「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!復習になりますが、ホロスコープは、「特定の瞬間の宇宙の時空間」を切り取り、平面に描写したものです。
これを「魂のブループリント(青写真)」と読んだり、宇宙からのメッセージと受け取ることができます。ホロスコープを読み解く上で重要となるものは、これまで解説してきました、惑星 / 小惑星・星座とハウスです。
ハウスの解説をする前に、「感受点」を説明させていただきます。今回の講座は「仮想点ダークムーン・リリス」です。前回の講座では、月の遠地点である、感受点ブラックムーン・リリスを「闇」、「満たされない月(心)」と解説しました。
実際の月を「白き月」、感受点ブラックムーン・リリスを「黒き月」という対比をお伝えできたかと思います。また月は「多重構造」を持つ天体である、ともお伝えしましたね。
今回解説させていただく仮想点ダークムーン・リリスは、心の「葛藤」や「矛盾」を意味します。言い換えるなら、「月の幻」や「幽霊の月」となるでしょうか。
感受点の中で、仮想点ダークムーン・リリスは最も不可解で、且つ、要領を得ないポイントかもしれません。「仮想」と呼ぶくらいですから、月は複雑な機能と役割が与えられています。
月は地球の衛星であるとともに、物質世界の中に精神性をもたらす最も身近な天体です。仮想点ダークムーン・リリスは、地球と感受点ブラックムーン・リリスの中間にあると想定されています。
「想定」や「憶測」とは、目に見える形で観測はできないけれど、影響があると思われる際に使われる言葉です。仮想点ダークムーン・リリスは、そういった曖昧だけれど、ジワジワと影響を持つ心の影といえるでしょう。
表現を変えると、仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と精神性の狭間に存在する、いわば「行き場の無い絶望」といえるでしょうか。感受点ブラックムーン・リリスを「闇」と表現した理由は、それ以上染まることも、影響を受けることも無い世界。
それに対して仮想点ダークムーン・リリスは、「物質的な世界で生まれることもできず、かといって精神世界に存在することができない心の表れ」です。
あなたは仮想点ダークムーン・リリスを知ることによって、物質性を伴うこと(現実を生きること)がいかに偉大なことであるかを知っていただけるでしょう。
今回講座は、月が象徴する心の奥深さを知っていただくとともに、「自分のありのままを認める」ためのヒントになるはずです。それでは今回も、最後までお付き合いください!
感受点とは
感受点とは、ホロスコープ上に示される重要な位置(ポイント) です。感受点に、以下のようなものを意味します。
- 太陽系10天体・小惑星
- 点星点(アセンダント・MC・ディセンダント・IC) / ハウスカスプ
- ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル、バーテックス・アンチバーテックス
- パート・オブ・フォーチューン、パート・オブ・スピリット
- ダークムーンリリス
- トゥルーブラックムーンリリス・ミーンブラックムーンリリス etc
感受点は、「時間と空間を指定することで移動し、また特定されるポイント」ということです。ホロスコープを構成するあらゆる要素は、時間が経てばそれぞれ動きます。これは私たちの日常と全く同じですし、至極当たり前の現象ですね。
実は、太陽系10天体や小惑星も感受点です。惑星や小惑星の講座で感受点という言葉を使わなかった理由は、ホロスコープのシステムに関わる用語によって混乱したり、難しさを感じていただきたくなかったから。
今回解説させていただく「仮想点ダークムーン・リリス」は、「心の葛藤」であり、「行き場の無い絶望」、「物質性と精神性の狭間に漂う幻」を意味します。
少し不思議な表現になりますが、形を伴って生まれることは、ある意味、痛みや苦しみの体験が始まりです。四苦八苦や諸行無常という言葉があるように、私たちは物質性を手に入れては、朽ちていく姿を見送る体験を数えきれないほど積み重ねてきました。
仮想点ダークムーン・リリスは、逆に、「生まれることもできない苦しみや痛み」を象徴しています。この世に生まれて来たことは、肯定的に見れば名誉かもしれませんし、否定的に捉えるなら、苦行と言えなくもありません。
私たちに宿っている心は、物質性と精神性を繋ぐ世界です。物質的な時間と空間に触れている限り、あらゆる感情が生まれ、私たちは感情の扱いに苦労しますし、人生をかけて心を磨いていきます。
天体としての月(白き月)は、現実に反応する心を意味し、月の遠地点の月(黒き月)は、個人の心の領域の底(闇)です。月は太陽の光を受け止め、吸収し、闇の世界にエネルギーを送り込む触媒としての機能を持っています。
そうした形が徐々に無くなっていく過程で、「存在の危うい心の状態」を表しているのが仮想点ダークムーン・リリスです。ですから仮想点ダークムーン・リリスは、「幻」や「幽霊」という風に表現することができるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスは、ドラゴンヘッド / テイルのように、計算上のポイントで、実在されないだけでなく、当事者本人にしか自覚することができません。
あなたにとって感情とは、どのような存在でしょうか?目に見えず、かといって、無視することができない感情。感情を幽霊と呼ぶ人がいても、それほどおかしくはないのかもしれません。
仮想点ダークムーン・リリスは、別名「ゴーストムーン」と呼ばれています。
幽霊的な存在である感情の残像や存念、観念が巣食う特異点があるとすれば、それは物質性を象徴する地球と、心の奥底の闇である感受点ブラックムーン・リリスの間に見出される仮想点なのです。
仮想点ダークムーン・リリスは、あなたの心に波風を立てるほどの衝動や凶暴性、攻撃性を発揮する葛藤や矛盾と表します。
- 形を得たい
- 生まれ出たい
- 満たされたい
などという強烈な欲望が、地球と月の遠地点の間に隠れているのです。占星術において月は、最も身近でありながら生涯をかけて謎に包まれた天体。私達を地球に繋ぎ止める役目を果たすとともに、物質世界に私たちを閉じ込め心の複雑さを体験させもします。
私たちは肉体が衰えても、心は相変わらず衰えることはありません。そして私たちは闇の世界から生まれ、光の世界を体験し、再度闇の世界へと戻っていくことが定められています。
一般的に「闇」は、恐れられるべき対象ですが全てを生み出す根源の世界です。仮想点ダークムーン・リリスは、地球に生まれることができないだけでなく、闇に還ることが許されない心。
「救いがたい心」さえも認めることで、あなたの月を受け止めることができます。占星術では、自然現象や法則性に「何らかの意味」を見出し、名前や象徴を見出し、物質世界と精神世界の交わりを解明しようとする学問です。
この西洋占星術講座では、天体別解説を月から始めさせていただきました。月の講座でお伝えしたように、月は私たちの心や深層心理、幼少期の世界観(価値観)を司り、私たちは一生をかけて月と向き合い続けていきます。
月は謎多き天体(衛星)で、太陽とともに地球に住む私たちに、日常的な影響を与え、私たちが自分の感情と向き合う時、必ず月の影響を知る必要が出てくるはずです。
これまで太陽系10天体と5つの小惑星や、感受点について解説してきましたが、ここにきて再度月の世界に戻ってきました。
なぜ仮想点ダークムーン・リリスを、月や小惑星・リリスと別に解説したのか、といいますと、「月の多重構造」を段階的に知っていただくためです。
月は地球の衛星で、私たちに豊かさと飢え、願望と欠乏の両方を映し出してくれる天体。これまで様々な天体と感受点を解説してきましたが、月をコントロールすることは、実質不可能といえます。
月は「心」の表れであり、深層心理や潜在意識の世界、またその奥の精神世界や黄泉の世界に通じる領域。私たちは地球(地)に根差し、生涯をかけて、太陽の自分を育てながら、月を満たし続けていきます。
もし私たちが幼少の頃の、「与えられる世界」に留まることを選び続けるとすれば、本来の月の願望は満たされることはないでしょう。
月は時間の止まった世界です。そして地球と月の遠地点の狭間で、幽霊のような月が漂っています。先ほど感情が幽霊と呼んでもおかしくはない、とお伝えしましたが、どのような感情も認められることを望んでいることを知ってください。
認めることは、存在を受け入れ付き合い続けていくことを決める、ということです。私たちは、肉体と心から逃げることができません。太陽系の星々が太陽を中心に周るように、また月が地球の周りを周るように、心は私たちの生命(魂)に付き添う存在です。
ですから心と上手く付き合うためには
- 心の中に生まれる感情
- 心の奥底にある闇
- 幻や幽霊のような要素
などを認めていくことが大変重要になります。仮想点ダークムーン・リリスは、あなたが地球に生まれ、生きていく中で抱えることとなった葛藤や行き場の無い絶望です。幽霊の月は、影のようにあなたの行く先々についてまわり認められることを待っています。
月の解説の締め括りとして、仮想点ダークムーン・リリスを持ってきた理由は、光と闇の対極性を知っていただいてからの方が、理解が進むと判断したからです。
心の宿主であるあなた自身が対極性を知ることで、幻や幽霊のような月の存在さえも気づくことができるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスの出し方
仮想点ダークムーン・リリスを出すには、下記のサイトで、オプションを選択する必要があります。一般的なホロスコープリーディングでは、あまり採用されない感受点ですが、自分自身を認めるために、知っておいて損はありません。
ホロスコープの作成方法
*仮想点ダークムーン・リリスの出し方のみの説明です*
- Astrodient.comで【出生データによる、さらなるチャート選択】をクリックする
- チャートタイプを【出生図】に指定する
- 生年月日・出生時間・出生場所を入力する
- ページ最下部の【その他のオブジェクト】をクリックし、
オプション選択を開く - 選択肢【他のホロスコープ感受点と「仮定」惑星のリスト】をクリックする
- オプション【Other hypothetical bodies:】の中の
【h58 Waldemath Black Moon】にチェックを入れる - 【クリックしてチャートを表示する】を押してホロスコープを作成する
Astrodienst.comは、最も使い勝手がいい占星術サイトです。その他のオプションを選択することで、小惑星や感受点、龍頭図のチャートの作成まですることができます。注意点としては、データ保存は4件までしかできないことです。
鑑定で使用する際には、登録をアップグレードすることをおススメしますが、個人のリーディングであれば、登録内容を編集するだけで事足りるかと思います。
葛藤と矛盾が幻を生み出す
心は宇宙空間のように、限界がありません。物質世界を生きる私たちにとって、心はまさに精神世界です。私たちが意識できる心の領域は、顕在意識が感知できる範囲という風に表現することができますが、感情は心の奥底にまで沈むことができます。
