初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
復習になりますが、ホロスコープは、「特定の瞬間の宇宙の時空間」を切り取り、平面に描写したものです。
これを「魂のブループリント(青写真)」と読んだり、宇宙からのメッセージと受け取ることができます。
ホロスコープを読み解く上で重要となるものは、これまで解説してきました、惑星 / 小惑星・星座とハウスです。
今回の講座は、「第8ハウス(室)」です。
第8ハウス(室)は、「配偶者(の家系)の財産・経済力」や「結婚後の生活」、「性愛」、「生と死」などを表します。
第8ハウス(室)は、第7ハウス(室)の流れを汲むとともに、第5ハウス(室)の結果のハウスですから、特殊な段階。
第7ハウス(室)が「特別な他者」との出会いや関わりを表すのに対して、第8ハウス(室)はその相手との発展的な関係性とともに、人間が持つ根源的な欲求を象徴します。
第8ハウス(室)の象意をチラッと読むだけで、蠍座や冥王星と関連があるのではないか、と思われたかもしれません。
実に、その通りです。
第7ハウス(室)は運命的な出会いや縁、運、転機のハウスですが、第8ハウス(室)は「生まれ変わり」のハウス。
生まれ変わりは時間をかけ、ある種、「逃げられない状況」に身を置くことによって成されるもの。
そのため「特別な他者」との深い関係性は、単なる契約や約束ではなく、旧世代からの伝統や歴史、命を継承するとともに、次世代に繋ぐ意識を育む段階が、第8ハウス(室)なのです。
第1~6ハウス(室)以降のハウスの流れは、それまでの流れを場所や場面を変えるだけではなく、「自己」であった自分自身が、「客体」に移行していく流れになっていきます。
第8ハウス(室)は、「特別な他者(パートナー)とその家族」の有無に関わらず、確実に私たちに「変容」をもたらすでしょう。
ただ、主体である私が「客体」に移行するためには、「客体」である他者が必要となります。
こればかりは宇宙と魂の意図(計画)によって決められたものですから、自由意志や熱意でどうにかなるものではありません。
なぜなら私たちの背後には、数えきれない先祖の存在があり、あらゆる観念や存念、概念が渦巻き、「特別な関係性」に影響を与えるからです。
その「背後の存在」の影響は、特に天体の位置と状況によって読み解くことができます。
第8ハウス(室)ほど、「カルマ」や「先祖供養」に向き合わせるハウスはないでしょう。
天体・感受点と星座は、精神的な面が強いため、想像力や直感力を働かせることにより、納得感や実感が沸いてくるでしょう。
それに対してハウスは、物質的・現実的な側面が強調されるため、過去からの実際的な経験や環境が大きな判断材料になります。
第8ハウス(室)は、物質・精神両面で、多大なプレッシャーと変化をもたらし、有無を言わさない変容のハウスです。
家庭を持つこと、子どもを儲けること、財産を受け継ぐこと、近親者の生死に触れること、あらゆる根源的な欲求と現象は、私たちの価値観を大きく変えるでしょう。
人は何度も生まれ変わることができますが、望まずとも向こうからやって来る、不可避の変容が、第8ハウス(室)が象徴する生まれ変わりであり、人生に秘められた可能性です。
ホロスコープは、「360度の可能性」を表し、360通りの可能性は「度数」に表されます。
この可能性にさえ、二元性が働き、精神性(星座)と物質性(ハウス)に分けられ、それら2つの可能性の空間を、天体が動き、現実と内面に変化をもたらす、と考えられるでしょう。
第8ハウス(室)は、受容的に「与えられる」のではなく、強制的に「授かる」や「継承させられる」といった意味合いを持ちます。
他者と真に深く繋がるということは、その相手だけでなく、相手の家族と家系、目に見えない「絆」を背負うことです。
第8ハウス(室)を読み解くことで、あなたの人生に用意された「変容の要素」を知ることができます。
誰もが通り、時間をかけて取り組む課題ですし、自分だけでの問題ではありませんから、肯定的に捉え、人生を広く深く捉えていってください。
第8ハウス(室)の成長・進化・変容を経てこそ、あなたは自己実現と社会貢献の道へと導かれるはずです。
ハウスは12の空間がありますので、順次1つひとつのハウスの特徴と重要性をお伝えさせていただきたいと思います。
それでは、今回も最後までお付き合いくださいね!
絆を持つということ
第8ハウス(室)は、閉鎖的・内省的なハウスです。
その理由は、配偶者と家系同士の繋がりの中に身を置くことで、「自己の自由」が失われるからに他なりません。
結婚や約束事は、書面的な契約で成立しますが、ひとたび関係が始まれば、長期的な関わりに取り組まなければならなくなります。
家族や家系が持つ「絆」は、私たちが思っている以上の長い歴史と深い血筋、先代の人々の観念と存念によって成り立っているものです。
ですから「特別な他者」との深い関わりに身を投じることで、それこそあなたは「特別な時間と空間」に誘われます。
第8ハウス(室)は、「他人」の家や家系、歴史や伝統に関わり、直に「当事者」になることを暗示している、といっても過言ではありません。
家々に受け継がれる生命の連鎖は、物質的な遺産を残し、精神的な資産を残します。
他者と深く関わり、「家系を受け継ぐこと」こそ、結婚生活の真の学びであり、次世代の子孫へと継承するための通過儀礼です。
第7ハウス(室)が象徴する「特別な出会い」や「運命の出会い」は、前哨戦のようなもので、その後に待ち受ける宿命的な学びの始まりでもあります。
ですからホロスコープを読み解くことは、単なる「幸せ」だけでなく、「不自由さ」や「受け継ぐこと」までも表されるのです。
第8ハウス(室)は、「巻き込まれる」形で、「変容」を体験する段階。
前回の第7ハウス(室)で、「見つけることは見つけられること」という両面的な表現をしましたが、第8ハウス(室)はまさに、「他者と一心同体」になる体験をします。
「自己の喪失」は、必ずしも悲劇ではありませんし、かといって簡単に成し遂げられるものではありません。
ですが生命の連鎖と精神性の継承は、この不可逆的な変容無しには受け継がれることはないのです。
重々しい表現から始まりましたが、第8ハウス(室)は、その後の成長・進化、自己実現と他者貢献のための、大きな足がかりとなる段階。
自分の人生を認めるということは、必要であれば不自由さえも受け入れ、未知の環境で学びを受け入れることでもあるのです。
第8ハウス(室)とは
第8ハウス(室)の定義は、「受け継ぐこと」です。
第8ハウス(室)と第2ハウス(室)の定義は、物質・精神の両面で、「与えられる体験」を示します。
第2ハウス(室)が、自由気ままに、成長のために必要なもの、心地良いものが与えられる「無償の施し」であれば、第8ハウス(室)は「決められたものを引き受けること」です。
これは牡牛座と蠍座の対称性に通じるもので、牡牛座は物質的な執着を持ち、蠍座は非物質的・精神的な執着に絡めとられる、という違いがあります。
牡牛座と蠍座は、「価値」を体験し、「豊かさ」を享受する星座ではありますが、意識と環境が正反対なのです。
第8ハウス(室)と第2ハウス(室)は、どちらも受容的ですが、第8ハウス(室)は個人の意志よりも、配偶者や家系の意志や要求が優先されます。
第7ハウス(室)が社会性を身につける「スタート地点」と表現した理由は、第8ハウス(室)の段階に踏み入れた途端に、大きな流れに飲み込まれるからです。
それは社会的な流れであり、個人と個人、家系と家系が持つ「縁起」でもあります。
「縁起をかつぐ」という言葉は、ジンクスを守るという意味合いを持ちますが、仏教用語では「縁起」の言葉自体は、「因縁」や「カルマ」という意味です。
第8ハウス(室)は生と死、性愛、家系因縁、死後の世界など、私たちが知覚・認識できない領域の働きに通じるハウス。
ですから第8ハウス(室)は、「変容」や「相続」、「継承」といった象意を司ります。
第8ハウス(室)をほど、主体が客体に一方的に飲み込まれるハウスはありません。
結果的には、主体・自己は客体に内包され、より深い主体性に変容するのですが、その道のりは長く、多くの学びがもたらされるでしょう。
そこで必要とされることは、「意志」と「忍耐」、そして「自己肯定」です。
「変容」を通して、何者になろうとしているのか、いえ、何ものに成れるのかなど、誰にも予想はできません。
ですが「縁起」という言葉を借りるならば、与えられた人生に散らばる縁や結びつきを、1つひとつ手に取り、解き、昇華していくことが、「特別な変容」といえるでしょう。
第8ハウス(室)はそれほど重大で、「真剣さ」を問うハウスであり、あなたの人生に大きな転機をもたらすことを暗示しているのです。
第8ハウス(室)のポイント
以下に、第8ハウス(室)のポイントをまとめました。
- 第8ハウス(室)は、相続、遺産、配偶者の経済力、借金などの物質的豊かさを表す
- 第8ハウス(室)は、変容、死の体験、生と性に関する体験・観念を表す
- 第8ハウス(室)は、「自己の喪失」を体験させるハウスである
- 第8ハウス(室)は、サクシデントのハウスである
- 第8ハウス(室)は、第5ハウス(室)の結果が表れるハウスである
- 第8ハウス(室)の星座は、与えられる影響に対する態度や姿勢、取り組み方を示す
- 第8ハウス(室)の星座は、その支配星(カスプルーラー)が位置する、星座とハウスと「間接的」に流れを持つ
- 第8ハウス(室)は、これまでの自己を脱ぎ、物質的・精神的な継承を引き受けることで、他者とより深い絆を持つことを暗示する
第8ハウス(室)が象徴するもので、共通することは、「自分ではどうしようもないこと(状況)」です。
第8ハウス(室)は、旅先や冒険先で出会う人との交流といった軽いものではなく、人生を大きく左右する、「修行的」な側面があります。
それもそのはずで、「家族」や「家系」を持つことは、それまでの長い歴史を引き継ぐことだからです。
第1ハウス(室)で生まれた自我は、第8ハウス(室)の段階で、「人生の複雑さ」と「自己理解の難しさ」、そして「他者への愛情を保つ大変さ」を知ることになります。
自我から自己に移行し、今度は自己さえも脱ぐことを要求される。
これは非常に悩ましく、且つ、人生の大仕事といえるでしょう。
第8ハウス(室)は結婚後の生活、つまり「個人からの卒業」を意味しています。
なぜなら配偶者やパートナーを得ることで、引き受けなければならない物事が圧倒的に増えるからです。
それが両家の家族との関わり、両親の世話、日常生活の維持、社会生活の向上、自己実現の計画、心身の安定など、人生には数えきれないほどの学びと鍛錬が待ち受けています。
ですが「絆」や「生命の連鎖」を得ることは、決して惨めなことではありません。
それどころか「一族」や「血統」を引き継ぐ一員となることは、社会性を超えた「全体性」の要素です。
そもそも結婚は、赤の他人との「約束」によって成り立ち、時間を供にすることで、意思疎通はもちろんのこと、互いの将来に可能性と希望を見出すことが許されます。
物質世界は、制約・制限によって成り立っていますが、結婚ほど、自ら制約・制限を受け入れる社会的な行いはありません。
会社や仕事は辞めても代わりはありますが、配偶者や家族との関係性は、形上離れることはあっても、歴史・精神性、記憶、心には克明に刻まれるからです。
第8ハウス(室)を知ることは、他者にとっての「特別な私」になるための要素を知る、ということ。
特別な絆を社会的に交わし、時間的に成立させ、自己を失うことで、あなたは「他者」から「家族」になるのです。
私たちの家族には、このような変容の歴史と連鎖が紡がれてきました。
そして時が来れば、あなた自身も大きな変容を受け入れ、いつの日か、次世代の「他者」を受け入れ、「家族」として迎え入れる日が訪れるのです。
第8ハウス(室)が象徴するもの
第8ハウス(室)が象徴するものを、以下にまとめました。
- 結婚後の生活
- 配偶者との深い繋がり(の構築)
- 配偶者の所有物・経済力
- 自分以外の人のお金
- 借金
- 債務
- 税金
- 合同・合併
- 撤退・脱退
- 金銭的な損失
- 所有物・金銭の貸し・借り
- 相続・相続人
- 遺産・遺産相続
- 隠されたこと
- 家系因縁
- 大きな変容
- 根本的な変化
- 制約・制限
- 排他的な環境
- 逃げられない状況
- 内省
- 性愛
- セックス
- 葛藤
- 心の苦悩
- 譲り受けること
- 継承すること
- 目的のために時間と手間、心身を捧げること
- 自己の喪失(体験)
- 生まれ変わり
- 刷新
- 他者を受け入れ、他者に受け入れられること
- 家系・先祖との関係性
- 新たな創造のための破壊(体験)
第8ハウス(室)を読み解く要素
第8ハウス(室)を読み解く際に重要な項目を、以下にまとめました。
- 第8ハウス(室)の星座
- 第8ハウス(室)の星座の支配星(カスプルーラー)の状況
- 第8ハウス(室)の(星座の)度数
- 第8ハウス(室)の(星座の)サビアンシンボル
- 第8ハウス(室)に入る天体・感受点
- 第8ハウス(室)に入る天体・感受点とその他の天体・感受点のアスペクト
- 第8ハウス(室)のナチュラルハウスである蠍座の状況
ハウスに支配星は存在しない
太陽系10天体は、それぞれ支配する星座がありますが、ハウスに対してはどうか?という疑問はありませんか?
