。
ですが多くを知っていることや、賢くあろうとする在り方が、逆に成長を妨げてしまうからです。
学問や専門知識、宗教や信仰などは、「概念」の結晶と言っても過言ではありません。
それらに没入したり、多くを得ようと走り回る射手座は、『何かを獲得しなければいけない』という思いに囚われ、疲弊してしまうことがあるのです。
その姿とは、射手座が求める自身の自由な在り方ではありません。
どういった時、双子座の純粋で無邪気な動きはヒントになり、また初心に返ることを思い出させてくれるでしょう。
射手座と数秘【9】
数秘術とは、宇宙の原理を1~9の数字で表したものです。
蠍座は12星座の9番目の星座であり、数秘9の意味合いを持ちます。
数秘9には、以下のような意味があります。
- 変容
- 完成
無私無欲
慈善
忍耐
終わり
循環の終着点
始まりへの起点
統合 etc
これらの中で、射手座に最も似合うキーワードは「統合」です。
「完成」や「終わり」といった言葉は、射手座にはまだ早い段階・起点で、射手座は「統合に向けて働きかける」星座と言えます。
前の星座の蠍座も、「全体に繋がろうとする」働きを数秘8で持っていましたね。
数秘は1~9までですから、9の後は再び1に戻ります。
物質世界としての現実は、数秘9で完成に至るのですが、ここに少し補足説明が必要になります。
星座は12つありますから、数秘に当てはめられないのでは?と思われたかもしれません。
射手座は9番目の星座ですから、あと10・11・12と星座が続きます。
数秘のシステムとして、2桁以上は1桁に還元するというものがあります。
数字を還元すると、10は1に、11は2に、12は3になり、また11は1の要素が強く、12は1と2の両方の要素を持つと解釈するのです。
*0は『働き』という要素にはカウントされません*
現実世界と目に見えない世界は表裏一体であるものの、世界がいきなり反転するわけではありません。
仏教で『49日』があるように、肉体から魂の存在になるには、タイムラグや幾らかの段階を経る必要があります。
射手座は、現実世界での『物質的な成長』の要素を揃えることに成功しました。
そういう意味では、完成に至ろうとしているのですが、要素があるだけでまだ完成・統合していません。
また星座の物語は、物質 (身体) と精神 (心)、そして魂という『三位一体』を体験するために、物質と精神を統合するプロセスでもあります。
結論としては、魚座をもって三位一体を体験し終え、1つのサイクルが終わるということです。
先ほどお伝えした、『魂の世界に移行する』ためには、数秘10(1)・11(2)・12(3)の宇宙原理1・2・3を通過しなければいけません。
そういった経緯を含め、射手座は数秘9という完成の段階に入ろうとしながらも、まだやり残したことがある段階と言えるのです。
別の占術である九星気学では、9つの星に数字が振り分けてありますよね?
それは宇宙や自然の働きが、数字にも表されているからに他なりません。
それは『エニアグラム』という性格診断にもあるように、人や立場は自然になぞらえて、9つに分けられるからでしょう。
ただそれはあくまでも、「結果」としての現実世界のシステムです。
射手座は物質世界で学ぶ材料を揃えた段階。
次の山羊座で統合し、水瓶座で分解し、魚座で再統合 (融解) して物質と精神の二元性から、魂の世界に移っていきます。
少し先走ってお話を進めてしまいましたが、射手座の情熱とはある意味、この世で学び、感情を体験し得る事柄を余すところなく吸収する星座です。
数秘9は、表面的には『完成』や『終わり』を迎えているように見えるけれど、まだプロセスは続いていることを暗に示しているのです。
射手座はそのことを無意識に感じているからこそ、深く学び、感じることを欲し、大地を駆けまわるのでしょう。
その姿勢があってこそ、次の山羊座以降の『統合』が果たされていきます。
射手座とタロットカード
射手座に対応するタロットカードは、「節制:Temperance 」です。
節制とは、『自律心によってバランスを取る』という主体的な働きかけや、能動的な在り方を意味します。
誰かに言われたから動くのではなく、射手座はこれまでの体験と、現時点での自分の判断で動きます。
それは火星座の最終段階の星座として、建設的な火の扱い方と言えるでしょう。
節制のカードは、『調和』の重要性を示しています。
私たちの行動の原理には、理性と感情のバランスが深く関わっていますので、自律する意識が大事になります。
特に射手座は高い理想を掲げるため、それだけ向上心も高まり、行動範囲も広がり、原動力となる動機や目的をブレさせてはいけません。
射手座は力強く前進する星座ですから、周囲に強く影響されることよりも、自分自身を自制・制御できないことが問題になります。
『動きながら考える』ことは効率を上げるのですが、心身のバランスに関して言えば、必ず休息も内省の時間も必要になるのは確かです。
射手座は、動かなくても情熱を保ち続けることを学ぶ星座でもあります。
ですから『節制』は、射手座の象意を高めるため、また制御する意味でもピッタリのカードと言えるでしょう。
射手座は自由を実現させるために情熱を燃やす!
今回の講座は、射手座の全貌について深く解説させていただきました。
星座の物語は、残すところあと3つになりましたね!
ですがここからの展開は、より現実と目に見えない世界が交差し、深い洞察と抽象度の高い概念が登場していきます。
射手座は『自由』という夢を描くだけでなく、実際に理想を実現させるために世界を見て回ることで、世界に無数に準備された学びに身を投じました。
それはまだ成長段階であると同時に、1つ叶えたらすぐに次の願望が立ち上るような、変化することの怖さと喜びを共存させている姿です。
相対する要素を持ち続けるためには、『意志』が必要となり、射手座の場合、『理性と感情を融合した』ことで生まれた情熱が原動力となっています。
身体がいくら若くても意志が無ければ、またいくら賢明で、経験豊であっても、身体が動かなければ、成長や変化は望めません。
私たちは常に成長したいという願望と、変化したくないという恒常性を併せ持ったワガママな存在です。
世界は、わたしたちの『我がまま』を許し、そのワガママによって困難を招いたり、逆に意志を貫いたりすることを待ち望んでいます。
射手座の物語は、ポジティブ・楽観的であれば万事OK!ということではなく、実際に自ら体験することの偉大さを教えているのです。
その偉大さをもって、次の山羊座では、世界を『支配』or 『管理』しようという発想に繋がります。
それが良いか悪いか、ではなく、成長・進化のプロセスとして、そういった流れが待っているのです。
それでは、次の山羊座の講座でお会いしましょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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