喜びや楽しさといった快の感情の質量は軽く、揮発するように存念を残しません。ですが苦しみや哀しみ、憎しみといった不快な感情の質量は重く、染みや痣のように残ることが多いものです。
先ほど快の感情は揮発する、と表現しましたが、明るさや軽さが消えてしまうということではありません。心の世界では、快の感情も不快な感情も保存されますが、私たちは暗さやネガティブさの方を記憶しやすい、というだけです。
そういう意味では、不快な感情は私たちの心にとって「重荷」や「足枷」になる場合が多いわけですが、更に厄介な状態があります。それが「葛藤」や「矛盾」という、答えを出せない、ハッキリとしない心の状態です。
これは対極にある2つのものの板挟みになり、かといってニュートラルに構えることができない最も深いな状態といえるでしょう。仮想点ダークムーン・リリスは、この板挟みの状態が凝縮され、逃げ場が無い不快さが固定されている状態です。
気晴らしや趣味、非日常を味わうことを「息抜き」という風に呼ぶこともできますが、「現実逃避」と言い換えることもできます。これはゲームや芸術、スポーツ、食、あらゆる事柄に当てはまるでしょう。
そこで私たちが物事の良い面と悪い面の両方を知っていて、どちらを選んでも犠牲やリスクがある場合、私たちは逃げ出したくなる心境になります。そういった場合にある選択肢は、取捨選択をするか、見て見ぬふりをするか責任転嫁をするか、など様々です。
仮想点ダークムーン・リリスの場合は、見て見ぬふりをしながら葛藤や矛盾を抱え続ける状態といえるでしょう。感情や心に当てはめるとすれば、痛みや傷、トラウマを抱え続けるということです。
地球に生まれ、現実を生き、人生を創造していく中で、ハッキリと答えを出せない、または、自分でも認識していないことは数えきれないほどあります。そういった場合、私たちは想像力を使って、心を保ったり、軽くするための方法を探ろうとするでしょう。
ただ心は移ろいやすく、理性や思考、知識がいつもいつも通用するとは限りません。心の表面にまで葛藤や矛盾がせり上がる時、私たちは妄想や空想、幻想に救いを求めてしまいます。
それはまるで、心の中で衝突事故が起こったように、我慢や忍耐が限界を迎え、自分が自分でなくなってしまうような状態です。仮想点ダークムーン・リリスは、普段は意識しなくても済んでいるけれど、心の中を漂っています。
葛藤や矛盾、どうしようもない絶望感や虚しさは、私たちを狂気的な振る舞いをさせるのです。仮想点ダークムーン・リリスは、誰の心の中にも存在し、太陽や月、そして地球とともに生きている限り生き続けます。
ですから仮想点ダークムーン・リリスは、救うべき心ではなくそっと認めるべき存在なのです。
霊的な月
月は心の象徴であるとともに、「幻想」の象徴です。幻想とは、心の中に生まれる気持ち(感情)ですが、更に言葉を付け加えるなら、「現実とはかけ離れた気持ち(感情)」といえるでしょう。確かに精神世界は物質世界を生み、私たちの現実を支えています。
ですが私たちは現実(人生)を生き切ることでしか、精神世界に還ることはできません。この「一方通行な旅路」を見守っている天体の代表例が月です。月は物質世界を見守りながら私たちを個人の心から無限の精神世界へ誘う「霊的な扉」といえるでしょう。
タロットカードでは、月は「精神世界(未知)への恐怖を受け入れる象徴」として描かれています。私たちの人生は、日々を生き、物質性を体験しながら、精神世界への恐怖を克服する物語といえるでしょう。
なぜなら私たちは月の世界より生まれ、太陽の輝きを獲得し、その輝きを他者や社会に還元した後に、肉体(物質性)を脱ぎ、再度闇の世界へと還っていくからです。
月は、私たちの魂を冥王星に橋渡しをする役割を持っています。不思議な表現になりますが、私たちは肉体をまとって生まれ、生きているだけで元々霊的な存在なのです。
霊的な存在が肉体をまとい物質性を色濃く体験していく中で、私たちの心の中に霊的な月が残ることになりました。それこそが仮想点ダークムーン・リリスであり、どっちつかずの心です。
どっちつかずの心は、ある意味、私たちを現実(物質性)から苦し、精神性と繋がるトリガーとなることがあります。そのキッカケが「神秘体験」や「宇宙体験」に導くこともあれば、精神的な異常を引き起こすことにもなるでしょう。
月が持つ魔力は、物質世界を生きる私たちが深みにハマると、大変危険な側面を持っています。それはシンプルに、地に足がつくことを止め、物質世界を生きることを放棄することは、百害あって一利なしということです。
月は心を象徴しますが、人生を生きるという使命から、私たちの意識を逸らしてしまうこともあるでしょう。何事もバランスが大切。ですから月(心)を大切にしようと思うならば、私たちは同じくらいに、現実を生きることを大切にしなければいけないのです。
仮想点ダークムーン・リリスが示すもの
仮想点ダークムーン・リリスは、「心の葛藤・矛盾」や「行き場の無い絶望・虚しさ」を示します。先ほどお伝えしたように、仮想点ダークムーン・リリスは認めるだけで、解消・改善、救済の対象ではありません。
仮想点ダークムーン・リリスは一般的に、凶暴性や攻撃性、破滅衝動として説明されることが多いようです。ただ仮想点ダークムーン・リリスは、その名の通り「仮想」と呼ばれているか、について考えると、より丁寧に心(月)を扱う必要があります。
ここで、改めてこれまで解説した月とリリスを見比べてみましょう。
- 天体としての月:幼少期に育った価値観、深層心理、日常的な感情
- 小惑星・リリス(リリト):純粋な性的エネルギー
- 感受点ブラックムーン・リリス:心の闇
- 仮想点ダークムーン・リリス:心の葛藤・矛盾
月は現実を生きる心で、最も身近な存在である一方、
- 小惑星・リリス(リリト)・・・火星と土星の間にある、理想的な心や目指すべき心
- 感受点ブラックムーン・リリス・・・最も精神世界に近い心
- 仮想点ダークムーン・リリス・・・物質性と精神性の狭間にある心
心の在り方に正解や良し悪しはありませんが、仮想点ダークムーン・リリスは、最も「生き辛さ」を表している月(心)といえます。仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、現実(物質世界)には、霊的・精神性の働きに意識を合わせることになるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスは、「半人半妖」や「キメラ」のような両面性として理解することができます。ただ私たちの意識は、物質性が優勢であるため、仮想点ダークムーン・リリスを認識することができません。
あらゆる要素は、それぞれの在り方や存在の仕方、働き、役目があります。ですから仮想点ダークムーン・リリスは、幻や幽霊のような存在として捉えることが自然といえるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスが持つ意味や象徴を、表現を変えて以下にまとめました。
- 仮想点ダークムーン・リリスは、地球と月の遠地点の中間点に見出された仮想の感受点である
- 仮想点ダークムーン・リリスは、1918年に占い師・セファリエルが取り上げた
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ゴーストムーンと呼ばれる仮想の感受点である
- 仮想点ダークムーン・リリスは、1つの星座に約10日間滞在し、119~171日サイクルで動くとされる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、影軌点・φ(ファイ)・空集合と呼ばれる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、雲に似た赤いダストのような存在であるとされる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、他の天体とのアスペクト(関わり)によってその影響が出る
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ホロスコープ上で【Walde】や【φ】で表示される
- 仮想点ダークムーン・リリスは、外部からの刺激に対して強烈な反応を見せる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と精神性の狭間に存在し、不可解な心の状態を表す
- 仮想点ダークムーン・リリスは、癒すことも解消する必要もなく、認めるべき心であり、自分自身に対する「赦し」を意味する
繰り返しになりますが、仮想点ダークムーン・リリスは、決して満たしたり、癒すために存在しているのではありません。逆に、現実を生きることを後押しする存在です。
仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、物質性をまといながら生きる私たちが、霊的な存在であることの裏付けと表現することができます。
目に見えないけれど、確実に影響を持つ存在に対して、疑いや興味、親和性や信頼の相対する意識を持つことは自然なことです。この世で最も不可解な存在は、もしかしたら私たち自身かもしれません。
鏡で自分の姿を見ることはできますが、他者の立場や目線で自分自身を確認することはできませんし、心という厄介で、尊い世界(宇宙空間)を与えられているのですから。
仮想点ダークムーン・リリスは、「限界」や「臨界」というような、「心の極限の状態」を表します。凶暴性や攻撃性、破滅衝動を発揮・表現しなければならない葛藤や絶望が、心に存在していることを仮想点ダークムーン・リリスは教えてくれているのです。
強さを主張し、支配力や影響力を振りかざすことは、決して誰のためにもならないように、心は服従させたり、コントロールすべきものではありません。
仮想点ダークムーン・リリスが象徴する葛藤や矛盾、どうしようもない絶望や虚しさは、ただ認め存在を許すことが重要です。肯定されること以上に、安らぎと励ましが与えられることはありません。
仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と精神性の狭間にある、形と行き場の無い心です。地球の傍で、また最も暗い闇の傍で、仮想点ダークムーン・リリスはあなたの現実を見守っています。
その眼差しに気づいてあげること、それだけで仮想点ダークムーン・リリスの存在は肯定されるのです。
仮想点ダークムーン・リリスの5つの要素
これまで長々と説明を続けてきましたが、仮想点ダークムーン・リリスを理解する上で、やるべきことはそれほど多くはありません。仮想点ダークムーン・リリスの重要性を知るための5つの要素を、以下にまとめました。
- 仮想点ダークムーン・リリスの星座
- 仮想点ダークムーン・リリスに近い惑星や小惑星
- 仮想点ダークムーン・リリスとアスペクトを取っている惑星や小惑星
- 仮想点ダークムーン・リリスのハウス
- 仮想点ダークムーン・リリスのサビアンシンボル
仮想点ダークムーン・リリスは、感受点の中で最も認識することが難しい感受点です。星座は傾向や特徴を、ハウスはテーマや環境を表し、サビアンシンボルは直観的なヒントや気づきを教えてくれます。
仮想点ダークムーン・リリスを深く知るために最も重要な要素は、他の惑星や小惑星とのアスペクトです。アスペクトについての解説は、ハウスの講座の後に解説予定ですので、楽しみにしておいてくださいね!