結論から言いますと、天体はハウスを支配しません。
その理由は、星座が精神性(在り方)を、ハウスが物質性(生き方)を役割として与えられていて、天体は精神性を表す星座にのみ、直接的な支配を及ぼすからです。
ですから土星が第8ハウス(室)を支配する、ということはありません。
土星よりも最も適切な存在は、ナチュラルサイン・蠍座の支配星である、冥王星の他に見当たらないのです。
後の講座で、「品格(ディグニティ)」について解説しますが、天体と星座の関係性と、天体とハウスの関係性はイコールにはなりません。
一般的な間違いとして、太陽系10天体は、それぞれ居心地の良いハウスがあり、それが天体がハウスに対する支配、と解釈されることが要因といわれています。
「誤訳」と「解釈の間違い」が相まって、占星術の本質が歪むということもあり得るでしょう。
ですがこの西洋占星術講座は、伝統(古典)占星術にこだわり、現代占星術を否定する、というスタンスではなく、占星術の正当な流れだけをお伝えしていきます。
天体が強い影響力を持つことは確かですが、天体はハウスを支配しない、ということだけをお伝えさせていただきますね。
ただ天体と星座の支配関係は揺るぎませんので、今後のリーディングのためにも、以下の関係性は徐々に覚えていってください。
【ハウスとナチュラルサイン】
- 第1ハウス(室)のナチュラルサイン = 牡羊座:支配星 = 火星
- 第2ハウス(室)のナチュラルサイン = 牡牛座:支配星 = 金星
- 第3ハウス(室)のナチュラルサイン = 双子座:支配星 = 水星
- 第4ハウス(室)のナチュラルサイン = 蟹 座:支配星 = 月
- 第5ハウス(室)のナチュラルサイン = 獅子座:支配星 = 太陽
- 第6ハウス(室)のナチュラルサイン = 乙女座:支配星 = 水星
- 第7ハウス(室)のナチュラルサイン = 天秤座:支配星 = 金星
- 第8ハウス(室)のナチュラルサイン = 蠍 座:支配星 = 冥王星
- 第9ハウス(室)のナチュラルサイン = 射手座:支配星 = 木星
- 第10ハウス(室)のナチュラルサイン = 山羊座:支配星 = 土星
- 第11ハウス(室)のナチュラルサイン = 水瓶座:支配星 = 天王星
- 第12ハウス(室)のナチュラルサイン = 魚 座:支配星 = 海王星
相手の価値を真に認められる自分
私たちは誰もが「自分のこと」を最優先にしますが、特別な関係性に発展した際には、他者の知らない要素をいくつも目にすることにし、他者の内面性に関わることになります。
第8ハウス(室)が示す絆は、「運命の赤い糸」のような自己愛的なものではなく、「人生をそのまま受け入れるような深刻さ」です。
第8ハウス(室)は、生活だけでなく、人生、そして心と精神性でパートナーに寄り添い、「他者を受け入れる経験」が非常に重要であると伝えています。
よくワンネスの概念が説明される時、「私はあなた、あなたは私」という表現がされますが、言葉や概念だけでは簡単に口にすることができますが、実際はそうではありません。
家族になった他者に対してさえ、私たちは嫌悪感や不快感を抱き、「分離の意識」自体を否定しまう傾向があります。
第8ハウス(室)は、「愛は語るものではなく、体現するものである」という風に、言語化できない、時間と空間を、制約・制限ではなく、本質を実感することを重要視するのです。
ですから地に足のつかない、歯が浮くような台詞は、根源的な愛や絆を表現することはできません。
私たちが他者の素の姿や、本人さえも自覚していない本性を目の当たりにし、それでも受け入れることは、大変偉大なことです。
それが「血を超える」ということではないでしょうか?
ワンネスは原初の世界であって、概念的に思い込む必要はありません。
ただ目の前に居る人を受け入れ、また受け入れてもらえる瞬間を待ちながら、時間を供にし、様々な経験を供にする、それ以上に精神性を高めるものはないでしょう。
なぜなら「特別な他者」が真のパートナーになる時、私たちは性的(創造的)エネルギーによって繋がるからです。
性愛とセックス、創造性の成就
第8ハウス(室)が示す性愛やセックスは、動物的な交尾や繁殖行為のような子孫繁栄を願う本能だけではなく、「意志の継承」を重要視します。
なぜなら身体と心が交わう際、性的エネルギーさえも交わり、潜在意識が密に繋がり、「背後の存在」からの歴史や精神性も合流するからです。
性と愛がイコールになる時、私たちの内面に宿っている創造性は、パートナーの存在によって、永遠性と純粋性が成就します。
その理由は、私たちの性が分けられた際、性的エネルギーが不活性状態になり、自分1人では性的エネルギーを内的に統合することができないからです。
それが「男女の別」に象徴されています。
「子孫の誕生」は、男女の間にしか許されていません。
これは原理的な仕組みですので、どうにもなりませんが、肉体的な呪縛に囚われる時、私たちは子どもを持つことができないことを悲観してしまいます。
ですがその事実さえも認め、悲しみや虚しさを乗り越える時、本来的な人生のテーマに辿り着くのかもしれません。
「恋愛は自分本位、結婚は相手本位」ということをおっしゃる方がいますが、本質的には「恋愛は挑戦、結婚は両者本位」です。
どのような経験も学びも、望めば与えられますが、真に価値のある体験は、互いの学びとなり喜びとなるもの。
性的な欲求を持つこと、身体的な高揚感や快楽を得ること、そしてそれまでは無かった生命の誕生を迎えること。
それらは、単一的な出来事・営みではありません。
あなたが生まれる前の、途方も無い過去から受け継がれた「歴史」と「精神性」が、あなたを生かし、また新しい命を誕生させる可能性を与えているのです。
だからこそ肉体を持つことで成し得ることの中で、子どもを儲けることは尊く、また産み育てることは更に偉大なのでしょう。
第8ハウス(室)は、そういった神聖さと神秘さ、また美しさと残酷な現実を突き付けるハウスです。
ですが人生には、必ず着地点が用意されています。
ですからあなたはご自分の内省や変容に向き合い、パートナーと寄り添う喜びを感じることを楽しんでください。
喜びと安らぎは、哀しみや辛みを耐え忍ぶ勇気を与えてくれるのですから。
第8ハウス(室)のテーマ
第8ハウス(室)のテーマは、「引き受けること」です。
第8ハウス(室)は、否応なしに受け取ることを要求します。
これはお節介ではなく、半ば強制的で、一度入ったら後戻りができないような感覚を感じるかもしれません。
第8ハウス(室)は、パートナーと人生を供にし、時代・世代を生きることの大変さ問尊さを伝えています。
だからこそ、互いの家系と先祖からの「流れ」や「働き」を受け継ぐ必要があるのです。
かつて戦争時代や飢餓を乗り越えた先祖が存在し、私たちが生きている、今この瞬間にまで、生命の連鎖を届けてくれたからに他なりません。
引き受けることは、背負うことであり、差し出される意志を引き継ぐことです。
言葉にすると重々しいですが、どの家族も自然と、強制的に、そして流れとして実行しています。
第7ハウス(室)で生まれた他者に対する「信頼」は、第8ハウス(室)で「誠の愛」に変わるでしょう。
その変容は、必ず2人で一緒に行われるべきものです。
以下に、第8ハウス(室)のテーマうち、特に強調され、自覚されるべき要素を以下にまとめました。
- パートナーとその家族との関わり
- パートナーのすべてを受け入れること
- パートナーの家系の一員となること
- 変容・生まれ変わりを経験すること
- 物質的な継承
- 精神的な継承
- 生命の連鎖
- 受難と葛藤の克服
第8ハウス(室)は「逃れられない状況」とともに、「向き合うべき人生」を象徴します。
そのためパートナーと家系を受け入れることに対して、どれだけ向き合うかという「真剣さ」が求められるでしょう。
結婚はゴールではなく、「更なる高み」を選択し、豊かさと苦しみの両極性を引き受け、日常に真理と有難みを見出すための選択です。
ですから誰もが内面を認め、自分自身に素直であることが、他者を認めることを促すでしょう。
今回の講座では、これまでにない「深刻な」表現を書き連ねています。
その理由はひとえに、「冥王星の影響力」が第8ハウス(室)に表されるからです。
第8ハウス(室)は、取捨選択ではなく、「引き受けること」がテーマであり、その選択こそが、より善い人生を実現する1つの学びといえます。
もちろん結婚や他家との関わりを選ばない、いえ、魂が望んでいない場合もありますし、途中で縁や繋がりが切れる場合だってあるでしょう。
どのような場合であっても、「自分にまで続いてきた生命の連鎖」をどのような形で活かすかを、第8ハウス(室)は教えてくれます。
結婚が全てではありませんし、子孫繁栄が人類が人類であるための宿命でもありません。
ただ現実に、目の前に起こる現象の中に、結婚や他者との深い関わり、家系の流れを汲み取る流れがあるならば、それは引き受ける役割が提示されることは事実です。
第8ハウス(室)はある意味、12つのハウスの中で、最も孤独で、行き場のない段階かもしれません。
ですが相対する人が居ること、「逃げられない」という制約・制限が、豊かさを裏返した側面でもあるでしょう。
ですから「強制的な流れ」や「抗えない働き」さえも受け止め、認めることが、第8ハウス(室)があなたに求める、人生の中で起こる変容に対する肯定的な姿勢なのです。
第8ハウス(室)と第2ハウス(室)が示すもの
ハウスシステムの講座で、ポラリティについて解説しました。
ハウスシステムにおけるポラリティとは、「それぞれ対向のハウスが共通のテーマを持つ」ということです。
第8ハウス(室)と第2ハウス(室)はともに、「与えられること」や「引き継ぐこと」をテーマに掲げています。
第2ハウス(室)は「自分の成長と発展のための豊かさの享受」を表し、自ら獲得するようで、それは「無条件の施し」のような働きが前提です。
対して第8ハウス(室)は、「強引・強制的に引き受けることを求められる豊かさ」であり、自分本位・利己的に扱うことができない資産や働きを表します。
この2つのハウスのポラリティもまた、「主体」と「客体」の学びですが、第8ハウス(室)の場合は特殊かもしれません。
なぜなら他者から「託されるもの」が、価値のある遺産であれ、負の遺産であれ、引き受けなければならないからです。
第8ハウス(室)は金銭的な享受を表し、借金や遺産相続などの、個人では賄えない・扱えない・対処できないことも表します。
また家業の場合は、世襲や買収、合併や統合など、時代の流れと家系の流れの板挟みになることもあるかもしれません。
第8ハウス(室)には救いや希望は無いのか、と思われるかもしれませんが、現実に向き合おうとする意志を見出すことこそが、救いとなり、希望となります。
その意志が明確になった時、第8ハウス(室)が象徴する「支援」が与えられるでしょう。
それは第2ハウス(室)が表す、自己欲求や自己満足のため、衣食住のための営みよりも、遥かに大きな規模と高い意志が伴わなければなりません。
冥王星が私たちに、「真剣さ」や「深刻さ」を要求する理由は、真に価値のあるものを見出し、運用し、活用するための学びを得ることを促すからです。
第8ハウス(室)と第2ハウス(室)のポラリティは、「自分は1人では生きていない」という事実を、物質・精神の両面から教え、誠意と感謝の念を教えるのでしょう。
第8ハウス(室)に天体が無い場合は?