現段階では、仮想点ダークムーン・リリスが持つ心の葛藤や矛盾が、どういった傾向があるかを掴んでください。仮想点ダークムーン・リリスは、感受点ブラックムーン・リリスと同様に、満ち欠けすることがないため決まった傾向や反応、条件を伴って表れます。
月の世界は、物質的な束縛から解放された自由な世界です。仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と肉体性が混在する私たちの心に、「幽霊のような存在」として生まれました。今回の講座では、心を単なる感情の器ではなく、
- 宇宙空間
- 無限の空間
- 精神世界
などと表現しています。あらゆる惑星や小惑星のように、目を閉じても開いても、心は常に私たちとともに存在し続けるからです。ですから、あなたの心という宇宙空間には、仮想点ダークムーン・リリスも常に存在し続けています。
ハッキリとしない、目に見えない、それでも微かな触感を伝う違和感や不和、または発作的・衝動的に生まれる心の乱れが、仮想点ダークムーン・リリスの存在の証です。
宇宙を科学的(物理的)に掌握することができないように、私たちは、自分自身の心を掌握することはできないでしょう。ですが私たちが太陽の輝きを獲得するためには、闇や影をも受け入れる必要があります。
あなたがご自分の心を認めることは、精神世界を受け入れることと同じです。日常的に気がつけない仮想点ダークムーン・リリスの月を、どうかあなたの人生に迎え入れてあげてください。
そして仮想点ダークムーン・リリスは、あなたがこの世で生き、心を通して精神世界と繋がっていることの証でもあることを知ってください。心にはあらゆる感情が存在するとともに、様々な可能性や希望を宿す素晴らしい世界です。
ですから恐れも安らぎも、すべてが豊かさや幸せの一部であることを、少しずつ認めていってくださいね!
女性性が重要視される理由
女性性と男性性は、対立するものではなく、調和と統合のためにあります。ただこれら2つの要素は、質や働きが異なっているだけです。シンプルに表現するなら、
- 女性性・・・受け取ることや包み込むことであり受容性を表す
- 男性性・・・流れを創ることや動かすことであり主体性の象徴
身体的な性別は、男性性と女性性の表れではなく、物質的な役割であり、二元性・極性の表れ。性別に関わらず、私たちには心という器が与えられ、他者を通して男性性と女性性の調和と統合を実現する使命を与えられています。
- 男性性・・・「動」の働き
- 女性性・・・「静」の働き
ということは、女性性を認めたり発揮するということは、内面世界や精神世界を認めるということになります。肉体を持って現実を生きている以上、物質的な執着と豊かさを否定する必要はありません。
むしろ物質的な感覚を持ちながら、精神的な感覚を磨いていくことが、両性の調和と統合の実現になります。男性にとって受容性が、女性にとっては主体性が、大きな課題や試練となるかもしれません。
- 男性・・・太陽や火星の働きが強調される
- 女性・・・月や金星の働きが強調される
ですがこれまで何度もお伝えしてきたように、私たちは性別に関わらず全ての天体と星座の影響を与えられていますし、物質的な価値観ばかりを優先させるべきではありません。
心や魂には性別がありません。だからこそ私たちは、性的なエネルギーや働きを、他者から与えられ、他者に与えることによって、両性の調和と統合を学んでいきます。
女性性を解放することは、多様性や自由を尊重することです。「物質文明と精神文明が交互に繰り返される」という説があるように、現代を生きる私たちは、精神文明を体験するために、女性性を肯定する時に来ているのかもしれません。
それは心の表も裏も、そして曖昧な幻想も認め、現実に精神性という真理を見出すことといえるでしょう。その際に占星術を活用し、心と人生を認めていくことで、あなたはご自分の心に宿っている「女性性を認めていくこと」ができるはずです。
本性と意志
仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と精神性の狭間にあり具体性が曖昧な心を表します。私たちが内面と向き合い、自分自身に素直になろうとする時、これまで封じ込めて来た野性的な一面が炙り出てくるはずです。
一般的に「本性」や「闇」という言葉は、ネガティブな意味合いで用いられることが多いですが、本来的には「純粋性」を意味しています。私たちは誰もが生かされている存在で、私たち自身を含めて、目に映るすべてのものが「借りもの」です。
また私たちには先祖があり、肉体的にも精神的にも継承している要素を多く持っています。ですから私たちは自分だけの感情や心を見出すために、あらゆる体験をし、人生を生きているといえるでしょう。
私たちの本性は、暴力的・攻撃的・破滅的な側面だけではなく、形を持たない霊的な存在であるということです。形を持たないものに形を与える時、物質世界の制約・制限が与えられます。
そこで生まれるものが、「思い通りにならないこと」に対する心の葛藤であり、矛盾なのです。仮想点ダークムーン・リリスは、「私(あなた)」という存在が、現実で不自由さを味わうことに対する、耐えがたく、行き場の無さを表しています。
私たちの日常からすれば、仮想点ダークムーン・リリスは救いようのない哀しい存在かもしれません。だからこそ現実を生きるためには、そういった割り切ることができない自分自身の心を封じ込めようとするのでしょう。
達観した視点になりますが、哀しみや苦しみさえも、生きる糧です。仮想点ダークムーン・リリスは、幽霊のような月。
心(月)は、感情がグラデーションであり心は無限に広がる空間であり、そして二元性・対極性の世界は、葛藤や矛盾を受け入れてこそ、本性に繋がると伝えています。仮想点ダークムーン・リリスは、現実を生きる上で取捨選択をする手前の心の在り方でもあります。
- 何を選び、何を捨てるのか
- 何を望み、何を実現させるのか
意志は、物質化と実現化のための感情の集大成です。意志を貫くためには、葛藤や矛盾を抱えながらそれでも自らの選択と達成の過程(プロセス)を信頼し続ける強さが必要になります。
仮想点ダークムーン・リリスは、ある意味、この世に生まれた私たちにとって、純粋な反応といえるでしょう。誰もが優しくもなれますし、乱暴にもなり、思い通りにならないことを当たり前だとしながら、絶えず憤りを感じています。
ですから時に変えられない現実に対して嘆き、心を受け入れ切れずに、夢や理想は泡のように消えてしまうのかもしれません。感情は幽霊のように、何度も何度も心に表れ、その存在感を示します。その理由は、「認められるため」、その一点です。
認めることで失われることは何もありません。仮想点ダークムーン・リリスは、人間の闇やネガティブさを見せつけますが、それは心を押し殺していることに対する反動といえるでしょう。心や精神世界から見れば、この物質世界こそが「仮想世界」です。
霊的な資質を持ちながら、この物質世界を生きていること自体が、もしかしたら矛盾しているのかもしれませんね。仮想点ダークムーン・リリスは、現実(地球)と心(月)の双方を見渡す、最も心地良く、不安定な位置に存在しています。
あなたの本性は、誰とも違わず、純粋さに満ち溢れ、その純粋さには、攻撃的な一面もあれば、享保な一面もあって当然です。ですからあなたの心にどんな一面があろうと、それ自体は自然なことであり、現実を破壊するほどの影響はないことを覚えておいてください。
危険なことは、小さなキッカケや外からの影響で、自分自身の意志を放棄して行動を起こすことです。そのために必要なことは、日頃から、少しずつでもいいので、自分の心にあるあらゆる要素を認めていくこと。
その際に占星術は、あなたのあらゆる一面を知るために、大きな手助けとなってくれるでしょう。
最も危険な心
- 自己否定
- 自己破壊
- 無力感
- 無価値観
それは「思い通りにならない」という感情が濃くなり過ぎ、自分自身を保つことができない不安定な状態。心は水のように、いかようにも染まりますが、それと同時に自浄作用も備わっています。
ですから綺麗事や気休めに聞こえる「時間が解決する」という言葉は、決して嘘ではありません。私たちは、物理的(空間的)には3次元を生きていますが、時間が介入することで、実は4次元の世界を生きています。
時間が伴うことは、喪失や風化、寿命が与えられているということです。私たちは肉体をもって生きていますから、時間の影響は心にも表れます。外的な事柄や影響に対応することも、反射的に感情が生まれることも、空間と時間があるからです。
肉体は物質性の象徴であり、心は精神性の象徴ですから、ある意味、私たちこそが仮想点ダークムーン・リリスのような存在といえるでしょう。観測されることがなければ、私たちは誰かにとっての幽霊なのですから。
仮想点ダークムーン・リリスは、最も危うい状態が維持し続けられている心です。物質世界は制約・制限の世界ですから、こういった危うい心は排除されますが、天体の繋がり方によって、その危うさは漏れ出します。
心は決してコントロールしたり決めつけたり放棄することはできません。仮想点ダークムーン・リリスの存在は、意識の光を強めることで、影が大きくなることを見越しています。
なぜなら仮想点ダークムーン・リリスは、最も深い心(感受天ブラックムーン・リリス)と、物質と実現の世界である地球の狭間に存在しているからです。
そもそも仮想点ダークムーン・リリスは、「存在しながらも、存在していない」という心といえます。この状態は、「有るようで、無い」という「空」や「無」といった真理に通じるものがあります。