第8ハウス(室)に主要10天体が無い場合は、第8ハウス(室)のハウスカスプの星座と、その星座の支配星(カスプルーラー)を探し、その影響力を見てみましょう。
以下に、第8ハウス(室)の状況を見るためのポイントをまとめました。
- 第8ハウス(室)の星座
- 第8ハウス(室)のカスプルーラーの星座
- 第8ハウス(室)のカスプルーラーのハウス
- 第8ハウス(室)のカスプルーラーとその他の天体・感受点のアスペクト
- 第8ハウス(室に位置する天体・感受点
- 第8ハウス(室)の度数とサビアンシンボル
「間接的な影響力」を探ることで、天体が入っていないハウスが持つ、テーマ性や影響力を見出すことができます。
天体は星座を支配し、ハウスにはナチュラルサインがありますので、これら3つは必ずどこかに関連性を見出すことができるはずです。
「天体が無い」ということは、「強調されない」という意味とともに、「間接的な影響を知ることが促されている」ということです。
ホロスコープリーディングをする上で、こういった点と点を繋げることが重要になっていくでしょう。
ホロスコープという円環内では、「バケツリレーが行われている」という表現がされます。
12ハウスの講座の後に、更に詳しいホロスコープリーディングの内容をお伝えする予定ですので、楽しみにしていてくださいね!
【星座別】第8ハウス(室)の特徴
12ハウスはアセンダント(ASC/AC)を起点に、「物質的な流れ」を起こしながら、星座という「精神的な流れ」を背景にしています。
第8ハウス(室)のテーマと学びは、「引き受けること」ですから、より内省的・内的な働きが強調されるはずです。
第8ハウス(室)は、「身を任せること」と「自ら決めること」が混ざり合う、融合的な境地。
第8ハウス(室)と重なる星座は、あなたの主体性を「飲み込む」ような、密接な関係性や状況が表されるでしょう。
第8ハウス(室)に対応する星座と天体は、第8ハウス(室)を鏡として、その性質や象意がダイレクトに引き出される、という特徴があります。
ハウスを「現場」という物質的な時間・空間とすると、星座は「素質」という精神的な要素といえるでしょう。
そこに天体が入ることで、物質性の舞台である現実で、物質・精神の両面での成長と変化が生まれます。
第8ハウス(室)に重なる星座によって表される「変容」の要素を、それぞれの星座とハウスの組み合わせを参考にして、見出してくださいね!
第8ハウス(室) × 牡羊座
第8ハウス(室)と牡羊座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは火星
- 牡羊座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「痛みによって変容の機会を得る」という象意を持つ
- 前の星座(魚座)が第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である牡羊座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである牡羊座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、牡羊座の象意が強調される
牡羊座は星座の始まりの星座であり、「自我意識の目覚め」を表す星座です。
また牡羊座は、第1段階目の火星座であり、男性星座、活動宮の星座。
第8ハウス(室)に牡羊座が重なることで、「突発的なトラブル」や「配偶者の金銭感覚の問題」、「相続で揉める」などが暗示されます。
牡羊座は火のエレメントですから、他者の中にある怒りや闘争心と衝突・対立させられるからです。
牡羊座の支配星は火星で、火星は元々蠍座の支配星でしたので(現在は副支配星)、蠍座の外的な変容・変貌を、行動に移させるのが火星といえます。
第8ハウス(室)の牡羊座、また火星が「トラブル」や「対立」によって、「破壊と再生」の機会を体験させるでしょう。
第8ハウス(室)や冥王星は、現象の裏に必ず「隠された理由」があり、牡羊座は衝動的や瞬発的・根源的な感覚によって変容を引き起こすでしょう。
言い換えれば、パートナーと家族との関係性の中で生じる、身体的・精神的な「痛み」が変容のキッカケとなる、ということです。
この講座で何度もお伝えしているように、第8ハウス(室)は家系因縁や系譜、死の世界と繋がっています。
牡羊座は衝動と情熱の星座ですが、物質世界における第8ハウス(室)の強制力によって、コントロールが利かない状況が引き起こされることが多いかもしれません。
以下が、第8ハウス(室)が牡羊座の場合のキーワードです。
- 家庭内のトラブル
- 家系のトラブル(の継承)
- 頭部の怪我
- 気性の粗さが引き出される
- 先祖の感情を体現する
- 相続で揉める
- 対抗心
- 虚栄心
- 配偶者の金遣いの粗さ
- 突然死に触れる
- 病気によって家族愛を知る
- 激しい性衝動
- 命の誕生に対する感動
- 先代の意志を引き継ぐこと
- 頭部:命の起源に繋がることで血が滾る
- 与えられた生命に触れ、自らの役割を知る
第8ハウス(室) × 牡牛座
第8ハウス(室)と牡牛座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは金星
- 牡牛座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「恩恵を引き受けること」が象意として表される
- 前の星座(牡羊座)が第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である牡牛座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである牡牛座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、牡牛座の象意が強調される
牡牛座の2番目の星座であり、「所有」と「執着」を知る星座です。
また牡牛座は、第1段階目の土星座であり、女性星座、不動(固着)宮の星座。
そして牡牛座にとって、第8ハウス(室)は対向の蠍座に関連するハウスです。
第8ハウス(室)に牡牛座が重なることで、物質性と身体性に変容や継承が表されます。
牡牛座が持つ物質的・身体的な欲求や執着は、第8ハウス(室)で「押し付けられる」形や「明け渡される」形で引き受けることになるでしょう。
第8ハウス(室)の牡牛座、また金星が、結婚生活において金銭的・物質的な豊かさを得ることを暗示しています。
ただ「自由に使える」という発想ではなく、責任や家族・近親者の繋がりが付帯する、ということを忘れてはいけません。
対向の星座のハウスに身を置くことは、一見、居心地の悪さを感じさせますが、対極の性質をダイレクトに受けることで、それだけもたらされる変容や恩恵も大きいものです。
金星は「愛」や「喜び」を象意に持つ天体ですから、家族や家系が「人の集まり」であることを実感し、生活を供にすることに「安らぎ」と「感謝」を感じることが喜びになります。
それは家系や先祖の願いであり、私たちは自分たちの時代を賢明に生きることで、先祖供養になる、ともいえるでしょう。
以下が、第8ハウス(室)が牡牛座の場合のキーワードです。
- 物質的な豊かさの共有
- 配偶者によって金銭的な豊かさが得られる
- 相続が受けられる立場
- 与えられる役割
- 身体的満足を得ること・与えること
- 時間をかけて問題を解決すること
- 時間を共有し、感情を通わせる喜び
- ストレスが首や喉に表れる
- 居心地の悪さを変える努力が求められる
- 豊かさを引き継ぐこと
- 身体性を引き継ぐこと
- 生命の連鎖を実感すること
- 物質的な執着を超えること
- 自分の物ではない物を扱うこと
- ペースを乱されること
- 口:自分の意図しない豊かささえも、与えられる恩恵のうち
- 時間をかけて愛情を煮詰め、物質的な豊かさを精神的な豊かさが変わる喜び
第8ハウス(室) × 双子座
第8ハウス(室)と双子座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは水星
- 双子座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「言葉によって居場所に喜びをもたらすこと」が役割として与えられる
- 前の星座(牡牛座)が第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である双子座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである双子座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、双子座の象意が強調される
双子座の3番目の星座であり、「言葉」と「対話」を楽しむ星座です。
また双子座は、第1段階目の風星座であり、男性星座、柔軟宮の星座。
第8ハウス(室)に双子座が重なることで、「自由」や「移動」が制限されることで、自分の足元(環境)を固めるよう促されるでしょう。
双子座はコミュニケーションと言葉を司る星座ですので、家庭内での対話が重要となり、自ら率先してコミュニケーションを取るよう促されるかもしれません。
第8ハウス(室)の双子座、また水星が、「知性」や「機転」を働かせ、家庭内・家系内での役割をこなし、自分の居場所を確保しようと促すでしょう。
水星は月に続いて公転周期が早く、トラブルや停滞を避けることなく、活動・変化し続けることを促します。
第8ハウス(室)の双子座・水星は、引き受けることになった豊かさも歴史も、ある意味、「活用しようとする」思考によって、自分自身の役割に納得するのです。
また継承する立場である時期は、移動範囲や活動範囲が制限されますが、後に立場や発言権が強くなることが暗示されます。
伝統や歴史、慣習、習慣に歩み寄りながらも、新しい刺激や変化を取り入れることを忘れず、時代の継承と変容を受け入れることが大切です。
そして近くに居る人ほど、無意識に敏感ですので、嘘や偽りの言葉はトラブルを招きます。
本音を話せる関係性を目指し、自分から対話をする姿勢を見せることが、何より大切です。
以下が、第8ハウス(室)が双子座の場合のキーワードです。
- 言葉
- 対話
- 本音を打ち明ける
- 情報・言葉をツールとして使う・役立てる
- コミュニケーションが幸・災いの元
- 移動の不自由
- 制限されることで生まれる願望・欲求
- 交通事故の暗示
- 外出中の怪我の暗示
- 呼吸器系の怪我・病気の暗示
- 配偶者の財に頼ることができない
- 親族との対話
- 相談役
- 情報提供者
- 高齢者から知恵を授かる
- 資金繰りに頭を働かせる
- 首・耳・喉:言葉によって大切な人を幸せにすることが喜びになる
- 誰のために考え、行動するのかが分かり、自分の能力が引き出される
第8ハウス(室) × 蟹座
第8ハウス(室)と蟹座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは月
- 蟹座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「家系の愛を継承すること」が現象的に表される
- 前の星座(双子座)が第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である蟹座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである蟹座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、蟹座の象意が強調される
蟹座は4番目の星座であり、「感情の重要性」と「他者の心」を知る星座です。
また蟹座は、第1段階目の水星座であり、女性星座、活動宮の星座。
第8ハウス(室)に蟹座が重なることで、家庭や親族と深い繋がりを持とうとします。
蟹座は自分にとっての居場所で、可能な限り安らぎを得ようとするため、献身的に働き、寄り添うように努力するでしょう。
第8ハウス(室)の蟹座、また月が、精神性や無意識的な繋がりに意識を向けさせ、自分の存在意義を配偶者や家族に見出そうとします。
月と蟹座は、第4ハウス(室)・ICと関わりがあり、深層心理や潜在意識に繋がる意識を呼び起こしますので、心の繋がりの変化が大きな変容の鍵となるでしょう。
蟹座は水星座・水のエレメントで、物質的な営みの中に感情の充足感や満足感、安心感を見出そうとします。
それが強引に与えられ、引き受けさせられることであっても、必ず心が報われることを知っているため、大切な人のために献身的になれるのです。
ただ第8ハウス(室)はコントロールできない、不可逆的な象意や流れを持ちますから、何でも引き受け、自己主張を控えていると、主体性が失われてしまいます。
特に月は、受容的過ぎることで、太陽の獲得を阻害しかねませんので、配偶者や家族から心を乗っ取られないことが大切といえるでしょう。
月は太陽の光を吸収・反射する機能を持っていますので、第8ハウス(室)と蟹座の組み合わせは、先代からの伝統や歴史、慣習を再現することが得意かもしれません。
感情は移ろいやすいものですが、居場所があること、心を尽くす相手が居ることに喜びと感謝の念を抱くことで、月(心)は恩を返すことができるでしょう。
ただ主体性を失い、太陽の獲得を逃すことと、他者のために役割を果たすことが別であることは、しっかりと認識する必要があります。
以下が、第8ハウス(室)が蟹座の場合のキーワードです。
- 心・誠意を尽くすこと
- 感情の綱渡り
- 家族になれる喜び・家族を続けることの喜び
- 本音を打ち明けたい衝動
- 本音を聴かされる役目
- 安心感を得る努力が、与える立場に導く
- 相手に染まる
- 愛情の行き違いと再生
- 家族の在り方を模索する
- 受け身の愛からの脱却
- 愛を真に受けること
- 愛を語ること
- 血と骨に染みついた情念・観念
- 女性の親族からの相続の暗示
- 家族・家系の集団的無意識
- 敏感さと寛容性が家族を助ける力になる
- 胸の病気・疾患の暗示
- 水に関わる事故・怪我の暗示
- 胸:感情は無限に生まれるように、喜びと愛も無限に生まれる
- 意志と愛を引き継ぐことで、内面に生まれる新たな意志と愛に気づき、広める役割
第8ハウス(室) × 獅子座
第8ハウス(室)と獅子座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは太陽
- 獅子座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「他者肯定が豊かさと喜びを生むこと」に気づかせ、創造性を引き出すことを促す
- 前の星座(蟹座)が第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である獅子座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである獅子座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、獅子座の象意が強調される
獅子座は5番目の星座であり、「影響力」と「自己肯定」を司る星座です。
また獅子座は、第2段階目の火星座であり、男性星座、不動(固着)宮の星座。
第8ハウス(室)に獅子座が重なることで、配偶者・パートナーや家族を支えることで、恩恵と豊かさ、喜びが与えられることが暗示されます。
獅子座は太陽を支配星に持ち、第8ハウス(室)と重なるということは、「内助の功」が、結果的に太陽の獲得に繋がることを示しているのです。
第8ハウス(室)の獅子座、また太陽が、「創造性の源」を見出させ、家庭や家系がその源に該当します。
ですから内省的・家庭的・内向的な時間を大切にすればするほど、運と縁と出会うキッカケに自らを導くことができるでしょう。
その導きさえも、他者や先祖への貢献によってもたらされることに気づことが大切です。
第8ハウス(室)と蟹座、第8ハウス(室)と獅子座の組み合わせは、太陽と月が象徴する人間性の還元を示しています。
配偶者・パートナーを得ることで、男性性は父性に至り、女性性は母性に至るからです。
その変容を促す環境が家庭であり、家系ですが、その変容は強制的・閉鎖的な条件によって発動されるでしょう。
この西洋占星術講座のテーマである「自分を認めること」は、他者を認めるためでもあります。
拡大解釈をすれば、「すべてを肯定すること」が悟りといえるのかもしれませんが、私たちはまず足元を見ることから始めるべきです。
第8ハウス(室)の獅子座は、家庭と家系を自分の活躍する場所として認める時、恩恵と豊かさ、喜びを与えられるでしょう。
以下が、第8ハウス(室)が獅子座の場合のキーワードです。
- 客体の中で主体性を発揮する
- 居場所とは休息と活躍の場である
- 生命の源に触れること
- 配偶者からもたらされる豊かさ
- 居場所を大切にすること
- 家庭・家に光をもたらすこと(意識)
- 変容を求めていることに気づく
- 遺産を授かる立場
- 応援・支援される喜びを知る
- 死を肯定すること
- 生と死はどちらも始まりと終わりを意味する
- 家族を持つ喜び
- 配偶者・パートナーに愛される喜び
- 家系に歓迎される喜び
- 循環器系の病気・疾患の暗示
- 家族とのレジャー・思い出
- 不意の事故の暗示
- 目・背中:苦しみさえも喜びに変える豊かな生命力に気づくこと
- 目に映るもの以上の豊かさが変容を促す
第8ハウス(室) × 乙女座
第8ハウス(室)と乙女座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは水星
- 乙女座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「献身が報われる努力」を促し、自分の在り方を崩すことを求める
- 前の星座(獅子座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である乙女座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである乙女座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、乙女座の象意が強調される
乙女座は6番目の星座であり、「堅実性」と「繊細さ」の星座です。
また乙女座は、第2段階目の土星座であり、女性星座、柔軟宮の星座。
第8ハウス(室)に乙女座が重なることで、「献身」と「義務感」が強まります。
配偶者・パートナー、相手の家族が他人だからこそ、頑張れることがありますし、自分自身を律することで、受け入れられることを知っている星座が、乙女座です。
第8ハウス(室)の乙女座、また水星が「思慮深さ」と「配慮」、そして「完璧さ」を発揮させるでしょう。
成果主義であることや、義務感が強すぎることで、休息を取ったり、力を抜くことが苦手な乙女座は実に働き者といえます。
そこで第8ハウス(室)や冥王星は、この「強迫観念」を変容のキッカケとし、事故や病気、疲労、身内の不幸によって、自身を省みることを促すかもしれません。
何事もバランスが大事ですが、第8ハウス(室)や蠍座、冥王星は極端な象意や現象によって、物事の真理や本質を見出させようとします。
乙女座にとって親密な絆の中に身を投じることは、いわば、自分のライフスタイルを崩される、ということです。
強迫観念的な生き方が、環境と家族によって覆される。
日々の積み重ねが修行にもなれば、矯正にもなり、また力を抜くことや受け取る喜びを得ることに達するでしょう。
以下が、第8ハウス(室)が乙女座の場合のキーワードです。
- 現実的
- 成果主義
- 完璧主義
- 義務的
- 献身
- 配慮
- 繊細
- 強迫観念
- 神経質
- 潔癖
- オーバーワーク
- 慢性疲労
- 目に見えない価値を受け入れること
- 環境に順応し、自らを省みること
- 配偶者・家系に尽くす
- 物質的価値よりも精神的価値を受け継ぐ暗示
- 腹部・消化器系の病気・疾患の暗示
- 腹部・胃腸:妥協ではない深い納得と気づきが、深い絆から喜びを引き出す
- 家系の流れを汲み取り、自分自身を溶け込ませることが大いなる学びとなる
第8ハウス(室) × 天秤座
第8ハウス(室)と天秤座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは金星
- 天秤座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「バランスの喪失」によって新しい価値観と創造性を得ることを促す
- 前の星座(乙女座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である天秤座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである天秤座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、天秤座の象意が強調される
天秤座の7番目の星座であり、「客観性」と「バランス」を体験する星座です。
また天秤座は、第2段階目の風星座であり、男性星座、活動宮の星座。
第8ハウス(室)に天秤座が重なることで、「愛情の深みを知る体験」によって変容を促されるでしょう。
第7ハウス(室)の講座で、「愛は語るよりも体現するもの」という表現をしました。
天秤座の支配星である金星は、愛と喜びの体験を促します。
第8ハウス(室)では、「愛を体験する過程(プロセス)」が言葉や表現ではなく、実感という個人の事実・真実として、愛を体験するのです。
第8ハウス(室)の天秤座、また金星が、「他者である自分」と「家族である自分」の間で葛藤しつつ、家族としての自分が確立されるよう促します。
喜びは苦しみと表裏一体ですから、時間が経てば、あらゆる経験は喜びにもなり、苦しみとして解釈することができるでしょう。
ですが第8ハウス(室)や冥王星は、一過性の、単純で、衝動的な価値観を捨て去るよう働きます。
配偶者・パートナーである自分、家族を持つ自分、子どもを持つ自分、そして家系を背負うことなど、生命に関わるあらゆる要素が喜びに変わることを知る、それが愛の体験です。
以下が、第8ハウス(室)が天秤座の場合のキーワードです。
- 自己主観と自己客観の破壊
- 個人的な美意識の喪失
- 喜びや愛を別の角度から見つめる
- 喜びを動機にする
- 配偶者・家系からの恩恵を得る
- 体裁を守る
- 慣習・習慣を引き継ぐ
- 橋渡しの役割を担う
- 板挟みをもろともしない
- 家族・親族に振り回されない根気強さ
- 客観的な視点を忘れない
- 他者の自分を忘れない
- 愛の体験が変容を促す
- 心地良さを追求する・与える喜び
- 配偶者・家族を持つ喜び
- 腎臓の病気・疾患の暗示
- 苦しみから縁遠い
- 外枠・垣根を上手く渡る
- 世代の違いを調整する
- 腰・ウェスト:背負うことは苦しみではなく、認められる証
- 大きな天秤は1人で釣り合うものではないことを、愛によって知る
第8ハウス(室) × 蠍座
第8ハウス(室)にとって、蠍座はナチュラルサイン。
第8ハウス(室)と蠍座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- 第8ハウス(室)と蠍座は、物質・精神両面で同一の方向性と室を持つ
- カスプルーラーは冥王星
- 蠍座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「精神を成熟させる」ための困難と葛藤を甘んじて引き受けさせる
- 前の星座(天秤座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である蠍座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである蠍座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、蠍座の象意が強調される
蠍座は8番目の星座であり、「秘密」と「変容」を重要視する星座です。
また蠍座は、第2段階目の水星座であり、女性星座、不動(固着)宮の星座。
ナチュラルサインでありながら、逆説的になりますが、蠍座にとって第8ハウス(室)は、居心地の悪さと葛藤によって、変容が加速されるハウスです。