現実や物質性、制約・制限に心を囚われる時、私たちは凶暴性や衝動性を発揮するものです。ですから自分自身を認め、信頼し、愛することは、心(月)を肯定することになる、これだけは忘れないでください。
一時的に落ち込んだり、人生のドン底を味わっても、それでもあなたの身体と心は寿命を全うしようとしています。日常的な嫌なこと、長期的に続いている不快感やトラウマ、思い通りにならない現実。
それらすべては、決してあなたの存在を否定するためにあるわけではありません。私たちは自分の人生に責任と自由を持ちながら、それでも、自分を生きて何になるのかという気持ちと、幸せになりたいという相反する気持ちを持ちながら生きています。
いつかは肉体を離れることは確定していて、これまで幾人もの人を見送ってきた、それが現実であり、物質世界の理(ことわり)です。ですから生まれる感情や欲求、欲望は認めていくしかありません。
否定や拒否、排除をすればするほど、反作用・反動として、あなたの心には遺恨が生まれ続けるでしょう。この西洋占星術講座が、未来予測や吉兆占いではなく、「自分自身を認める(肯定する)」ことに主軸を置いている理由です。
それは、心を認めることこそが、この世にあるあらゆる矛盾や葛藤さえも受け止め、自分自身の人生を、意志(太陽の輝き)によってデザインしていくことに繋がります。
仮想点ダークムーン・リリスは、最も危うい心の状態も受け止めた上で肯定的な生き方・在り方を実現するために、心が見るひと時の夢のようなものかもしれません。地球と月の関係性・約束事は、誰もが葛藤や矛盾を克服するのではなく認めることにあるのです。
そして葛藤や矛盾さえも、自然の摂理であり、調和と一体である混沌の象徴です。ですから安心してご自分の心と向き合ってください。
【星座別】あなたの心の葛藤と矛盾のトリガーとは?
この西洋占星術講座では、仮想点ダークムーン・リリスを「心の葛藤・矛盾」・「行き場の無い絶望・虚しさ」と表現しています。仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、存在しているけれどその存在を認めていない心や現実を受け入れることです。
仮想点ダークムーン・リリスは、影でも闇でもなく、幽霊のような感受点だからこそ、割り切る必要はありません。自然発生的・発作的・衝動的に表れ、時間が経てば収まってしまう、それこそが仮想点ダークムーン・リリスの存在感といえます。
仮想点ダークムーン・リリスを読み解くポイントは、星座とその支配星、サビアンシンボル、そして他の感受点とのアスペクトです。その中で、バーテックスの星座とその支配星が、あなたの世界との約束を最も掴みやすい要素。
星座はホロスコープを外円で閉じる役割を持っていますので、大変重要な要素です。ホロスコープリーディングに慣れていくと、星座が与えてくれるメッセージに深みが増していきますので、是非引っかかる言葉を見つけてくださいね!
仮想点ダークムーン・リリス x 牡羊座
牡羊座の仮想点ダークムーン・リリスは、「自尊心」や「自信」に関して葛藤と矛盾を抱えています。牡羊座は生まれたばかりの心の状態です。動き回り、経験を積むことで、自分自身の存在意義を強化するのが牡羊座。
最初の火星座である牡羊座に仮想点ダークムーン・リリスが位置する時、心に生まれる感情を表現する事に対して戸惑いや迷いが伴います。牡羊座は火星を支配星に持ち、持ち前の行動力によって成果に辿り着こうと情熱を燃やす星座。
火が燃えているところに風が吹いたり、小雨が降り、火が思うように燃え上がらない状態が、牡羊座の仮想点ダークムーン・リリスといえるでしょう。
牡羊座が自分自身に求めることは、自身の行動により現実が変化することを体験すること。そこに躊躇や迷いが生じることで、火の要素は不活性となり、内面でモヤモヤとした感情が渦巻くことになります。
牡羊座の仮想点ダークムーン・リリスは、「思い通りに動けない現実」と「思い通りにしたい欲求」がぶつかることによって、心に幽霊を宿すのです。牡羊座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、自分自身の非力さや無力さを認めることに尽きます。
若々しさや純粋さは、強みにもなれば弱みにもなりますが、すべては解釈次第で、現状維持も変化も停滞も受け入れることができるものです。牡羊座の対向にある天秤座は、他者を意識しながら、自分の望みを探す星座。
牡羊座の心にある葛藤や矛盾は、自分1人では何もできない現実を受け入れようとしないことで生まれます。ですから内面に抱え続ける自信の無さや自尊心の欠如は、他者に対する素直さによって認めることができるでしょう。
牡羊座の仮想点ダークムーン・リリスのは、自力に可能性を感じ頑固になる一方で、他力を拒否し自己不信にならないように注意が必要です。
私たちは誰もが孤独な存在ですが、孤独な存在がこんなにも沢山居て繋がることができます。葛藤や矛盾を無くそうとするのではなく、在って当然であるという歴然とした態度を示すことで、あなたの情熱は活気を取り戻すでしょう。
仮想点ダークムーン・リリス x 牡牛座
牡牛座の仮想点ダークムーン・リリスは、「安心感」と「信頼」に対する葛藤と矛盾を抱えています。牡牛座は土星座で、物質的な豊かさを享受することで、「物質的な自分」を楽しむ星座です。
牡牛座はある意味、物質的な欲望や執着に目覚め、肉体と物質が成し遂げる成果を味わう純粋な星座といえます。
ですが時折、牡牛座の仮想点ダークムーン・リリスは、自分自身を通して得られるはずの安心感や満足感が得られない、という心持ちに違和感を感じるはずです。
いつもいつもではないけれど、物に囲まれたり、価値のある物、五感を満たしてくれるはずの様々な要素が、頼りなく感じる、そんな時に心には幽霊の気配を感じます。
牡牛座は金星を支配星に持ち、喜びがあるからこそ、哀しみや苦しみ、痛みを受け止める忍耐力を与えられている星座。
- 自分自身の感覚や感性が頼りにならない時
- 物質から得られるはずの喜びが感じられない時
などに牡牛座は虚無感に襲われるのです。牡牛座が自分自身に求めることは、日々の生活に満足感と安心感を見出すために、五感を使い物質世界を楽しむために動くこと。
そのために必要なことは時間がかかっても、他者とペースが合わなくても確実に成果を出そうとするのが牡牛座の長所です。
私たちは風邪を引いただけで、五感や判断力が鈍り身体的な機能も衰え、違和感と不快感に襲われ当たり前にできていたことができなくなります。
牡牛座の仮想点ダークムーン・リリスにとっての心の葛藤や矛盾は、そういった日頃使っていた感覚が無くなったり、物質が持つ豊かさを味わえなくさせるのです。
牡牛座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、「欲や執着は常に満たす必要が無いこと」を知り認めることになります。
牡牛座は最初の土星座であり、物を手放せない心を持っているため、「限る」ということを学ぶ必要があり、その学びによって葛藤と矛盾を受け入れることができるでしょう。
牡牛座の対向にある蠍座は、物質的な価値は認めつつ、使う・扱う者の心に意識を働かせる星座です。牡牛座は、物質に対する感覚によって物事を見ますが、「共有」や「親和性」といったことに抵抗があったり、無頓着であったりします。
ですが自分自身を世界の中心に置く習慣や意識を緩め、他者を引き入れることで、自分の感覚や価値観を絶対視する必要が無くなるでしょう。何より、この世にあるすべての物質は、決して誰のものでもありません。
牡牛座は「所有」と「所有欲」の星座だからこそ、物質的・肉体的な満足感や納得感、安心感、信頼感を失うことをキッカケに「限る」経験を大切にする必要があるのです。物を持つこと執着を持つこと豊かさを求めることは、何ら恥じることでもありません。
ただ私たちは二元性・極性の世界に生きていますから、求めるものと真逆の要素を知ることで、より今生かされている豊かさを大事にすることが大切なのです。
仮想点ダークムーン・リリス x 双子座
双子座の仮想点ダークムーン・リリスは、「言葉の力」と「他者への働きかけ」に対する葛藤と矛盾を抱えています。双子座は、言葉が「現実化のツール」であることを知っている星座で、知性によって行動を起こす星座です。
双子座は最初の風星座で、純粋に知的好奇心を満たしながら、自分自身に現実に変化を起こす力があることを楽しみます。また双子座の支配星は水星で、俊敏さとフットワークの軽さが特長。
ただ双子座に仮想点ダークムーン・リリスがあることで、言葉がもたらす変化に迷いや戸惑いを感じてしまうでしょう。そして他者との繋がりを構築する際に、内面に生まれる好奇心や興味関心に突き動かされることが、不安材料になることもあります。
双子座が自分自身に求めることは、主体的に動くことで喜びを生み出すことです。いくらアイディアや思い入れがあっても、行動に移すことが無ければ、成果という収穫を得ることはできません。
成果に向かって動くためには、勇気が必要となりますが、双子座は動くことに喜びを感じるため、勇気をさほど必要としない星座です。
ですが自身の言葉と主体性、他者への働きかけにストップをかける迷いや戸惑いがある時、足踏み状態に陥り、停滞感が続くことで、双子座の心には不満足という煙が立ち込めます。
その煙こそ、双子座の仮想点ダークムーン・リリスの幽霊であり、煙が消え去るまで行動を起こすことができなくなるのです。
双子座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、人生や成果への歩みは必ずしも一筋縄ではいかないという事実(現実)を認めることに尽きます。
個人的に獲得した知識、または正義は、他者にとっては不必要であることもありますから、言葉の遣い方や振る舞いを工夫する必要もあるでしょう。