第8ハウス(室)に蠍座が重なることで、「大切な人との変容体験」が強調され、破壊と再生、そして創造の体験が助長されるでしょう。
冥王星はエコヒイキはしませんが、特に生命意志に関わる場面では、容赦の無い働き・作用を見せる天体です。
第8ハウス(室)の蠍座、また冥王星が、「生死」や「性」、「生命の神秘」、「執着」、「願望」に関する根源的な意識を強めます。
蠍座は「特定の」目的や対象が明確であればあるほど、集中力と忍耐力を発揮する星座です。
そのため家族や家系に関する出来事、遺伝や相続、精神的な流れをダイレクトに受け取る役割を担うでしょう。
水星座の中で、蠍座が最も極端で、且つ、現実的に明確な行動を起こし、神秘を夢物語に終わらすことなく、他者にも理解させることができる星座です。
第8ハウス(室)がもたらすような、最も厄介な場面・状況でこそ、冥王星や蠍座の力が発揮されるでしょう。
特に蠍座と第8ハウス(室)の組み合わせは、「自分を介して」、配偶者・パートナーと家族、家系に、生命と生死、性と聖、感情と欲求、執着と願望の大切さを訴えさせます。
第8ハウス(室)が「変容」のハウスである所以は、「自分がすべてではない」という真理を体験させるからです。
その真理は、最も濃密な関係性と環境にて体験される、普遍的でありながら、隠された真実。
対極性を象徴する蠍座は、こういった根源的な意識を、生まれながらに背負っているため、果敢に人生に挑戦し、家族と家系との繋がりを大切にしながら生きていくのです。
以下が、第8ハウス(室)が蠍座の場合のキーワードです。
- 秘密の暴露
- 謎を解き明かす
- 痛みが根治されるまで諦めない
- トラウマの克服
- 家系因縁を引き継ぐ
- あらゆる遺伝・継承に善悪のジャッジを下さない(強さ・優しさ)
- 死生観を磨く
- 肉体と精神を労わる心
- 引き受ける志
- 家族・家庭・居場所を守り抜く強さ
- 沈黙に耐え、沈黙で癒す
- 時間の流れ・生命の流れを大切にする
- 直観的
- 内省的
- 有無を言わさない存在感
- 磨きこと・削ぎ落すこと・愛を深めること
- 癒着
- 泌尿器の病気・疾患の暗示
- 癌・遺伝による病気・疾患の暗示
- 依存・共依存の関係
- 支配し、支配される関係
- 大いなる働きに振り回されながら変容する
- 白黒ハッキリさせる
- 生殖器:煮詰めるほどに愛は成熟し、愛を裏切ることを許さない
- 自我では耐えられない重圧を、見えざる力で克服する強さによって克服する
第8ハウス(室) × 射手座
第8ハウス(室)と射手座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは木星
- 射手座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「生命の流れの中に自分を認めること」を促す
- 前の星座(蠍座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である射手座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである射手座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、射手座の象意が強調される
射手座は9番目の星座であり、「挑戦」と「探究」の星座です。
また射手座は、第3段階目の火星座であり、男性星座、柔軟宮の星座。
第8ウス(室)に射手座が重なることで、家族や家系に「希望」を与える役割を担います。
先代の存在を敬いながら、現状に熱心に取り組み、自分自身の成長も忘れず、バイタリティーの飛んだ生活を送ろうとするのが、射手座です。
「ベネフィック(吉星)」である木星は、社会的な成功と堕落の双方を促しますが、第8ウス(室)や冥王星が用意する環境では、恩恵を得られるためには、相応の時間を要します。
第8ハウス(室)の射手座、また木星が、「家系の資産・財産」をどのように活用すべきかを考えさせ、次世代に繋ぐために学びを深めることを促すでしょう。
射手座は遠方や海外、真理や専門知識といった象意を持つため、多くの可能性と選択肢を家族と家系にもたらすよう努力します。
自分自身の存在と言動が、いかなる形であっても、家族・家系に貢献するように働く、それが射手座の素晴らしい意識。
なぜなら射手座が、次の第9ハウス(室)のナチュラルサインであり、「留まること=腐敗」を嫌い、流れに身を任せることに抗うからです。
もちろん抵抗できない状況も必ず訪れますが、射手座が持つ肯定的で楽観的な視点と意識が、自分自身を駆り立て、大切な人を守り、温めようとするでしょう。
以下が、第8ハウス(室)が射手座の場合のキーワードです。
- 守りと攻め
- 受け入れる素直さと工夫する努力
- 円満な家族団らん
- 家族旅行
- 海外旅行
- 莫大な遺産の相続の暗示
- 経済的な豊かさを築く楽しさと投資する喜び
- 楽観性
- 肯定的な生き様
- 適応能力
- 考えながら行動する
- 時間を無駄にしない
- 知恵を授かる
- 縁に導かれる
- 肝臓の病気・疾患の暗示
- 旅行先での事故・怪我の暗示
- 度量と器量
- 思考停止にならない自由さ
- 自分の喜びを還元する
- 家族を幸せにしようとする純粋さ
- 大腿部:家族や家系、先祖を含めて、人生を楽しむことが変容
- 自分が明るく、肯定的であることは、家族孝行・先祖孝行である
第8ハウス(室) × 山羊座
第8ハウス(室)と山羊座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは土星
- 山羊的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「恩義に応えること」を強く意識させ、安定的な生活を促す
- 前の星座(射手座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である山羊座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである山羊座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、山羊座の象意が強調される
山羊座の10番目の星座であり、物質性の極みを体験し、実利の循環を司る星座です。
また山羊座は第3段階目の土星座であり、女性星座、活動宮の星座。
第8ハウス(室)に山羊座が重なることで、堅実で、浪費を慎む生活を送りながら、先代からの流れを尊重するでしょう。
なぜなら山羊座は「伝統」や「歴史」を重んじ、保守的で現実的な意識を持つ星座だからです。
第8ハウス(室)という物質的な環境を、山羊座という精神的な意識が、安定と維持をもたらす、という構図が分かりやすいのではないでしょうか。
第8ハウス(室)の山羊座、また土星が「縮小」や「圧縮」、「戒律」という縛りの意識を強めます。
山羊座は物質性の完成の役割を担う星座であるため、ある意味、生命の流れという流れを、最も現実的に受け止め、対応することができる、といえるでしょう。
ただ意識が内向的・保守的に偏り過ぎると、視野が狭くなり、可能性を排除する傾向が強まります。
それは排他的で、自らを不自由にすると同時に、周りにも同じ条件を求める、という横暴さにもなるでしょう。
第8ハウス(室)山羊座の変容は、物質的な豊かさと継承に際に生じる「感情の揺れ」です。
12星座の中で最も感情に疎い星座が、山羊座であり、個人の意思によって全体のバランスが崩れることを恐れるのが山羊座。
だからこそ山羊座は、自身の感情の大きな揺れと、近親者からの感情やエネルギーに影響されることで、力を持つことに対する執着が薄れる体験をするでしょう。
山羊座にとって「栄枯盛衰」という諺がもっと適切で、最も受け入れがたいものかもしれません。
ですが歴史は受け継がれていくものです。
また歴史の担い手として、時代と世代が変わろうと、個人の変容と、自分自身の存在と役割を受け入れることが、流れに逆らわないための大切な視点といえます。
以下が、第8ハウス(室)が山羊座の場合のキーワードです。
- 堅実
- 真面目
- ガードが固い
- 世間体を気にする
- 先祖を気にする・尊重する・崇拝する
- 現実主義
- 能力主義
- 役割を明確にする
- 維持・継続・安定
- 家庭を城とし、家族を王族とする意識
- 気休めでは動かない
- 明確な理由を必要とする
- 年功序列
- 支配的な構図
- 世代からの力と立場の継承
- 節約・倹約
- 相続したものを維持する
- 資産を隠す
- 骨・肌の病気・疾患の暗示
- 長期的な病気に悩まされる暗示
- 骨・膝:義務や恩義は必ず果たさなければならない
- 与えられたものは何が何でも守ること、それが自分がすべきこと
第8ハウス(室) × 水瓶座
第8ハウス(室)と水瓶座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは天王星
- 水瓶座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「立場に甘んじることなく個性を発揮すること」、「独特な継承の流れを作ること」を促す
- 前の星座(山羊座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である水瓶座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである水瓶座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、水瓶座の象意が強調される
水瓶座の11番目の星座であり、「疑い」と「理想」を活動力とする星座です。
また水瓶座は、第3段階目の風星座であり、男性星座、不動(固着)宮の星座。
第8ハウス(室)に水瓶座が重なることで、現実的な営み・行動と独創的な思想が対立する暗示があります。
水瓶座は支配や従属的な意識(状態)を嫌い、理屈が通らないことに対しては、決して納得しません。
それを行動的に表しながら、ちゃんとやるべきことをやるのが水瓶座です。
水瓶座の支配星である天王星は、「破壊」を促すわけではなく、不公平さや理に適わない慣習を是正しようと働きかけます。
第8ハウス(室)の水瓶座、また天王星が、「継承すべきもの」を自ら考え、必要であれば、可能なタイミングで断捨離や分別を行うよう促すでしょう。
水瓶座・天王星は、蠍座・冥王星のように、「必要であるか否か」という明確な答えに突き進む意識を持っています。
理想に合わないからといって、引き受け受けることを拒否することはありませんが、必ず「何のために」という動機に着目し、自らの意志で選択しようとするのが水瓶座です。
それが叶わず、不条理さで追い詰められるような場合には、水瓶座は潔く居場所を変えるでしょう。
また天王星の象意である「変革」と冥王星が持つ「後戻りのできない変化」が掛け合わさることで、家族や家系と疎遠になる暗示もあります。
どの道自分の意志を優先しがちな水瓶座は、どこまでも自身の独創性を捨てようとはしません。
そのため第8ハウス(室)は、その頑固さによって自分自身を苦しめていることを気づかせるために、家族や家系との争いを体験させるのかもしれません。
私たちは物理的にいくら距離を取ろうとも、精神的な繋がりから逃れることは不可能です。
距離を取ったとしても、どれほどの確執があろうとも、生命の流れを受け継いでいる限り、帰る手段とタイミングは残されています。
第8ハウス(室)の水瓶座は、自由を欲しながら、逆に不自由さによって自由の尊さを教えられ、また他者との深い交わりと関わりに、いつか喜びを感じられる日を迎えるでしょう。
以下が、第8ハウス(室)が水瓶座の場合のキーワードです。
- 不自由さを教訓とした自由
- 理想
- 独創性
- 迫害・排除を恐れない
- 自分自身を自由にする意志
- 転居
- 距離
- 争い
- 価値観の相違がトラブルの元
- 価値観の変容を求められる暗示
- 愛を普遍的に捉えるからこその優しさ
- 適切な距離と理由
- 当たり前を疑う癖
- 与えられるからといって従うつもりはない
- 引き受けるものを選ぶ賢明さ
- 断捨離
- 風通しを良くする
- 依存しない
- 独立精神
- 住まいを離す・別にする
- 時代に合った暮らしを好む
- 尊重と自己主張の両立
- 突発的な体調不良の暗示
- 原因不明・潜在的な病気・疾患による死の暗示
- 事故や怪我の暗示
- 踝(くるぶし):形にこだわるのではなく、意志を貫くことを重要視する
- 必要最低限の、且つ、重要なものだけを引き継ぐことはわがままではない
第8ハウス(室) × 魚座
第8ハウス(室)と魚座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは海王星
- 魚座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第8ハウス(室)は「現実を信じること」を変容によって獲得することを促す
- 前の星座(水瓶座)が、第8ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である魚座の象意は軽減される
- 第8ハウス(室)のハウスカスプである魚座が広域星座で、次の第9ハウス(室)にまたがっている場合、魚座の象意が強調される
魚座の12番目(最後)の星座であり、「境界線の無い世界」や「真理の世界」に最も近い星座です。
また魚座は、第3段階目の水星座であり、女性星座、柔軟宮の星座。
第8ハウス(室)に魚座が重なることで、できることとできないことがハッキリとし、苦手なことや未体験のことに関して、相応の時間を要するでしょう。
魚座は、表面的にしきたりや慣習を再現することはできても、感情が乗るか乗らないかで、立ち振る舞いに大きな差が出る星座です。
受け継ぐ物事には、重大な理由や歴史がある場合と、形骸化したものがありますが、どちらの場合においても、「型」に頓着を持たないのが魚座。
そのため感情論で物事を決め、トラブルが生じる暗示があります。
第8ハウス(室)の魚座、また海王星が、「曖昧な状態」を改善し、きちんとした環境を作ることを避けますが、第8ハウス(室)と冥王星がそれを許しません。
一方魚座は、精神世界への意識が強い星座であるため、家系への思いれや敬いの気持ちは強く、時間はかかるものの、「家を収める」という偉業を成し遂げるでしょう。
そのためにはやはり、「明確さ」と「堅実さ」を受け入れることで、ある種、「現実を受け入れる」という変容を体験する必要があります。
以下が、第8ハウス(室)が魚座の場合のキーワードです。
- 団らん
- 懐に入る
- 感情的
- 寛容的
- 受容的
- 依存的
- 差し出されるがまま
- 時間をかけて温もりを広げ、深める
- 浸透
- 型を覚えることが苦手
- 繰り返しによる上達
- 現実的に生きることを強いられる
- 配偶・パートナーにすがる
- 心許なさを避ける
- 直感
- 感情の影響
- 集団的無意識の影響
- 理不尽さによって心身のバランスが崩れる
- 現実逃避
- アルコール
- 家を理想郷にするか、家から離れる
- 足先:地に足をつけることの喜びを、家族の存在によって知る
- 授かった恩恵を受け取り、増やし、広めることができる日がきっと来ると信じる
第8ハウスのテーマ性の強弱
第8ハウス(室)のテーマ性がどれくらい強調されているか、については、以下の要素を参考にしてください。
第8ハウス(室)の支配星が位置する場所が、ホロスコープのどの半球にあり、その天体がどのような意識を発揮するのか、ということが重要になります。
- 南半球:第7~12ハウス(室):社会的な自己実現・公の意識
- 北半球:第1~6ハウス(室):個人的な自己表現・個人(私)の意識
- 東半球:第10~3ハウス(室):自分の行動に選択権・決定権を持つ・内的な意識
- 西半球:第4~9ハウス(室):他者との繋がり・他者に評価される意識
各ハウスの支配星は、チャートルーラーや上昇星と比べて影響力は高くはありませんが、それぞれのハウスに置ける影響力は大きいと判断されます。
① ハウスの支配星の天体の状況
第8ハウス(室)の星座の支配星は、ハウスに直接的な影響を与えます。
ホロスコープ全体に、ハウス(室)の星座の支配星がどのテーマ(ハウス)で、どういった環境や条件(星座)で影響を与えるか、ということを意識してください。
② ハウスの支配星の位置する場所
もし第8ハウス(室)の星座の支配星が、第8ハウス(室)に位置していれば、それだけ第8ハウス(室)のテーマが強調されるでしょう。
そうでない場合は、そのハウスのテーマ性が、その星座の特徴が強調されることになります。
③ ハウスのナチュラルサインとの関係性
ハウスにはそれぞれ12つのナチュラルサインがあります。
先ほど「バケツリレー」という表現でお伝えしたように、間接的な力の流れを見るために、ハウスとナチュラルサインを見比べてみましょう。
ハウス自体が強調されていなくても、そのハウスのナチュラルサインが位置するハウスと、その星座に位置する10天体や感受点から、影響力を見出すことができます。
【感受点別】第8ハウス(室)の影響力
ハウスに入る天体は、影響の差はありますが、確実にそのハウスのテーマを強調する存在です。
第8ハウス(室)は、サクシデントのハウスで、このハウスに入る天体・感受点は、現実的な働きや継続的・安定的な影響力を持つでしょう。
ですから第8ハウス(室)に入る感受点を知ることによって、「継承すべきこと」や「引き受けるべきこと」に対する態度や在り方を知ることができます。
第8ハウス(室)は、「生命の連鎖・流れ」に触れ、物質的・精神的な相続・継承を象徴しますので、個人だけの問題ではない、大きな視点で捉える必要があるでしょう。
あなたがご自分の現状や立場、これからの人生の流れを読み解く際に、第8ハウス(室)は「抗えない流れ」や「変容すべき要素」を教えてくれるはずです。
それでは、第8ハウス(室)に入る天体・感受点が持つ影響力を見ていきましょう!
*10天体の順序は、年齢領域の順番で解説しています。
第8ハウス(室) × 月
第8ハウス(室)の月は、「揺らぎ」を重要視します。
月は移ろいやすい心を象徴し、精神的な危機や本能を刺激されることを恐れる傾向が強いです。
ですが第8ハウス(室)の月の場合は、葛藤や対立的な状況、変容に対する欲求を持ちます。
なぜなら第8ハウス(室)は、根源的な精神状態に月を追い込むからです。
そのため心は不安定になり、何もしていない状態が最も苦痛な状態といえるでしょう。
第8ハウス(室)は、月に性的欲求を植え付け、配偶者・パートナーに変化や刺激を求めさせます。
本来なら月は「何もしない心地良さ」を求めますが、冥王星の影響から、危険や生死の感触に「生きている実感」を求めるのです。
ですが心は常に揺らいでいては疲れますし、相対する要素を追い求めることで、精神的な破綻が暗示されます。
肉体的な満足と安心が得られない場合や、配偶者・パートナーの理解が得られない場合は、精神世界にのめり込む恐れもあるかもしれません。
生と死を一直線にするとすれば、月と冥王星は両極にあります。
そのため第8ハウス(室)の月は、いくら変容を体験しようとも、満足を得ることができません。
際限の無い挑戦を追い求めることを控え、身体を動かし、配偶者・パートナーと家族との対話によって、月は地に足がつくといえるでしょう。
第8ハウス(室)の月は、母親や母方の家系からの継承や遺伝を象徴し、男性の場合は妻と妻の母方の家系から強い影響を得る暗示があります。
月は「主体性の無さ」や「非力な自分」をも象徴しますが、「与えられる立場」という意味では、相続や継承を受ける可能性が高いかもしれません。
月は感情の器である心を象徴するため、第8ハウス(室)の月は、自分自身の過去を忘れないだけでなく、家系的な観念から強く影響される暗示もあります。
第8ハウス(室)の月にとって重要なことは、深層心理や潜在意識、家系の精神性に振り回されないように、身体性を整えることです。
変容は決して、心や感情、情念、観念のみで乗り越えられるものではありません。
私たちは身体をもってこそ、人間であり、人生を生きることができるのですから。
第8ハウス(室) × 水星
第8ハウス(室)の水星は、「未知への好奇心」を重要視します。
第8ハウス(室)は深い洞察力や内省を表し、水星は素早さや思考を象徴する天体です。
そのためこの組み合わせは、縦軸と横軸を同時に引っ張るような関係性といえますが、水星の思考力は第8ハウス(室)が持つ求心力に飲み込まれます。
水星が持つ好奇心は、第8ハウス(室)・蠍座・冥王星が象徴する「神秘性」や「謎」、「秘密」などに向けられるでしょう。
第8ハウス(室)の水星は、答えの無い哲学や神秘学、場合によってはオカルトや魔術的な事柄に関心を持つかもしれません。
また第8ハウス(室)の象意には「継承」がありますので、年長者や熟練者から知識を得る暗示もあります。
水星は物質的な物事を整理したり、思考したりすることを得意とする天体。
水星が第8ハウス(室)に位置することによって、内省や熟考を通して、深い洞察力を身につける機会に恵まれるでしょう。
第8ハウス(室)の水星は、相続の縁が薄いといわれていますし、もし資産を受け継ぐことがあっても、長期的な豊かさは期待できません。
第8ハウス(室)の水星は、閉鎖的な環境や状況に追い込まれ、変容を促されることで、ストレスが呼吸器官に表れる暗示があります。
そして水星の象意である「移動」に危険の暗示もありますので、移動の際には時間管理をしっかりとし、余裕を持つことが大切といえるでしょう。
第8ハウス(室)の水星にとって重要なことは、浮足立たないように知識欲を満たし、答えの出ないことで頭の中を満たさないことです。
あらゆる情報や言葉、コミュニケーションも、ゴシップや根拠の無い話をいくら繰り広げたところで、楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、虚しさだけが残るのですから。
第8ハウス(室) × 金星
第8ハウス(室)の金星は、「大切に扱われること」を重要視します。
金星は「調和」という象意を持ちますが、第8ハウス(室)に位置する場合、それはあまり成り立ちません。
なぜなら主体的に調和をもたらそうとしても、配偶者・パートナーや家系からの影響が強く、「与えられること」の割合が大きくなるからです。
これは裏を返すと、「大切に扱われる」ということでもあります。
金星の他の象意として、「愛」と「喜び」がありますので、第8ハウス(室)の金星は「豊かさを引き受ける役目」として、豊かさを享受する幸運な組み合わせといえるでしょう。
ただ第8ハウス(室)は、金星に過度に根源的な欲求を追求させるため、横柄になったり、浪費癖がついたりと、自律や節制を怠ると、後で痛い目を見ることになります。
第8ハウス(室)の金星は、配偶者・パートナーが贅沢好きで、場合によっては浪費家で、金銭くを味わうことになったり、遺産から補填することになることもあるかもしれません。
ですが第8ハウス(室)の金星は、結婚後の生活は円満で、豊かさに恵まれ、家系からも歓迎される暗示があります。
第8ハウス(室)の金星にとって重要なことは、「大切に扱われること」を当たり前と考えず、世間知らずにならないことや、慢心しないこと、感謝の心を忘れないことです。
愛や喜びは、決して独り占めするから嬉しいのではなく、一時的に自分に留め、自分を満たすことができたら、自分以外の他者に還元するからこそ、豊かさは循環します。
第8ハウス(室)・冥王星は、金星に「自惚れによる自滅」を克服する、という重大な課題を与えている、と考えると、人生は大変奥深いものだと感じられますね。
第8ハウス(室) × 太陽
第8ハウス(室)の太陽は、「深みを持つこと」を重要視します。
太陽の状況は、星座とハウスの両方を見る必要があり、そのどちらも支配星の影響も合わせて見なくてはいけません。
なぜなら太陽は「主体性」を表し、生命力を積極的に表現することもあれば、受容的に、存在的に発揮することもあるからです。
第8ハウス(室)の太陽の場合、「引き受けること」や「洞察力」、「遺伝による才能・能力」によって主体性が発揮されます。
第8ハウス(室)は、死後の世界の扉や先祖との繋がりと繋がっていますから、太陽は「深み」や「奥行き」のある性質を帯びている、と考えると分かりやすいはずです。