双子座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、自分が良いと思うことと、他者・現実からのフィードバックが一致しない時に生まれる不快感や違和感です。
すべての星座に共通することは、「思い通りにいかない」という感情や、「どうしたらいいんだ」という心境であることは間違いありません。
心は個人的な世界であり、他者にも個人的な世界があります。双子座は言葉によって世界が成り立っているものの、自分の言葉と他者への働きかけが、望まれないものではないか、という疑問を持つ時に、幽霊に心を侵されてしまうでしょう。
双子座の対向にある射手座は、多くの挑戦をしながら見聞を広め、表面的な判断や納得ではなく、人々が共通して持つ普遍性を探る星座です。
真理は神秘的な世界にだけ存在しているわけではなく、日常の至るところに存在し、核心を掴もうとする姿勢が、双子座を葛藤や矛盾から解放してくれるでしょう。
言葉は単なる文字や形ではなく、精神性を具現化した結果であり、働きの象徴です。双子座の仮想点ダークムーン・リリスは、自分自身の創造力に自信を失くし、他者や世界に対する恐怖心に丸め込まれそうになる心の表れといえます。
ですがあなたの立ち振る舞いは、個人的な興味関心から始まったとしても、多くの発見や気づきをもたらす尊い在り方です。ですから内面に生まれる矛盾や葛藤を受け止め、それでも鳴り止まない好奇心を尊重してください。
あなたが現実に向かおうとする意志こそ、あなたの言葉と他者への働きかけに真実味と親しみをもたらすのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 蟹座
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスは、「優しさ」と「信頼」に対する葛藤と矛盾を抱えています。蟹座は最初の水星座で、自身の感情の扱いを学び他者にどのように感情を表現すべきかを学ぶ星座です。
また蟹座の支配星は月で、心の状態を保つことに神経を注がざるを得ない星回りにあり、自分自身だけでなく、他者の感情にも大変敏感になってしまいます。
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、自分が持っている信念が揺らぐことで、自身が表現する優しさや信頼、愛情が偽善的ではないかという疑いを生むでしょう。
この世には絶対的な正義や愛は存在しませんが、当人の意志が崩れ、心が乱れる時、そこには秩序や調和は存在することができません。
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスは、不確かな感情をただ受け止め続けることで、感情を処理し切れず自暴自棄になってしまう事態は避けるべきだと訴えています。
蟹座が自分自身に求めることは、自分自身と他者に寛容になり、甘さと厳しさの両方を両立させ、「与え合う関係性」を実現することです。蟹座は献身的になり過ぎたり、従属的になり、自分の価値や魅力を低く見積もるところがあります。
その理由は、自身と他者の心を乱したくない、という保守的で、且つ、不健全な動機があり、その大元に「拒絶されたくない」という恐怖心が隠れているからです。
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、自分自身に必要な選択や在り方が、他者の都合に沿わないことがあっても貫く勇気を持つことに尽きます。優しさや愛は、利用されるだけの道具ではなく、循環されるべきものです。
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスは、自分自身の心や愛への態度に迷いや疑いを持つことで、自己肯定と自己信頼が損なわれることを危惧しています。
蟹座の対向にある山羊座は、感情を野放しに、適切な判断や行動を取り、決して自分自身を害する在り方を続けることはしない星座です。
蟹座は決してひ弱な存在ではなく、理性と現実性を受け入れることで、寛容性や母性という莫大なエネルギーを発揮し、頼られる姿が、蟹座の真の姿。
蟹座の仮想点ダークムーン・リリスが表す葛藤や矛盾は、自分自身に対する評価であり心をいかに健全に活かすか、という物質性と精神性の衝突といえるでしょう。
あなたの心は、誰とも違わない素晴らしい宇宙空間です。あなた以外にあなたの心を認めることができる人は存在しません。蟹座は感情を尊び、愛しく扱うことができる素晴らしい力を与えられています。
ですからご自身の優しさや愛情、温もりを疑うことは決して誰のためにもならない、ということを忘れないでください。
仮想点ダークムーン・リリス x 獅子座
獅子座の仮想点ダークムーン・リリスは、「自己演出」と「自己実現」に対する葛藤と矛盾を抱えています。獅子座は第2段階目の火星座で、自身の言動が他者に影響を与えることを自覚している星座です。
また獅子座の支配星は太陽で、自分の意志に従う重要性を自覚させられるため、「自分像」を持つことで内なる太陽の輝きを発揮します。
獅子座の仮想点ダークムーン・リリスが示す心の葛藤や矛盾は、自分が生み出した自分像が、他者に望まれているのか、という大きな疑問です。そのため獅子座は、自己信頼と自己肯定が損なわれ、「見られる対象」の自分から逃げたくなります。
特に獅子座は、光や意志、希望の象徴としての太陽から、大きなエネルギーが注がれていますので、自己矛盾の影響力は非常に大きいといえるでしょう。
獅子座が自分自身に求めることは、「人生を楽しむこと」であり、人生を楽しむ主体は常に自分自身でなければいけません。
それに加え、自身が喜びを体現することが、そのまま他者への善い影響力になりますので、自己肯定と自己否定の狭間で生まれる矛盾や葛藤を受け入れることは容易ではないのです。
他者に希望や優しさ、愛情を与えるためには、まず自分自身の心に安らぎと自信がなくてはいけないのですから。獅子座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、「今の自分象が絶対ではない」という真理を認めることです。
去年の理想の自分像への躍進は、必ずしも今年の理想の自分像である必要はなく、人は常に変化していくもの。獅子座は、存在感や生き様から溢れ出るエネルギーによって、人を動かしもすれば、お手本にもなります。
ですから獅子座の仮想点ダークムーン・リリスは、自己矛盾を超えた自己肯定の境地を獲得することを強く訴えているのです。獅子座の対向にある水瓶座は、誰もが個性を発揮し、個々の意志や理想を尊重する博愛と平等を訴える星座。
獅子座はある意味、「自分に課す自分像」に固執し、他者の認識や要求を決めつけない、と自分自身に約束することで、心の葛藤と矛盾から解放されるでしょう。獅子座の心の幽霊は、今の自分を否定する時に生まれる虚しさです。
太陽の申し子である獅子座のあなたこそが、「肯定すること」の重要性をご自身で体験し、また他者に見せる必要があります。内なる安らぎと自信は、常に自己信頼と自己肯定によって生まれ、育まれ、そして他者への大きな助けとなる源泉です。
ですからあなたは、意志が揺らいでしまうような不安や恐怖、衝動的な危機に対峙しても、ご自分を否定することはしないでください。
あなたを否定する要素よりも、確実に肯定する要素が多く、またあなたを支持してくれる人々は、決してあなたが矛盾と葛藤に飲まれることは望みません。
どのような感情も、どのような心の在り方も、嵐のように時間が過ぎ去れば、雲は晴れ、必ず太陽を仰ぐことができるのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 乙女座
乙女座の仮想点ダークムーン・リリスは、「秩序」と「自律」に対する葛藤と矛盾を抱えています。乙女座は第2段階目の土星座で、地に足をつけ、社会の一員として活躍し物事を滞りなく運ぶことのエネルギーを費やす星座です。
また乙女座の支配星は水星で、情報や意思決定に関して、冷静さと知性をもって問題解決能力が与えられています。乙女座の仮想点ダークムーン・リリスが示す葛藤と矛盾は、「自分の行い」に関する疑いや不服さです。
- 現実主義
- 完璧主義
- 潔癖
- 戒律
- ルール
- 義務
- 繊細さ など
乙女座は土星座であるとともに、女性星座で、他者や社会と繋がりながらも、意識は常に内側に向き自分を戒めようとする意識が強い星座です。
乙女座の仮想点ダークムーン・リリスは、自分の能力を発揮するために作った(マイ)ルールや環境が、自分の首を締めることになる危うさを暗示しています。
先ほど乙女座が完璧主義で、戒律やルールを守る、繊細さを持っていると表現したように、心の葛藤や矛盾は、オーバーワークの蓄積によって育つのです。
乙女座が自分自身に求めることは、「自分なりの秩序」を守ることにエネルギーを使い、その秩序の中で動き、働くことで生きる実感を感じること。
ですから自分自身に課すあらゆる決め事を否定し、他者と同じように生きることはかえって乙女座の強みや能力を奪うことになるでしょう。
だからこそ、乙女座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、自分自身が「良かれ」と思っていることによって生まれ、乙女座自身の心を揺り動かすのです。
乙女座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、自分自身に対する「客観的な評価」を認めることに尽きます。誰かがあなたの実績や日々の行いを褒め、時には力を緩めるように助言しても、あなたは腑に落ちないのではないでしょうか?
それはあなたが普段のご自分を過少評価し、理想の自分像を過大評価していることが原因です。また他者との間に濃い溝や境界線を敷き、ある種、自分を他者と切り離すことで、あなたは特殊な時間と空間を自ら作り出しています。
積極的に自分像を乖離させたり、他者と距離を持つことは、あなたを追い詰める原因を増やすことになりかねません。ですからどうか、ご自分に必要以上のプレッシャーをかけ、全てにおいて完璧であろうとしないでください。
乙女座の対向にある魚座は、実利や損得勘定から最もかけ離れた星座で、「自分1人で」頑張ることを望まない星座です。
乙女座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤と矛盾は、自分と他者を切り離さすことなく、また自ら孤独と重荷を背負い込むことが、自己破滅的な生き方であると伝えています。
あなたの努力と献身的な姿勢は、あなたが思っている以上に評価され信頼を得ていることを知ってください。そして思い詰め、自分を追い込む姿は、献身や奉仕の精神とは逆に、不安定な心を広げることになります。
ですからあなたは、他者に与えることだけに執着せず、他者と与え合う関係性と喜び、そしてご自分を慈しみ、労わることを楽しんでください。
あなたの心が満たされるほどに、仮想点ダークムーン・リリスの矛盾や葛藤は鳴りを潜め、あなたが望む秩序が長く続いていくのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 天秤座
天秤座の仮想点ダークムーン・リリスは、「社会性」と「客観性」に対する葛藤と矛盾を抱えています。天秤座は第2段階目の風星座で、理性(思考)と感性(感情)のバランスを保ち、他者との繋がりを重視する星座です。
天秤座の支配星は金星で、喜びや愛情を共有するために、天秤座は社会性と客観性を受け入れ、表面上・契約上の、いわゆる「条件付きの関係性」の中で成果を出します。条件付きだからといって、偽善的であったり、必要悪であるということではありません。
12星座の物語でいえば、7番目の星座である天秤座は、意識が他者との交わりに移行し社会での自己実現を体験する段階です。また7という数字は、孤独の象徴であり、ある意味、転換点を意味しています。
天秤座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、他者や社会を尊重するがゆえに自己犠牲や自己否定にまで心が追い詰められている状態です。
天秤座を表す言葉として「八方美人」や「偽善的」といった言葉が並びますが、それこそ表面的な評価といえるでしょう。
天秤座の役割・立ち位置は、「仲介役」や「橋渡し」ですから、ニュースキャスターや裁判官のように私情を挟むことを控える意識が無意識に働きます。
天秤座が自分自身に求めることは、他者や社会のため、結果的に自分自身のために、「パイプ役」や「通訳」となり、契約や繋がりを実現することです。他者と対等であろうとし、またその実感が天秤座を奮い立たせもすれば、自信を与えます。
天秤座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、「主体性は社会性の中に含まれる」という在り方を認め、自信を持つことです。自己主張が激しく、延々とまとまりのない話をする人もいれば、寡黙ながらも、求められればシンプルに、短く主張をする人もいます。
天秤座の場合は、多くの意見や感情を受け取り、遠慮や配慮をすることで、自分自身が正しいとは思えなくなることで、自分の意志や心を曖昧にしてしまうのでしょう。
ただそれは弱点に思えますが、結果的には、余分な要素が削ぎ落され、洗練された個性の発言に繋がります。物事には順序がありますが、それは決して誰もが同じタイミングで、自己主張や自己表現、自己実現ができる、ということではありません。
ですからあなたは、ご自分の感性や意思決定を否定する必要がないどころか、他者のために頭を働かせ落ち着いた心で人前に出ていることを誇りに思うべきです。
天秤座の対向にある牡羊座は、内面に生まれるアイディアや情熱に結果(形)を与えようと、素直に行動に移します。
天秤座は社会性や客観性、自意識の超えた範囲・規模の意識に焦点を合わせ、他者との協調関係によって結果を出しますから、根本的には同じ方向性で生きているのです。
だからこそあなたは、ご自身の中にある「美徳」が、自己中心的ではなく自他中心という難しくも素晴らしい発想に向いていることを認めてください。
あなたの美徳は、決して独り占めするための正義感ではなく、大きく、広く喜びを分かち合うための懐の深い器から生まれるのですから。
天秤座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、あなたの心が自分のものではないと感じ自暴自棄にならないように訴えています。どうかご自分の美徳と振る舞いに誇りを持ってください。
そして他者に優しくあろうとするように、ご自分の心を、自愛で満たしてください。あなたの心が自愛で満ちていれば、社会性や客観性への貢献は、あなたの意志が十分に報われる全体性の実現に繋がるのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 蠍座
蠍座の仮想点ダークムーン・リリスは、「価値観」と「執着(欲望)」に対する葛藤と矛盾を抱えています。蠍座は第2段階目の水星座で、自分と他者の感情に敏感で、密接な関わりの中で生まれる「一体」や「融合」の意識の実現にエネルギーを注ぐ星座です。
また蠍座の支配星は冥王星で、激しい感情の増幅と昇華による「変容」を自身で体験し、その影響を他者にも与えるという、大きな役目を与えられています。
蠍座は「強く望むこと」がキーワードとして挙げられ、「執着」や「欲望」という表現に発展しやすい星座です。その理由は、私たちは心の奥底の先にある、潜在意識で繋がる精神世界を、蠍座は核心しているからに他なりません。
蠍座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、本来は「繋がっているはず」という真理が、物質世界では分離している現実によって生まれます。
この講座で、仮想点ダークムーン・リリスを「行き場の無い絶望や虚しさ」と表現した理由は、この分離意識が大きな理由です。冥王星が黄泉の世界を象徴し、蠍座に心の成熟と他者との融合を促す先には、分離の無い精神世界があります。
それゆえに蠍座は、物質世界で、特定・特別の他者との間で強い絆を築くことにより、統合の意識を体験するために、言葉通り、身を粉にするのです。
蠍座が自分自身に求めることは、自分が望む「統合の意識」の実現のために、他者に理解され、受け入れられるために、自分自身が他者を深く理解し、受け入れることに尽きます。
蠍座は強靭な精神力を持ち、審美眼を与えられているため、簡単に白旗を上げることはありません。蠍座の仮想点ダークムーン・リリスは、「同じ目的」を成就することが、独り善がりであった時、心が崩壊する恐れがあると伝えています。
だからこそ蠍座が固執する価値観や執着が、自分と他者を破滅に導いてしまっては、蠍座本来の能力と才能が発揮されないことになるのです。
蠍座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、「他者は思い通りにならない」という現実を受け止めることに他なりません。思い通りにならなくても、他者はその人のやり方で、あなたを理解し、受け入れ、愛そうとしてくれます。
蠍座は他者との関わりを重要視しながらも、支配欲によって他者に不自由さを与え、共依存の関係を築くことを自覚しているはずです。
だからこそ蠍座の仮想点ダークムーン・リリスは、思い通りにならない自分自身と相手の心が衝突することを危惧し、自身の価値観と執着を絶対視することに警鐘を鳴らしています。
蠍座の対向にある牡牛座は、ある意味、「去る者は追わず来る者は拒まず」という精神の持ち主で、自分本位ではあるものの、他者を支配しようとはしない平和主義者です。
蠍座は、心のどこかで、「物質世界で完全な統合・融合を実現する必要はない」と思っているでしょう。物質世界は、誕生・変化 / 成長・終焉という過程(プロセス)で物事は進みます。
精神世界はすべてが「今、この瞬間」に集約されていますから、蠍座の純粋な願いは物質性を伴っては実現されないのです。
ですが蠍座の、自分を最も尊い存在として愛するように他者を愛し、他者からも望まれたい、という悲願は、大変純粋で儚く、決して弾劾・否定されるべきではありません。ただ他者を受け入れるということは、現実(物質性)を受け入れるということです。
何事も「過ぎること」によって、バランスが崩れ、理想そのものが失われてしまいます。ですからあなたは、ご自分にも他者に対しても、奇跡的で破滅的な悲願を求め過ぎないでください。
あなたが本当に望む愛や絆、繋がりは、自由な意志の創造によって生まれます。どうか愛の実現を願うなら、ご自分も他者も自由を与えてください。この物質世界は、十分制約・制限により、分離を体験しているのですから。
*「リリス」という名を関する感受点や仮想点は、よく「蠍座的」である、と表現されることがあります。その理由は、蠍座が持つ「愛への執着と葛藤」や「分離意識に対する抗い」が、心の暗い部分や闇に通じるものがあるからです。
ただ蠍座だけが「リリスなるもの」を内包しているわけではありませんが、蠍座の項目だけはより詳しく解説させていただきました。*
仮想点ダークムーン・リリス x 射手座
射手座の仮想点ダークムーン・リリスは、「可能性」と「理想」に対する葛藤と矛盾を抱えています。射手座は最終段階の火星座で、自分と他者(世界)に希望を見出す肯定的な星座です。
また射手座の支配星は、幸運の星と呼ばれる木星で、楽観性と拡張の働きによって、射手座の成長と躍進をサポートします。
射手座本来の特質は、自分自身を含めた物事を肯定的に捉えることで、射手座ほど「前向き」という言葉が似合う星座は無いといえるでしょう。