第8ハウス(室)の太陽は、継承した能力や才能を活かせる機会と場面を求め、日夜学び、日々アンテナを立て、いざという時に力を解放します。
こういった性質・気質は、月や海王星に見られるのですが、第8ハウス(室)に位置する時の太陽もまた、「人生のテーマ」や「ライフワーク」として発揮されるのです。
そのため主体的・積極的に、「自らを明け渡す」という意識が強まり、第8ハウス(室)の太陽は「自分の力以外の働き」によって人生を大きく左右されるでしょう。
太陽が位置するハウスは、そのハウスのテーマが強調されますので、第8ハウス(室)の太陽は、大きな相続を受ける暗示があります。
特に裕福な配偶者・パートナーと一緒になったり、家系から豊かさを享受することもあるかもしれません。
ただ第8ハウス(室)・冥王星は、「大きな変容」を与えますので、太陽の場合、持ち前のバイタリティーが損なわれる時が訪れる暗示があります。
大きな怪我や大病、生活習慣病、遺伝による病気・疾患には注意が必要です。
第8ハウス(室)の太陽の配偶者・パートナーは、自身の鏡の如く、浪費家や贅沢好きな性格を持つ暗示があります。
太陽は物質・精神の両方を照らす天体ですので、結婚後の生活やパートナーシップにおいては、喜びをベースに生きることができるでしょう。
ですが過激な運命論者や神秘主義者、オカルティストになったり、妄想的になったり、地に足がつかなくなったり、現実を否定し、現実逃避をしないように注意が必要です。
第8ハウス(室)の太陽にとって重要なことは、「変容を生き抜くこと」であり、未知や謎、秘密に飲み込まれないことといえるでしょう。
光が強いところには、必ず同じだけの闇が生まれます。
そして第8ハウス(室)・冥王星は、光と闇を逆転させることもあり、太陽の獲得が失われないように注意が必要なのです。
第8ハウス(室) × 火星
第8ハウス(室)の火星は、「動機」を重要視します。
火星は元々蠍座の支配星で、現在は副支配星として考えられているため、蠍座と関わりがある場合は、双方のエネルギーや作用が強調される、と考えるのが自然です。
火星は衝動や情熱、行動力、感情の発散、闘争心などを表す天体。
第8ハウス(室)の火星は、大切なもののために身をていする覚悟を持ち、活発に動き、目的を達成しようとするでしょう。
先ほどもお伝えしたように、火星は蠍座と関連性を持ち、第8ハウス(室)に火星が位置することは、冥王星のサポートを得ることでもあります。
ですから第8ハウス(室)の火星は、実力や運だけでは達成し得ない、偉業を成し遂げる可能性を秘めているといえるでしょう。
ただそれは「タイミング」と「自制心」、「先見の明」があってこそです。
火星は「我慢」と「待つこと」が克服すべき学び。
第8ハウス(室)に位置することで、「我慢」と「闘争心」が対立し、不完全燃焼や不満足が生まれる時、自滅的・自己破壊的な行動に出る恐れがあります。
第8ハウス(室)は「時間をかけること」や「価値を長くもたせること」という意味合いを持つため、火星は「時間の解決」という大変大きな学びに挑むことになるでしょう。
第8ハウス(室)の火星は、配偶者・パートナーのみならず、親族や近親者とのトラブルが暗示されます。
火星は「マレフィック(凶星)」と呼ばれ、星回りとしても「損な役回り」の代名詞といえるかもしれません。
そのため相続に関しても、スムーズに決着しない場合もあれば、「損して得を取れ」のように、幸運の女神が後になって応援してくれることもあるでしょう。
第8ハウス(室)を吉凶だけで判断することが難しいため、長い期間を視野に入れて、短期的・衝動的にならないことが大事です。
第8ハウス(室)の火星にとって重要なことは、「価値観の違いを認めること」であり、自分自身が相手と異なることを「許すこと」でもあります。
火星は様々なことに期待し、挑戦し、没頭する強大な力を秘めた天体です。
第8ハウス(室)が象徴する「変容」によって、自制心に目覚め、長期的な展望を持つことで、状況を把握し、自分を活かす方法を探る必要があります。
この気づきによって、火星の変容は昇華され、自分以外の人との争いや距離さえも克服し、受け入れられる自分を創っていくことができるはずです。
第8ハウス(室) × 木星
第8ハウス(室)の木星は、「発展」を重要視します。
社会天体である木星は、社会的・物質的・精神的な成長と発展を促す天体です。
また木星は、金星と同様に、「ベネフィック(吉星)」ですから、自然体でありながら恩恵に恵まれる暗示があります。
第8ハウス(室)の木星は、内外問わず「人脈」に恵まれ、また自身の努力と好奇心、情熱によって発展性が期待できるでしょう。
それは「継承」や「相続」にも適用され、金星同様に、配偶や・パートナーとその家系からの援助と恩恵を得られる暗示があります。
ただ木星は楽観主義者でもあり、悠長に構えたり、自己中心的になるところがあるため、他者の気持ちを汲み取る努力が必要です。
第8ハウス(室)・冥王星は、木星の「余裕」に水を差す形で、「自分を見失う体験」を経て、安定と変化のバランスを取るように促すでしょう。
木星が支配する射手座・第9ハウス(室)は、蠍座・第8ハウス(室)の次の成長段階ですから、精神世界や生死、根源的な欲求に関する研究によって、人生に深みが増します。
人生には思想や哲学が必要ですし、他者に対する影響力の下支えになる重要な教養・素よ宇に成り得るはずです。
「恩を返す」ということは、必ずしも当事者に返すことができない場合もあります。
ですから自分が得た恩恵や豊かさは、社会的・間接的に他者に与えようとする意識が大切です。
第8ハウス(室)の木星にとって重要なことは、「有難みにあぐらをかかないこと」であり、豊かさの循環を塞き止めないことといえるでしょう。
生命の流れや連鎖は、引き継がれることによって成り立ちます。
自身の星回りと豊かさは、どのような形・タイミングであっても、必ず手放す必要があり、その意識を持って、私たちは執着から離れることができるのですから。
第8ハウス(室) × 土星
第8ハウス(室)の土星は、「自己憐憫(じこれんびん)に陥らないこと」を課題とします。
自己憐憫とは、被害者意識に繋がる、「自分を可哀想と思い込むこと」やその思い癖という意味です。
土星は「制限」や「縮小」といった象意があり、火星よりも「マレフィック(凶星)」としての意味合いが強調されます。
土星・山羊座は、物質性の完成の役割を与えられているため、それだけ自分自身を戒める意識が強いのです。
第8ハウス(室)の土星は、「深い間柄に危険がある」という不憫な暗示があります。
それは配偶者・パートナーとの金銭的・経済的な面倒事であったり、負の遺産や借金として表れる恐れがあり、「保証」や「信頼関係」が非常に重要です。
また土星は「責任」の星でもありますので、「身に降りかかる火の粉」を引き受けることが要求されます。
第8ハウス(室)・冥王星は、土星の役回りを徹底させるため、結婚生活や家系との関わりに、大きな障害がもたらされるかもしれません。
第8ハウス(室)の土星にとって重要なことは、「大きな期待をしないこと」です。
これは決して、「希望は持つべきではない」ということではありません。
土星の性質・気質を踏まえると、自分以外に責任を任せることは危険を招くだけであり、最善のタイミングを見計らうことが、最大の防衛策になるからです。
第8ハウス(室)はあくまで「逃げられない状況」や「耐えがたい変容」を表します。
希望を捨てず、自分を信じ続け、無謀な期待と賭けはしないことを自分と約束し続ける。
どれだけ時間がかかっても、この自分との約束が、自滅の道を避け、実りのある人生に至るための最善策なのです。
第8ハウス(室) × 天王星
第8ハウス(室)の天王星は、「温故知新」をテーマにします。
天王星は「革命」や「転換」といった象意を持つと同時に、従属意識や支配からの解放を促す天体です。
また天王星は自立心を促し、障害となるものから距離を取り、場合によっては「別離」を選択することもあるでしょう。
第8ハウス(室)が示す「継承」という意味では、天王星とは相性が良いとはいえません。
そのため第8ハウス(室)の天王星は、窮屈さと個性の干渉、自由の剥奪などに対して、強い反抗心や反発を持ちます。
心理的な距離でなんとかなる限りは、大きく行動に出ることはありませんが、「飲み込まれる」ような変容や関係性に対しては、物理的な距離を取ろうとするのが天王星です。
第8ハウス(室)の天王星は、「突発的なトラブル」とともに、「致命的な確執」を招きやすい暗示があります。
そのため逃げ道や、パイプ役となる人を用意するなどの「安全策」を設けるなどして、不要な争いを避けることが得策です。
とはいえ、身の危険や精神のアンバランスの原因となる場合は、きちんと自己主張をし、論理的に説明をし、相手の出方を見て対処することで、「既成事実」を作ることができます。
天王星は論理性も司りますので、単なる「破壊」を望まず、できれば平和的解決を望みますので、自分の身は自分で守ることを鉄則とすべきかもしれません。
第8ハウス(室)の天王星は、偏った嗜好や人脈によって、平静さを失ってしまう暗示があります。
第8ハウス(室)・冥王星は、深淵なる精神世界に誘いますし、天王星は「宇宙意識」に促す働きがありますので、楽しめる分には問題はありません。
ですが楽しみが現実逃避に置き換わり、他者批判や差別意識に発展しないように注意が必要といえるでしょう。
冥王星は重大な問題があればあるほど、その問題に迷い込み、そこから脱することを要求しするからです。
天王星・水瓶座は一般的に、変わり者や風変わりな印象を与えるといわれ、その証拠ではありませんが、両親からではなく、祖父母からの影響を強く引き継ぐといわれています。
歴史や伝統を否定しないながらも、尊厳を奪う相手には容赦をしない、というのが第8ハウス(室)の天王星の特徴といえるでしょう。
ですから「価値観を植え付ける」という意味で、第8ハウス(室)の天王星は、両親よりも祖父母に好意的な意識を持つのかもしれません。
第8ハウス(室)の天王星にとって重要なことは、「我慢のための安全策を用意すること」です。
どうしても「突発的なトラブル」や「身に覚えのない危険」に見舞われる恐れがあるのが第8ハウス(室)の天王星。
そのため自分の自由と人生を守るためには、先回りして対策を練ったり、賢明さに磨きを描けることが得策といえます。
最悪な結果ばかりを考えるのではなく、あくまで「自由」や「理想」を動機・目的とすることで、私たちは目の前の現実を受け入れることができるのですから。
第8ハウス(室) × 海王星
第8ハウス(室)の海王星は、「自分以外の意識に惑わされないこと」を学びとします。
海王星は「曖昧さ」や「境目の無い状態」を象徴し、共感や感情移入、変性意識などの特殊な感応の才能をもたらす天体です。
海王星は、非現実的な状態に引き込む働きを持ち、第8ハウス(室)との組み合わせは、地に足がつかない以上に、自らの意識を明け渡す危険性さえもはらんでいます。
月と海王星、そして冥王星は、ハウスのグループの垣根を超えて、心や深層心理、潜在意識、精神性を司る天体です。
海王星と第8ハウス(室)・冥王星の掛け合わせは、「自分の意識に執着すること」を止めさせるような暗示を持ちます。
これまでのハウスの講座で、自我の誕生から、自己主観と自己客観を経て、自己認識に発達する、という成長段階を説明しました。
ですが海王星と冥王星は、年齢領域に当てはめても、限りになる死の世界に近く、現実性・物質性からかけ離れた意識を象徴しています。
そのため第8ハウス(室)の海王星は、再度「自我意識」に戻り、与えられた人生を再確認する必要があるといえるでしょう。
なぜなら海王星は魚座を支配し、魚座は第12ハウス(室)のナチュラルサインであり、ハウスの最終段階だからです。
ハウスは一巡し、再び第1ハウス(室)・アセンダント(ASC/AC)に触れようとします。
実際のところ生命はループはしませんが、流れとしては、意識は成長し続ける、ということです。
海王星は金銭や物質的な執着が薄く、相続に関してもあまり良い暗示は見受けられません。
それどころか普段の金銭感覚や生活態度によって、家系的なトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
不吉なことばかりを並べているようですが、海王星は直感や感受性、共感性という類い稀な能力・才能を与える天体です。
そのため特殊な仕事や人脈によって、能力・才能を活かせる機会があることを忘れてはいけません。
第8ハウス(室)の海王星は、その特性によって、存在し、生きている時点で、継承自体を完了していることを示しています。
だからこそ冥王星は、地に足をつける努力を要求し、自分の意識を手放さないことを要求するのです。
第8ハウス(室)の海王星にとって重要なことは、「自分の領域を守ること」であり、物質世界では「分離の体験」を成就させることが学びであり、存在の前提といえるでしょう。
ですから自分自身の存在意義は、決して他者や外側に求めてはいけません。
冥王星が促す「変容」は、必ず自分の内面で起こり、自分の手(意志)によって昇華すべきなのです。
第8ハウス(室) × 冥王星
第8ハウス(室)の冥王星は、「支配欲に屈しないこと」が大きなテーマです。
冥王星は第8ハウス(室)に最もダイレクトに、また強烈に影響を与えます。
冥王星は第8ハウス(室)の象意の通り、「破壊と再生」による変容と、根源的な意識と欲求、執着と欲望、そして支配欲を司る天体です。
また冥王星は蠍座の支配星であり、第8ハウス(室)のナチュラルサインであることから、生死に関する出来事によって、人生が大きく変わる暗示があります。
第8ハウス(室)の冥王星は、冥界・精神世界からの導きという名の強制力によって、コントロールできない、避けようがない心身の乖離を体験するかもしれません。
冥王星は「極端さ」や「対極性」の働きを持つため、内面に根差す葛藤が、自分にとって大切な・身近な人との関係性において、引き起こされます。
特に両親や親族の死をキッカケに、深く長い内省や変容を強いられ、逃げ場のない状況から、無価値観や虚しさを引きずる場合もあるかもしれません。
その反動・反作用、もしくは、恩恵の継承として、莫大な財産を引き継ぐ暗示もあります。
なぜ第8ハウス(室)の冥王星が「支配欲に屈しないこと」がテーマであるかといいますと、自分以外の大きな力と、力を手にした時の自分が同じ力だからです。
その力とは、他者を簡単に誘導し、支配し得るほどの、物質的(経済的)・精神的(心理的)な影響力と表現できるでしょうか。
「看守と囚人」という役割を与えられた一般市民が、時間を経る毎に、役になり切ってしまう、という人間の支配欲と変身願望、そして無力さを証明した実験があります。
極限の状態・状況に陥った時ほど、私たちは判断力を失い、自滅行動に走るか、はたまた、他者をコントロールしたり、攻撃したりと、極端な行動を取る恐れがあるのが人間の性。
第8ハウス(室)の冥王星は、継承や遺伝に加え、自身の意識があたかも「乗っ取られる」かの如く、変貌する時に、多大な危険性と暴力性が生まれます。
冥王星は有無を言わせない、後戻りのできない、天地をひっくり返すような強制力で変容を強いる天体です。
変容を昇華するためには、常に「自分が何者であるか」という理性と、「自分の(人生の)可能性を諦めない」という感情が必要不可欠。
第8ハウス(室)の冥王星にとって重要なことは、「コントロールできないことからといって放置しない」という自律と自制の心です。
冥王星は土星以上に、忍耐と希望を捨てない意志を要求します。
海王星以上に不吉で、怖い印象を与える表現を並べましたが、それほどに冥王星は強烈で、根源的な働きを現実面・精神面で引き起こすのです。
第8ハウス(室) × ドラゴンヘッド
第8ハウス(室)のドラゴンヘッドは、「受け継いだ能力・才能を発揮すること」がテーマです。
ドラゴンヘッドは、人生の方向性を意味し、また人生の全体の流れが向かう学びを表します。
第8ハウス(室)のドラゴンヘッドは、「先祖の意志」を見出すことが重要です。
ドラゴンヘッドが位置するハウスは、「人生の重要な指針」であり、「学び」と「気づき」、そして「思いもしない出会い」が用意されています。
ドラゴンヘッドにとって、第8ハウス(室)は「(現在から見た)過去」と「現在(という未来)」を繋ぐ意識に焦点が当たるハウスです。
それは自分自身を中心に、過去と未来を一直線上に捉えるのではなく、「すべては自分の中にある」という意識。
あなたに受け継がれた能力や才能は、もしかしたら先祖が発揮し切れなかった資質・素質かもしれません。
先祖供養が重要視される理由は、先祖の存念や観念を、「今、この時代」に継承しているあなたが、能力と才能の発揮によって昇華されるからです。
そして先祖への敬いの心と感謝の念を、人生の方向性に含めるとともに、自分の人生を認め、太陽を獲得することが、「時間と空間」からの解放になります。
そのため物質欲や支配欲の克服が、変容の大きな鍵となるでしょう。
人生の方向性は、成長の過程(プロセス)であり、結果ではありません。
ドラゴンヘッドは、逆流に立ち向かうような姿勢が要求されますが、確実に身になり、喜びと可能性を見出すことができます。
第8ハウス(室)のドラゴンヘッドにとって重要なことは、「先祖の存在を認めること」です。
受け継ぐことは、物質的な観念として、必ずしも恩恵や豊かさとは限りません。
損得勘定や善悪の判断を超えて、「すべてを背負う」という覚悟と意志を見出すことによって、あなたの太陽は、より輝きを増すことでしょう。
第8ハウス(室) × バーテックス
バーテックスは「世界(人生)との約束」であり、自分という存在に与えられた役割や性質を発揮する、というある種、「義務に対する誠実さ」を問う感受点です。
第8ハウス(室)のバーテックスは、「受け継ぐ勇気」を学びとします。
バーテックスは、他者から義務を果たすことを求められるとともに、個性や純粋性、才能や能力の発揮を引き出す感受点です。
バーテックスにとって第8ハウス(室)は、大いなる働きを受け止め、内面で昇華するという偉業ともいえます。
なぜなら「自分とは何か」という命題に対して、私たちは「自我」という小さな意識を大きく変容させるべく、「先祖の力」を借りる必要があるからです。
これは私たちの自由意志や意図が敵わない、真理の範疇であるため、答えは「受け入れること」の一択しかありません。
ところが私たちは、体験したことや目にしたことしか信用できず、なかなか精神世界の断りを納得して受け入れることができない、という自覚を持っています。
その自覚さえも、認めるためには時間が必要かもしれません。
ですが私たちの無意識には、先祖との繋がりが隠されています。
第8ハウス(室)・蠍座は、「隠されたものを見出す」という象意がありますので、第8ハウス(室)のバーテックスは、隠された絆と繋がりを受け入れることが学びとなるのです。
そして受け入れた暁には、目を開けて、ただ存在するだけで、先祖に祝福され、導かれる人生の流れが待っています。
それはあなたの勇気に対する称賛であると同時に、宇宙や冥王星からのご褒美といえるでしょう。
ですから勇気を持つことは喜びを生むことである、という意識を持ってください。
第8ハウス(室) × パート・オブ・フォーチュン
パート・オブ・フォーチュンは、自分自身と、他者・世界との豊かさの交差点、または幸運の鍵のようなものであり、可能性の在りかです。
第8ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、「生まれつき用意された導きを受け入れること」がポイント。
パート・オブ・フォーチュンは「幸運の在りか」ですから、特別な他者との関係性の構築の過程(プロセス)に、縁とチャンスが用意されていることを暗示しています。
幸運は、一見すると、「苦手なこと」や「怖いこと」のように見えるかもしれません。
特に第8ハウス(室)は、「未知」や「秘密」、「根源的な欲求」を表しますから、幸運が恐怖心という着ぐるみを被っていることもあるのです。
ですから「継承」や「遺伝」、「引き受けること」に対して、心をオープンにしてください。
第8ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、恵まれた才能や能力の継承や、豊かな資産の相続を暗示します。
甘えや強欲、損得勘定からではなく、「存在が祝福されている」という意識に立って、豊かさと喜びを循環させる意志を持つことが大変重要です。
第8ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、単にあなただけを豊かにし、幸せに導く幸せの鍵ではありません。
あなたに恩恵を託した先祖がいるように、あなたもまた、豊かさを享受する人のために、人生を真摯に生きることが、結果的に次世代の子孫や他者を導くことになるのですから。
【まとめ】第8ハウス(室)は抗うことができない変容のハウス!
今回は第8ハウス(室)について解説させていただきました。
第8ハウス(室)は、成長の流れからいいますと、社会性の流れに乗りながら、家庭という家系や先祖と繋がる、内省的な段階です。
内省といえば、第8ハウス(室)のナチュラルサインである蠍座、タロットでいえば「隠者」と「塔」のカードを想起させます。
自分以外の存在から受ける影響を受け、内省を深めることで、「変容」が否応なく起こり、その過程(プロセス)において、大きな気づきを得る場が、第8ハウス(室)です。
第8ハウス(室)と冥王星は、第4ハウス(室)と月、そして第12ハウス(室)と海王星において、精神性の深みと広がりを体験させます。
これはアングル・サクシデント・カデントの異なるハウスの組み合わせであり、心と精神の変容の完成の三角形といえるでしょう。
第8ハウス(室)はあなたに、「自分は何者であるか」という根源的な問いかけを迫り、現実的で、逃れられない状況にあなたを変容に追いやるでしょう。
「追いやる」という意味では、「引き継ぐこと」や「引き受けること」、そして「継承」の象意が強制的であることが分かります。
私たちが深く他者と交わる時、それは一過性でも気分でもなく、人生に他者との実際的な営みと、家系の歴史を引き入れることがセットである、といっても過言ではありません。
なぜなら私たち個人には、「生命という神秘性」が、何世代にも渡って引き継がれて来たからです。
あなたがご自分を認めるようと、内面に向き合う時、その姿勢と意識は、必ず周りにも伝播します。
またあなたの現状が、「変容」を促しているタイミングであれば、あなたの背後に存在する精神的な存在としての先祖が、あなたを導いてくれるでしょう。
第8ハウス(室)は「変容」の段階であると同時に、「自我や自己に執着しない強さ」を与えるハウスです。
変容は時間がかかり、八方塞がりの状況をもたらしますが、決して終わりのないマラソンではありません。
大切なものほど、時間と手間をかけるべきであり、その努力と誠意は必ず報われること、そしてあなたには変容を超えた「両愛の精神」が求められています。
両愛とは、自己愛ではなく自愛を、自分本位ではなく他愛の両方を体験した、全体性の意識です。
言い換えるなら、「無条件・無償の愛」となるでしょうか。
ハウスが象徴するように、私たちの成長は「向上の道」です。
本来なら私たちは、体験したことしか語ることができず、だからこそ体験によって、大きな豊かさが約束されている、ともいえます。
だからこそ、「愛は語るものではない」のですね。
抗えない流れ、どこにも逃げられない受難、変容が与えられるということは、私たちは成長が期待されているということ。
そして成長の先には更なる成長が待っていて、私たちはいつでも、過程(プロセス)において沢山の恩恵と気づきを得ることになります。
第8ハウス(室)は「変容」という恩恵を得て、生命や生死、性愛、継承といった偉業の数々を体験させるハウスです。
これらの経験があるからこそ、その後の成長において、自己理解と自己肯定はもちろん、自己実現と他者貢献が達成されていくでしょう。
ホロスコープリーディングは、時間をかければかけるほど、多くの気づきとヒントを与えてくれますので、是非このまま講座を読み進めてくださいね!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、次回の「第9ハウス(室)」の講座でお会いしましょう!
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