射手座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、肯定的な在り方・生き方が覆るほどの、悲劇や挫折、自分自身や他者に対する不信によって生まれます。
物質世界であれ精神世界であれ、物事には終わりや絶対的な答えはありません。射手座は真理探究に意識を向ける星座であるため、自分自身や世界を悲観視することは、魂が抜かれるようなものです。
射手座が自分自身に求めることは、発見や挑戦を積み重ねることで、自分自身を成長させ、真理に少しでも近づき、その体験を他者に分け与えることです。
ですが射手座の仮想点ダークムーン・リリスは、精神世界の真理と現実(物質世界)の乖離を体験することによって、可能性や肯定的な在り方が喪失する恐れを示しています。
心は移ろいやすいものですが、階段を踏み外すよりも、踊り場から転げ落ちる方がダメージが大きいように、肯定的な心の在り方が悲観的に心に覆ると大変危険です。射手座は健全な心身を備え、行動的であり知性的でもありますが、
- 「最悪の事態」を想定する
- 日陰や闇の状況にある心を知らない
などという弱点があります。それゆえに、自身の価値観が急激に変わる、強烈な感情を体験することで、射手座の心には暗雲が立ち込め、幽霊の月が現れるでしょう。
射手座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、「真の肯定」は、闇や痛みを知り日常的な事柄の中に真理が宿っていることを認めることです。
真理探究やスピリチュアリティは、決して特別な者だけが出遭うものではありませんし、現実を逃避する者には見出せない普遍性といえます。
ですから射手座の心は、遠くや神秘に答えを求めることで、精神性と物質性の乖離や、理想と現実、希望と絶望のギャップによって、葛藤や矛盾が生まれてしまうのです。
射手座の対向にある双子座は、言葉というありきたり(当たり前)でありながら、日常と現実を成立させる身近な真理に触れる星座です。射手座が遠視だとすれば、双子座は近視という風に表現できますし、お互いに真理の捉え方は対極にあります。
射手座の仮想点ダークムーン・リリスは、希望と絶望、可能性と不可逆性を認めることで、単細胞的な発想では真理探究は立ち行かないことを訴えているのです。あなたは決して自己保身と自己満足のために、可能性や理想を実現しようとはしていません。
世界のあらゆるところに、あなたの情熱を駆り立て、可能性を感じさせる物事が溢れています。だからこそ物事の両面性を受け入れ、あなた自身が光と闇を統合する意識を持つことで、真理探究と現実創造を両立することが大切です。
射手座の仮想点ダークムーン・リリスが示す葛藤や矛盾は、あなたが成し遂げようとする理想と自由とともに存在し、あなたを足止めもしますが、同時に後押しもします。ですから可能性や理想、現実を肯定することを諦めないでください。
あなたが掴もうとする真理は、幽霊や分離を含んだ、大きな全体性であり、宇宙意識です。時には立ち止まり、ご自身の可能性を再確認することも必要ですが、心に存在するあらゆる感情を認め、また他者との感情的な交流を止めないでください。
あなたの肯定的で楽観的な生き様は、真理に対するリスペクトです。どうかあなたの心に灯る情熱を、遠くを探検するための松明だけではなく、足元を照らし、日常を丁寧に生きる希望の光として活かしてください。
その希望の光は、必ず、他者が心の葛藤や矛盾を受け入れる助けになり、あなた自身も立ち止まることさえも成長であると認められるのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 山羊座
山羊座の仮想点ダークムーン・リリスは、「責任」と「社会生活」に対する葛藤と矛盾を抱えています。山羊座は最終段階の土星座で、いわば、物質性の完成と維持を司る星座です。
また山羊座の支配星は土星で、物質的な豊かさを循環させる強制力を持ち、現実主義・成果主義、そして共通の価値観(常識)を広め、歴史や伝統を大事にする意識を強めます。
山羊座は「支配者」や「監督者」の側面を持ち、現実で豊かさを享受するためには、責任を全うし、その見返り・報酬として幾らかの自由と信用を得ることを重要視する星座。
山羊座の「地に骨をうずめる」ような固い意志は、常識や体裁という「必要悪」に対して、心を守るために生まれます。
山羊座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、物質性を極めようとする意識を強めれば強めるほどに、心の自由や豊穣さが失われる実感によって生まれるのです。
これはあらゆる星座に共通する「乖離」や「ギャップ」といえますが、山羊座は最も物質的な価値を重視し、原因と結果、そして過程(プロセス)のすべてにおいて厳しい星座。
それゆえに、目的と手段が入れ替わっている現実を自覚しながらも、心を守るために感情を押し殺すという矛盾した選択せざるを得ない現実があります。
山羊座が自分自身に求めることは、感情的な交流や精神的な繋がりのために、堅実的で安定的に責任を果たした暁には、その成果を必ず回収することです。
山羊座は物質性の極地に立っていますから、感情や心という精神性は、「橋の向こう側」という印象になるでしょう。
ですから山羊座は、感情をコントロールしようとし、非論理的な要素を持て余せるだけの余裕を持とうとし、その振る舞いが高圧的であったり、頑固さに表れます。
山羊座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、感情は計画や論理では片づけられないことを認め、自分自身に素直になる時間と、心を開く相手に対して素直になることです。
山羊座は社会的な成功と信用を得るために、あらゆる努力と工夫をする誠実さと厳しさを発揮します。山羊座が持つ愛情や温もりは、時間をかけることで実感できるものですから、「人は見かけによらない」という言葉が最も似合う星座といえるでしょう。
山羊座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、「伝えたい本当の心」を遠回しにまた時間をかけて伝える不器用さが、他者と距離や壁を作ることを示しています。
「自分の機嫌は自分で取るべき」という言葉がありますが、同時に、「自分の心の内は他者に伝えるべき」であることもまた事実です。山羊座の対向にある蟹座は、共感性と寛容性を発揮し、まずは自身の心を開くことで、他者の感情を引き出し、心の交流を進めます。
山羊座は社会・論理、蟹座は家庭・感情というように、対極にあるからこそ、互いに最も必要な要素を見せ合っている、調和と混沌の相性です。
山羊座の仮想点ダークムーン・リリスは、社会性を発展させるためには、心と感情を認め他者との精神的な繋がりを持つことが重要であると伝えています。
あなたが果たし続ける責任と、社会への貢献は、社会の繁栄と個人の社会生活を成立させる尊い働きです。だからこそあなたの働きがより循環するために、感情を解放し物質的な豊かさと自由を味わうために心を開いてください。
まずはご自分に対して素直になり、少しずつ素直になる他者を増やしていくことで、あなたが果たし続けている責任は、何倍にもなって自由という成果を生むでしょう。
責任や成果だけでなく、心の自由と精神的な幸せを掴んでこそ、あなたはご自分の人生の支配者(主人公)になれるのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 水瓶座
水瓶座の仮想点ダークムーン・リリスは、「独創性(個性)」と「多様性」に対する葛藤と矛盾を抱えています。
水瓶座は最終段階の風星座で、物質主義から距離を置き現実的に理想や自由を実現するために、独創的な発想と行動を起こすことができる革命的な星座です。
また水瓶座の支配星は、トランスサタニアンである天王星で、常識や固定概念を覆し、現状維持を打破する働きをもたらします。水瓶座は、山羊座までに完成した物質主義の世界と、心の在り方に違和感と対抗心を持つことになりました。
それによって水瓶座の意志は、独創性や個性が尊重される社会を理想としているのです。水瓶座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、物質主義に縛られ、飼い慣らされた意識が強い世界で、独創性や個性が尊重されはしない、という絶望として表れます。
乖離やギャップに開きがあるほどに、私たちは声を上げることを躊躇うことになるため、水瓶座の行き場の無い絶望・虚しさは、理想と自由を夢物語にしてしまうでしょう。
水瓶座が自分自身に求めることは、誰も支配せずまた誰にも支配されることなく、自立し合う者同士で繋がるために自分の主義主張を素直に表現することです。
絶対的な力や社会の仕組みを前にして、「壁やハードルが高いほど、乗り越え甲斐がある」とは、簡単に口に出すことはできません。ですが社会や組織といった大きな集団は、個人が集まってできるため、実体が有るようで無いに等しいといえるでしょう。
そのため水瓶座は、個人1人ひとりが個性を発揮するという意志を持つことで、小さな変化を積み重ねることで時代の流れとともに、常識や固定概念から脱却できると考えます。
水瓶座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、多様性や公平性を望むからには他者や社会からの圧力に屈しないと、自分自身に約束することです。
自分自身との約束を果たし続けることは、挑戦し続けることと同じで、その姿勢を変えず、自身の独創性を追求し続けることこそが、水瓶座的な生き方といえるでしょう。
水瓶座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、「負け戦」や「八百長」といった意識に飲まれることで可能性を見失うことが最も危険であると伝えています。
水瓶座の対向にある獅子座は、ある意味、他者の都合や要望、押しつけがましい助言を跳ね除ける意思の力を見せる星座です。
水瓶座は、孤独と協調の切り替えをこなすことはしますが、模範やお手本とみなされることを嫌い、無駄に脚光を浴びることを避ける傾向があります。
その理由は、「すべての人に好かれる必要は無い」という淡泊な動機ですが、この心情こそ、個性や多様性を尊重する水瓶座らしさです。
ただ獅子座の生き様に見られる、説得力や影響力は、他者に評価されることを受け入れることで、水瓶座の心の器は、一回りも二回りも大きくなるでしょう。
水瓶座の仮想点ダークムーン・リリスは、純粋に個性が尊重される世界を望むからには、反りの合わない他者の声や心にも耳を澄ませることが大切だと伝えています。
「余計なことに時間や労力を割かない」という配分は、人それぞれではありますが、あまりに排他的であることで、芽吹く前の種(可能性)まで刈り取ってしまいかねません。
ですからあなたが公平性や多様性を望むなら、時間をかけること、自身の意志や理想に気づくまで、温かく見守る余裕を大切にしてください。
あなたが自分自身に素直であり続けること、また、未だ実現していない理想や自由に向かおうとする純粋さが、人の心の集合体である世界に、優しさと希望をもたらします。あなたの心には、物質性に対する強い不信感と反抗心があるかもしれません。
またそのわだかまりが、心の中で幽霊を作り出し、未来という可能性に目を伏せてしまうことにもなります。ですから決して、あなたの心に息づいている理想と自由、個性と独創性の肯定、多様性の認められる可能性を諦めないでください。
今を信じることができる人は、「今、この瞬間」を生き、未来という可能性を主体的に創造する意志を持っているのですから。
仮想点ダークムーン・リリス x 魚座
魚座の仮想点ダークムーン・リリスは、「時間と空間」と「形や器」に対する葛藤と矛盾を抱えています。魚座は12星座の最後の星座で、水星座の最終星座であり、感情の体験こそが物質世界での貴重な財産であることを知っている星座です。
また魚座の支配星は、トランスサタニアンである海王星で、物質世界(現実)の制約・制限から、私たちの意識を解き放つ働きを持っています。魚座の心は、仮想点ダークムーン・リリスのように、物質性と精神性の狭間、窮屈さと曖昧さが混在する世界です。
精神世界を理解するためには、あらゆる概念や観念を外し、あらゆる可能性と変化を受け入れる必要があります。言い換えるなら、自分自身にも他人に対しても、一切の欲や恐怖心を持たない「空」や「無」の境地です。
ですが私たちはいくら修行しようと、物質的な存在であることは否定することはできません。そのため魚座は、移ろいやすい心に、更に不確実的な曖昧さを宿しているため、精神世界に通じやすい星座なのです。
魚座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、物質世界の制約・制限に対する不快感と喪失感を表します。不思議なことに、私たちは「枠組み」や「決まり事」が無いと、逆に不安定になる生き物です。
私たちは簡単に「自由」や「精神世界」に憧れてしまいますが、それは物質性に対する不自由さと有り難さが混在するからこそ起こる、不可解な感情といえます。
魚座は人間が持つ心の自由さと不可解さを内包し、寿命を迎えるまで納得して物質世界を体験することを認める星座です。なぜなら私たちは散々、自分の肉体からも、この物質世界のあらゆる制約・制限から逃れることができないと悟っているからに他なりません。
少し表現を変えると、精神世界(生まれる前の世界)に還るためには、この現実を認めて生き抜くしか方法が無いということになります。
魚座が自分自身に求めることは、物質世界という仮想現実や個人の人生に精神世界のエッセンスを降ろし、ひと時の非日常を味わい、他者と共有することです。
「現実逃避」や「変性状態」は、白い目で見られることが多いのですが、これまでの講座で何度もお伝えしてきたように、それは単なる偏見でしかありません。
魚座を代表とする感応や共感の素質を持つ人々は、精神世界からの導きやメッセージを受け取る心(器)を持っています。
先天的に授かっている人もいれば、後天的に最善のタイミングで精神性が開花する人もいますが、どのような人生も個性もすべてが特別であり、普遍的です。
魚座は最も精神世界に親和性の高い星座ですが、それゆえに、魚座は地に足がつかないと揶揄(やゆ)されることが多いので、心が痛みます。
魚座の仮想点ダークムーン・リリスに必要な肯定は、現実(物質性)や日常に、精神世界からの気づきやメッセージを「広め続ける自分」を受け入れることです。
「普通」や「特別」という言葉こそ人の意識や心、判断基準が不確実で、不安定である証拠といえます。ですから魚座は、自分自身が感じることを素直に受け入れ、何の脚色もせずアウトプット(表現)し続けることが大切なのです。
魚座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、他者にどう思われるか、という自分自身の視点や意識、感覚こそが、迷いや戸惑い、自己否定の元凶であると伝えています。
あなたとすべて同じホロスコープを持つ人が存在しないように、あなたはあなた自身を認めるだけでいいのです。自分自身を認めることができて初めて、他者を認める準備(器)ができるのですから。
魚座の対向にある乙女座は、実務やルールによって、自身と現実(物質性)を繋ぎ止め、意識や心が散漫しないように努める星座です。
魚座は逆に、地から足を離しても、浮遊などしないことを知っているため、余計に地から足を浮かせようと、精神世界に繋がるために、あれやこれやと多くを試します。
その試み自体が地に足がつかないと言われる由縁ですが、大切なことは「現実を生きることが答えである」ということを自覚しているかどうかです。
魚座の仮想点ダークムーン・リリスは、現実を否定してまで、精神世界に憧れを抱くことは、自己否定であり、精神世界への侮辱であると伝えています。
私たちがこの世に生まれて来た理由があっても無くても、私たちには理解することができないものであったとしても、今、この瞬間に生きていること自体が真実です。
物質世界が仮想現実であろうと、ゲームの世界であろうと、あなたがあなたを認識しているという事実は、夢物語ではなく、真実に他なりません。
魚座の仮想点ダークムーン・リリスの葛藤や矛盾は、魚座だけの心に現れる幽霊ではなく、人類全体の意識にある逃げ場の無い生き抜くことを望まれているからこそ生まれます。
あなたの感受性や共感性は、物質世界に彩りをもたらし、ある種、「神秘性」や「永遠性」を感じさせる天からの贈り物です。ですから決して、あなたに与えられる直感や気づきを否定しないでください。
あなたの存在から醸し出される曖昧さや不明瞭さは、実は精神世界の気配を断片的に表しているのですから。そんな稀有なギフトを与えられているご自身を労り、褒め、認め、そして愛してください。
あなたがご自分を自愛で満たせば満たすほどに、精神世界からのメッセージは受け取りやすくなります。そうしてあなたを通して、多くの人は精神世界からのメッセージを受け取ることができる、そんな素晴らしい心の繋がりが、あなたを待っているのです。
【まとめ】心の葛藤と矛盾によって深まる月の理解
今回は感受点の第10弾として、仮想点ダークムーン・リリスについて解説させていただきました。仮想点ダークムーン・リリスは、感受点の中で最も不可解で、掴みにくい感受点ではなかったでしょうか?
心は、私たちの人生の最大の学びであり、あらゆる感情を受け止める宇宙空間です。また月は、心の物質的な象徴として存在し、月は複数の役割を分けました。
それがこれまで解説しました、
- 白き月、小惑星・リリス(リリト)
- 黒き月(感受点ブラックムーン・リリス)
- 仮想点ダークムーン・リリス
心を知り、感情を認めていくことは、自分事であり、一生ものの課題。月の世界から生まれた私たちは、物理的な豊かさや喜び、貧しさや哀しみを体験し、感情によって精神世界に貢献しています。
感情は無駄に生まれるわけではなく、この世に無限に存在する生命のように、必ず役目や役割、存在意義を宿していることを忘れてはいけません。ですから感情を見て見ぬ振りしたり、放棄したり、すぐに手放そうとすることは得策とは言えないのです。
表面的に月にアプローチすることは、心という精神世界の奥深さを軽んじることになります。それは天に唾を吐くような行為とも言えるかもしれません。ただそのような時期があってこそ、私たちは心を大切にすることができます。
一時的に月の魔力や凶暴性に引き込まれたり、月の闇や葛藤、矛盾に飲み込まれることもあるでしょう。ですが私たちは常に「今、この瞬間」という現実に舞い戻り、太陽の輝きをもたらすべく、現実に向き合い続けなければなりません。
それは言い換えれば、自分自身の心と対峙し続ける、ということです。あなたには占星術・ホロスコープという、大変頼りになる味方がいます。
なぜなら占星術・ホロスコープは、あなたという小宇宙、心という精神世界を詳細と奥深さを教えてくれ、人生を肯定する手助けをしてくれるからです。
納得や手応えを感じるまでに、是非時間をかけてください。また心の中に立つ、小さな波紋に意識を傾けてください。あなたはご自分を認め、人生を肯定し、成長という過程(プロセス)を信頼することで、心に揺るぎない安らぎと自信を生み出すことができます。
あなたは常に地球の上に生きているように、ホロスコープの中央には地球が位置していますから、現実という舞台で、主人公としての役割を果たし続けてください。
主人公として最も大切なことは、自分の心に素直であることです。心に素直であることは、仮想点ダークムーン・リリスが示す、葛藤や矛盾、絶望や虚しささえも肯定する力強さ(生命力)の発揮に繋がっていくのですから。
仮想点ダークムーン・リリスを含め、月の役割は大変奥深く、生涯をかけて私たちの心の成長を見守ってくれています。それだけ心というものが、自由で、私たちの個性が投影される器で、大切に扱い、時間をかけて知る必要があるということですね。
これからも引き続き、ホロスコープを深読みしながら、現実を生きるあなたを認めていってくださいね!それでは、今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。次の感受点別「アラビックパーツ」でお会いしましょう!
コメント